昼は大阪帝国ホテル、
夜は甲子園ノボテルだったけど、
好みはやはり後者だ。
宝塚ホテルも好き。
ということは、
都心より離れているけど都市型というホテルが好みなんだけど、
好みという意味ではほんとうは、
ヴィンテージなホテルのほうがもっと好みだ。
奈良ホテルなんかは今はどうなっているのだろう。
東京なら、
今残っているそういうホテルは山の上ホテル本館ぐらいだろう。
あの建築設計のために部屋の天井が斜めに傾斜した安い部屋によく泊まった。
作家がよく利用した畳敷きの部屋にもなんどか泊まった。
文化人が多かったから気後れはしたけれど、
好みのホテルとしては唯一残存している。
でも、
こう書いても、
もしかしたらもうなかったりするかもしれない。
それほどご無沙汰だからだ。
古い赤坂プリンスの木のきしむ音がする階段も好きだった。
古い雅叙園観光ホテルも
大きなエレベータがアート作品そのものだった。
1日5ドルニッポン旅行という本で外国人に知られていて、
ベトナム戦争の休暇中の兵士がたくさん泊まっていたりもした。
バーでそういう戦争に行くなとカラんでしまって、
なぜか電話番号を教えたらしく、
後日英語の電話がかかってきて
さっぱり喋れずに大恥かいたりもした。
今は亡き小田実が反戦運動を身を挺していた頃だ。
いくら高級でも、
大きなホテル、
大きすぎるホテルは
好きになれそうにはないな。