AD/Marketing-BIZな日々 by T.Suzuki

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2010/02/16
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カテゴリ: 世の中の話題から
今朝の日経の広告企画「2010年の社会環境とITの新潮流」に、ソフトブレーン創業者の宋文洲さんの『大人は環境のせいにしない』という題の講演内容が載っていました。

これ、まったくITの新潮流とは関係ない話でしたが(笑)、今の日本に欠けているもの、日本人が誤認しているものを鮮やかに切ってみせてくれたものでした。

ご自身が日本で仕事を始めたきっかけなども書いているのですが、上記に関した部分を抜粋します。もちろん(c)日本経済新聞、です。


********

日本人はしばしば「我々はものづくりにたけている」と口にする。本当にそうだろうか。日本の携帯電話は性能も品質も高いのになぜ中国では売れないのか。日本の銀行ATMは機能が優れているのになぜ世界でシェアを取れないのか。世界の家電をリードしてきた日本メーカーを全て合わせても、韓国サムソン1社の利益の半分にも届かないのか。そうしたことをロジカルに考えてみて「ものづくりにたけている」と言えるだろうか。

かつて「中国は日本に比べて50年遅れている」と言われた。しかしそれが30年になり、10年になり現在はどういう状況だろうか。最近、中国に帰り上海近郊のアパレルメーカーの工場を見学した。非常に活気のある企業で、社長は40代前半と若く、工場も非常に清潔。そこでは日本ブランドや欧州ブランドの製品も生産している。私は世界の市場の壁がなくなれば中国は成長する、と考えてきたがまさにその状況になっている。
つまり日本の問題は技術力ではなく、ビジネスに対する戦略、ものづくりとは何か、技術とは何かという発想の問題だと思う。

日本人は「資源のない国だから、ものづくりで立国するしかない」と説明する。確かに鉱物資源は少ない。しかしおいしい米が収穫できる環境があるし、海の資源も豊富にある。結局は「ないものねだり」なのではないだろうか。

私は、子供に中国で教育を受けさせたいと思う。それは、中国は嫌な面もある反面、ものすごくタフな面があるからだ。そのタフさは学ばなければならない。


だから日本には、勝つチャンスがまだまだたくさんある。勝つためにまず必要なのは、発想を切り替えること。日本製品のクオリティーの高さは知られている。同じ価格なら2割程度品質が高ければいい。逆に同じクオリティーを保ちながら2割安くすればいい。
これは日本の技術力があれば実現不可能ではない。そして現地に根ざした営業力アップがキーワード。それができれば楽々と競争に勝てる。それをやるかやらないかだけである。

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・・・もちろん、一部極論もあるとは思うが、たぶん宋さんは意図的にそう書いている。
いろいろ反論もできるかもしれないが、でもそれはもしかすると「できない」というための単なる言い訳かも知れない。

小さくまとまってその自分を自己正当化して引きこもるよりも、もっと異なるものに対しても心を開いてぶつかっていく、そんなことを期待しているからこその講演内容であり、日本に対する熱い想いがある、ということを感じることができた、久々に骨太な言葉だった。





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Last updated  2010/02/17 12:02:46 AM
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