人生復刻版

Jun 3, 2016
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大学生の頃、

僕はノンポリ学生だった。

今の首相の祖父にあたる岸信介首相も

今の首相とどこか通じる厚顔無恥な強権ぶりではあったから、

学生運動は蔓延していた。

そうした環境で、

僕は同好会「フランス研究会」を作ったのだけど、

意表を突かれたことには、

運動家の連中から、

ウヨク呼ばわりされてしまった。

なんでやねん、

なのだけど、

そんな空気だった。

警職法反対闘争から、

安保改正反対闘争へと、

岸政権への抗議活動は

今のシールズよりはるかに全国的だった。

犠牲者も出た。



僕は一回だけ、

デモに参加している。

岸政権の強権ぶりは危険思想だと思ったけれど、

強権側は、

抗議活動を危険思想視していたし、

それは今と似ている。

僕は

デモには馴染めなかったけれど、

ただあの厚顔無恥な強権力像だけが心の傷のように残った。

それはもう半世紀以上昔の事なのに、

今の孫首相に遭遇して、

あの心の傷が膿みはじめたのだ。



学生運動に疎外感があった僕が、

上場企業に就職した頃、

企業の労働組合は今よりも政治的だった。

入社後すぐ先輩が近づいてきて、

新入社員の僕がサヨクに汚染されないように囲い込む動きに接した。

ある日のことを覚えている。

会社のロッカールームのところで、

騒ぎがあって、

誰かが逃げ込んできた。

有名なサヨク派組合役員だった。

内紛があったのだ。

僕は入社1年後には人事部に異動したので、

その後は人事情報に接する仕事になったため、

社内の気風や人事政策にもサヨク的な者を色眼鏡で見ていることを

知ってしまった。

世の中で偏見をもって人を見るというのは、

僕がいちばん嫌いなことだった。

僕は3年間で人事部から自分の意志で出ている。

お局さん女史が、

僕に「もったいないのに」と

本心からのように言っていた。



とはいえ、

僕は組合活動に対して、

それこそ僕なりの偏見を持っていた。

企業内組合なのに政治色をもつのは違和感があったし、

経営寄りにふるまって昇進を目指すような世渡り組合役員にも違和感があった。

いずれ時代とともに、

労働組合も骨抜きになり、

いわゆる御用組合風情が大勢になっていった。




だから今はもう、

フランスみたいに抗議運動が吹き荒れることはない。


でも、

マスメディアさえ死んでいる今は、

明らかに行き過ぎだ。



僕みたいな終わってるただの男がたまに政権批判しても、

見たよと「いいね」してくれる人があるのは

救いだ。

東大出て、

体制側につけば人生楽なのに、

政権批判側で政治活動する人を

僕は尊敬する。

サヨク呼ばわりされても、

真面目に本気に活動する人を偉いと思う。

そういう人たちの多くは、

自分のためや何かの利害のために働いてはいない。



日本でいちばん危険なのは、

少数者にも理解を示しているは思われたくない、と

世間の目を気にするような風潮が蔓延することだ。

この3年、

そういう空気感が、

目に見えぬ放射線汚染と同じように、

日本人に沈潜しているように思われて仕方がない。

思い過ごしなら、

とても嬉しいのだけど。。。。








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Last updated  Jun 3, 2016 05:37:58 PM
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