東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

PR

Keyword Search

▼キーワード検索

Profile

昭島フリー

昭島フリー

Freepage List

Calendar

Comments

聖書預言@ Re:説教要約 1266(08/08) 『JDファラグ聖書預言』でネット検索すれ…
2006.12.18
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
「マリヤの賛歌」

                 ルカの福音書、1章39~55節

 マリヤは、御使いから受胎を告知された時、エリサベツも男の子
を宿して六か月であることを聞きました(36節)。エリサベツは、
みごもってから五か月の間、引きこもっており、また場所も遠く離
れていたので、親類とはいえ、おそらくマリヤは、何も知らなかっ
たことでしょう(24、39節)。

一、マリヤの訪問と挨拶(39、40節)

 そのころナザレにいた「マリヤは立って、山地にあるユダの町に
急」ぎました(39節)。このユダの町は、おそらく祭司の町ヘブロ
ンでしょう。ナザレからヘブロンまでは、直線距離でも120キロ
メートルもあります。

 自動車も電車もない時代に、みごもってから日の浅い女性が100
キロメートル以上も旅をするのは、様々な危険が伴い、決して容易
なことではなかったはずです。

 しかしマリヤは、年老いた親類のエリサベツがみごもったことを
聞いた時、いっしょに喜び合うとともに彼女に仕えるために危険を
冒して長旅をしました。もしマリヤがエリサベツを訪問しなかった
ならば、このすばらしい二つの歌は生まれなかったでしょう。

二、エリサベツの賛美(41~45節)

 エリサベツは、不妊の女と老齢という大きなハンディを負いなが
ら(ルカ2章7節)、忍耐と不屈の祈りによって、ついに子どもが
与えられた人です。ところがこのような時、大したハンディもなく、
自分よりもずっと若くて人生の経験も苦労も少ない親類のマリヤが、
ヨハネよりも偉大な救い主の母になったことを知りました。

 普通の女性ならば、その年齢からみても、その経験から考えても、
決してマリヤを喜ぶことはできなかったでしょう。しかしエリサベ
ツは、少しの嫉妬心もなく、心から喜んでマリヤを祝福し、神を賛
美しました(42~45節)。彼女は本当に謙虚な人でした。

 またエリサベツの夫――長い間、苦楽をともにし、祈りが答えら
れて子どもが与えられたならば、手を取ってともに喜び合うはずで
あった人――ザカリヤは不信仰のために、ものが言えなくなりまし
た。このような時、妻は夫とともに不信仰になりやすいのです。

 しかしエリサベツは、夫とともに不信仰になることなく、最後ま
で信じ続けた信仰の人でした。「主によって語られたことは必ず実
現すると信じきった人は、何と幸いなことでしょう」と言ったエリ
サベツの告白は、不信仰な夫との苦い経験の中から学んだ千鈞の重
みのある言葉です(45節)。

三、マリヤの賛歌(46~55節)

 このマリヤの賛歌の前半(46~50節)は、救い主の母に選ばれた
彼女が、そのことをどんなに喜び、感謝し、しあわせに思っている
かがよく歌われています。またこの賛歌の後半は(51~55節)、神
の見る目と人の見る目は逆であるという逆説について歌っています。
マリヤは、「ハンナの歌」(第一サムエル2章1~10節)をよく読
み、よく学んで、自分の歌として賛美しています。

 このようにマリヤは、自分のような卑しいはしためが救い主の母
に選ばれたことを知り、ハンナの歌にならって神の国の真理である
逆説について歌いましたが――もちろん、この時はわかりませんで
したが――彼女自身もこの逆説を学んで、体験しなければなりませ
んでした。

 すなわち、だれも経験したことのない祝福と恵みと栄光を受けた
マリヤは、「剣があなたの心さえも刺し貫くでしょう」と言ったシ
メオンの預言のように(2章35節)、だれも経験したことのない苦
難と重荷と十字架を負わなければならなかったのです。

拙著「キリストの生涯の学び」8「マリヤの賛歌」より転載





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2006.12.18 08:42:26
コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: