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February 21, 2026
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カテゴリ: ミステリー三昧


 金田一耕助は、日本ミステリーの中で一、二を争う知名度を持つ探偵です。孫の金田一少年も「じっちゃんの名にかけて」活躍中? なくらいで…。

 『白と黒』も「もじゃもじゃ頭で、おカマ帽によれよれのセルの単衣、ひだのゆるんだ袴」という金田一耕助が謎に挑みます。容姿に無頓着なのは構わないとして、考え事に夢中になると、髪の毛をかきむしってふけを飛ばすのは、現代の衛生観念からは大きく外れますね。推理は的確でもひくなあ。

 舞台は昭和35年、小田急線の喜多見、狛江あたり、対岸に多摩川を望む。近くには東宝(作品では帝都映画の)スタジオがあり、多摩川沿いの都営団地がモデルと思われる日の出団地。
 一部未完成の新しい団地で事件が起こります。『八つ墓村』や『犬神家の一族』『本陣殺人事件』…と、地方の村のおどろどろしい事件と比べると、近代的な都会郊外の風景が背景です。


団地イメージ

 横溝正史といえば『犬神家の一族』の、湖から突き出した足が一番先に頭に浮かびますが、『白と黒』では、ダストシュートに流し込まれたタールから突き出した足が登場します。

 ダストシュートは、団地に垂直のコンクリートの煙突のようなスペースをとって、各階に設けた扉を開けてごみを投げ入れると、1階のごみスペースに落ちてたまるという仕組み。上層階の住人にとってはごみを運び下す手間が省けていいのですが、虫の発生、メンテナンスの困難、事故の問題があって、昭和40年ごろには次々に閉鎖されました。

 今ではすっかり「昔」になった時代の話ですが、そこに生きる人には、今も昔も変わらない心情があります。親切心から出た注意が相手にとって致命的なショックであったり、望まない謝礼を受け取ってしまった重圧感が身の破滅を招いてしまう、悪意のない摩擦。人と人との関係は、ストレスなしでは成り立たないのが世の中です。

摩擦がどうしようもなくなるところに、犯罪が生まれるのだと思わされます。

 映画の影響もあって横溝正史の作品は猟奇的な印象が強いのですが、ストーリーの展開とトリックの面白さは唯一無二、単なる怪奇ミステリーではありません。登場人物が生きてきた状況がわかると、その心情にも共感できます。


                     参照元:横溝正史『白と黒』角川文庫





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Last updated  February 21, 2026 12:00:18 AM
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