Born  Free☆ミ

Born Free☆ミ

PR

Calendar

Profile

elsa.

elsa.

Favorite Blog

寒くなったソウル! New! 韓国の達人!さん

Freepage List

Keyword Search

▼キーワード検索

2021.05.25
XML
カテゴリ: 自閉症関連
​​ ​​




質問がわからない、行間が読めない…自閉スペクトラム症の特徴




筑波こどものこころクリニック院長/小児科医の鈴木直光氏は著書

『新訂版 発達障がいに困っている人びと』

のなかで、発達障がいとどのように向き合うべきか語っています。


本記事では、発達障がいの子どもについて、実例をもとに解説します。




子どもの自尊心を守る…クリニックに訪れた中学生の例


発達障がいの症状を悪化させる大きな原因の一つとして、

自尊心の低下があります。


自尊心の低下を防ぐためには、早い段階で、

発達障がいによって引き起こされる症状を改善してあげることが大切です。


乳幼児や小学生だけでなく、

中学生やそれよりもっと上の年齢のお子さんも、

私のクリニックにはやってきます。


非行などの問題行動のあるお子さんも来ますが、

周りからちょっと変わった子だと思われてはいても、

頭も良く特に大きなトラブルを起こすこともなく、

一見なんの問題もないようなお子さんも訪れます。


E君もそんなお子さんの一人でした。


中学2年生のE君はドアをノックして、

私が「どうぞ」と言うと、丁寧に一礼して入ってきました。


「E君だね、こんにちは」 「こんにちは」

とお辞儀して挨拶を返してきます。


よく躾けられている、きちんとしたお子さんだと感じました。


もしみなさんがその場に居合わせたら、

こんないいお子さんがなぜ相談しに来たのか不思議に思うかもしれません。


私にはすでに、

母親が待合室などでの待ち時間を使って答えた問診票の情報が手元にあり、

それを見ると 自閉スペクトラム症 の診断基準を満たしていました。


そのため、少し話してみて、

「あっ高機能自閉スペクトラム症のタイプだ」

と私は心の中で思いました。


E君は年齢不相応に丁寧に挨拶し、

言葉遣いも丁寧で、ほとんどの会話で、

「ですます調」

で喋ってきたのが引っかかったのです。


こう言うと、

「では丁寧に話す人はみな自閉スペクトラム症なのですか?」

と質問する方がいますが、

あくまでも自閉スペクトラム症の問診票が基準です。


興味の偏りやコミュニケーションのとり方から読み取った上での判断です。


「何年生?」と尋ねると、

「2年生です」と少し声がひっくり返った感じですが、

ですます調で丁寧に話します。


「何中学かな?」



「○中学です」

たいていのお子さんは「○」と言うだけで中学の名前だけしか答えませんが、

E君はきちんと中学までつけて答えます。


「E君はとても丁寧に喋るね、いい子だね。担任の先生は優しいかな、怖いかな?」

「あー◇子先生ですか、怒ると怖いです」

担任の名前をフルネームで答えます。


正確に言わなくてもいいことまでしっかり述べるのも

自閉スペクトラム症 の特徴の一つです。

「お父さんとお母さんは?」

ここで、言葉をわざと省略してみました。


「なんですか?」

どちらが怖いのかを聞いたのですが、

やはり、行間が、空気が読めていません。

発達障がいのお子さんが苦手なことが多い分野です。


「お父さんとお母さんは、どっちが怖いですか?」

必然とこちらまで聞き方が丁寧になってしまいます。


叩かれてはいないようですが、

宿題をやらなかった時などは父親に怒られるようです。


話を進めていくと、どうやら自閉スペクトラム症に加え、

不注意型の ADHD もあるのではないかということがわかってきました。

多動型は明らかな行動として見えるのですが、

不注意型はなかなか見えないので気づかれにくく、

小学校では、かなりの頻度で見過ごされます。


​​​

​イライラして怒鳴る教師や親御さん。それによって…

中学校くらいになると、

同じADHDでも多動・衝動型で落ち着きのないお子さんより、

不注意型で忘れ物の多いお子さんの方が目立ってきます。


気が散り、集中できず、切り替えが下手で、

指示に従えないという特徴のあるお子さんです。


E君もこのタイプで、

集中ができないから宿題ができないと考えられます。


言っても言うことを聞かないと、

ADHDのお子さんにイライラして怒鳴る教師や親御さんも多くいます。

しかし、この怒鳴ることで、結果、

お子さんの自尊心が低下してしまい症状を悪化させています。

そして、自尊心が低下していくと、

「俺なんかどうでもいいや、生きていてもしょうがない」

と感じると、何もヤル気がなくなり、

学力が徐々に低下することもありますし、

反抗挑発症(ODD:Oppositional Defiant Disorder)や

素行症(CD:Conduct Disorder)といった

非行行為を誘引する二次的な障がいへと

ADHDが進展してしまう危険性があるのです。


ODDとは、

自分にとってためになることでも反発して受け付けなかったり、

周りに対して、挑戦的、挑発的態度を繰り返したりするというものです。


「かんしゃくを起こす」「大人と口論する」

「大人の要求または規則に従うことに積極的に反抗または拒否する」

「故意に他人を苛立(いらだ)たせる」

「自分の失敗・不作法を他人のせいにする」

「神経過敏またはイライラしやすい」

「すぐに怒りを露(あら)わにする」「意地悪で執念深い」

という8つの項目のうち

4つ以上が存在するというのが一つの診断基準となります。


治療によって比較的症状が緩和されやすいのですが、

自尊心が回復できずに症状が進み、素行症まで発展してしまうと、

なかなか緩和するのに苦労します。

*****************************

鈴木 直光 筑波こどものこころクリニック院長・小児科医

小児神経学会認定医博士(医学)


幻冬舎

[YAHOO ニュース]



幼い頃から色々な視点から会話を交わすことが大事ですね。
​​​

















お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2021.06.09 19:03:00
コメント(9) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: