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2006.09.02
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忍者特有のスピード感っての、ある。白土三平の漫画によって植え付けられたイメージによるものだけど。

木立を抜け、崖から飛び降り、身につけた術で刺客を倒す、死闘のテンポ。

その死闘のスピード感をうまく表現した歌がある。「サスケ」だ。

♪(ナレーション)
光あるところに影がある。
まこと栄光の影に数知れぬ忍者の姿があった。
命をかけて歴史を作った影の男たち。
だが人よ名を問うなかれ。

「サスケ!おまえを切る」♪

歌に入る前、トランペットと琵琶が忍者の哀愁を情感たっぷりに奏で、ナレーションは忍者の生き様、宿命を切々と語る。
この前口上だけで、聴き手はいやおうなしに曇天の下、風吹きすさぶ草原へといざなわれる。そして。
「サスケ!おまえを切る」
いきなりそれまでの文脈を断ち切るひと言。
サスケと敵忍者の対峙。不敵な笑みを浮かべて刀を構える敵。
頬を伝う汗を拳でぬぐい、身構えるサスケ。
一触即発、死闘の開始を待つふたり…。と。
一瞬の雷光を合図に、ついに己の使命をかけた戦いが始まった。
曲も一転、息をもつかせぬ緊張感にあふれたイントロが鳴り響く。

♪風よ吹け吹け 嵐よ吼えろ 逃げ道ないぞ 「サスケ覚悟!」

 ※来るぞ来るぞ来るぞ来るぞ 手ごわいぞ
  行けよ行けよ行けよ行けよ 負けるなよ
  サスケ サスケ おいら男さ 名はサスケ※

 ひとりのサスケがふたりのサスケに三人に四人に 「五人、十人!」

  ※~※

 空に月なく闇夜の中に影が浮かぶ 「おまえは誰だ!」
 おぅおぅおぅおぅやぁ!忍法おぼろ影 サスケ
  ※~※                  ♪

風さらに吹きまくり、あたりが暗さを増す。
「サスケ、覚悟!」
敵忍者が叫ぶと同時に、サスケに向かって突進。
身をかわすサスケ。すかさず敵が手裏剣を放つ。グサッ!そして爆発。
やった、仕留めたぞ!しかし…。
うっ、微塵がくれ!

サスケが走る。自分の得意な地形へと相手をおびき寄せるために。
敵も追う。巻きびし、吹き矢、縄の罠。
武器と技の応酬。いつのまにか戦いの場は森の中に。無数の手裏剣が乱舞し、互いの足元や飛びついた木の枝に突き刺さる。
サスケが術を仕掛けた。
ひとりからふたり、三人、四人…
「フハハハハ、影分身だな。しかしそれくらいの技ならワシのほうが得意じゃ」
敵忍者も応戦。五人、十人。サスケよりも分身の数が多い!
たまらず身をひるがえし、生い茂る草むらに隠れるサスケ。強い!手ごわい!
「ハハハハ、どうしたサスケ、きさまの技も出尽くしたか」
サスケが逃げ込んだ草むらへ無造作に近づく敵忍者。ふん、てだれの忍者と聞いておったが、所詮は小童。たいしたことはないわ。

あたりが夜のとばりに包まれる。しかし忍者にとっては暗闇など問題ではない。幼い頃からの修行によるものだ。
しかし突然、目の前に大きな影が敵忍者の前に現れた。不意をつかれ、うろたえる忍者。
「お、おまえは誰だ!」
その刹那、背後から飛んできた十字型の手裏剣が背中に突き立った。
「ぬ、ぬかったわ。サスケごとき小童がこんな大技を使えるとは。忍法おぼろ影、見事じゃ」
くずれ落ちる敵忍者。その後ろの木陰からゆっくり姿を現すサスケ。

-忍法おぼろ影とは、虚空に己の姿を映し出し、あたかもそこにいるかのように見せかける一種の幻影技である。敵忍者の言っていたとおり、この技は忍法の中でも高等技術を要するものであり、本来ならまだサスケに使いこなせるものではなかったが、闇夜だったがゆえに未熟な腕でもその効果は倍増され、敵忍者もすっかりだまされたのであろう-

サスケは、先ほどまで戦っていた忍者の亡骸のそばでじっとたたずんでいた。そしてつぶやく。
「小童だって、おいら男さ」
やがて静かに立ち去るサスケ。命を失わずにすんだ安堵感と、忍者の末路、その寂寥感を胸に噛みしめて…。

白土三平描くところの忍者同士の戦いぶり、そのテンポ、リズムを的確に歌にした「サスケ」見事なり!





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Last updated  2006.09.03 00:05:18
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