仏の心

今回の朝青龍の引退に絡むK氏といい、薬物汚染の

広がる芸能界といい、少々浮世離れした世界が問題

になっている。

何故だか、一般人と言われる堅気の衆は、普段の暮

らしの平凡さ、刺激の無さに、つい浮世離れした世界

を覗いてみたくなるようだ・・・。

映画やテレビドラマで描かれる世界は、フィクションの

世界とは解っているものの、現実にもやはりそれと良

く似た世界が存在しているのも事実である。

私がまだ若く、おぼこかった頃、知り合いの喫茶店の

マスターには、本物のヤクザ(極道)の友人がいた。

神戸の本部近くに住まいしながら、彼らは昔破門され

た流れを汲む筋に属していた。

山口組四天王と呼ばれた菅谷組組長菅谷政雄に兄

弟の盃をもらい、菅谷組が本家から絶縁された後、地元

松山で岡本会を起こし、後に松山会の初代会長を務め

た岡本雅博会長が親分である。

私達は当時何も知らなかったのだが、彼らと知り合い

になったのは、岡本会を旗揚げした直後の事だったよ

うである。

極道とは言え、友人の友達は身内であるから、親しく

して貰ったのは当然である。

しかしそれがいけなかった、彼らがお金にしようと飼っ

ていた馬鹿ボンが居たのだが、何も知らない田舎者

２人(同郷の後輩)と共に彼にまんまと一杯食わされて

取り込み詐欺の片棒担ぎをさせられてしまったのであ

る。

その相手が悪い事に元大阪府選出の大物代議士の

私設秘書だったりしたものだから一時はどうなるもの

かと大変な思いをさせられたものである。

当然の事のように我々２人は、高利貸でお金を借り

させられて、石川島播磨重工業で重役を務める父親

からお金が入ったら返すという約束で全て彼に預けた

のである。

そうこうする内に突然彼は私設秘書から預かった輸

入雑貨と共に我々の前から姿を消したのである。

すぐさま私と同い年の私設秘書は、警察に届けると

共にその筋に逃亡人の捜索を依頼したのである。

こんな騒動を目の当たりにした時、こんな世界は私

の住める世界で無い事をつくづく痛感させられたも

のである。

最初に戻るが、朝青龍引退に拘る騒動を起こした

K氏然り、押尾学、酒井法子、その他大勢の薬物

に拘った芸能人諸氏然り、政界、財界の大物達や

その子息との関係などで警察も易々手を出せない

とか・・・。

こんな薄汚い世界が日本の中心となってこの国を

動かしているかと思うとぞっとする次第である。

きっと迷宮入り事件には、こんな人間どもの誰かが

拘っているのだろう・・・。

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