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旧統一教会・国際合同結婚式の実務トップを直撃!「財産のすべてを差し出せ」に象徴される“異常献金”問題にも言及2016.03.20 日刊 SPA!http://nikkan-spa.jp/1076260今も続く家庭連合(旧統一教会)の国際合同結婚式。これまで日本から17万人以上が、そして今年は778人が参加した。その式典に臨んだ新婚カップルの様子を「旧統一教会が開催した『国際合同結婚式』に潜入。どんな人たちが参加しているのか?」で伝えたところ、その独特な結婚観や家庭観に対して、大きな反響を得た。教団はまた、そうして結婚していった夫婦の離婚率が1.7%という驚くべき数字を公表している。それは本当なのか。国内の離婚が3組に1組だと言われていることを考えれば、にわかに信じがたい数値である。その真偽を確かめるにはまず、教団としてどんな形でサポートしているのか、一体どんなコミュニティになっているのかを知ることが不可欠だろう。ということで、家庭連合本部・家庭教育局副局長の桜井正上氏に話を聞いた。桜井氏は、国際合同結婚式における日本の実務トップを務める人物でもある。子が結婚する時に家族の実態が分かる――国際合同結婚式に出るたくさんのカップルを見てきたそうですが、皆さんうまくいってるのですか?桜井「最初からナンですが、一概には言えないんです。私は二世(信仰を持つ、一世と言われる親から生まれた子供たち)の結婚を数多く見てきました。私たちにとって、祝福を受ける(合同結婚式に出る)ことは特別な意味を持ちます。ですから親にとって、二世の祝福は切なる願いなんです。その思いがすごく強いがために、祝福は喜びの場でありながら、同時に家庭問題が表出する場でもあります」優れた仕組みをアピールするものと思いきや、やや意外性のある話から始まった。彼が言うのはこういうことだ。信仰を持つ親は子に家庭連合の結婚を受けさせたいと強く願う。子も心からそれを願うならもちろんハッピーだ。親の姿を見て自分もそうなりたいと子が思う場合には、実際よく見られる状況だと言う。ところが、子にとって親が理想の夫婦になっていない場合には、事情が異なる。子の心の中で消化しきれず、反発が起きることが少なくない。親は「祝福だけをとにかく受けてほしい」などと言うが、親の願いをかなえようと自分の気持ちを押し殺して結婚に向かう場合に葛藤が起きるのだと言う。桜井「結婚する若い二人の間に、ケンカや葛藤、行き違いがあるのは当たり前ですが、そういう時に親子関係が支えになるかどうかが、大きな違いになるんです。つまり、結婚していくカップルの夫婦関係と、その親との関係は密接にリンクしている。その点で、夫婦問題より親子問題が先なんです」2月の国際合同結婚式に参加した二世の平均年齢は23~25歳、その親の結婚時期は1982年頃が多い。その時代からの信者家庭の実態が、今、子を通して垣間見られるというわけだ。今年2月20日、韓国で開催された国際合同結婚式仕方なく一緒にいる親も――信仰を持つ親の世代でうまくいってない家庭もあるということですね?桜井「私たちの結婚は、(自由恋愛ではなく)信仰による出会いです。それに対して愛がないのに結婚していると言われるのですが、私たちは愛は二人で育むものだと考え、神が愛するためにめぐり合わせた相手と人生を一緒に歩むことを信仰の中心に置いています。ところが中には、信仰が信仰だけで留まっているケースがあります。神から与えられた相手だから、仕方なく一緒にいる、という感じです」これはちょっとリアルな話かもしれない。桜井「それを子供が一番見ています。子供は騙せないんです。両親がお互いに愛しあっているのか、それともどうしようもなく一緒にいるのか」――つまり子は親を通して、自分の結婚観や家庭観を持つと?桜井「私たちは、夫婦はもともと極と極の関係で、もう半分の相手と出会い、愛し合うことで幸せになるという考え方を持っています。だからマッチングでも自分とはまったく違う相手と一緒になることが多い。必然的に、困難を乗り越えるうえでも、相手を理解しようと努力することが不可欠なのです。両親はこう行動した、その結果、仲良くなった、というプロセスを繰り返し、二人で乗り越えていく姿を見ることで、子にとっても本当に素敵な結婚観が生まれます。そういう親を見て育った子供たちにとっては、(まったく異なるバックグラウンドを持つ)結婚相手とのケンカや葛藤は怖くないのです」どうやら親の責任が非常に大きく捉えられているようだ。しかし注目のポイントはそこではない。話を聞いていると、信者の離婚率が低いのは、信仰上の理由から離婚したくてもできない場合も少なくなさそうだと感じられる。もちろん信仰があってもなくても、家庭の事情はそれぞれで一般の場合と単純比較できるものではないが、愛のあふれる幸せな家庭づくりを掲げる教団の中枢からこうした情報が出てくるのは、注目に値するだろう。結婚後に信仰を持った信者には既成祝福という合同結婚式があり、高齢者が多数参加している離婚率1.7%って本当ですか?――合同結婚式を経て結婚生活を始めた信者4万人の離婚率が1.7%だと発表(http://family-ef.org/factdata/)していますね?どうしてそんなに低いのですか?桜井「まず合同結婚式に出てから、入籍して実際の夫婦生活を始めるまでに期間があります。その間に難しくなるカップルがいます。婚約解消ですね。その人たちが数字には入っていません。さらに、生涯その天から与えられた相手を愛するという選択をしている人たちですから、簡単には別れないということもあるでしょうね」つまり、合同結婚式に出ても入籍までの間に別れれば、対象から外れるということになる(これは一般の離婚率と考え方は同じだ)。それに加えて、合同結婚式参加が17万人以上で、離婚率を計算する母数が4万人になっていることにも着目する必要があるだろう。教会に来なくなった人たちのデータを教団として追うことは困難だろうから、現在も信者として教会に通っている(信仰を持ち続けている)人たちが統計の母数になっている、という前提条件がどうやら大きそうだ。加えて彼はこうも言っている。桜井「信者の悩み相談にも特徴があるかもしれません。教会として夫婦問題に関しても様々な相談を受けますが、どうすれば愛せるでしょうか?というのが最初の質問であることが多いんです。つまり、別れたいんですがどうすればいいか?ではない、ということです」やはり信仰による歯止めは、決して小さくないのだろう。――教会として家庭問題をサポートする仕組みは?桜井「霊の親と呼ばれる直接伝道をした人や、結婚の仲介人、教会にいる家庭部長が、日常的に相談にのったり、アドバイスをしたりしていますが、実際のレベルは教会によってまちまちで、決して十分とは言えないと思います。(国籍の異なるカップルによる)国際家庭が多いのが家庭連合の特徴ですが、先輩が多くなってきたので支えるコミュニティが出来上がってきたということは言えるかもしれません。初期の統一教会では見知らぬ土地に一人で飛び込んで、頼るものがなく、信仰で越えるしかないという世界でした。そうした経験を持つ人たちが今、支えになっています」信仰を明かした後、家族に心配されたことから縁を切ったような状態で異郷の地で暮らしたり、韓国に嫁いだ日本人妻が夫と関係がうまくいかず、酒乱になっていた夫が暴れた際に咄嗟に絞殺した等という悲劇的な事件も報じられている。そうした過去も想定して語っているのだろう。葬儀は白が9割。教会の濃密な人間関係実は、国際合同結婚式の取材をサポートしてくれた家庭連合広報局の担当者の母親が、最近亡くなった。「家庭連合の葬儀は独特なので、ぜひ見に来てほしい」と言われたので、カメラを持って訪ねた。家庭連合の葬儀では、統一教会時代から、男性は白ネクタイ、女性は白い服を着る。この世での別れは寂しいものだが、あの世への旅立ちはめでたいと考え、みんなで祝うという意味が強いのだと言う。信仰を持たない人は一般的な喪服、そして黒ネクタイで参列する。つまり、色を見れば信仰を持つ人とそうでない人が一目瞭然である。実際に参加して目を引いたのは、その「白比率」の高さだ。最近の書籍のタイトル風に言うならば、「白が9割」とでもいう感じだった。これをインタビューでぶつけた。――家庭連合の葬儀に行くと、そのほとんどが教会関係者でした。信者の日常的な付き合い、人間関係は、ほとんど教会関係者になるというのが一般的なのですか?桜井「人によって差が大きいです。信仰を持っていても日曜の礼拝のみの人や、興味のある講座のみ参加という人もいます。教会関連の活動は強制ではありませんし、皆が家庭連合の人としか付き合っていないわけではありません」確かに、これまで話を聞いた信者の中にも会社勤めをしている人はたくさんいたし、一般の従業員を抱えて会社経営をしている人もいた。「伝道するヒマがあったら、夫を愛しなさい」桜井「一方で、信仰で熱く盛り上がって伝道熱心な人もいます。夫よりも伝道が好きという人もいます」――夫より伝道って、それは理想的な姿なのですか?桜井「愛を育むことが大切という教えですから、伝道するヒマがあったら、夫を愛しなさいという教育もしています」献金が大きな問題になった結婚のパートナーを紹介され、愛のある幸せな家庭作りを推し進める信仰のコミュニティは、しかし、統一教会時代、霊感商法や高額献金など、金の問題がたびたび取り沙汰された。――統一教会に入ると、貧乏になると聞きました。本当ですか?桜井「献金を熱心にするという習慣性が強いのは確かです。そのため、豊かでない家庭が多くなっているという課題はありました」あ、認めた。――無理な献金もあると?桜井「初期の統一教会は、国と世界をどう変えていくかを考える意識を持つ人々が集まってきました。そこでは日本が世界のために生きる、献金で世界を生かすという考えが強かった。このスピリットは今も消えていないと思います。そして、世界の救済というのが自分たちの意識で、日本が世界170か国での統一教会の活動の財源となっていました。こうした意識によって、バランスを欠いてしまう場合があったし、今もあるかもしれません」――そうした問題をどう捉えていますか?桜井「統一教会の開拓期においては、家庭を犠牲にしてでも統一運動を支えるという考えが強かった。二世(その子供たち)としても、親がそうやってきたことに誇りを感じてもいます。ただ、本来の形は家庭が中心であり、ちょうど日本でも統一教会から家庭連合へと名称も変わり、個人の運動から家庭の運動へと変えていく時期にある、今はまさに移行期であろうと思います」――ネット動画で、90年代後半の教団内部映像というものを見ました。信者に「財産の全てを差し出せ」と大声で指示する様子が映し出される異様なものでした。桜井「そんなことをやっているからウチは貧しいんだ、と二世は思っているところがあります。教会の中でも行きすぎでしょうという声が上がったり、献金の取り組みについて一歩引いて見ている人もいます。動画の話で言えば、内部にも、一般の人と同じようにそれを異常だと感じる感覚がある、ということを知ってもらいたいです」そうなのか。桜井「ただ、理解を得ることが難しいかもしれませんが、宗教の本質あるいは動機には、自己否定と自己犠牲の気持ちがあるということです。それ自体を魂の救いと感じて、喜んで自分が持っているものを捧げる姿もあるのです」――ということは、つまり本人の自由意思によるものかどうか、ということがポイントになると思いますが、組織としての対策は?桜井「行き過ぎた献金などを防ぐために、2009年、徳野会長名で全国の教会に文書を出しています。過度の献金を求めないことやコンプライアンスの徹底などを指示するものです。それをしっかり浸透させるように指導したり体制づくりを進めたりしています」――信仰を続けるうえで献金は義務ですか?桜井「教団では信者に向けた意識調査を実施しており、年間どのくらいの献金をしているかを聞いています。よくある80:20の法則通り、全体の2~3割の熱心な人が年間100万円以上の献金をしている一方で、多くの人は年間1~10万円程度だと分かりました。献金は信者の自由意思です」――国際合同結婚式に出るにも、一世は140万円、二世は40万円の献金が必要と聞いています。桜井「確かに祝福の感謝献金には140万円という基準があります。が、これも実際のところ教育の指導者によって違いますし、すぐに払えないという人には収入の10分の1を毎月払うとか、そういう形も見られます。献金の激しさの流れはこれまで確かにありましたが、家庭教育の流れとは別です。献金したからフォローするとかではありません。私たちの世界で祝福を受ける、相手を受け入れるというのは、100%委ねるというもので、これはもう本当に信仰がないとできないんです。つまり本人の主体性が大きい。やれと言ってみんながやるという話ではなくて、人によって違うし、強制ではないので、やらない人はやらないんですね」教祖家族は幸せに見えないんですが――信者には純潔を守り、一人の相手を愛することを説きながら、教祖は何度も結婚し、子は相次いで問題を起こしたり死亡したりするなど、幸せな家族に思えないという指摘があります桜井「(私たちの信仰におけるマッチングで生まれた)祝福家庭に起きることは、過去の歴史的な課題を乗り越えるために生じる現象だと教えています。それを1つ1つ乗り越えることによって負の遺産、歴史の問題を越えていくという意味があります。祝福家庭はつまり代表として問題に向き合っているという考え方です。教祖の家庭にもいろんな課題が起っていて、それを乗り越えていく姿を見せてくれているというのが信仰的な見つめ方です」進んで自ら苦難を背負っているという理解をするのか。 ――教祖の家庭からは、掲げる理想像を感じないという声は、どう受けとめますか?桜井「統一教会時代、国や世界の問題を解決しなければならないと考え、個人や家庭が大切と言いながら、むしろ家庭を投げ捨てて自分の家庭に帰る時間もないような状態だった人たちも少なくありませんでした。教会活動のために犠牲にしてきたわけです。その意味で、愛が全然育っていない家庭もあります。教祖も自分の家庭をないがしろにしてきたところがあると言えるでしょう。しかし、だからこそ、自分たちが感じる痛みの部分を教祖が知ってくれているということが信者にとっては救いであり、はげみになっているのです」――桜井さんも二世ですよね、個人的にはどう思いますか?桜井「私は統一教会の古き良き原点を見て育ちました。親は教会活動でいつも不在で、教会のお姉さんが来て育ててくれました。教会の兄弟姉妹の関係の中で、大切な価値観が育まれたと思います。そこで単なるマイホーム主義ではなくて、世界はどうあるべきかを考えてきましたし、自分たちはいろんな問題を解決するために生まれてきたと信じています。教祖の家庭問題も必ず解決できます。できなければ崩れるんです」どうやらここは変わらない考え方のようだ。献金の使途について――韓国に行くと、教団が運営する超進学校やエリート芸術学校があって驚きました。韓国では霊感商法が問題になることもなかったし、カルト扱いもされていないようです。日本からたくさんお金を出しているのに、日本人としてつらくないですか?桜井「投資するバランスは、韓国だけではなくて、日本にもと思うことも当然あります。日本に半分でも投入できたらと思ったりもしてきました。ただ私も韓国の学校に留学して知らないことを随分学べましたし、日本からたくさんの人が行っているので、恵沢はあるのではないかと思います」――日本の学校に通っても学ぶことは多いでしょう? 日本に学校を作って海外から来てもらってもいいんじゃないですか?桜井「そうですね。世界のためにと言いながら、日本での投資はそんなに大きくありませんでしたから、それは今後の課題ですね」――ありがとうございました。今回、教団の中枢にいる人物から、教団のさまざまな現状について語られた。ネットで噂される問題には、一部の事件報道や裁判のニュースを除いて最近の話題が少ないことから、今回の話は最近の内部コミュニティの様子を窺い知る貴重な情報と言えるのではないか。しかし、その話の中には、信仰を持たずにはどうしても理解が困難な考え方が含まれているとも感じた。ただまた同時に、親の信仰だけでは子は騙せないという言葉や、幸せな家庭づくりを謳う教団に入るだけでは幸せな家庭は得られないというのは、一般の感覚でも違和感なく理解できそうにも感じるが、どうだろうか。次回、国際合同結婚式に参加した何組かの信者家族のもとを訪れ、「本当に幸せなのか」という問いをぶつけてみることにしたい。<取材・文/鶴野充茂>
2016年03月21日
旧統一教会の「国際合同結婚式」はどうやって結婚相手を決めているの? 教団を直撃。神のお導きは本当にあるのか?2016.03.08 日刊 SPA! http://nikkan-spa.jp/1068821今も続く家庭連合(旧統一教会)の国際合同結婚式。今年2月に韓国・ソウル郊外で行なわれた式典には日本から778名が参加したことは、先日の記事「旧統一教会が開催した『国際合同結婚式』に潜入。どんな人たちが参加しているのか?」でお伝えしたとおり。参加した日本人の新婚カップルのインタビュー記事を公開したところ、あまりよく知らない人物を結婚相手として受け入れるという結婚観に対して、「信じられない」「宗教怖い」「洗脳だ」などというコメントが多く見られた。一方、「興味深い」「昔は信じられなかったが今では有りかもしれないと感じる」「結婚できないのも宗教みたいなもの」などというコメントも少なからずあった。見方はどうあれ、共通する関心は、「一体どんな相手をどのように紹介されるのか?」というもの。家庭連合では、独自の「紹介システム」を通じて、全国で年間500人程度が結婚相手を見つけているという。簡単に言うとそれは、結婚を希望する信者のマッチングサイトで、教会の世話役や信者の親がその中から候補者を見つけて紹介するのだそうだ。と、ここまでは、一般的な結婚紹介のサービスと同じように感じるが、国際合同結婚式に参加したカップルの多くは、その相手との出会いに「神の導きを感じた」と言う。神の導きとは一体何なのか。そんなものは本当にあるのか。その謎めいたマッチングシステムの詳細を知るべく、現場責任者を直撃した。そこで出迎えてくれたのは、この新宿家庭教会で家庭部長を務める宇田川理恵さん。家庭部長は、信者への結婚相手の紹介をはじめとして、各種儀式の教育、子供の誕生から葬儀まで家庭問題全般の相談に応じる役割を担うという。宇田川さんはこの道20年のベテランだ。――宇田川さんご自身も長らく信仰を?「22歳からですから、もう32年ですね。そういうと年がバレちゃいますね、ハッハッハー」 まず、聞き取りをもとにした、家庭連合の紹介システムによる結婚相手決定までのプロセスを整理しておこう。 結婚を希望する信者は、家庭部長に代表される教会の世話人と面談をする。宇田川さんはここで結婚が自分たちにとって重要な宗教行事であり、軽い気持ちではいけないことを話すという。そしてその人物の性格や長所、仕事内容などをよく知る。結婚希望者は、申請書、戸籍謄本、健康診断書、最終学歴証明書、お見合い用の写真(顔、全身)、そして告白文を提出する。書類にはそれぞれ明確な役割がある。戸籍は離婚歴が分かるし、学歴などにもウソがないかを確かめる必要がある。病気があれば診断書を求め、エイズ検査も実施している徹底ぶりだ。話の内容が本当かどうかを書類でもきちんと確認するようにしている。――提出書類にある告白文とは何ですか?「誰にも言えない罪や負債などの情報を書いて封印したものです。誰にも見せないことを前提に書いてもらいます」――宇田川さんも見ないのですか? その後、どうするのですか?「見ません。これは自己と真面目に向き合うために必要なのです。終わった後にシュレッダーします」シュレッダーなのか。「あ、お祈りしてから、ですね」お祈りしてから、シュレッダーなのか。――それにしても、随分チェックが厳しいのですね。「ほとんどの場合、他の教会に在籍している信者とのお見合いの形になりますので、所属の教会が身元保証をすることになりますし、結婚相手を選ぶうえでお互いの確かな情報を求めるものですからね。情報に漏れがないかなども細かくチェックします」写真館できちんとした写真を撮ってくるのも基本だという。結婚相手として真面目に検討してもらえるような服装やメイクについて具体的な指導もある。不慣れな人にはどこの写真館に行けば良いかまでアドバイスする。――写真は、やはり重要なんですか?「あまりに実物と違うと問題ですが、それ以外は、お見合いにふさわしいこと、その準備がきちんとできていることを見せることが大切です。たとえば女性の場合、服とタイツの色がアンバランスで本部の登録チェックが通らないこともあります。また、以前、男性で羽織袴姿の写真を提出した人がいました。私はスーツのほうが良いですよと言い、本部もやはりスーツがいいと言ったのですが、本人がどうしても、いやこれでと主張してそのまま通しました。が、結果的にその方は決まりませんでした」書類が全て揃い本部のチェックを通過すると、紹介システム(マッチングサイト)にプロフィールと写真が公開されて「相手待ち」状態になる。これが合同結婚式への最初の一歩だという。「祈りながら探します」――マッチングサイトはキーワード検索とかですか? それとも何かお告げが来たりする?「年齢や仕事、あるいはいつ頃から家庭出発(一緒に生活)したいかなど、本人の希望をもとに、祈りながら探します」つまり、システム上は条件検索から始めるようだ。――どうやって祈るのですか?「心の中で、この男性(女性)にふさわしい人物、神様が準備した人に出会わせてください、と祈りながら探します」話からは検索結果にイレギュラーな候補者が偶然紛れ込む要素は感じられない。――ふさわしい人物かどうかはどうやって分かるのですか?「最初に出てくるのは顔写真、年齢、所属教会の情報だけです。その中から、『この人どうかな?』と思ってクリックすると、細かな情報が見られるようになっています。その情報をもとに、相手の世話人となっている所属教会の家庭部長などに連絡をとり、先方の人物像や希望などを確認します。お互いの世話人同士が良い組み合わせだと感じたところで、こんな人がいるけど会ってみませんか? とそれぞれの教会で、本人に話がいきます」どうやら世話人に大きく依存したシステムのようだ。会うかどうかを決める前に「相手のプロフィールなどの資料を持って帰ってもらっている」と宇田川さんは言う。そしてこの人が結婚の相手となる人かどうかを知らせてほしいと、3日間本人にお祈りをしてもらうのだそうだ。信仰を持っているからといって、相手が誰でもいいという人ばかりではない。生理的に受け入れられない場合もあり、無理せず会わなくてもいいものとしているという。本人同士が会ってみようということになると、男女とそれぞれの世話人の4人で会う。本人たちが結婚の合意をするまではお互いの連絡先を伝えることもない。もう一度会いたいかどうかも世話人を通して伝えるという。結婚すると決めるまで、早い人でも3~4回はこの4人の面談の機会を持つらしい。一連のプロセス全てにおいてこのように事細かく相談に乗りケアをするため、世話人は一度に5人までしか対応しないのが決まりだ。宇田川理恵さん「神の導き」は本当にあるのか?――ズバリ聞きますけど、「神の導き」って本当にあるのですか?「あるんですよ。この前も、男性への紹介相手を探していて、ある女性の写真に目がとまりました。詳しい情報を見てみると、知り合いの家庭部長がいる教会だと分かりました。それで早速電話したところ、先方の家庭部長がいきなり『え~っ神体験~っ』って言うんです。何かと思ったら、その女性と今、面談をしたところだったと。なかなか良い人が出てこなくて、お祈りをしましょうってやったばかりなんです、とのことでした」それを神の導きと言うのか。「その男性、お祖父さんの信仰していた宗教(家庭連合とは別のもの)が、相手の女性のお祖父さんの宗教と同じだったことが分かったのです。それでお互いに何か大きな力によって導かれているのね、という話になりました」――それはそのお祖父さんたち側の宗教の力、という話にはなりませんか?「そこは信仰だと思いますが、多くの人が何らかのそうした経験があるはずなのです」韓国に嫁に行かされるというのは本当か?――ネットには、日本人女性は韓国に嫁がされるという話もありますが?「ご本人が希望しない限り、勝手に韓国人を紹介する、ということは有り得ません。実際の希望調査書を見てもらえば分かると思います」そう言って書類を見せて項目を指し示した。そこには確かに希望国籍が書かれてあった。もちろん不問とすることもできるという。――実際にはたくさんの人が韓国に行って苦労しているという話もあります「家庭連合では韓国だけでなく国際結婚をしている家庭が多いのは事実です。国を越えて見ず知らずの土地で生活を営むというのは大変なことです。それは逆に言えば韓国に行ったから苦労するという話ではないと思います。周りから見たら悲惨と言われる状態にある人もいるかもしれませんが、本人たちとしてはがんばっていることもあるでしょう。それでもうまくいかなくて帰国する人もいます。韓国にお嫁に行った日本人女性のことで言えば、韓国人以上にがんばっていて、親に尽くした人を表彰する孝婦賞を受賞した人たちがたくさんいることも知ってもらいたいです」相手が決まる人の共通点とは?――うまく結婚相手が決まる人の共通点はありますか?「神様に委ねることのできる人ですね。委ねる。委ねる(と、かみしめるように繰り返す)。自分の好みを超えたところに本当の出会いがあります。自分なりのこだわりの強い人は、どんな人を紹介しても決まりません。自分の好き嫌いだけでなく、今までの自分の経験に基づいた判断に固執せずに、出会いを受けとめ、縁を感じ、その相手と共にお互いの成長につながるかどうかを考えられる人は、決まりやすいですね。選り好みしている人はダメです」――結婚相手を受け入れる時に、皆さん、どんな理由を挙げますか?「自分にないものを持っていると思いましたと言う人や、とても信仰が篤いのでいいと思ったと言う人、相手も親が家庭連合で安心と言う人、親が私の信仰を反対していて相手がちゃんとした勤め先の人だから親を安心させられる、と言う人もいます」――なかなか相手が決まらない人には、どんなアドバイスを?「自分の親とよく話をすることを勧めています。結婚相手をうまく見つけられない人には親との関係がうまくいっていない人が少なくない。これはある母と娘の話ですが、長年関係が良くなくて、母に対して感じてきたことを手紙に書いて渡すよう娘にアドバイスをしました。母親は信仰をもっておらず、娘が結婚しないのは自分の夫婦関係が良くなかったからだと思っていたと言います。でも、その手紙をきっかけにして母と娘は打ち解け、信仰を許してくれた。その後すぐに結婚相手が決まりました。信仰を持つ相手なのですが、母親も気に入ってくれたそうです。母親はその後、教会に感謝の気持ちを伝えに来られました」信者同士でしか結婚はうまくいかないのか?――信者同士の結婚が基本なのですね 信者同士でないと幸せになれないのですか?「そんなことはないですよ。家庭連合では自分のことより相手を幸せにすることを大事にしていて、同じ考え方を持つ二人が力を合わせることで、より大きな幸せにつながると考えています。結婚した後に信仰を持った人は、既成祝福という家庭連合での式を改めて挙げます。その時、相手に信仰がない場合も少なくありません」どうやら紹介システム自体に信仰を持たない人が入ることは、考えにくいらしい。「こんな例があります。家庭連合の紹介システムに登録していた42歳の女性が、相手を探している間に職場の50才の男性が彼女に告白をしました。彼女は、家庭連合の教えがあるので付き合えませんと言ったのですが、彼はあきらめない。しつこかったそうです。そこで私は、お付き合いして伝道したら?と勧めました。男性は彼女の信仰を理解し、その後、毎週のように教会に来ました。男性には離婚歴がありましたが、彼女はその彼に『もうあなたは死んでも永遠に一緒よ』と言って結婚しました」幸せを祈るしかない。このシステムはうまく行ってるのか?以前は教祖が写真を見て相手を決めていた。現在の紹介システムは2009年ごろから稼働しており、これまで概算で3500名程度がこのシステムで相手を見つけているらしい。――ところでこのシステムはうまくいってるのですか?「私の頃は、国際合同結婚式の会場に行って結婚する相手と『初めまして』というシステムだったので、大きく変わりました。もちろん相応しい相手を決めてくださると信じていましたけどね。ただ実態としては、家庭を持つ前に結婚が解消されるケースが少なくありませんでした。それと比較して、今は時間をかけてよくお互いに話してから決めますので、解消になるケースは少ないです」――初めて会った人とその場で結婚を決めるというのは一体どんな感じなのですか?「私の場合、相手の第一印象は、あ、普通の人だったと安堵したことを覚えています。信仰を持っているとはいえ、一生の相手ですから気にはなります。私は身長が170cmなのですが、身長の低い人かもしれないとか、苦手なタイプの男性だったら、という不安が正直ありました。だから、自分で一番イヤなタイプの人が現れることを想像していました。それが紹介された相手は、自分から見上げるような背の高さの人で、聞くと183cmだったんです。もちろんケンカすることもありますが、自分にないものを持っていますし、お互いを理解する気持ちもあるので、良かったと思いますよ」信仰はあっても、背の高さは気になるものらしい。尚、この新宿教会には赤ちゃんからシニアまで現在約400人の信者が在籍しており、毎年10人程度が結婚している。信仰を持った親から生まれた二世についてはそのほとんどが親からの紹介で相手が決まるが、自分で信仰を持った一世は、その半数が紹介システムを利用して相手が決まり、もう半数はお見合いパーティで相手が決まるという。結婚式場でいきなりこの人が結婚相手だと紹介を受けて結婚することに比べれば、マッチングサイトで世話人が祈りながら相手を見つけてくれる現在の仕組みは、一般の感覚に近いと感じられなくもない。いやむしろ随分丁寧なシステムという逆の驚きすらある。ただ、「神の導き」というものは、どうやら本人たちでないとよく見えないもののようだ。いずれにしても、実際には世話人がかなり汗をかきながら相手を見つけ、気を遣いながら話を進めて結婚につなげていることは確かなようだ。また、家庭連合の信者は離婚率が低いこともアピールしている。どうやら宇田川さんのような家庭部長らがそこでもサポートをしているらしい。前回の記事に対するコメントのなかには、統一教会時代からの問題として献金が多いという点を指摘する声があった。次回はその点についても触れながら、さらにこの不思議なコミュニティに踏み込んでみたい。 <取材・文/鶴野充茂>
2016年03月09日
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