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2022.02.09
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テーマ: 読書(8214)

本のタイトル・作者



硝子の塔の殺人 [ 知念 実希人 ]

本の目次・あらすじ


神津島太郎―――館の主人。
加々美剛―――刑事。
酒泉大樹―――料理人。
一条遊馬―――医師。
碧月夜―――名探偵。
巴円香―――メイド。
夢読水晶―――霊能力者。

左京公介―――編集者。
老田真三―――執事。

遺伝子治療を飛躍的に進歩させたトライデント。
開発者である神津は、その特許使用料で莫大な富を築いていた。
ミステリマニアの神津は、雪山にトライデントを模した硝子の塔を建て、客人を招く。
そして殺人事件が起こる―――。

プロローグ
一日目
二日目
三日目
最終日

『硝子の塔の殺人』刊行に寄せて 島田荘司

引用


「ホームズとワトソンが十九世紀に活躍するのは当たり前と思われるかもしれませんが、BBC制作の連続ドラマ『シャーロック』は基本的に、現代のロンドンでホームズたちが活躍するという筋書きです。ホームズがスマホを持ち、捜査にSNSを駆使し、ワトソンが冒険譚を書くのは本でなくブログという設定です。それを聞いたときは、シャーロキアンとして正直眉を顰めましたが、実際にドラマを見てみると、あまりに素晴らしいクオリティに自らの不明を恥じました。特に主演のベネディクト・カンバーバッチの演技が素晴らしく、現代にホームズが存在すれば、まさに彼こそ……」


感想


2022年030冊目
★★★★

2022年 本屋大賞 ノミネート作品。
面白かった。
クローズドサークルもの。

古典から最近のラノベまで網羅。
ミステリ好きならたまらないだろうなあ。
私はミステリも読むけど、特段ミステリ好きという訳でもないので、それなりに楽しんだ。

私は、シャーロック・ホームズが一番すき。
ロンドンに行った時は、もちろん 221B,Baker Street まで行ってきた。
特に好きなのはBBC制作のドラマ「SHERLOCK」。
で、本作ではBBCのシャーロックについてのコメントや、シャーロックの『忌まわしき花嫁』のウェディングドレスが出て来たりと、嬉しかった。
しかしホームズって原作でワトソンのこと「My dear」って呼んでるの…?
え、My dear?(二回言った)

物語自体はクローズドサークルもので、連続殺人が起こるベタな展開。
しかし、叙述トリックに二転三転する設定、読者への挑戦状(2回)。メタ認知。
いやあ、詰め込んだね!っていうくらいの特盛。
合間の、「名探偵」月夜の豆知識もたくさん。

その昔、安楽椅子探偵(綾辻行人と有栖川有栖の共同執筆)の挑戦状、っていうテレビドラマがあった。
1夜目は事件の概要。情報は提示され、視聴者が犯人をあてる。
2夜目は解決編。
今回読んでいて、それを思い出した。

探偵の孤独。
子供の頃、「名探偵コナン」や「金田一少年の事件簿」のアニメを見ていて思った。
このひとたちは、行く先々で事件が起こり、身近な人が殺されたり犯人だったりして、それを何度も糾弾し、暴き立てている。
それは、かなしくはないのだろうか。
自分の存在こそが災厄であると―――どこかで思わないのだろうか。
本当に、犯人は犯人だったのか。
自分がそれを引き起こしたのではないか?

そして、犯人の孤独。
探偵は犯人の意図を、創意工夫を、時に賞賛し、丁寧に解説する。
彼らは、犯人の一番の理解者でもある。
見つけてほしい。分かってほしい。
犯人がとびぬけた頭脳の持ち主であればあるほど、その渇望は強いだろう。

月夜を見ていて、京極夏彦『百鬼夜行シリーズ』(京極堂シリーズ)の薔薇十字探偵・榎木津礼二郎を思い出した。
すべてを見通す、千里眼ともいうべき能力。
だからこそ、彼は、ひとりぼっちだ。

探偵の世界のバランスを保つためには、相棒が必要。
今回だと名探偵×医者という組み合わせだったけど、この名探偵が男装の麗人(ホームズの仮装)だったのであまり萌えず。
ブロマンス好きとしては男男でいってほしいところ。
なんでわざわざ片方を女にするんや…。

これまでの関連レビュー


ムゲンのi(上) [ 知念実希人 ]
ムゲンのi(下) [ 知念実希人 ]




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最終更新日  2022.12.04 00:42:53
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