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みよし野の山の秋風さ夜ふけてふるさと寒くころもうつなり
参議雅経
百人一首の歌。 「吉野の山の秋風にのり、夜が更けて聞こえてくるのは、古い都に衣を打つ砧の寒々とした音なのです。」
吉野
この歌は「擣衣(とうい)=衣を打つ」の題詠です。奈良に都があった昔、離宮があって栄えた吉野の地も、今は里の家で庶民が砧を打つ音だけが寂しく聞こえるという叙情です。
本歌は古今和歌集の「み吉野の山の白雪つもるらしふるさと寒くなりまさるなり(坂上是則)」。同じ旧都への思いが歌われますが、雅経は冬の寂しさを晩秋のもの悲しさに変えて詠みます。
砧の音には、李白の有名な(遠征に伴われていった夫の無事な帰りを待ちわびながら砧を打つ妻の心を歌った)歌が、背景になっています。
ちなみに百人一首に採られた坂上是則の歌は
朝ぼらけ有明の月と見るまでに吉野の里に降れる白雪
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