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2014/10/19
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カテゴリ: 今日のシメイ
勝負は瞬く間に終わる。
今までにない衝撃を受けた子明は地面にたたきつけられ、
視界が赤く滲んだ。
じわじわとこみ上げる痛みが騒ぎ立てる声を遠く掻き消していった。
「呂蒙様!」
陸遜は駆け寄り声をかけ続けた。
それを見ていた関羽がようやく口を開いた。
「わしの負けか、しかたないおとなしく捕まるとしよう。
 呂蒙よ、なかなか面白い勝負だったぞ。

その言葉を受けて皆が子明の方を見ると、
わずかに動きがあった。
「呂蒙様」
「生き、てるのか。何とか勝ったな」
「まったく、なんと無茶なことを」
「最後の戦いには悪くないと思ってな」
「最後なんて言わないでください。
 これからも私たちを導いてください」
「・・・あぁ、わかった。できる限り、な」

数日が経ち、子明の傷は癒え、関羽の処遇を決めようとしていた。
「関羽、一応聞くだけ聞いてもいいか?」

「やめておけ、愚問をするだけ無駄だ。
 兄者以外の者に仕えるつもりはない。
 あとは武人としての最後を迎えるのみ」
予想通りの返事に子明はただうなづいた。
「わかった、その最後見届けさせてもらう」


「兄者、約束を守れず先に行くわしをお許しください。
 張飛、後は頼むぞ」
関羽は見事な最期を遂げた。
「呂蒙様、関羽の首はどうしましょう?」
「以前、お前が言っていたように曹操へ送ろう」
「わかりました、そのように手配します」
「まぁ、それでも劉備は攻めてくるだろうな」
「そうなった場合、どうすれば・・・」
「最初は敵の士気が高い、
 できるだけ力を温存しながら、敵の士気が下がるのを待つのが最善」
「しかし、待つだけではこちらの士気も下がるのでは?」
「我慢比べにはなるが、しっかりとした意思統一が必要・・・」
子明はせき込み、思わず口に手を当てる。
その手には血が張り付いていた。
それを見た陸遜は動揺を隠せず、
「まだ治ってないではないですか、医者を呼びます」
「慌てるな、大したことはない」
「いいえ、早くお休みください」
ここで陸遜は言葉をかみ殺した。
「どうした、何か言うことがあるだろ?」
「ありません・・・」
「そうか、ならこっちから言おう。
 お前が感じ取ったように俺にはもう長くは生きられない。
 あとはお前たちが孫権様を支えてくれ」
陸遜はしばらく黙ったのち、
「まさか、ずっと前からわかっていたのですか?
 だから、関羽と勝負したのですか?」
その問いかけに子明は笑い、
「ま、そういうことだ」
子明は再び病に伏せる。
孫権は治療のため、私財をなげうって医者を呼び寄せる。
体調が一進一退するたび孫権の気持ちも変わっていった。
しかし、その甲斐もなく子明は死の淵に立つ。
「葬儀は質素に、孫権様からの贈り物は全てお返しするように」
子明は静かに息を引き取った。





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Last updated  2014/10/19 02:18:42 AM
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