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2020.08.31
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テーマ: 読書(10025)
カテゴリ: 【読書】未分類

本のタイトル・作者



ベルリンは晴れているか (単行本) [ 深緑 野分 ]

本の目次・あらすじ


1945年7月、ドイツ。アメリカ・イギリス・ソ連・フランスに分割統治されているベルリン。
英語ができるドイツ人の少女・アウグステは、アメリカ軍の慰安用兵員食堂「フィフティ・スターズ」でウェイトレスとして働いていた。
両親を密告で失い、かくまっていた妹のような存在を潜伏先で亡くし、自身も身をひそめて生き延びたアウグステ。
仕事を終え自宅に戻ったところ、ソ連の内務人民委員部(NKVD)に連れ去られる。
彼女たちの支援者だった音楽家・クリストフが青酸カリ入りのアメリカ製歯磨き粉で不審な死を遂げたという―――。

引用


「僕らの可愛い娘、忘れないでほしいことがあるんだ」
「……なに?」
「人間にはいろんな人がいるということだよ」
(略)
「今すぐはわからなくたっていい。ただね、アウグステ。君がここにいて良いように、ギゼラもここにいて良いんだよ。君がくしゃみをしたい時にくしゃみできるように、ギゼラが薔薇を見たい時に薔薇を見ていいんだ。もしこの先、ギゼラが薔薇を見たがっているのに、大勢の人が駄目だと言って『ギゼラ 見学禁止』の立札を立てたとしても、アウグステは立札を引っこ抜いて、ギゼラに薔薇を見せてあげてほしい。約束できる?」


感想


2020年読書:147冊目
おすすめ度:★★★★

重い。ヘヴィ。ずどーん。
読み始めて「あ、そういう話なんだ?!」となり、内容が重たくて入り込むのに時間がかかり、ページをめくる手も止まりがち。

読み始めてその世界に入り込むと、どんどん読んでいけるんですけど。

深緑さん、はじめて読んだ。
1983年生まれでお若いのに、すごくよく調べて書いていて、見てきたようにその空気を描いてすごい。

ラストの展開がこれまでの重さに比べて軽すぎへん?と思ったのと、ドヴ何とかさんの作戦荒すぎへん?と思ったのですが、面白かった。いろいろ考えた。

『アンネの日記』を読んで、アンネの家にも行って、そちらの話を読んで。
でも、反対側の話を読んだことはなかった気がする。

小説なので、すべてが史実というわけではないのだけど。
ドイツ人はみんな、アウシュビッツを知っているのだと思っていた。そこで何がされているのか。
知らなかった、のか。

終戦の今、思う。
原爆が落とされたことを学びながら、一方で知らないことを知らないままに。


正しいことをすることによって、己の身が、家族が、危なくなる時。
自分が正しい側に立つことを、私は続けられるだろうか。
きっと出来ないだろうな。
大人になった私は、自分がそういう人間だと知っている。
仕方がなかったと、本意ではなかったと、言いながら。


ふつうの日々を送れることは、みんながそちらを選んだからだ。
でも、もし、世界が間違った方に流れていきそうになったら?
天秤が傾ぐように、そちら側に力が寄せられたら?

「おかしい」と思うことを、「おかしい」と思い続けられるだろうか。
「おかしい」と言えるだろうか。

9・11の後、米議会で報復戦争の採決がなされたとき、上下両院のうち反対したのは、バーバラ・リー、ただ1人だった。
蓋を開けてみれば、時間が経ってみれば、結果を見てみれば、どうだっただろう。
未来からはどうとでもいえる、そうかもしれない。
でもあの時、天秤は傾いて、誰も反対側に載せようとはしなかった。

昔読んだ少女小説(ゆうきみすず『きらめく星空に哀愁のチャルメラが聞こえる』から始まる「とラブるトリオ」シリーズ)の校訓が「世の碇(いかり)となれ」だった。
そのことを、思い出す。


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最終更新日  2020.08.31 12:00:09
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