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2023.3.17結局ゆうべは浅い眠りと覚醒を繰り返し、あまりよく眠れなかった。5時半ころ目が覚め、横になったままウトウト。6時ころ起きて、昨日預かっていた手術着に着替える。この手術着、作務衣の要領で着るだろうことは分かっていたのだが、寝不足の頭のせいかどれをどこと結べばよいのか分からず、最初胴体の真ん中が完全に隙間空いてる仕上がりになった時は情けなさ過ぎて思わず爆笑しそうになった。(必死で堪えた)結局、同じ型の製品の写真をスマホでググり、事なきを得た。(↓これがその手術着。これくらいの着方は分かりそうなものだが、なんであの時うまく着れなかったのか謎…。首元の紐をどう扱うかがポイントだったと思う)6:50点滴開始。外は良い天気だ。手術日和☀ 8:20頃点滴台をお供にトイレへ。なんせ今日は地獄の生理2日目…。大出血予想時間帯が手術中と思いっきりカブるので、絶対に漏れさせまいと自分史上最大サイズのナプキンを今回準備していた。術後トイレに立てるまで、順調にいけば恐らく7時間ほど。その間なんとかもってくれ…!頼む…!朝まで安心巨大ナプキン&防水ショーツ&毛糸のパンツ、という最強の布陣で臨んだ。(※看護師さんには生理の事を話してあり、漏れたり何かあっても全く気にすることはないと言われてはいたけれど、漏れは精神的にガッカリするのでできるだけ防ぎたかった)8:35看護師さんが「ご主人がロビーにいらっしゃいました」と声掛けにくる。さぁいよいよ出陣だ。担当看護師さんとロビーに行き、夫と合流。夫の方が心なしか緊張してるように見えた。3人でエレベーターで下に降り、歩いて手術室へ移動。他の手術を受ける患者さん達も何組か歩いていて、いつしかゆるい行列ができていた。手術室前に到着し、夫とはここで一旦お別れ。「あとは先生にまかせてな。きっと大丈夫!」と見送ってくれた。うん。私も大丈夫だと思ってる。晴れ晴れとした気持ちで手術室に向かった。自動ドアから入ると中待合のような前室があり、しばしそこのベンチに座って他の患者さんたちと一緒に待っていた。「ここには手術室が10部屋あるんですよ」「え〜、そんなに!すごいですね〜」なんて看護師さんとお喋りしてる間に次のドアが開いた。私は一番手前の1番オペ室に案内された。まず最初に執刀を担当する先生から挨拶され、それから看護師を始め麻酔担当やその他いろいろなスタッフの方々が次々に挨拶に来た。圧倒〜。担当医の先生も勿論いらして「がんばりましょうね!」と声かけてくれた。広い手術室の真ん中に手術台があった。手術台は幅の狭いフカフカのベンチソファーのようで、とっても暖かかった。快適〜。私が横になると、直ちに心電図やらモニターやらが取り付けられていった。私の寝てる周りでテキパキと動くたくさんのスタッフさん達。頼もしい!横のほうを見ると、壁にドでかいモニターが据えられていた。なにやらハイテク…。NERVの通信室っぽい。私の寝ている足元の向こうの壁には大きなデジタル時計が見えた。秒で刻まれ、時刻は08:38。ちなみに手術開始は8:40と聞いていた。その間も医師や看護師さんが入れ代わり立ち代わり話しかけてくれて、緊張する間も無かった。酸素マスクが取り付けられ、苦しくなく呼吸ができるか聞かれた。「大丈夫です!」すると「はい。では麻酔を点滴から入れていきますね〜」と声が。「…今少しずつ入ってます。ちょっと効いてきましたか?」と聞かれると同時に、なんとなく頭がぽうっとしてきた。「…あ、今ちょっときてます、きてます!」そこで突如ブラックアウト。マリックか…。「…○○さん、○○さん、終わりましたよ…」声を掛けられ目が覚めた。足元のデジタル時計は10:30だった。すごい。「無事に終わりましたよ。気分はどうですか、気持ち悪いとかないですか?」「…大丈夫です、気分は良いです」と声を発して、喉がガラガラになってる事に気がついた。「すごい、もう終わったんですね…」と言いながら横に首を動かして周りを見た。最初の時よりスタッフは減っていて、皆さんそれぞれ後片付けをしているように見えた。そして自分の胸のあたりを見た。胸はバンドのようなものでぐるぐる巻きにされ固められていた。痛みはまだ麻酔が効いているのかあまり感じなかった。バンドがきつく巻かれている胸の圧迫感のほうが強かった。目覚めた時はまだ手術室だったが、目覚めてまもなくリカバリー室へ運ばれた。記憶はおぼろげだが、ストレッチャーで転がされて廊下を移動したのは覚えている。リカバリー室には他の手術を終えた患者さんが2人ほどおり、静かに休んでいた。看護師さんはモニターを観察しながら時々私に声をかけた。私は術後すぐの体調が思ったより辛くないのがとても嬉しかった。周りがどうなっているのか興味が湧いて、首を動かしてキョロキョロ見ていた。「リカバリー室には何分くらいまでいるんですか?」と看護師さんに聞くと「11:15まではここで様子をみないといけないので、それまで休んでてくださいね。…でもほんと意識しっかりしてますね、こんなに早く意識が戻るのも珍しいです」と言われた。そうなんだー!でも確かに、昔夫が盲腸の手術で全身麻酔をした時、術後に病室へ戻るときは意識はほぼ無い状態だった。こういうのは個人差があるんだろうか。病状にもよるのかもしれない。「もしできたら、寝たまま手指とか足とか動かしてみてくださいね」と言われ、手をグーパーしたり足指を動かしたりしていた。足元のほうのモニターのあたりで看護師さん同士が報告し合っているのが聞こえた。「リンパのなんたらかんたら、ネガティブ」と言っているのが聞こえた。それって、リンパの転移が無かったってことだよね?!よかったー!!と一気に頭が冴え渡った。一番気がかりな事だったから、とても嬉しかった。11:15身体の状態に問題がないことを確認し、自分のベッドに移されてリカバリー室から病室へ移動。途中のロビーで夫と再開。私の顔を見て「おー、良かった!先生が、転移もなく問題ないと言ってたよ!」と。しっかり意識のある状態で会えて会話が交わせて良かった。夫を安心させてあげられたと思う。晴れやかな気持ちで病室へ帰還した。
2023.04.16
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2023.3.1711:30頃ベッドで運ばれ病室に帰還。ベッドで廊下を移動する、っていうのは初めての体験で、なんて楽チンなんだと思った。自分が幼い頃、リビングで眠ってしまって親におんぶされて寝床まで運んでもらった、あの時の感覚を思い出した。ベッドが元の位置に戻り、看護師さんにスマホだけ枕元に持ってきてもらった。早速、関係各所へ手術が無事済んだことをラインで報告。手術の成功を皆さん喜んでくれた。喉がガラガラするので何が飲みたい気分だが、水分はまだ取ってはいけないのでガマン。(喉のガラガラの原因は、手術中に呼吸器を入れていたせいらしい)あと生理の出血がすんごく気になる…。後ろモレしてないだろうか…寝た状態のまま病衣の上からお尻のあたりを触ってみる。たぶん大丈夫そう。あとなんとなく尿意も感じてきた。ちなみに今回導尿カテーテルは入っていない。もし離床前に排尿したくなったらベッドの上で差し込み便器を使い用足しするとのことだが…あんまりそうしたくないなぁ。早く離床してトイレに行きたい。私の感覚的には13時頃には自力で歩いて行けそうだったのだが、離床時間は14時頃と決められておりそれまでは出歩けない。早く14時になれー!途中ウトウトしながら時間を過ごし、待ちに待った14時が来た。GOサインが出たら速攻トイレに行けるよう、替えのナプキンもポケットに装備しておいた。看護師さんがやって来て、まずは検温や傷の確認。その後「ゆっくりと立って、少し歩いてみてください」と促され、一刻も早くトイレに行きたい私はすぐさまベッドから降りて5,6歩歩いてみせた。「歩くの大丈夫です!トイレ行ってきていいですか?!」と聞いてokが出るや否や、点滴台をお供にトイレへ一直線。幸い後ろモレはしておらず、無事に用も足すことができ、事なきを得たのだった。点滴しながらのトイレは多少不便ではあったが、自力でトイレに行けるって幸せ…。16:00頃担当医の回診。傷の具合の確認。手術は問題なく無事成功し、リンパ転移がないことも確認したとのこと。正式に説明を受け、とてもホッとした。17:00飲水解除。まずはおとなしく白湯からいただく。その後リハビリがてらロビーの自販機まで行き、ゆずグリーンティーを購入。本当はカフェオレでも飲みたい気分だったが、コーヒーは明日にしよう。この日は食事無しなので、あとはひたすらのんびり気ままな時間。気ままとはいえ、そこはやはり術後。胸周りにぐるぐる巻きされてるゴムバンドの圧が結構強く、肺が圧迫気味で呼吸が深くできないのが少し難点。しかしその圧迫のおかげで傷の痛みがほとんど感じられずに済んでいる気もした。回診の時以外は、読書したり、NETFLIXで風さんのライブを観たりして過ごした。そしてこの日の消灯後もなかなか眠れず、家族や友達とラインで話したり動画を観たりして、ウダウダ過ごしていた。
2023.04.17
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12:40入院して最初の昼食。病院食はボリューム少なめだが、入院中は運動量が少ないのだからきっとこれでちょうど良い。ベッドの上で正座してモグモグしていると、隣のベッドからカーテン越しに患者さんとスタッフの話し声が聞こえてくる。食事はあまり取れていないらしく、果物なら食べれそうとか話をしている。食べられること自体幸せなことなのだ、と再確認する。美味しく完食し、食後のお膳は自分で廊下のカートへ持っていく。さてヒマだ…。歯磨きついでに、持参したティーバッグでお茶でもいれようと、給湯器へお湯を汲みにいく。ベッドに戻り、紅茶を飲みながら読書。平日の昼間にこうしてのんびり過ごすのは久しぶり。しばし寛ぎを満喫する☕14:00お呼びがかかり、エコー検査室へ。スタッフ「手術はどちら側になりますか」私「右側です」口頭で確認された後、明日の手術で切除する位置をエコーで確認し、マジックでぐるっと○印を付けてもらう。今日の入浴時に印が消えないように気をつけるよう言われる。検査の時よりも短時間で終わった。病室に戻り、再びくつろいでいると担当医の先生が回診に来た。先生に会うのは1ヶ月半ぶり。マジック書き込み部分を確認し、書き込みの線が細いところに書き足してくれた。そして明日の手術内容の再確認。担当医と対面するのは初診からまだ3回目だったが、なんだかんだ安心するものだ。担当医の回診後、手術室担当の看護師さんが明日の説明のために訪れた。その看護師さんの名札を見てアッと思った。なんと私の高校の同級生だった。かなりの陽キャだった子で姓名とも他であまり見ないお名前なので間違いない。彼女の方は私が同級生だとは多分気づいてなかったと思う…ほとんど話したこと無かったし、何より私は陰キャで目立たない存在だったから彼女は覚えてないだろう。そういえば随分前、風の噂で彼女が看護師やってると聞いたっけ…。まさか巡り巡ってここで直にお世話になるとは、運命っておもしろい。私は敢えて同級生だとは明かさず、通りすがりの入院患者Aとして振る舞った。彼女は高校時代と変わらずハキハキと明るく、明日の段取りについて説明してくれた。私は、今朝予定より早く生理が来たこと、ぼちぼち更年期に入ったっぽくて生理周期ガタガタで〜なんて話をしたら、彼女も「わかります、私もですよ!眠気すごかったりとかね、参っちゃいますよね〜」って。同年代トークに乗ってくれて心が和んだ。明るい気持ちにさせてくれて、感謝!16:30予約していたシャワー浴の時間。胸のマジックの印が消えないように気をつけながらシャワーを浴びる。ここで初めてパジャマに着替える。(パジャマは自分のを持参)17:10シャワーから戻るとすぐ、シンチCT検査のお呼びがかかる。予定よりだいぶ時間が押した。今回初、パジャマ姿で外来へ移動。検査室に入り、検査機器の寝台に仰向けに。上から四角い大きな機器が胸の上に降りてきて体スレスレの位置で止まり、検査開始。ここでもマジック登場。脇の下のほうにセンチネルリンパ節の位置をグリグリっとマークされ、終了。17:30夕飯の時間までまだ少しある。…そうだ、今の時間ならまだカフェ開いてる!入院中に一度はカフェのコーヒーをテイクアウトするぞと思っていた。明日は術後すぐでカフェは無理。その次は土日で外来休診のためカフェ休業。というわけで入院中のカフェは今しかチャンスがない。行くぞ!そして無事願い叶い、1杯のブレンドコーヒーを病室へ大事に持ち帰った。ささやかな幸せ。香りが周りにもれないように、こまめに蓋をしながら大事に味わった。18:00夕食。しっかり完食。これが手術前最後の食事。次の食事は明後日の朝…。19:00看護師さん回診。点滴針を左腕(手術する側と反対側)に入れてもらう。明日の朝から点滴開始。いよいよ…という感じ。緊張感はあまりない。やっと手術が受けられるという喜びのほうが大きい。明日が楽しみだとすら感じていた。手術前ハイなのかも…イヤホンで音楽聞いたり、家族から送ってもらった猫の写真見て和んだり、本を読んだりしてゆっくり過ごした。21:00以降、絶飲食。21:30消灯。…なかなか寝付けない。同室の患者さんの痛いと言う声や、ナースコールで駆け付けた看護師さんとの会話の声、オムツを替える衣擦れの音、他の病室から聞こえてくる嘔吐するような音…聞こえてくるいろいろな音から、ここはガン病棟であることを実感させられた。ここの患者さん達の容態が、少しでも快方に向かいますように。そして私達をお世話してくださる医師看護師スタッフの皆さんに心から敬意と感謝を。
2023.04.15
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あとは、病院から入院のお呼びがかかるのを待つばかり…(当初は1か月くらいで連絡がくる予定だったが、実際は1ヶ月半待つことに…)その間、治療めいたことは特にないので、自分なりにできることを考えた。・身体のコンディションを保つ。・病気をしない(既にがんには罹ってるが…)。実際入院直前にコロナに罹って入院延期になる方もいらっしゃるそうので、それだけは避けたかった。・免疫力を高められそうなことをする。とりあえずR-1ヨーグルトを毎日摂る()。・笑ってすごすためにくよくよしない。笑えるものを見聞きする。あと病院でもらった手術前の心得的なパンフに「体力つけておきましょう」と書いてあったのでウォーキングでもやるかと思ったが、結局2回くらいしかできなかった。体力はつかなかったが気晴らしにはなった。入院の持ち物準備は、旅行準備気分で楽しみながらやっていた。手術後の荷物はキャリーケースが良いとどこかで読んだので、機内持ち込みサイズのヤツを妹から借りてきた。これだけでなんかワクワクする。前から絶対入院時に持ってくと決めていたものがある。藤井風"LOVE ALL SERVE ALL" ツアーグッズ(パナスタ・たまアリ行った)のバスタオルと、ダイソーで買ったねこ顔クッション。これらで枕元を彩り、入院期間癒やされながら乗り切ろうという魂胆。もちろんイヤホンも持参し、風さんの音楽に浸りながら養生する気満々。湯呑みはオーバーザサン(愛聴してるPodcast番組)の保温タンブラー。ジェーンスーさん&堀井美香さんの著書ももれなくお供に。…って感じの、趣味全開の入院準備品(笑)(↓実際の入院時の病院ベッドコーデ…)あとは病院でもらった入院中のスケジュール表を見ながら、手術後動けるようになったらこの時間帯にコーヒー買いに行こうかなとか、院内探検してみようとか、計画を立てて妄想を膨らませていた。もちろん不安が全く無いわけではなかった。こうして待っている間にもがんが大きくなったりリンパに入ったりしないか…そういう不安も常にあった。ここまでくると、早く入院したくてたまらなかった。一日千秋の思いとはまさにこの時の心境。
2023.04.12
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