
見るんじゃなかったと思うことがある。
見なくたって、
よく分かってるよ。
あれは中学生の頃だった。
近所に英国系イラン人だかイラン系の英国人だったかの
石油会社の社宅が何軒かあった。
その中に
時々パジャマ姿で佇んでいる人が居た。
とても気になった。
異国の空の下で老いていく気持ちって、
どんなだろうと。
今はグローバル時代だから、
もう異国も何もなくなってきたけれど、
長年の間、
なんども思い出すのだ。
だから、
こういう写真を見ると
また連想してしまう。
でも、
考えてみれば、
どこに居ようが、
生まれた故郷にそのままで居ようが、
老境は異郷でもある。
すこしづつ、
異国の空の下のように、
心細くなっていくのに似ている気がする。