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Jun 28, 2006
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夕暮れ間近、

ドアが半分開いていた。

「ああ、そうか。あの娘が来ている。
 疲れ果てた僕をいつもの笑顔で癒してくれるあの娘が」

急いで部屋の方へ駆け寄り、
勢いよく「ただいま!」とドアを開けた。

半開きのドアの向こうには、
手に余る程の幸福が待っているはずだった。

待っていたのは紛れも無くあいつだった。
僕は呆然としながら必死に聞いた。


「どちら様ですか?」

返事はすぐに返ってくる。

「オバQです」


部屋には得体の知れない緊張感が漂い始め、
僕は自分の手が湿っていくのを感じていた。


「そのオバQさんがなんの御用でしょうか?」

「いえ、その、居候をさせて頂きたく思いまして」


彼の白い体が、段々と夕映えに染められていく。
ゼラチン質の多い目は、僕を真っ直ぐ見て離そうとしない。




「新しい家がみつかるまでですね・・・」


ドアの隙間から滑り込んできた風は、
彼の体と髪の毛を少しずつ揺らしている。
彼は少しうつむいた後、
無理矢理口角を上げ、笑って見せた。




「少しでいいですからお願「お帰り下さい」



そうなんだ、僕らはきっといつだって
現実とリアリティーの狭間で揺れ動いている。
テレビの中で起こる事。
目の前で誰かが泣いたこと。
ジョン・レノンが歌っていたこと。
どうもそれらがうまく繋がってはくれない。



彼が部屋を出て行った後、
僕は少し後悔をした。

「今度もし来たら、お茶くらいは出してやろう」

台所に立ち、
今から、最新のパンフレットを持ってやって来る
鍵屋の為のお茶を淹れながら、
僕は少し優しい気持ちになれた気がした。





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Last updated  Jun 28, 2006 10:09:16 PM
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