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◆ラルフ・ジェームズ・サヴァリーズ著、岩坂彰・訳
(みすず書房・4180円)
詩人としても活動する文学教授の著者が、
五人の自閉症者たちと六つの小説を読む。
『白鯨』から『アンドロイドは電気羊の夢を見るか?』まで、
作品のチョイスはその人の特性や関心に合わせてカスタマイズ。
対話の仕方も、
対面での会話が難しい相手とはスカイプのチャット機能を使い、
本の匂いが好きな相手なら作品に関連する記念館に同行。
教授の目論見(もくろみ)は当たることもあれば外れることもあり、
五者五様の読書の旅が描かれる。
ちょっと待って、自閉症者に小説?
確かに自閉症に対するステレオタイプな見方の一つに、
「他者の心が分からない」
がある。
科学論文ならいざしらず、
登場人物の心の葛藤や
逡巡(しゅんじゅん)を描き出す小説のようなジャンルを、
自閉症者は楽しむことができるのか?
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