医療用医薬品 0
全287件 (287件中 151-200件目)
母乳により脂肪の燃焼機能が発達する巧妙な仕組みを発見出典:プレスリリース 東京医科歯科大学大学院の研究グループは、筑波大学、東北大学、群馬大学との共同研究により、乳児期の肝臓において、脂質センサー分子であるPPARα(peroxisome proliferator-activated receptor α)を介するエピジェネティクス修飾(DNA脱メチル化)により、脂肪燃焼が活性化することをつきとめました。マウスを用いた本研究成果は、ヒトにおいても母乳中の脂質が、乳児期の肝臓における脂肪の燃焼機能の発達を促すことを示唆するものです。 胎児期~乳児期の栄養状態は成人期の生活習慣病の罹りやすさに関連することが指摘されています。しかしながら、その仕組みはいまだによく分かっておらず、エビデンスに基づいた母親の栄養管理法も確立されていません。脂肪の燃焼機能は肥満や糖尿病などの生活習慣病の罹りやすさに密接に関連しており、母乳や人工乳の脂質組成の詳細な検討により、乳児の健康な発育や生活習慣病予防のための母親の栄養管理法や人工乳の開発が期待されます。 出生直後から乳仔期後半のマウスの肝臓では、脂肪燃焼に関わる多くの遺伝子がDNA脱メチル化されて脂肪燃焼が活性化されることが明らかになりました。ヒトの胎児と成人の肝臓においても、同様の結果が確認されました。更に、DNA脱メチル化された脂肪燃焼に関わる全ての遺伝子のはたらきは、脂質センサー分子であるPPARαにより増加することが分かりました。PPARαを持たないマウスやPPARαを活性化する薬剤を用いた検討により、乳仔期のマウスの肝臓では、PPARαがDNA脱メチル化を引き起こし、これにより脂肪燃焼が活性化されることが明らかになりました。本研究は、これまで全く不明であった乳児期の栄養状態による脂肪燃焼の発達の仕組みの解明につながるものです。今後、母乳や人工乳の脂質組成の詳細な検討により、乳児の健康な発育のための母親の栄養管理法や人工乳の開発が期待されます。乳児期の栄養状態が脂肪燃焼に関わる遺伝子のDNAメチル化として「記憶」され、成人期の生活習慣病の罹りやすさに関連する可能性があり、乳児期の栄養状態に介入する「先制医療」の新しい手掛かりになることが期待されます。
2014年10月15日
コメント(0)
脳画像から運転能力を評価できる可能性出典:プレスリリース 2014年10月10日、東京大学、高知工科大学、および高知県警運転免許センターのグループは、白質病変と診断される高齢者群(60歳以上)が同世代の白質病変と診断されない高齢者群と比較して運転能力が低下していることを実車両の運転試験の結果によって示したことを明らかにしました。 運転を妨げるような音による妨害を行った場合には、白質病変がある場合に運転能力は低下を示した。それ以外のテストでは有意な低下はなかった。 この研究成果は、PLOS ONEに10月8日から公開されています。 このデータは高齢者が白質病変を持つ場合に、運転能力が低下することを示していますが、この低下が事故に繋がるものであるかに関してはなにも示していません。 高齢者による事故は確かに増えています。しかし、実際には運転時間が増えているから目立つだけかもしれません。例えば、1年間に1日30分ほど運転した場合に年間に事故を起こす確率が年代によって差があるかどうかを検討する方が重要だと思います。 てんかんを持つ人が目立つ事故を起こしたことから、免許取得条件の問題が出ました。その確率が今の深夜運転で許可されている時間で事故を起こす確率を超えているかの検討はありませんでした。(データが無いから仕方がありませんが) ビックデータの利用価値というのはこういうときに疫学的な話ができることかと思います。
2014年10月12日
コメント(0)
ウイルスDNAによる遺伝子再構築の発見出典:プレスリリース 2014年10月10日、法政大学とマイクロ・ナノテクノロジー研究センターらは、細菌の遺伝子に潜り込んだウイルスDNAが、宿主の必要に応じて離脱し遺伝子再構築することで、その発現を活性化させることを発見しましたことを明らかにしました。 この研究成果は2014年10月9日(現地時間)、PLOS Geneticsに公開されています。 ウイルスは生物に感染して、自らを増殖させるとともに、多くの場合その生物の細胞を破壊します。ヒトに感染するエボラウイルスや植物に感染するタバコモザイクウイルスなどのように、ウイルスの感染により生物は病気になり、死に至る場合もあります。ウイルスの増殖により、感染が拡大していくため、ウイルスの感染は多くの生物にとって脅威となっています。しかし、私たちはこのような性質をもつウイルスの能力を完全に理解するに至っていません。ウイルスの脅威を克服するためには、ウイルスがもつ様々な機能や宿主細胞との相互作用について解明することが重要です。 ヒトや植物以外の生き物にもそれぞれ感染するウイルスが存在します。例えば最も小さな生物である細菌にもウイルスが感染します。細菌に感染するウイルスをバクテリオファージと呼んでいます。バクテリオファージは、その生活環から宿主に感染後、自らを増殖させ宿主を破壊するタイプと宿主のゲノムに自身のDNAを組み込み、宿主の増殖とともに自らのDNAを複製させるタイプに分けることができます。後者のタイプのウイルスは溶原性ファージと呼ばれ、宿主ゲノムの特定の場所を認識して、自らのDNAを組み込みます。宿主ゲノムに組み込まれたウイルスをプロファージと呼んでいます。プロファージは宿主にストレスが加わり生存が脅かされた時に、宿主の中で自らを増殖させ、最後に宿主を破壊します。つまり、プロファージは、細菌にとってゲノムに寄生し、いつかは宿主を破壊する厄介者で脅威となるものです。 モデル細菌として知られる枯草菌に感染するSPβと呼ばれるウイルスが、宿主が細胞分化(胞子形成)を行う時期に胞子の最外層を作るのに必要なspsMと呼ばれる遺伝子を再構築することを明らかにしました。 SPβは、1)増殖を繰り返す栄養細胞がDNA損傷時など、宿主がピンチになったときに、宿主ゲノムから抜け出し、自らのDNAを複製し、増殖する機構と、2)胞子形成期に宿主ゲノムから抜け出すことで、spsM遺伝子を再構築する機構を持っていることが明らかになりました。つまり、遺伝子を再構築する機能を宿主に付与し、細胞分化を進行させる機能をもつウイルスが存在するということです。 本研究は、遺伝子再構築がウイルスDNAを介して行われるという生物学的な新たな知見を導き出したものです。この研究は、生物とウイルスとの相互作用・DNA組換えの研究分野にとって重要となる発見です。また、枯草菌は納豆菌とも近縁であり、今後、食品分野、環境分野への応用研究の基盤となることも期待されます。
2014年10月10日
コメント(0)
Attacking Type 2 Diabetes from a New Direction with Encouraging Results出典:プレスリリース 2014年10月5日、ラトガース大学(Rutgers University:米国)の研究者は、2型糖尿病の根本治療を目的とした薬物を開発していることを明らかにしました。 アメリカ糖尿病学会によると2,800万人のアメリカ人が2型糖尿病と診断されていますが、治療は根本治療ではなく、症状に対する対症療法しかありません。 ラトガース大学の研究者は腸管寄生虫を取り除く薬剤(niclosamide)が糖尿病の根本治療に対する鍵となる可能性を見いだしました。 糖尿病の治癒を得るため主要消化管のバイパス手術しかありません。 インシュリン抵抗性の1番の原因は肝臓細胞と筋肉細胞の中に過剰の脂肪が蓄積することです。行き場を失ったグルコースの大部分は血中を漂い、体中の組織にダメージをあたえて、網膜障害、腎障害、心血管障害あるいはその他の健康に影響を与えます。 niclosamideの誘導体は細胞内のミトコンドリアにはたらいで、障害性の脂肪を細胞から排出します。この作用により、niclosamideは腸管から寄生虫を排除しますが、誘導体は哺乳類においてもその効果を発揮します。マウスにおいて、その効果は確認済でFDAからすでに臨床試験の許可を得ています。 糖の処理に関する酵素等に働く抗糖尿病用薬やインスリンの追加が現在の糖尿病治療です。今回の試みは、例えば、クルマのエンジンをチューンアップして効率よく動かすような形で糖尿病の治療を行うものです。 なお、この研究はNature Medicineのオンライン版に10月5日から公開されています。
2014年10月07日
コメント(0)
欧州医薬品庁、オプジーボ(一般名:ニボルマブ)の非小細胞肺がんに対する販売承認申請(MAA)を受理-肺がんに対するPD-1免疫チェックポイント阻害薬として初めての申請完了-出典:プレスリリース 2014年10月3日、小野薬品工業はブリストル・マイヤーズ・スクイブが9月29日(米国現地時間)、欧州医薬品庁(EMA)がオプジーボの非小細胞肺がんに対する販売承認申請を受理したことを発表したことを明らかにしました。 EMAに提出した肺がんのMAAは、3次治療の治療歴を有する肺扁平上皮がん患者を対象とした第2相臨床試験(Study-063)の結果に基づいています。 FDAとは申請に関する相談をかけており、年末には申請となる見込み。
2014年10月04日
コメント(0)
森にタネをまくニホンザルの役割は、年によって変化する 出典:プレスリリース 2014年10月2日、京都大学霊長類研究所は、冷温帯に生息する野生ニホンザルの種子散布特性を、果実の生産量が異なる5年間にわたって追跡調査し、種子の出現率、種子の健全率という二つの特性に年次変化を見出したことを明らかにしました。 この研究成果は、10月1日(米国東部時間)に、オンライン総合科学誌「PLoS ONE」で公開されています。 「飲み込み型」の種子散布は、森林の維持・更新に重要な役割をはたしています。果実の生産量は年ごとの変化も大きく、果実の豊凶は、しばしば果実食者の行動に影響を与えます。 果実の生産量が異なる5年間にわたって追跡調査し、ベリー類の種子の散布特性の年次変化を評価しました。1)種子の出現率、2)糞一個当たりの種子数、3)種子の健全率、4)種子の多様性(Shannon-Winer 指数 H’)を評価しました。評価した四つの特性のうち、種子の出現率、種子の健全率という二つの特性に年次変化がみられました。糞一個当たりの種子数 (平均 78, レンジ 32–102) および種子の多様性 (平均 0.7, レンジ 0.6–0.8) に年次変化はみられませんでした。サルが果実と共に種子を飲み込んでから排泄するまでの時間は一回の採食バウト長よりもはるかに長いため、一個の糞の中に複数の場所で食べた果実の種子が混ざったためだ考えられます。 果実を提供する植物と霊長類の結びつきは固定的ではなく、それぞれの年の食物環境に応じて柔軟に変化するようです。 温帯地域の森林は、人為的・自然の撹乱に対して速やかに回復しますが、この研究で示されたような、サルと植物のゆるやかな結びつきが、森林の長期的な安定性を保つ要因となっている可能性があります。
2014年10月03日
コメント(0)
長期記憶形成時の脳部位に応じた遺伝子発現調節機構の発見出典:プレスリリース 2014年10月2日、東京大学の研究グループは、マウスを用いた実験により、脳の部位ごとに記憶に応じた遺伝子発現を調節しているメカニズムを解明したことを明らかにしました。 この研究成果は「Neuron」オンライン版で10月1日(米国東部時間)から公開されています。 記憶が一時的なものであるか、長期的に持続するものであるかは、特定の遺伝子発現の有無にかかっています。記憶にかかわる遺伝子発現の調節に必要な転写因子の代表的なものはCREBです。CREBは脳以外でも機能しています。脳では記憶・発生・細胞の生存維持・体内時計など様々な機能に係わっていることの報告があります。 転写因子は、遺伝子の発現調節領域(プロモータ)に結合して遺伝子の発現のON/OFFを行います。 CREBが制御している遺伝子は4,000ことも言われいます。CREBが特定の遺伝子群だけを読み出して、部位特異的に機能を発揮するメカニズムに関しては明らかになっていませんでした。 刺激に対して細胞が反応するときに、分子内の特定のアミノ酸のリン酸化が、刺激の伝達や遺伝子の発現のON/OFF制御を行っていることは定説になっています。 CREBが長期記憶を制御する場合にはCRTC1という転写補助因子が必要になっています。これは神経神経によるIEGのプロモータにCREBが結合するメカニズムから実証しました。 CRTC1を搭載したウイルスの個体内投与技術により、海馬と扁桃体でCRTC1の遺伝子発現抑制(ノックダウン)および活性化型CRTC1の強制発現を行い、海馬・扁桃体の両方が必要とされる文脈依存的恐怖条件付けタスクをマウスに実施しました。長期記憶において海馬では内在性CRTC1の寄与が少ないのに対し、扁桃体では大きく、しかし、海馬でCRTC1機能を外因性に強化すると記憶が向上する一方、扁桃体ではそのような作用がないことが分かりました。
2014年10月02日
コメント(0)
ADMEデータベース バージョン36を発売開始 出典:プレスリリース2014年9月24日、富士通九州システムズは10月1日よりADMEデータベースバージョン36を発売することを明らかにした。 ADMEデーターベースは、Slobodan Rendic教授(クロアチア ザグレブ大学)が文献から収集した人の薬物動態関連タンパク質、薬物情報を中心としたデータベースです。特にチトクロームP450を中心にin vitroの実験データを収集。キーワードや部分構造や類似構造検索が可能。 Pub MedとCASの構造検索を使えば文献を探すことができますが、データを抽出してあることから、データをまとめる際には有用です。
2014年09月26日
コメント(0)
個別化する乳がんケアへのさらなる選択肢乳房用超音波画像診断装置「Invenia ABUS」の販売開始-乳がんケアをもっとシンプルに、そして女性への負担・不安を軽減- 出典:プレスリリース 2014年9月24日、GEヘルスケア・ジャパンは、乳がんケアに対する女性のストレス・不安を解消する乳房用超音波画像診断装置「Invenia ABUS(インべニア・エイバス)」の販売を開始すると発表した。 乳房用超音波画像診断装置Invenia ABUSは、デジタルマンモグラフィ、デジタル・ブレスト・トモシンセシス、そして超音波画像診断装置やMR、PETなどとともに当社が持つ乳がんケアのトータルソリューションのひとつとして、女性の心身への負担を軽減し、よりやさしい医療環境の提供を目指します。従来超音波診断装置は、再現性に乏しく、スキャンを実施する検査者(技師)の技量によって画像の質にバラつきがあることが課題とされてきましたが、本製品は自動でフルボリュームスキャンを可能にし、検査精度の標準化かつ均一性の高い高画質イメージングを実現しています。また軽量設計で可動性にも優れているため、病院のニーズに応じて装置を使用することができます。 軽量で可動性に優れたコンパクト設計のため、診療室での視触診、超音波検査、マンモグラフィ検査とこれまで、複数個所を転々としなければならなかった乳がん検診が、よりスムーズに実現し、検査時間も短縮できます。自動スキャンされたフルボリューム画像は、即座にワークステーションに送信。複数画面でレイアウト表示が可能となり、オペレーションからの読影のプロセスを効率化できます。また、ボリュームデータにより乳腺組織の構造的な情報および病変の位置情報などをより正確に把握することができます。だそうです。
2014年09月25日
コメント(0)
肺がんの補助診断に有用な腫瘍マーカーラインアップを拡充「エクルーシス試薬 ProGRP」発売のお知らせ出典:プレスリリース 2014年9月24日、ロシュ・ダイアグノスティックスは、小細胞肺がんの確定診断の補助に用いられる腫瘍マーカーProGRPを測定する「エクルーシス試薬 ProGRP」を9月26日に発売することを発表した。 「エクルーシス試薬 ProGRP」は、電気化学発光免疫測定法(ECLIA法)を測定原理とするロシュ・ダイアグノスティックスの自動分析装置を用いて、30μLという微量検体を、18分で測定します。開封後6週間、自動分析装置上で安定性を保つことが可能となったため、検体数が少ない医療機関の検査室にも対応できます。 肺がんの補助診断では、複数のマーカーを組み合わせることが多く、肺がんが疑われる場合の第1選択腫瘍マーカーとして、CEA、CYFRAとProGRP、また小細胞肺がんの補助診断にProGRPとNSEが有用とされています。当社では既にCEA、CYFRA、NSEを販売しており、本製品がラインアップに加わることで、同一検体で、必要な項目を同時に測定できます。 腫瘍マーカーだけでどれぐらいの精度を持つものでしょうか?手術する場合には最終的に開くので、問題ないですが、(まぁないでしょうが)薬物治療のみで対処しようとした場合に、確定診断・・・できるわけないですね。
2014年09月25日
コメント(0)
放射線照射による精子幹細胞のアポトーシス経路を解明 -抗がん剤等のDNAダメージによる男性不妊の回避に期待- 出典:プレスリリース 2014年9月22日、京都大学は放射線や抗がん剤を用いたがん治療における精子幹細胞のDNAのダメージによって引き起こされる副作用である不妊症について、精子幹細胞におけるDNAダメージはTrp53(p53)-Trp53inp1-Tnfrsf10b(DR5)経路を活性化し、その細胞死を誘導することを明らかにしたと発表しました。 この研究成果は、「Stem Cell Reports」のOnline版で9月18日(米国東部時間)から公開されています。 最近の抗がん剤治療では小児がんの7割以上の患者が5年以上生存し、このうちの約3割が不妊症となることが知られています。成人の場合は、精子保存法を用いて精子凍結を行うことが可能ですが、未成熟な小児の場合には精子を回収することができないため、抗がん剤による不妊症は深刻な問題です。 古くから精巣はDNAダメージへの感受性が最も高い組織の一つであることは知られていましたが、放射線を含むDNAダメージがどのようにして精子幹細胞の細胞死を誘導するかは明らかになっていませんでした。 通常の組織では、「ゲノムの守護神」と呼ばれるTrp53遺伝子がDNAダメージの際の細胞死に関与するとされていますが、この分子は精子幹細胞の細胞死には影響しないと考えられていました。 精子幹細胞におけるDNAダメージはTrp53(p53)-Trp53inp1-Tnfrsf10b(DR5)経路を活性化し、その細胞死を誘導することを明らかにしました。この経路は分化の進んだ精子前駆細胞で重要となるBbc3(Puma)を介した細胞死の経路とは異なっており、今回の発見は幹細胞と分化決定された前駆細胞が異なった細胞死のメカニズムを利用することを示すものです。 体細胞組織の幹細胞の細胞死で重要とされている Bbc3 遺伝子は分化決定された精子形成細胞の細胞死に働いており、精子幹細胞の生存には影響がないことが明らかになりました。最後に私たちは、これらの細胞死経路は放射線のみならず、シスプラチンなどの抗がん剤を加えた際にも同様に働いていることも確認しました。 この経路の分子を操作することで、抗がん剤治療による不妊の誘発を回避する方法を見出すことができる可能性があることを示唆しています。 不妊症が問題になるぐらいに、小児がんの生存率が高まったことは喜ぶべき面もありますが、重大な副作用なので、副作用を防ぐ方法を探さなくてはなりません。3割も起こるのであれば大変発現率の高い副作用です。 メカニズムが今回明らかになったことから、不妊症を抑える薬剤が発見される可能性はありますが、本来は元々の小児がんの治療薬の副作用を減らす方法も探すべきだと思います。 副作用がでた、それならば副作用予防薬を飲ませば良いというやり方は、医療費を増やすだけです。本来の治療薬が改善されるまでの場つなぎに使うことは否定しませんが、1000人に10人も起こらない、非致命的な副作用予防薬に関してはもう少し議論があってもいいかと思います。
2014年09月23日
コメント(0)
前立腺がんの発症に関わる23個の遺伝子多型を新たに発見-国際共同研究による遺伝子多型(SNP)関連解析で累積100個に- 出典:プレスリリース 2014年9月22日、理化学研究所は、前立腺癌と関連がある一塩基多型(SNP)を新たに23個発見したことを明らかにした。この研究は南カリフォルニア大学(米国)、国立がん研究所、がん研究所(英国)およびケンブリッジ大学(英国)などの国際共同研究グループによる成果。 多様な人種の前立腺がん罹患者と対照群、合計87,040人を対象として実施。 SNPがあると発症リスクがSNPの数1つにつき1.06~1.14倍高まります。すでに発見されている77個のSNPに、今回新たに発見されたSNPを加えると、合計100個ものSNPが前立腺がんの発症と強く関連し、その発症リスクに関わることになります。この数は、さまざまながん腫の中で最大であり、前立腺がんの発症にはSNPが深く関わっていることが示唆されます。今後、この成果を用い、多数のSNPを組み合わせることによって、より精度の高い前立腺がん発症リスクの予測および診断ができるようになると考えられます。 理研の研究チームはこれまでに、日本人の前立腺がんに関連する16個のSNPを組み合わせ、日本人の前立腺がんの発症リスク予測モデルを構築してきました。 前立腺がんに関連するSNPは、ゲノム全体で数百個以上存在すると推定されています。また、疾患に関連するSNPは人種によっても異なります。今後、日本人の前立腺がんSNP関連解析をさらに進め、新たなSNPを発見できれば、SNPを多数組み合わせることが可能になり、より精度が高く、かつ日本人に合った前立腺がんの発症リスク評価方法や診断方法の開発が進展すると期待できます。 これだけたくさんSNPが存在することは、前立腺がんの遺伝因子の関連の高さを推定しています。これに関しては少し疑問があります。前立腺がんとひと口にいっているけれども、色々な原因でなっているかもしれない。もう一つは、SNPの研究は交絡因子も原因と見なしている可能性が高いということです。一つ一つのSNPは前立腺がんのGO/STOPスイッチではないはずです。何らかの生物学的な意味があるはずです。それが一つ一つ明らかにしなくては、前立腺がんの発症と強く相関するという統計学的データだけでは弱いと思いいます。例えば、前立腺がんは男性ホルモンががんの成長の原因となっていることは、去勢によって前立腺がんの縮小をきたすことから明らかです。そうすると、その男性ホルモンを合成する、あるいは廃棄するということを考えただけでどれだけの遺伝子が関与している可能性があるでしょうか。
2014年09月23日
コメント(0)
東洋新薬 『すいおう(甘藷若葉末)』の特徴的なポリフェノールが抗糖尿病ホルモンGLP-1の分泌を促進させることを国際ポリフェノール会議にて発表出典:プレスリリース 2014年9月8日、東洋新薬は、中部大学応用生物学部、北海道大学大学院農学研究院と共同で、『すいおう(甘藷若葉末)』に含まれる特徴的なカフェ酸誘導体が、血糖値上昇抑制作用のメカニズムに関与することを確認し、第27回国際ポリフェノール会議において発表したことを発表した。 すいおうに含まれる特徴的なポリフェノールである3,4,5-トリカフェオイルキナ酸をはじめとするカフェ酸誘導体が、GLP-1分泌促進に関与するかどうかをin vitro試験にて検証しました。 また、これらのカフェ酸誘導体を含み、かつ食物繊維などが除去されたすいおう抽出物が、2型糖尿病モデルマウスでみられる血糖値上昇を改善するかどうかを検証しました。 自由摂食によるマウスによる実験なので、すいおう抽出物をどれぐらい食べれば、血糖降下作用があるのかどうかよく分かりませんでした。
2014年09月09日
コメント(0)
ピロリ菌感染による胃がん発症の鍵となる小さなRNAの発見出典:プレスリリース 東京大学医科学研究所の氣駕恒太朗特任研究員、三室仁美准教授と千葉大学真菌医学研究センターの笹川千尋特任教授らの研究グループは、マイクロRNAという小さな核酸物質の一種「microRNA-210」の発現が、ピロリ菌の感染した胃で顕著に抑制されていることを発見したことを発表した。 この成果はNature Communications 5, Article number: 4497 doi:10.1038/ncomms5497に9月4日Online公開された。 ピロリ菌の慢性感染によって、ゲノムDNA にメチル化修飾が起きるためであることを明らかにしました。さらに、ピロリ菌の感染によって、microRNA-210 の発現が抑制されることで、STMN1(Stathmin 1)というがん遺伝子の発現が上がり、胃の細胞が異常に増殖することを示しました。胃の病態形成に関わる理解を大きく深めた本研究成果は、ピロリ菌による胃がん発症の原因解明に役立つと期待されます。 ピロリ菌の除菌は本当に胃癌に対して効果があるのでしょうか?ピロリ菌の除菌療法の保険適用が始まってかなり立ちますが、胃癌は減っていないような気がします。2013年からピロリ菌の除菌の保険適用が広がったことから、結果が出るのは10年後? 最近、疫学調査の結果に関しては、介入試験で確かめないと限界があると、当たり前のことだと思うのですが、軽視されているような気がします。つまり、塩分を摂取量が少ない人は確かに心血管疾患のリスクは低いですが、減塩によって同様な効果がえら得るかどうかは不明。WHOやアメリカの5g以下ほどに制限しなくてもいいのではと感じています。15gぐらい取っていたヒトが、10gにしたら効果があった介入試験があったと思います。
2014年09月06日
コメント(0)
完全ヒト型 抗デングウイルス抗体の治療薬開発について 出典:プレスリリース 2014年9月5日、医学生物学研究所は、以下に述べる二つのプロジェクトに参画し、成果としてデングウイルスに対して中和活性を有する完全ヒト型抗デングウイルス抗体の開発に成功したことを発表した。 このプロジェクト成果の早期活用を目指して導出活動を進め、治療薬開発へ向けた取組みを開始しています。 医学生物学研究所は、国際協力機構(JICA)と科学技術振興機構(JST)が共同で実施している、地球規模課題対応国際科学技術協力(SATREPS)プログラム『デング感染症等治療製剤研究開発プロジェクト(2009 年~2013 年:タイ-日本における共同プロジェクト)』、及び独立行政法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)のプロジェクト『抗デング出血熱・治療用ヒト抗体候補の動物試験での有効性評価(2013 年~2014 年)』において、デングウイルスに対する予防と治療の両面でウイルス増殖抑制効果のある完全ヒト型 抗デングウイルス抗体の開発に成功しました。 デングウイルスは、4 つの異なる型(DENV-1~4)があり、ある型に感染すると、通常その型に対して自己防御機能(免疫能)を獲得しますが、異なる型に対する免疫能は獲得することができず、再度感染するおそれがあります。異なる型に続けて感染すると、重症化する頻度が高まることが報告されています。 MBL は、両プロジェクトにおいて、デングウイルスに 2 回目の感染を受けた患者の急性期の血液中の末梢血単核球(デングウイルスに対する抗体を産生)とパートナー細胞 SPYMEG(奥羽大学の山本正雅教授と共同開発)を材料に、細胞融合法を用いて数十種類の完全ヒト型 抗デングウイルス抗体の開発に成功しました。これら開発した抗体は、デングウイルス 4 つの型すべてに対して顕著に中和活性を有することが、ウイルス中和試験及び動物試験において確認されております。この結果から、初期感染の治療はもちろん、再感染時においても効果を発揮することが期待されます。これらの抗体(本抗体医薬シーズ)は、国内外問わず、製薬会社への導出及び提携を進めることで、臨床試験、承認申請・許認可を進め、早期に製剤化を計画しています。 SPYMEGを利用した抗体の生産能力はどの程度なんでしょうか?あと、ヒト由来細胞の危険性は?この辺りをデング熱で解決し、様々なウイルスに応用できることを願います。どこが手を上げるのでしょうか?
2014年09月06日
コメント(0)
大塚製薬工場、咀嚼調整食品「プロセスリード」9月5日 新発売出典:プレスリリース 2014年9月5日、大塚製薬工場は、咀嚼調整食品「プロセスリード」を発売したことを発表した。 「プロセスリード」は、咀嚼(噛むこと)により容易に飲み込みやすい大きさや形の食塊になり、経口摂取をサポートする咀嚼調整食品です。 経口摂取時の咀嚼、食塊形成、嚥下までの一連の機能に着目して開発しました。摂取時には固形物の食感を持ち、咀嚼することで飲み込みやすいペーストと同等の食塊になるように物性を調整しています。ゼリーやペースト状ではない新しい食感の食品として、病院、介護施設における食事メニューのラインナップとしてご使用できます。 抹茶風味、えび風味、ゆず風味の3種類がある。1個50gで36個入り5760円が希望小売価格。 栄養補助になる新しい食品というコンセプトだそうです。
2014年09月05日
コメント(0)
Meiji Seika ファルマと武田薬品との不眠症治療剤「ロゼレム®」に関する国内コ・プロモーション契約の締結について 出典:プレスリリース 2014年9月5日、Meiji Seika ファルマと武田薬品工業は、武田薬品工業が製造・販売している不眠症治療剤「ロゼレム®」に関する日本国内でのコ・プロモーション契約を締結したことを発表した。 この契約に基づき、Meiji Seika ファルマは2014年10月1日より、CNS 領域の専任MR が担当する精神科施設を主な対象とし、ロゼレムのプロモーションを行う。武田薬品は、引き続き精神科を含む全ての診療科へのプロモーションを行う。 とのことです。
2014年09月05日
コメント(0)
前立腺がん治療薬 「ジェブタナ®点滴静注60 mg」新発売出典:プレスリリース 2014年9月14日、サノフィは、前立腺がん治療薬「ジェブタナ®点滴静注60mg」(一般名:カバジタキセル アセトン付加物、以下「ジェブタナ®」)を発売したことを発表した。 現在「去勢抵抗性前立腺癌」に対する標準治療として、初めて、生存期間の延長とQOLの改善を示したドセタキセルによる化学療法が広く行われています2。 しかしながら、ドセタキセルの投与を受けたものの症状が進行した患者さんに対しては、生存期間の延長に寄与できる治療法は限られています。「ジェブタナ®」は、このアンメットメディカルニーズに応える新たな治療選択肢です。 効能・効果:前立腺癌 用法・用量:プレドニゾロンとの併用において、 通常、 成人に1日1回、 カバジタキセルとして25mg/m2(体表面積)を1時間かけて3週間間隔で点滴静注。患者の状態により適宜減量。 国内製造販売承認取得日2014年7月4日、薬価収載日2014年9月2日、発売日2014年9月4日 薬価は原価計算方式(営業利益16.9% 加算なし)、外国調整582,956円→593,069円 加算がないのは「ドセタキセルの投与を受けたものの症状が進行した患者さんに対しては、生存期間の延長に寄与できる治療法」に限らなかったから?アステラスのエンザルタミドは原価計算方式 営業利益10%加算でしたが。
2014年09月05日
コメント(0)
バイエル、アフリベルセプト硝子体内注射液について、BRVO 患者さんを対象とした第 III 相臨床試験に基づき、日本で新たに承認申請出典:プレスリリース 2014年9月4日、バイエル ヘルスケア社は、バイエル薬品が網膜静脈分枝閉塞症(BRVO:branch retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の患者さんを対象とした第 III相 VIBRANT 試験の結果に基づき、アフリベルセプト硝子体内注射液の製造販売承認申請を行ったことを発表した。アフリベルセプト硝子体内注射液は既に日本において、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related macular degeneration)および網膜中心静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫の適応で承認され、アイリーア®のブランド名で販売されています。また、日本では病的近視における脈絡膜新生血管(mCNV:myopic choroidal neovascularization)および糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)の治療薬としても承認を申請しています。だそうです。
2014年09月05日
コメント(0)
スギ花粉症を対象とした減感作療法(アレルゲン免疫療法)薬「シダトレン®スギ花粉舌下液」薬価収載および新発売のお知らせ 出典:プレスリリース 2014年9月2日、鳥居薬品は減感作療法「シダトレン®スギ花粉舌下液」(以下、「シダトレン®」)が付で薬価基準に収載され、10月8日(水)より販売を開始することを発表した。 シダトレン®は国内で初めて承認された、舌下に投与する減感作療法薬であり、従来から施行されてきた皮下注射による減感作療法と比べ、注射による痛みもなく自宅で治療ができるのが特徴です。 製品名:シダトレン®スギ花粉舌下液200JAU/mLボトル、シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLボトル、シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLパック 効能・効果:スギ花粉症(減感作療法) 用法・用量:増量期(1~2週目)通常、成人及び12歳以上の小児には、増量期として投与開始後2週間、以下の用量を1日1回、舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。 維持期(3週目以降)増量期終了後、維持期として、シダトレン® スギ花粉舌下液2,000JAU/mLパックの全量(1mL)を1日1回、舌下に滴下し、2分間保持した後、飲み込む。その後5分間は、うがい・飲食を控える。承認条件: 舌下投与による減感作療法に関する十分な知識・経験を持つ医師によってのみ処方・使用されるとともに、本剤のリスク等について十分に管理・説明できる医師・医療機関のもとでのみ用いられ、薬局においては調剤前に当該医師・医療機関を確認した上で調剤がなされるよう、製造販売にあたって必要な措置を講じること。承認日: 2014年1月17日薬価基準収載日:2014年9月2日発売日: 2014年10月8日薬価:シダトレン®スギ花粉舌下液200JAU/mLボトル ・・・・・・・・421.10円シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLボトル・・・・・1,006.60円シダトレン®スギ花粉舌下液2,000JAU/mLパック ・・・・・・100.80円 薬価算定方式は原価計算方式。営業利益率16.9%(加算なし)
2014年09月03日
コメント(0)
前立腺癌治療剤「ザイティガ®錠250 mg」新発売のお知らせ 出典:プレスリリース 2014年9月2日、ヤンセンファーマとアストラゼネカは、経口前立腺癌治療剤「ザイティガ®錠 250mg 」(一般名:アビラテロン酢酸エステル)を9月2日に発売したことを発表した。 ザイティガ®錠は、「去勢抵抗性前立腺癌」を適応とし、アンドロゲンの生合成に必要な酵素であるCYP17を選択的に阻害することで抗腫瘍効果を示す、新しい作用機序を有するCYP17阻害剤です。本剤のCYP17阻害作用により、精巣のみならず、副腎や前立腺がん組織内におけるアンドロゲンの生合成自体を抑制します。また、腫瘍の増殖抑制、生存期間の延長(以下、OS)、化学療法実施までの期間延長を示す、新規ホルモン療法を提供できることになります。 アストラゼネカとヤンセンファーマは、2013年10月に、日本国内におけるザイティガ®錠のコ・プロモーション契約を締結しており、今後、アストラゼネカとヤンセンの両社が医療機関への情報提供活動を行います。 効能・効果:去勢抵抗性前立腺癌 用法・用量:プレドニゾロンとの併用において、通常、成人にはアビラテロン酢酸エステルとして1日1回1,000mgを空腹時に経口投与する。 薬価:ザイティガ®錠 250mg 3690.90円/1錠 製造販売承認日:2014年7月4日 薬価基準収載日:2014年9月2日 発売日:2014年9月2日 製造販売元:ヤンセンファーマ 薬価算定方式は類似薬効比較方式(I)、比較薬はエンザルタミド(アステラス)。外国調整あり(3,138.8→3,690.90)。一日薬価14,763円。2014年5月14日にエンザルタミド(アステラス)が薬価収載されたばかりです。
2014年09月03日
コメント(0)
抗悪性腫瘍剤「ジャカビ®錠5mg」を新発売 稀な血液がんの骨髄線維症に対する初のヤヌスキナーゼ(JAK)阻害剤 出典:プレスリリース ノバルティス ファーマは、2014年9月2日、骨髄線維症の治療薬として「ジャカビ®錠5mg」(一般名:ルキソリチニブリン酸塩、以下「ジャカビ」)の発売を発表。「ジャカビ」は、進行性の血液がんである骨髄線維症の治療薬として2013年9月に承認申請を行い、本年7月4日に製造販売承認を取得し、本日薬価収載されました。効能・効果:骨髄線維症用法・用量: 通常、成人には本剤を1日2回、12時間毎を目安に経口投与する。用量は、ルキソリチニブとして1回5mg~25mgの範囲とし、患者の状態により適宜増減する。承認取得日:2014年7月4日薬価基準収載日:2014年9月2日薬価: ジャカビ®錠5mg 3,706.80円 薬価算定方式 原価計算方式 外国調整あり(3,346.80→3,706.8) 本邦においては、骨髄線維症に適応をもつ薬剤としてはアンドロゲン製剤があるが、当該薬剤は骨髄線維症に起因する貧血の対症療法として用いられているに過ぎない。造血幹細胞移植は唯一の治癒的治療法であるものの、その適応や移植前治療に関する明確なエビデンスは存在していない。
2014年09月03日
コメント(0)
守護神が実は破壊者にも!? ~DNA 修復機構はいつでもどこでも守らず、時には壊す側に~ 出典:プレスリリース 文献:Canonical Non-Homologous End Joining in Mitosis Induces Genome Instability and Is Suppressed by M-phase-Specific Phosphorylation of XRCC4Published: August 28, 2014 DOI: 10.1371/journal.pgen.1004563 2014年8月27日、大阪大学蛋白質研究所の寺澤匡博特任研究員、篠原美紀准教授の研究グループは、ヒト細胞を用いて、細胞内機能(DNA 修復機構)が分裂期に限ってはたらいてしまうと遺伝情報の源であるゲノム DNA を破壊してしまうことを発見したと発表した。この研究成果は米科学雑誌「PLoS Genetics」誌に 8 月 28 日付けで掲載された。 細胞ががん化する原因には様々ありますが、そのひとつとして物理的に遺伝情報源が壊れてしまうことが考えられています。放射線や特定の化学物質をはじめ、私たちが生きていくために欠かせない太陽光や酸素までが遺伝情報を壊す原因となることが知られています。しかし、私たちの体には壊れる前に治す仕組み(DNA 修復機構)があり、その仕組みが外敵から遺伝情報を守ってくれていると信じられてきました。 今回、初めてわかったことは、DNA 修復機構はゲノム DNA を守るだけではなく、分裂期に限っては壊す側に回ってしまうということです。細胞はこの危険を回避するために、分裂期に対応した DNA 修復を起こさせないような仕組みを持っているということが最近わかってきています。 以前から分裂期に DNA に傷を与えると、間期の細胞よりもダメージが大きいことが知られていました。また、細胞には間期から分裂期に移行する前に全ての DNA 上の傷を修復し終わったことを厳しくチェックする機構(DNA損傷チェックポイント機構)があることも知られていました。私たちは、そのチェックが終わったあとの分裂期の細胞にわざと DNA に傷を付けることで何が起こるのかを調べました。その結果、DNA 修復機構がうまく傷を修復できないだけでなく、その傷を修復しようと DNA 修復機構が働くとゲノム DNA を破壊してしまうことがわかったのです。 細胞は分裂期に DNA 上の傷があっても、DNA 修復機構が働かないようにする特別のシステムがあることが最近わかってきています。そのシステムとは、DNA の傷を分裂期に持ち越さないようにするチェックシステム、DNA の傷に BRCA1 をはじめとする DNA 修復タンパク質が集まらないようにするシステム(半年前にカナダのグループが Science 誌に発表)当グループが今回明らかにした、DNA 上の傷を最後に元通り貼り合わせるときに「のり」の役割をする DNA リガーゼという酵素のパーツである XRCC4 タンパク質が分裂期に機能しないようにするシステムの 3 つです。 がん細胞の分裂期に DNA 修復機構を活性化することで抗がん剤の効果を高めることができる可能性があります。また、抗がん剤治療によって引き起こされることがある二次がんの原因が、分裂期のゲノム DNA の破壊によるならば、それを防ぐための具体的な対策を立てることが可能になります。 「抗がん剤による化学療法のあとに二次がんが引き起こされることがあると知られています。この二次がんの原因として、抗がん剤による DNA の傷を引き金に分裂期での DNA 修復機構が起こり、ゲノム破壊が起こるのではないかと私たちは考えています。 」に関しては疑問。DNA修復機構が活性化した場合には細胞は壊れてしまうので、がん細胞にはならないと思います。間期でのDNA修復機構の活性化に対して制がん剤が影響を与えることから二次がんが起こっているのではないでしょうか。
2014年09月02日
コメント(0)
多様な機能を付与する有用遺伝子をイネから発見―耐病性、耐塩性、耐乾性、光合成向上、分げつ増大― 出典:プレスリリース文献: :Overexpression of a rice heme activator protein gene (OsHAP2E) confers resistance to pathogens, salinity and drought, and increases photosynthesis and tiller number. Plant Biotechnology JournalArticle first published online: 28 AUG 2014 DOI: 10.1111/pbi.12239 2014年9月1日、愛媛大学農学部分子生物資源学と独立行政法人農業生物資源研究所植物科学の共同研究チームが、イネのヘムアクチベータータンパク質遺伝子(OsHAP2E)の過剰発現が、植物病原菌や細菌、塩害及び乾燥に対する抵抗性を付与し、光合成及び分げつ数を増大させるという機能をもつことを発見したことを発表した。 イネ白葉枯病 抵抗性イネに感染して壊滅的被害をもたらす植物病原細菌であるイネ白葉枯病細菌を HAP2E過剰発現イネに接種すると,病斑の進展度合いが,高度抵抗性品種である「アソミノリ」と同等,またはそれ以下であった。イネいもち病 抵抗性イネに感染して甚大な被害をもたらす植物病原菌であるイネいもち病菌を HAP2E 過剰発現イネに接種すると,病斑の進展度合いが,強い抵抗性(極強)品種である「戦捷」と同等,またはそれ以下であった。耐塩性対照イネ品種「日本晴」の生育が阻害される高濃度の塩化ナトリウムを含む栽培条件で,HAP2E 過剰発現イネは旺盛に生育した。耐乾性対照イネの生育が阻害される灌水制限条件や,マンニトール添加による高浸透圧ストレス条件下で,HAP2E 過剰発現イネは旺盛に生育した(図3)。以上より,HAP2E の過剰発現はイネに耐乾性を付与することができる。光合成の向上光合成速度を測定すると,HAP2E 過剰発現イネは対照の日本晴イネの約 1.5 倍に増大していた。分げつ(イネ科などの植物では根元付近から新芽が伸びて新しい茎ができること) 数の増加HAP2E 過剰発現イネの分げつ数は対照イネの約 1.5~1.7 倍に増加していた。今後は稲籾の収量の変動や耐虫性や金属に対する他の機能を検討する予定だそうです。
2014年09月02日
コメント(0)
「SPF(紫外線防御指数)」について、薬剤師の約 4 割は上手な説明に自信がある出典:プレスリリース 2014年9月1日ネクジット総研が運営するマネジメント薬剤師のための共有サイト「MMRR」は、会員薬剤師を対象に、薬剤師のスキンケアを実施し、その内容を発表した。 「SPF(紫外線防御指数)」について、薬剤師の約4割は上手な説明に自信があると回答。「PA(UVA防御指数)」について、約3割が上手な説明に自信があると回答。 「からだ(顔以外)の保湿ケア製品の利用」について、全体の約6割が利用していると回答。年齢別では「20-30 代」が最も多く、女性 74%、男性 58%が利用していると回答。 有効回答数は374名、調査期間は2014年7月15日~28日。 タイトルの書きようで雰囲気が変わる内容ですね。「SPFについて過半数は説明に 自信なし。PAも同様。」ってタイトルなら、薬局の薬剤師さんは一般用医薬品や医薬部外品に対しての説明に自信がないという記事にも持って行けそうな・・・
2014年09月02日
コメント(0)
ピオグリタゾン含有製剤に関する市販後に課された疫学研究の完了と各国規制当局へのデータ提出について -10年間の疫学研究の結果、ピオグリタゾン投与患者において膀胱がん発生リスクの有意な増加は認められず-出典:プレスリリース 2014年8月29日武田薬品は、FDA、EMAおよび厚生労働省など各国の規制当局に対し、アクトス含有製剤にの疫学研究の最終結果を報告したことを発表した。 主要解析はピオグリタゾン投与と膀胱癌の発生リスク。結果は2011年3月に発表した、ピオグリタゾンを2年以上を使用した場合に有意なリスク増加を認めたという結果にはんし、10年間の最終結果においてはピオグリタゾンの長期投与に伴う膀胱癌の発生リスクは統計学的に有意な増加は認められなかった。 膀胱癌のリスク因子には「JPHC研究」によれは喫煙(1日の喫煙箱数×喫煙年数が40を超えると)発生リスクは有意に増加します。また、禁煙から10年未満では有意なリスク増加が認められ、10年以上であると有意なリスク増加は認められません。 非喫煙者ではカフェインが膀胱癌のリスクを有意に増加しますが、喫煙者では増加を認めません。 膀胱癌診療ガイドラインによりれば、膀胱癌の年齢調整罹患率は10万人粘当たり7.6であるが男性13.5、女性2.9となっている。喫煙以外の発がんリスクは職業性発癌物質への暴露が2~40倍発癌リスクを上昇する。 アクトスにとっては救いのデータと言うことでしょう。10万年当たりに7.6にんですから 、10年で10万人観察したとして(100万人年)で76人ですから、たまたま2年で30人出てしまえば有意になります。ただし、多変量解析が行われているかどうかは分かりませんが、喫煙、職業性発癌物質の暴露が初期の研究に含まれていたからかもしれません。このあたり、疫学的研究の場合に一つの項目だけを問題因子として解析すると、「指の黄色いヒトの癌のリスクが有意である」的な統計を取ってしまう可能性があります。「指の黄色いヒト云々」はねつ造や解析の誤りではなく、研究実施計画の誤りですので、疫学研究開始前に倫理委員会で発見できるものではあります。
2014年08月31日
コメント(0)
筋ジストロフィー症に対するレスベラトロールを使った自主臨床研究開始のお知らせ 出典:プレスリリース 2014年8月28日 札幌医科大学附属病院は筋ジストロフィーを対象にレスベラトロールを用いた探索的治療研究を開始することを発表した。 札幌医科大学のサーチュイン研究から、SIRT1が筋ジストロフィー症の進行を抑制する機能を持ち、SIRT1を活性化するレスベラトロールが動物実験モデルの筋ジストロフィー症に有効であることを報告。この成果とその後の研究から得られた知見を元に筋ジストロフィー症の患者にレスペラトロールを投与して、その安全性と有効性を検討する。 対象は12歳以上のドゥシャンヌ型、ベッカー型、福山型の筋ジストロフィー症。予定症例数は10名。 レスベラトロールはサプリメントとして利用されていることから、安全性については特に問題はないと思いますが、有効量をどのように定めるのでしょうか?
2014年08月30日
コメント(0)
OTC医薬品 禁煙補助薬の新フレーバー「ニコチネル® マンゴー」「ニコチネル® スペアミント」新発売出典:プレスリリース 2014年8月28日、ノバルティス ファーマは、禁煙補助薬の「ニコチネル® マンゴー」と「ニコチネル® スペアミント」を、全国の薬局・薬店で9月1日から新発売することを発表。 「ニコチネル® マンゴー」と「ニコチネル® スペアミント」は、禁煙時のイライラ・集中困難などのニコチン離脱症状を和らげ、禁煙を成功に導くことを目的としたガム製剤。ガム1個中に2mgのニコチンを含有しており、かむことでニコチンが放出される仕組みになっています。徐々に使用量を減らし、約3カ月で無理のない禁煙に導きます。口腔粘膜からニコチンを吸収させるので、突然の喫煙欲求に対処できます。また、シュガーレスで1個1キロカロリーのため、禁煙時の体重増加を気にされる方にもおすすめです。 ノバルティス ファーマ(株)は、1999年に国内で医療用医薬品「ニコチネル®TTS®」を発売して以来、日本の禁煙治療をサポートしています。2008年5月にはOTC医薬品として国内初の貼付型禁煙補助薬「ニコチネル®パッチ」の販売を開始し、同年10月にはガムタイプの「ニコチネル® ミント」を発売するなど、幅広い禁煙サポートを提供してきました。「ニコチネル® マンゴー」と「ニコチネル® スペアミント」の発売により、さらに、禁煙に挑戦するより多くの喫煙者に、ライフスタイルや嗜好に合わせた新たな選択肢を提供できるものと考えています。 このガム、タバコを吸わない人がかむと中毒になるの?
2014年08月29日
コメント(0)
抗血小板剤 「K-134」の国内後期第II相臨床試験の状況について出典:プレスリリース 2014年8月27日デ・ウエスタン・セラピテクス研究所は興和に導出しているK-134の後期第二相試験で投与が終了したとの報告を受けたことを発表した。 更に、用量設定試験ので目標を達することができなかったことも併せて報告をうけ、第三相試験への移行を断念したことを発表した。 なお、投与終了した長期試験に関しては観察期間が終了後データロックを行い、興和において解析を行い発表する予定。 早めに終了した方が傷が浅かったと言うことでしょうか。興和の方が失ったものが大きそうです。(当たればインカムが大きいので仕方ないと言えば仕方ないですが。)
2014年08月28日
コメント(0)
「月経困難症」を改善する、漢方処方の医薬品『メグリモア』(第2 類医薬品)2014年10月1日(水)より発売出典:プレスリリース 森下仁丹は、セルフメディケーションブランドの「メディケア®シリーズ」から、普段通りの生活ができなくなるほど生理の症状が重い「月経困難症」や、「月経不順」を改善する漢方処方の医薬品「メグリモア」(第2類医薬品 価格:1,500円/税抜)を2014年10月1日(水)より全国のドラッグストア(薬局・薬店)、通信販売で発売することを発表。 〈商 品 特 長〉飲みやすい錠剤:成人(15歳以上)の場合、1日3回食前または食間に4錠ずつ、水または白湯にて服用ください。生理が「そろそろ来るな」と感じたときからの服用がおすすめです。眠くなる成分を含まない:仕事中や車を運転する場合でも心配ありません。携帯に便利な個包装:成人1回分(4錠)の個包装が3つ連結して1日分になっており、外出する際も、持ち運びしやすい形態です医療用医薬品のヤーズ(ドロスピレノン・エチニルエストラジオール錠)やルナベル®配合錠ULD(ノルエチステロン1mg/エチニルエストラジオール0.02mg)は血栓が問題となっていますが、効果と副作用のバランスではどちらがいいのでしょうか? メグリモアは第2類医薬品(副作用、相互作用などの項目で安全性上、注意を要するもの。第2類医薬品には、主なかぜ薬や解熱剤、鎮痛剤など日常生活で必要性の高い製品が多くあります。 専門家からの情報提供は努力義務となっています。)。承認条件としては必要ないですが、消費者の選択のためには比較試験を望みます。
2014年08月25日
コメント(0)
老化研究キット新シリーズの販売開始に関するお知らせ出典:プレスリリース 2014年8月25日、コスモ・バイオは、老化研究用試薬として糖化研究関連シリーズの新たな品目を開発し、全世界に向けて発売することを発表した。 このたび当社では、既に発売済みのコラーゲンやアルブミン(いずれもタンパク質)の糖化を調べる試薬キットに加え、新たにAGEs の代表的な種類であるCML (Nε-(carboxymethyl)lysine:カルボキシメチルリジン 生体内における酸化ストレスマーカー。AGEs の代表的なもののひとつ)やアンチエイジングマーカーとして注目されているCMA(Nω-(carboxymethyl)arginine:カルボキシメチルアルギニン コラーゲンに特異的に生成することが報告されているAGE)の生成(糖化)を阻害する成分をスクリーニングする試薬キットを世界に先駆けて開発し、発売することといたしました。これらの新商品を含めた糖化研究関連シリーズは、糖化を防ぐ食品成分や化粧品成分のスクリーニングに有用なキットです。キットには96 ウェルマイクロプレートを使用しており、多検体のスクリーニングが可能となっています。これまで、血中などのAGEs の量を測定するキットなどは市販されていますが、CMA やCML をそれぞれ特異的に検出・定量し抗糖化を分析するキットは市販されていません。特に、コラーゲンの糖化においてCMA の検出は今後、骨粗しょう症の研究に有用な知見を与えうるものと大いに期待されます。当社はこれらの製品を国内はもちろん、世界に向けて販売いたします。食品会社、化粧品会社や製薬会社をはじめ、臨床研究の場でも広くご活用いただくことを期待しています。当社は今後も、商社としてだけではなく、新たなメーカー機能を大いに活かし、研究者が求める製品・サービスの開発に努めてまいります。 サプリメント発売会社がテストしそうな検査項目ですね。特にCML(慢性骨髄性白血病と間違えてしまう)はアンチエイジングを唱うようなところは飛びつきそうです。 AGEも色々あるんですね。
2014年08月25日
コメント(0)
タブレットによる術後の体調管理でがん患者を遠隔看護可能に出典:プレスリリース 2014年8月21日、東北大学大学院医学系研究科がん看護学分野の研究グループは、宮城県立がんセンターにおいてタブレット(多機能携帯端末)による遠隔看護システムの導入実験を行うと発表。 来年5月までに宮城県立がんセンターで前立腺がんの手術を受けた患者を対象とし、タブレットを配布します。タブレットから集められた情報をもとに、前立腺がんの患者が手術後に悩まされる失禁などの合併症の改善を目的としています。 システムの運用として、まず実験の対象となる患者は、退院後、失禁の回数や尿取りパッドの使用枚数、排尿時の痛みや症状の変化をタブレットで毎日入力します。そのデータを遠隔地にいる医師や看護師がクラウド経由でデータを確認し、来院や追加の投薬など医療行為の必要性を判断するものです。 本システムは遠隔地にいる医師や看護師による判断を支援するとともに、失禁症状の緩和を目的とした在宅リハビリ支援機能も備えています。 近年、入院日数の短縮化により、在宅治療を行う患者が増えてきていますが、同時に退院後、適切な状態把握やリハビリが行われないことによって症状が悪化する事例も報告されています。本システムは、在宅患者への支援を補完する有効な手段になると考えられ、今後抗がん剤による在宅治療などの分野への適応も期待されます。 遠隔でも医師の判断が下せるので、色々治療やリハビリの変更等が可能になるかもしれません。たんなる患者日記のタブレット版になるかもしれません。結果をこうご期待というと子らでしょうか。
2014年08月22日
コメント(0)
早期腎機能障害の診断・治療をサポート~クリニック向け即時検査装置の新しい専用試薬を発売~出典:プレスリリース2014年8月21日、 アークレイは、移動式遠心方式臨床化学分析装置「スポットケム バナリストSI-3610」の新しい専用試薬として、シスタチンC測定試薬「スポットケム バナリストCysC(シスタチンC)」を8月28日(木)に発売することを発表した。 血液(全血・血漿)を試料として、アークレイの販売する「スポットケム バナリストSI-3610」を使用し、全自動で簡便かつ迅速にシスタチンCを測定することができ、クリニックなどでの即時検査にお役立ていただけます。 シスタチンCは、腎機能を知る上で重要な指標とされており、糖尿病腎症やIgA腎症などの慢性腎臓病(CKD)や早期腎機能障害の優れた診断マーカーとして、その有用性が認められています。 腎機能検査で使用されてきた血清クレアチニンは、食事や筋肉量、運動の影響を受けやすいとされています。一方、シスタチンCはそれらの影響を受けにくく、軽度の腎機能低下でも血中濃度が上昇することから、血清クレアチニン測定では検出できない早期腎機能障害の診断に役立ちます。 血清クレアチニンは鈍い検査値で、軽度の腎機能異常は検出できません。シスタチンCを測定することで軽度な腎機能が測定できることは喜ばしいことです。断面的な値が、将来の腎不全等予測指標に役立てばと思います。 副腎皮質ステロイド治療により血中 cystatin C が上昇し、cyclosporine により低下するが 18)、ステロイドは影響しないという報告もあり、現在のところコンセンサスは得られていない。
2014年08月21日
コメント(0)
持続性癌疼痛治療剤「タペンタ®錠 25mg、50mg、100mg」新発売のお知らせ出典:プレスリリース 2014年8月18日、ヤンセンファーマは、同日(8月18日)、持続性癌疼痛治療剤「タペンタ®錠 25mg、50mg、100mg(以下「タペンタ®錠」、一般名:タペンタドール塩酸塩)」の発売開始を発表。 タペンタ®錠は、「中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛」を適応とする持続性癌疼痛治療剤(医療用麻薬)です。製造販売承認取得日: 2014年3月24日薬価基準収載日: 2014年5月23日発売日: 2014年8月18日効能・効果: 中等度から高度の疼痛を伴う各種癌における鎮痛本剤は、非オピオイド鎮痛剤で治療困難な場合にのみ使用すること。用法・用量: 通常、成人にはタペンタドールとして1日50~400mgを2回に分けて経口投与する。なお、症状により適宜増減する。薬価: タペンタ®錠25mg1錠 108.70円、タペンタ®錠50mg1錠 206.30円、タペンタ®錠100mg1錠 391.70円とのことです。
2014年08月20日
コメント(0)
エーザイ株式会社とゼリア新薬工業株式会社が日本における新規プロトンポンプ阻害剤に関するライセンス契約を締結出典:プレスリリース 2014年8月18日、エーザイとゼリア新薬工業は、エーザイが創出した新規化合物「E3710」(プロトンポンプ阻害剤:PPI)に関するライセンス契約を締結したことを発表した。 エーザイはゼリア新薬に対してE3710の日本における独占的開発権、共同販促権および非独占的製造権を付与します。また、エーザイはゼリア新薬より契約一時金ならびにロイヤルティを受け取り、製造販売承認取得時にエーザイが一定の対価をゼリア新薬に支払います。なお、開発はゼリア新薬が行い、製造販売承認もゼリア新薬が取得しますが、承認取得後は、両社で共同販促を行います。だそうです。
2014年08月20日
コメント(0)
日本初 ふくらはぎで糖尿病性末梢神経障害(DPN)を簡便、迅速に検査神経伝導検査装置DPNチェック HDN-1000出典:プレスリリース 2014年8月18日、オムロンヘルスケアは神経障害の診断機器、治療用機器の開発を行うニューロメトリックス社と、日本市場におけるニューロメトリックス社製の「神経伝導検査装置DPNチェック」の独占販売契約を締結しました。8月25日より、糖尿病性末梢神経障害(DPN)*1のスクリーニング検査が可能な「神経伝導検査装置DPNチェック HDN-1000(以下HDN-1000)」を発売することを発表した。 糖尿病性神経障害は初期には自覚症状がないのに、末期になると悲惨な状態になるというやっかいな代物です。この装置のように簡便に測ることができれば、経時的なデータも蓄積していくことになると思います。ただ、機械の価格は安いのですが、使い捨てのDPNチェック用バイオセンサが25枚で65,000円(1枚2,500円)と個人が大量に使うのは少し高い。残念。
2014年08月20日
コメント(0)
発がんに関わるマイクロRNA(miRNA)が分解される仕組みを解明-がん細胞でのmiRNAの1つ「miR-21」の蓄積は分解抑制により生じる-出典:プレスリリース 文献:"PAPD5-mediated 3′ adenylation and subsequent degradation of miR-21 is disrupted in proliferative disease".Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America, published ahead of print July 21, 2014, doi: 10.1073/pnas.1317751111 2014年8月18日、理化学研究所は、がん細胞などの増殖を促進するとされるマイクロRNA(miRNA)の1つ「miR-21」が分解される仕組みを解明し、多くのがん細胞で、分解する仕組みの異常によってmiR-21が蓄積していることを突き止めたことを発表した。 DNAから転写されたRNAには、タンパク質合成の遺伝情報を含まないノンコーディングRNA(ncRNA)が大量に存在します。ncRNAの中でも、miRNA と呼ばれる非常に短い1本鎖RNAは遺伝子の働きを抑制する機能を持ち、がんなどの疾患との関連が注目されています。miRNAは長さが18~24塩基程度であり、末端の1または2塩基が異なる多型がしばしば見られます。しかし、なぜmiRNAにこのような多型が存在するのか、その理由は明らかにされていませんでした。 共同研究グループは、miRNA の1つmiR-21に、長さが異なる多型が存在することを発見しました。miR-21はがん抑制遺伝子を標的とし、その機能を阻害することでがん細胞の増殖を促進すると考えられています。 miR-21の長さの違いは3’末端にアデニンが付加(アデニル化)されたためであり、さらに、アデニル化されたmiR-21は核酸分解酵素による分解が促進されることが判明しました。多くのがん細胞でmiR-21が大量に発現していますが、これは、“アデニル化したmiR-21を分解する仕組み”がうまく機能せず、分解と安定化のバランスが崩れてmiR-21が異常に蓄積したためと考えられます。 miRNAの発現異常は、がんのほかにも心疾患やアルツハイマー型認知症などさまざまな疾患に関わることが示唆されています。今回の研究で明らかになったアデニル化を介したmiR-21の分解は、細胞内のmiRNAの量を調節する一般的な仕組みである可能性があり、今後、miRNAの安定性とさまざまな疾患の関係について解明が進むと期待できます。 また、癌の増殖の仕組みが1つ発見されたようです。マイクロRNAは検査の方で有名になりつつありますが、がん細胞も癌抑制遺伝子の働きを抑えることで増殖しているということは、分かりました。そういう性質を得ることができた細胞が癌化するのか、癌化した細胞のうちその機能を持っているもののみが癌として成長することになるのか、進化なのか耐性なのかが興味あります。また、一口に癌と言っていますが、どの癌にも共通なのかも興味があります。
2014年08月20日
コメント(0)
非天然型アミノ酸を組み込んだシルクの生産に成功-新機能性シルクの開発による医療分野への貢献に期待-出典:プレスリリース2014年8月19日、農業生物資源研究所は、簡便な化学反応に利用できる非天然型アミノ酸を組み込んだシルクを生産するカイコの作出に成功したことを発表。 カイコが作るシルクはタンパク質からできており、繊維・粉末・フィルム・スポンジなど多様な形状で利用できます。強度が高く、生体に対して安全であることから、医療用材料としての応用研究が進んでいます。 通常は生物がタンパク質の合成に利用できない非天然型アミノ酸をシルクタンパク質中に組み込むことのできるカイコを作出しました。作出したカイコを用い、アジド基という天然にはない結合の手をもつシルクタンパク質の生産に成功しました。 生物研が開発した軟骨再生用シルクスポンジの機能を飛躍的に高めるため、従来の技術では導入困難であった骨形成タンパク質を結合させたシルクを生産するなど、医療用シルク材料の開発が期待されます。ということだそうです。
2014年08月20日
コメント(0)
Use of a validated algorithm to judge the appropriateness of total knee arthroplasty in the United States: a multicenter longitudinal cohort study. 出典:文献 書誌事項:Arthritis Rheumatol. 2014 Aug;66(8):2134-43. doi: 10.1002/art.38685. アメリカ以外の地域で実施した過去の研究では人口膝関節全置換術(TKA:total knee arthroplasty)の20%が不適切であることを示した。今回の試験で合衆国の膝関節炎におけるTKAを適切、不明、不適切震いした。 様々なデータを組み合わせて、TKAを行った例数の手術前の患者のデータを収集した。収集例は205例。適切の割合は44.0%(95CI:37-50%)、不明21.7%(16-28%)、不適切34.3%(27-41%)だった。 日本では明確なガイドラインはない。適応はは痛みがひどく、日常の生活に支障をきたしている方。保存的な治療では痛みが改善されない方。膝関節の動きが悪い方(まっすぐ伸びない、あまり曲げられないなど)。レントゲン検査で、骨が著しく変形している方。人工関節の耐用年数は20年以上。
2014年08月18日
コメント(0)
DeNAライフサイエンスの一般消費者向け遺伝子検査 「MYCODE(マイコード)」2014年8月12日(火)からサービス開始 ~生活改善に役立つオプションサービス「生活改善プログラム」も提供~出典:プレスリリース 株式会社ディー・エヌ・エーの子会社でヘルスケア事業を展開する「株式会社DeNAライフサイエンス」は、一般消費者向け遺伝子検査サービス「MYCODE(マイコード)」を、2014年8月12日(火)から提供を開始します。 MYCODE(マイコード)は、ホームページから申込み、送付された検査キットを使い自宅で唾液採取をして返送する一般消費者向けの遺伝子検査サービスです。検査を受けた方の遺伝子情報を読み取り、胃がん・肺がん・食道がんなど39種類のがん、糖尿病・高血圧・心臓疾患など19種類の生活習慣病、その他疾病リスクと肥満や肌質などの体質関連を合わせ、最大で282の検査項目に関する情報を提供することが可能です。検査には、全ての検査項目を網羅した「オールインワン280+」(¥29,800)、がん・生活習慣病・体質など100項目を選んだ「ヘルスケア100+」(¥19,800)、肥満・肌質・髪質など体質に関する30項目を選んだ「カラダ30+」(¥9,800)の3つのメニューがあります。(価格はいずれも消費税別) 「MYCODE(マイコード)」は予防・未病生活をトータルにサポートするサービスとして、検査結果を提供するだけでなく、疾患発症リスクを下げるためのアドバイス情報も併せて表示します。さらに「オールインワン280+」と「ヘルスケア100+」をお申し込みの方には、疾患の予防に向けた、日常生活で改善できる食生活や運動のアドバイスと、生活改善プログラムのプラン作成およびサポートを、保健指導の経験があり管理栄養士の資格を有するアドバイザーから受けられるオプションサービス「生活改善プログラム」を有料で提供します。「生活改善プログラム」は事前に健康診断結果や食事記録、また生活習慣チェックを登録するため、個人に応じてよりパーソナライズされたアドバイス内容となります。まず2014年9月から50分のプログラムが受けられるお試し版(¥5,800/消費税別)を先着300名の方に提供、10月以降に本サービスを提供する予定です。 サービス名の「MYCODE(マイコード)」は「私の遺伝子」という意味を持ち、検査メニューの名称にある「+」は「人と社会にプラスの効果をもたらしたい」という思想を表現しています。 一般臨床検査との相関、実際の予防効果が知りたいところではあります。IDキーを何にするかはとても難しいですが、健康診断情報、健康保険の償還情報を結びつけることができれば有用なビックデータができあがるとは思いますが、難しいでしょうな。シンガポールとかルクセンブルクとか比較的人口の少ないところで国家的事業としてやらないかな?
2014年08月13日
コメント(0)
サリドマイドの標的タンパク質「セレブロン」の三次元構造を解明 ~免疫調整剤に関する研究の促進と新薬開発にむけて大いに期待~ 出典:プレスリリース 2014年8月12日、奈良先端科学技術大学院大学・バイオサイエンス研究科・構造生物学研究室、東京医科大学・ナノ粒子先端医学応用講座の研究グループ、米国製薬会社Celgene社の研究グループは国際共同研究を行い、X線結晶構造解析法という手法を使って「サリドマイド」に代表される免疫調整薬(IMiDs、immunomodulatory drugs)が結合した状態のヒト由来「セレブロン-DDB1」タンパク質の複合体について、三次元立体構造を世界で初めて明らかにした。 IMiDsは血液のガンである多発性骨髄腫、あるいはハンセン病のらい性結節紅斑をはじめ、さまざまな病気の治療薬として使われはじめている。しかし、IMiDsはサリドマイドを基本にして改良された薬剤であるために(図1)、妊娠初期の女性が服用した場合には、胎児の死産や奇形を起こしてしまう重篤な副作用ももち合わせている。 IMiDsの作用機序は、セレブロンに結合して細胞内の遺伝子の発現を変化させることにある。その結果、ガン細胞の増殖を抑制することや奇形を引き起こす性質(催奇性)が発揮されることが明らかになってきていた。それでもなお、IMiDsがセレブロンとにどのように結合しているか、という最も基本的な「IMiDsとセレブロンの結合様式の謎」は残されたままであった。 今回の研究成果から、IMiDsとセレブロンの結合様式は、セレブロンの表面にある疎水性(水を嫌う性質)のポケット(穴のような空間)にIMiDsが結合している事が明らかになった(図2)。 興味深いことに、サリドマイドを構成するフタルイミド基はセレブロンとの相互作用に寄与せず、セレブロンの外側に突出する形で突き出ている。このことから、サリドマイドが結合したセレブロンの分子表面は、大きく「付き出された」形になる。このフタルイミド基の突出は、セレブロンが通常の状態とは異なり、新たに別の基質タンパク質を結合させるための形状変化をあたえていると考えられる。実際、サリドマイドよりも薬理作用が強いとされるIMiDsであるポマリドミドやレナリドミドという物質は、フタルイミド基の部分に改良点があり(図1)、新たに結合する転写因子との結合が強化されているのではないかと推測される。 このような研究が進むと、遺伝子研究とは違った形で薬剤の開発が進むと思います。ただ、IMiDsの催奇形性と癌の抑制に関しては転写因子からプロテアソーム、タンパク質の発現のところにあると私は思っています。
2014年08月13日
コメント(0)
過去1年以内に備蓄後発医薬品の変更、薬剤師の89%が経験あり。~ そのうち45%は、現在も「変更したい備蓄後発医薬品がある」との回答 ~出典:プレスリリース 2014年8月12日医療経営コンサルティング、薬剤師を対象と したプロモーション及び調査を行なう株式会社ネグジット総研は、「保険薬局における備蓄後発医薬品の変更に関する調査」を実施、調査結果を公開した。結果は 過去1年以内に備蓄後発医薬品の変更、薬剤師の89%が経験あり。そのうち半数(49%)は、供給の問題を除いた理由で変更を経験包装・製剤工夫、品質、納入価、薬価、情報提供の内容・頻度「過去1年以内に、備蓄後発医薬品の変更を経験した薬剤師」の45%は、現在も「変更したい備蓄後発医薬品がある」と回答すべての結果を知るためには資料を購入する必要があります。(50,000円、8/31までは30,000円) 後発医薬品に関してはオーソライズド・ジェネリックも日本で発売が決まったことですし、品質には安心感が出るかもしれません。しかし、後発医薬品メーカーには製剤化が上手なところもありますから、飲みやすい剤型やインへラーが使いやすいということで乗り換えが発生するかもしれません。 情報提供に関しては強化して欲しいところです。(製造元と販売元の分離で実現できるかもしれません。)、再審査は終了しているものの、分野によっては情報収集を続けるべきものがあると思います。
2014年08月13日
コメント(0)
進行非小細胞肺がんの患者様を対象としたエリブリンの臨床第III相試験の速報結果について 出典:プレスリリース エーザイは、このたび、自社創製のエリブリン(製品名:「ハラヴェン®」)に関して、2 レジメン以上の前治療後に増悪した進行非小細胞肺がんの患者様を対象とした臨床第III相試験(302 試験)の速報結果が得られましたのでお知らせいたします。(2014年8月8日) 302 試験は、プラチナ製剤の併用療法を含む少なくとも 2 レジメンの前治療後に増悪した進行非小細胞肺がん患者様540名を対象とした、エリブリン単剤と主治医選択治療(ドセタキセル、ペメトレキセド、ゲムシタビンおよびビノレルビンのいずれか 1 剤を投与)の有効性および安全性を比較する、多施設共同の非盲検、無作為化臨床第 III 相試験です。 主要評価項目である全生存期間(Overall Survival: OS)の延長が達成されませんでした。なお、OS の中央値は両群ともに 9.5 カ月でした。[ハザード比 1.16、p=0.1343] 目につくだけかもしれませんが、だめだったの報告が多いような気がします。 例数が少なくなるので、探索的な解析しかできませんが、主治医選択治療別のOSが気になります。 「エリブリン投与群で確認された主な有害事象は、食欲減退、好中球減少症、脱毛症、悪心、疲労などであり、これまでの投与で認められた安全性プロファイルと同様でした。」良くある記載ですが、何を持って同様とするのでしょうか。頻度は問題にならないのでしょうか。 がん登録をきちん実施し、保険証に記載されるようになれば、がんの診断から死亡までの本来の意味での全生存期間が明らかになる カナ、「本試験の場合には、2レジメンの前治療による悪化」が明記されていると言えばされているのですが。
2014年08月10日
コメント(0)
出典 プレスリリース ―米国食品医薬品局(FDA:Food and Drug Administration)はアフリベルセプト硝子体内注射液を糖尿病黄斑浮腫(DME:diabetic macular edema)の治療薬として承認しました。アフリベルセプト硝子体内注射液は、滲出型加齢黄斑変性(wet AMD:wet age-related muscular degeneration)、および網膜中心静脈閉塞症(CRVO:central retinal vein occlusion)に伴う黄斑浮腫による視力障害の適応で、世界各国で承認を取得し、EYLEA®(アイリーア®)のブランド名で販売されています。今回の DME に対するアフリベルセプト硝子体内注射液の承認は、合計 862 人の患者さんを対象とした第 III 相臨床試験である VISTA-DME 試験および VIVID-DME 試験の 1 年目のデータに基づき行なわれました。これらの試験では、アフリベルセプト 2mg を 4 週ごとに投与する群、アフリベルセプト 2mg を 4週ごとに 5 回投与し、その後は 8 週ごとに投与する群、対照群として黄斑レーザー光凝固術を施行する群(ベースライン時に実施後は必要に応じて実施)のいずれかに患者さんを割り付け、比較しました。アフリベルセプト 2mg を 4 週ごとに投与した群、アフリベルセプト 2mg を 4 週ごとに 5 回投与後、8 週ごと投与した群の 1 年後の最高矯正視力(BCVA)の平均変化量を ETDRS 視力表で測定したところ、両試験において、対照群と比較して統計学的に有意な改善が認められ、両群の結果は同様でした。両試験ともに、アフリベルセプト硝子体内注射液を投与した 2 群では平均して ETDRS 視力表で約 2 行の改善が見られた一方、対照群ではほとんど変化が認められませんでした。 手術よりも、視力の回復に対しては効果を上回ると言うことです。ただ、糖尿病に対する効果はないので、根本的な治療を行わないと、再発する可能性はあります。
2014年08月08日
コメント(0)
出典:プレスリリース 2014年8月6日、がんから生還した約10人に1人ががんの診断を受けた後に何年も喫煙を続けているという新しい研究をアメリカ癌学会の研究者が発表した。さらに10カ所のがんを調べたところ、最も喫煙率が高かったのは膀胱がんと肺がんであった。2つのがんは最も喫煙と関連性が高い。この研究内容はCancer Epidemiology, Biomarkers & Prevention誌がオンラインで速報した。 喫煙はがん治療の効果を低下し、再発の危険性を増加し、生存期間を低下する。しかしながら、いくつかの研究ではがんと診断後にも喫煙を続けた方が生存率が有意に増加することを示している。 この矛盾点を疫学的に研究したところ、生還者のうち9.3% が今も喫煙者で有り、 41.2% に喫煙歴があり、煙草を吸ったことのないのは 49.6%であった。喫煙者のうち、83.1% が毎日煙草を吸っていた。 半数近く (46.6%)禁煙を試みたことがあり、 10.1%は禁煙したことがなく、43.3%は分からないと答えた。1,209人のかつて煙草を吸っていた人の88.6%はがんの宣告を受ける前に禁煙していた。 がんの宣告後もヘビースモーカーであった人は、リスクに対する認識の欠如、あきらめなどの心理的な要因からより強い治療を要求し、それが禁煙に対する気持ちに対して影響を与えていると研究者は結論づけている。 この研究はがんの予防に対しての禁煙を否定するものではありません。(残念...)、結論としては強い治療をうけるような、人の性格(リスクは無視、あきらめ)が禁煙をする気持ちと正反対のためこんな結果になっている。(ちょっと、ちょっと...)
2014年08月07日
コメント(0)
以下の記事が採用されています。興味がある方はいいねを押していただけると幸いです。 BEYONETTA 2でもやっぱり発売 ベヨネッタ眼鏡http://www.daily-eye-news.net/news_aI9T9bXIFi_540.html 画面を見るときだけメガネをかける人に朗報http://www.daily-eye-news.net/news_aI635KcOQE_429.html 5~6歳児ではテレビから学習するとき脳の働きは、大人と違う http://www.daily-eye-news.net/news_aI4d2irU14_318.html?right 自閉症の子供たちに薬剤治療を届けるために http://na-re.jp/style/?p=2403 「blencreme(ブランクレーム)」日本初上陸 http://www.beauty-news.jp/news_dp86TrZ5YM_246.html?right 腸内環境を調節しているのは食べ物だけじゃない?http://www.beauty-news.jp/news_dpA2d4Viba_914.html?right
2014年08月06日
コメント(0)
アストラゼネカとロシュ、AZD9291のコンパニオン診断薬開発における提携を発表出典:プレスリリース アストラゼネカは、非小細胞肺がん(NSCLC) 治療薬として開発中のAZD9291による治療をサポートするために、血漿検体を用いたコンパニオン診断薬の開発においてロシュとの提携契約を締結したことを7月28日に発表しました。同コンパニオン診断薬による検査は、NSCLC患者さんの腫瘍組織と血漿の双方で上皮成長因子受容体(EGFR)変異の有無が同定できるようにデザインされており、既存のEGFRチロシンキナーゼ阻害剤(TKI)に抵抗性を示した患者さんに対するAZD9291の臨床開発を最大化することを目的としています。現在、EGFR-TKIによる治療を受けた後に病勢が進行した患者さんは、T790Mという変異の有無を判定するために、再度組織検査を受けなければなりません。しかし、腫瘍組織から血漿中に出てくる循環DNA:デオキシリボ核酸 (ctDNA: 血漿中腫瘍DNA)を検出できる本検査により、腫瘍組織を採取することなくT790M変異を検査することが可能になります。 腫瘍組織から血漿中に出てくる循環DNAって、どれぐらいの確率で出てくるんでしょうか。コンパニオン検査薬に使えるのなら、がんの診断に使えるのでは?と思って文献調べると結構、試してはあるんですね。血中に出てきたものを測定できれば90%以上の陽性率をもっているようです。 血中に出てくる割合が低いものもあるので、スクリーニングとしては荷が重そうです。T790Mは耐性化した(変異した)腫瘍株から出てくるので、うまく実用化できたみたいです。Forshew T., Murtaza M., Parkinson C., Gale D., Tsui D. W., et al. (2012) Noninvasive identication and monitoring of cancer mutations by targeted deep sequencing of plasma DNA. Sci Transl Med 4: 136ra168 Diagnostic Cancer Genome Sequencing and the Contribution of Germline Variants O. Kilpivaara and L. A. Aaltonen Science 29 March 2013 339:1559-1562
2014年08月02日
コメント(0)
樹状細胞ワクチン「バクセル®」の臨床研究結果について、「Clinical Cancer Research」にて発表~進行膵がんに対するWT1クラスI及びクラスIIペプチドを用いた「バクセル」の安全性及び有効性の評価~出典:プレスリリース テラは、2010年8月に学校法人慈恵大学 東京慈恵会医科大学附属柏病院消化器・肝臓内科と共同研究契約を締結し、進行膵がん及び進行胆道がんを対象として、抗がん剤(塩酸ゲムシタビン)を併用した、新規ペプチドであるWT1クラスIIペプチド並びにWT1クラスIペプチドを用いた樹状細胞ワクチン「バクセル®」の安全性及び有効性を評価するための第I相臨床研究を進めてまいりました。この度、本臨床研究について、米国がん学会(American Association for Cancer Research:AACR)の学会誌である「Clinical Cancer Research」(Impact factor 2012:7.837)電子版(Clinical Cancer Research. 23 July 2014)に掲載されました。 テラの樹状細胞ワクチン「バクセル®」は、樹状細胞ががん抗原(がんの特徴)を認識してリンパ球にその特徴を伝えることで、がんの特徴を認識したリンパ球ががん細胞を攻撃する治療法です。 解析の結果、抗がん剤を併用したWT1-I/IIを用いた膵がんの症例では7例中4例に、WT1特異的な遅延型アレルギー反応(Delayed Type Hypersensitivity 、以下「DTH」)が観察され、WT1-I及びWT1-IIの3例では観察されませんでした。WT1特異的なDTH反応を示した膵がん3例の生存期間中央値(Median Survival Time、以下「MST」)と無増悪生存期間(Progression-Free Survival、以下「PFS」)は、DTH反応を示さなかった症例より延長しており、DTH反応を示した3例のMSTは585日以上、PFSは440日と、DTH反応を示さなかった症例より統計学的に有意に改善していました。 DTHを示した症例で効果があったということで、承認条件としてはDTH反応を示すかどうかを前もって判定できるかどうかかな?審査でDTH反応を示さない患者さんがいるのか、DTH反応を示すかどうかを事前に知ることは可能か?というところがぎろんになるか? 癌の再発あるいは増殖が起きた時に患者さんに何が起こっているのかも興味があるところです。ワクチン療法では、ゲムシタビンは元々耐性を持っていたあるいは治療中に耐性を生じた細胞が生じることにことにより、再発あるいは再増殖が起こると思われます。 ワクチンではどうでしょうか。免疫療法に関しては最近の研究でがん細胞が免疫をすり抜ける仕組みを有していることが分かってきており、それを抑えることで、免疫療法の再評価が始まろうとしています。その中での、バクセル®の位置づけはどこにあるかも承認申請で問われるところでしょう。
2014年07月31日
コメント(0)
Environment: Blood changes in monkeys near Fukushima出典:プレスリリース 文献 日本獣医生命科学大学の研究グループは、福島第一原子力発電所から70 kmの地点に生息している61匹のサルと同発電所から約400 km離れた下北半島に生息している31匹のサルを比較した。今回の研究では、福島のサルの赤血球数、白血球数、ヘモグロビン値、ヘマトクリット値が、いずれも下北半島のサルより有意に少ないことが判明した。また、福島のサルの筋中放射性セシウム濃度(放射線被曝の指標の1つ)は、生息地の土壌汚染レベルと関係していたが、下北半島のサルの筋中放射性セシウム濃度は、いずれも検出限界以下だった。福島のサルの場合、未熟なサルの白血球数が筋中放射性セシウム濃度と負の相関関係にあったが、成熟したサルには、そのような関係は見られなかった。若いサルの方が放射性物質に脆弱である可能性が示されていると考えている。また、血球数の少ないことについては、免疫不全の徴候であるとし、そのためにサルが流行性感染症にかかりやすくなる可能性があるという見方を示している。 健康診断の結果はどうなっているのか興味のあるところです。被曝の最終結果としての甲状腺癌の検診も必要ですが、血球はどうなっているかを調査することは非常に重要だと思います。特に今回の結果では同じ被曝量であっても、大人の場合には白血球数の減少との相関は検出できませんでしたが、子供の場合は負の相関がありました(被曝量が高くなると白血球数が減少する)。 この現象が福島第一原発による影響とは言い切っていませんが、他の考え得る影響はほとんど否定されています。 福島県立医大が中心となっている放射線医学県民健康管理センターでは「県民健康調査」検討委員会が平成23年5月27日の第1回から平成26年5月19日の第15回までの検討委員会 次第として議事を公開しています。残念ながら、血球の検査は行われていますが、集計結果等は報告されていませんでした。 7月24日にNatureのニュースリリースに取り上げられていたし、文献も同時発表でしたがどの新聞・テレビも取り上げていなかったのは、人には影響がないと言う判断かな?勉強不足でどうして人に影響がないといえるのか分かりません。きっとこのデータはサルが飢えているからと思いますが、青森も飢えていそうな気がします。箕面のサルも検査しておけばわかりやすかったのに。
2014年07月30日
コメント(0)
匂い受容体たんぱく質が発現した立体組織を用いて、空気中の匂いを感知することに成功~たんぱく質を利用した細胞センサー開発に新しい手法~ 出典:プレスリリース 東京大学 生産技術研究所は、動物の匂いセンサーである「匂い受容体」を利用して、立体的に構築した細胞塊を気体状の匂い物質のセンサーとして機能させることに成功しました。 動物の鼻には「匂い受容体」という匂い物質に対する化学センサーが働いています。空気中の匂い物質は一旦「匂い受容体」の表面を覆う嗅粘液(鼻水)やリンパ液にとけ込み、その後「匂い受容体」と結合します。イヌに代表されるように、動物の鼻は非常に優れた化学センサーであるため「匂い受容体」を用いた匂いセンサーの開発が盛んに行われてきました。しかし、「匂い受容体」は水中でなければ形が変化して機能しないため、これまで、水に溶かした揮発性有機化合物に対する反応しか測定することができませんでした。 「匂い受容体」をもったスフェロイドという細胞の微小な固まりを作製し、水分を保持したハイドロゲルで作製した微小容器の中にそれを配置しました。その結果、実際の鼻のように「匂い受容体」の表面が薄い水の層で覆われ、そこに溶け込んだ気体状の匂い物質に対する反応を測定することに世界で初めて成功しました。 この方法を用いて、マラリアを媒介するハマダラカが持っている2-メチルフェノールという匂いに対する匂い受容体の反応を測定しました。するとこの匂い受容体は緩衝液中に含まれた2-メチルフェノールには反応する一方で、気体状の2-メチルフェノールにはほとんど反応しませんでした。つまり生体と同じような匂いに対する反応を引き起こすためには、匂い物質と匂い受容体の結合を調節する嗅粘膜やリンパ液に含まれる成分が重要であることが初めて示されました。 象が一番匂い受容体の遺伝子を持つことが最近発表されました。匂い分子が鼻腔内で受容体してはじめて、においの信号が脳に伝わるとすれば、この研究は受容体の種類の数だけが匂い信号の数と相関しない可能性が示されたと思います。この研究では特定のにおいのセンサーの作成を目的としているので、ちょっとならいとは違うとは思いますが。
2014年07月30日
コメント(0)
全287件 (287件中 151-200件目)