東京フリー・メソジスト教団付協力牧師 甲斐慎一郎 説教要約

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聖書預言@ Re:説教要約 1266(08/08) 『JDファラグ聖書預言』でネット検索すれ…
2015.09.13
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カテゴリ: カテゴリ未分類
「見えないものに目を留める(2)」  2015年9月14日

インターネットのテレビ局CGNTV(Christian Global Network 
Television)の番組「みことばに聞く」に当教会の牧師が出演しま
した。2015年7月19日放映「 創造論と進化論 」 
131211見えないものに目を留める電磁波の種類.jpg

「見えないものに目を留める(2)」
                     甲斐慎一郎
                     コリント人への手紙、第二、4章18節

2.現代科学は、五感で感じるままの物質世界は実在しないと教
えている。
 ある新興宗教の教祖は、「『宇宙に真に実在するものは心のみで
あって、物質世界は、わたしたちの心がつくった映像に過ぎない。
心は真の実在であるから、不滅不変で永久的なものであるが、物質
世界は心の映像に過ぎないから、生滅極まりない見かけ上のもので
ある』。……この考え方によれば、超感覚的に巨大な宇宙も心の映
像であり、物質を作っている基礎粒子である原子も、さらに、その
原子を構成している物質の窮極的粒子である素粒子も心の映像です。
したがって、これらはすべて、わたしたちの心を離れて独立的に客
観的には存在しないものです。……このような宗教思想は、ちょっ
と考えるとまったくでたらめのようですが、すこし深く考えると、
自然の根元的ななぞに触れていることがわかります。……物理学の
創始者である有名な ガリレオ・ガリレイは、『五感により感じられ
るものは、程度の低い実在か、または、たんなる幻影である』とい
っています。 五感というのは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚ですが、
ここでは、すべての感覚という意味です。実在ということばは……
見かけ上の存在ではなく、真の存在という意味です。
 ……あなたが美人の彼女とデートしているときの光景を想像して
みてください。あなたは、五感を総動員して彼女を観察するでしょ
う。甘い匂いのただよう細い髪の毛、薄桃色の顔、チャーミングな
口、形のよい白い歯、魅力的な曲線、弾力的で柔らかい触感などを
知ったとしましょう。そのとき、あなたはきっと、彼女自身がそう
いう感じのものをもっていると思うでしょう。ところで、ここで前
述したガリレイのことばを思い出してください。ガリレイのことば
に従うとつぎのことがいえます。あなたが彼女について知ったもの
は、実はあなたの心がつくったものです。それは、極端な表現をす
れば幻影なのです。
 たとえば、桃色という美しい色は、わたしたちの心が桃色と感じ
るだけで、わたしたちの心を離れて、桃色という色自体が自然に存
在するのではありません。また、甘い匂いというものも、わたした
ちの心が作ったもので、匂い自体が心から離れて存在するものでは
ありません。同様なことが、あなたが彼女について知った他のすべ
てのことについていえます。
 また、わたしたちの周囲のけしきも、わたしたちの心がつくった
ものです。桜花が爛漫と咲きみだれ、花のかおりを含んだ暖かい風
が吹き、小鳥がさえずっている春のけしきというものは、わたした
ちの心を離れて実在するものではないのです。それはわたしたちの
心が描いた像です。……つまり、見えるまま、感じられるままのけ
しきが心から離れて客観的に存在するのではなく、心でつくられた
像や感じが外部に投影されて、それらが外部に存在するように思う
のです」(猪木正文著、物理学的人生論、28~32頁)。
 海の水は青く見えます。池の水も緑に見えるのがありますが、水
は無色透明です。空は、晴天の空は青く見え、夕焼けの空は赤く見
えますが、空気も無色透明です。水の青や緑の色、また空の青や赤
の色も、わたしたちの心が青色や緑色や赤色と感じるだけで、わた
したちの心を離れて、青色や緑色や赤色という色自体が自然に存在
するのではありません。
 「……音というものは耳で聞いてから、はじめて生じるものであ
って、したがって、人のいない所で音は存在しないというのです。
防音壁で完全に密閉された無人の部屋でベートーベンの交響曲がス
テレオで演奏されても、そこにはわたしたちを感激させる、あの荘
厳と神秘に満ちた交響曲はないのです。音もわたしたちの心の中で
生まれるもので、心を離れては存在しないのです。
  たいへん奇妙に感じられるこのような考え方は、ガリレイの考え
方であるのみならず、じつは、現代科学が発見した重要な帰結です。
そして、これが、不思議にも前述の宗教思想とある点で一致するの
です。一致している点は、五感で感じるままの物質世界は実在しな
いということです。ところが、そのことをいかに解釈するかという
点で、宗教と科学は対立するのです。宗教は感じるままの物質世界
は実在しないから、真に実在するものは心であると考えます( これ
は唯心論と言い、『物理学的人生論』の著者の猪木正文は、宗教は
唯心論であると言っていますが、それは間違いです。甲斐慎一郎の
)。これに対して科学は、感じるままの物質世界は実在しないが、
その背後に、心から独立して存在する心以外の『ある物』が実在す
ると考えます。……『ある物』とはエネルギーのことです。このよ
うにエネルギーは現代物理学の基礎概念です」(猪木正文『物理学
的人生論』29~33、153頁)。 
 拙著『聖書の中心的教え』「4 目に見えないものに目を留める」
より転載。
甲斐慎一郎の著書 説教集
次回は 2015年9月21日「見えないものに目を留める(3)」です。
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Last updated  2016.10.09 14:11:19
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