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映画『ザ・コンサルタント』のギャビン・オコナー監督にインタビュー。
自閉症スペクトラムの会計士はなぜシラットを使うのか?
――どのような経緯で本作を手がけることになったのでしょうか?
ギャビン・オコナー (以下、 オコナー ):プロデューサーが送ってくれた脚本を読んでみたところ、その型破りなストーリーに驚かされたんです。
このようなタイプの作品で、 主人公が自閉症スペクトラム というのは初めてだと思いますし、主人公のクリスチャンをすごく気に入りました。そんな彼に焦点を当てた作品を作ってみたいと思ったので、この仕事を受けたんです。
――本作も『ウォーリアー』と同じく、ある意味では兄弟の物語でしたが、これは脚本に元からあったアイデアなのでしょうか? それとも監督の意向で追加したのでしょうか?
オコナー :脚本には元から 兄弟や家族という要素 が断片的にあったのですが、私はさらにそれを 全面的に押し出す ように回想シーンなどを加え、クリスチャンと彼の家族の過去を描く作品へと変えていきました。
かなり無意識にやっていたことなんですが、リハーサルをしているうちに「 なんだか、『ウォーリアー』っぽくなってきたぞ 」と思いましたね。
――やはり監督にとって、兄弟という関係は特別な魅力を感じるものなのでしょうか?
オコナー :父子や兄弟といった家族の絆はストーリーとして魅力的なものですが、 本当のところはどこに惹かれているのか、自分でもわかりません 。だからこそ、 自分はこのアートを通じて、その答えを探し続けている のだと思います。
――本作は弱点を持ちながらも、類まれなる能力で戦う男の誕生秘話を描く、アメコミっぽさの感じられる内容であると同時に、ベン・アフレックを筆頭としたアメコミ映画/ドラマで有名な人物が出演している作品ですが、あえてアメコミ映画のファンを狙ってキャスティングしたのでしょうか?
オコナー :脚本の段階で、ちょっと現実離れしたコミックっぽい作品だとは感じましたが、私は 地に足の着いたリアルな作品を目指しました 。
もちろん、クリスチャンは スーパーパワー とも呼べる能力を持っていますが、基本的な戦闘技能はあくまでも訓練によって得たものです。なぜ 彼が凄腕になったのか?というオリジン が描かれる過程は、あくまでリアルに描いていきました。
ベンがクリスチャンを演じているのも、彼がスーパーヒーロー映画に出慣れていることとはあまり関係はありません。ただ、『ザ・コンサルタント』はアクションがたくさんある作品なので、彼の肉体的にこの役がぴったりだと考えました。同時に、ベン・アフレックのファンとして、 彼が今までに経験していないタイプの役に挑戦するところを見てみたいと思った んです。
そして実際に役が決まると、まず 自閉症スペクトラムに関してのリサーチ を一緒にしてほしいとお願いしました。 キャラクターの細かな仕草まで作り込みたかった からです。
ベンは快く引き受けてくれ、ともにキャラクターを作り上げ、本当に素晴らしい演技を見せてくれました。天才的な頭脳を持つと同時に障がいのある人物を演じる場合、多くの役者は自分のスキルを見せつけるかのようにちょっと過剰な演技をしがちですが、すばらしいことにベンは あえて控えめにおさえた演技 をしてくれたんです。
――ベン・アフレックの仕事ぶりはいかがでしたか?
オコナー :映画監督でもあり役者でもあるという人物と仕事をするのはベンが初めてでした。彼は監督としての経験から、 監督が役者にやってほしいことをよく理解しています 。
彼は 役者の振る舞いが映画自体の雰囲気も変えてしまう ということを理解しているんです。撮影現場で自分勝手な行動をすると、他の役者にも悪影響を与えます。
だからこそベンは真面目な職人にように、 決して遅刻せず、全力を尽くしてくれました 。きっと、それが監督としてのベンが役者に求めるものなのだと思います。
――本作でのクリスチャンのアクションは効率的で、無駄のなさが際立っていますが、なぜそのような動きになったのでしょうか?
オコナー :これは脚本から完全に変えた部分で、『ウォーリアー』を担当したスタント・コーディネーターの サム・ハーグレイブ と フェルナンド・チェン の二人と一緒に、クリスチャンの人物像と生い立ちから彼の学んだ技を考えて、それに合わせた回想シーンを作りました。
それから彼が数学の天才であるというところを考慮に入れて、 数学的に見て最速の方法で相手を倒す という戦いへのアプローチ方法を考えたんです。
本作のアクションはキャラクターの過去を探っていく中で、観客を飽きさせずに楽しませるためのものとしても作ってあります。時に残酷ですが、 その効率の良さと彼の素直さを表現したかった んです。
――クリスチャンはインドネシアの格闘技「シラット」の使い手ですが、「シラット」を採用した理由はなんでしょうか?
オコナー :どんなスタイルでも選べたのですが、スタント・コーディネーターと技を探す中で シラット を知りました。その効率的でありながらも華やかさもあるところが気に入り、きっと面白いものにできるだろうと思って選びました。
そんなシラットをクリスチャンが学んでいるということのつじつまを合わせるために回想を作ったわけです。
――サスペンスや謎解きの要素もあるシリアスな作品ですが、同時に笑ってしまうようなシーンも随所に挟まれていました。ユーモアを入れたのは監督のアイデアなのでしょうか?
オコナー :そうですね(笑)。脚本の段階から驚きの展開もあるパズルのようなストーリーだったのですが、私は本作をシリアスでリアルにすると同時に、楽しい作品にしたかったんです。
なので、ベンと一緒にユーモアを盛り込んで行きました。ただ、その ユーモアはキャラクターのセリフではなく行動で、わざとらしくない自然な形 で表現しようと決めていました。私のすすめもあって、 ユーモラスなシーンの多くはベンの即興 です。
――今作の続編については考えていますか?
オコナー :スタジオと話はしているんですが、スケジュール的に忙しいのと、きっとベンは私よりもさらに忙しいと思うので(笑)、かなり先になると思います。
そんなこともあって、いま脚本家たちと相談しているのは TVシリーズ化 です。ただ、クリスチャン・ウルフを別の俳優が演じるのではなく、彼のオペレーターと彼と同じように 障がいがある凄腕のスペシャリストのチームが登場する物語 にしようと考えています。
さらに、チームのうちのひとりがクリスチャン・ウルフと同じ会計士であり、 師弟関係 で、ベンが出演できるようにしようとも思っています。
『ザ・コンサルタント』
は続きが見たすぎる終わり方をする映画なので、
続編が非常に楽しみ!
監督は意識していないと言っていましたが、
本作は アンチ・ヒーローもののアメコミに通じる魅力 が存分に味わえる映画。
また、専門家や養護学校の元を訪れて入念なリサーチをしたという、
自閉症スペクトラムの描き方 もポイントとなっているので、
アクション以外のシーンにも要注目です。
映画『ザ・コンサルタント』は2017年1月21日(土)から全国公開。
【GIZMODO http://www.gizmodo.jp/2017/01/the-consultant-gavin-o-connor-interview.html 】
新春からかなりインパクトのあり話題性豊富な作品、
チャンスがあれば是非、観に行きたいですね。 🌠
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