50年前に、
妻と僕は結婚した。
今日はその50年目の日だった。
子供たちがホテルで食事をさせてくれた。
結婚してから今日までで、
1家族2人が3家族10人になった。
結婚とは何かという問いの答えは、
煎じ詰めればその広がりにあると思う。
僕が生きてきたこの70数年というのは、
社会の結婚観も多様化した。
だから、
勝手なことを言うべきではない。
どんな結婚も、
どんな生き方も、
それぞれあり得てよい。
そういう中で、
解けないテーマはある。
結婚の本質には、
こういう面があると思い始めたのは、
30年経って、40年経った頃からのような気がする。
それは、
結婚とは、
共に歳を取ってゆく間柄であるということだ。
結婚していない間柄の場合でも、
それに近いことはあるとも思うけれど、
共に歳をとってゆくという実感がこみ上げてくるのは、
結婚関係の本質だと思う。
ということは、
いつか別れが来るという現実を伴う。
もともと僕は、
喜寿だとか金婚式だとか、
そういう節目のわざとらしい振る舞いは好きではない。
気付いていないわけではないが、
微かに知っている程度に
日々淡々と過ごしたい。
生来臆病者だからだ。