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【ケース2】
’24年4月入寮の学生(現在大学2年生)は、
監督からコックス
(漕ぎ手は後ろ向きに座るのに対し、
コックスはボートの最後部に座り、
前方を向いて漕ぎ手に指示を出す舵取りの役目)
に指名される。
そのため、監督の近くで指示を受ける機会が多く、
暴言のターゲットにされた。
監督は、神戸市に生活の拠点を置いているため、
学生を直接指導するのは、
毎週金曜日から日曜日の3日間と決まっていた。
そのため、監督が金曜日に上京すると、
学生をすぐに監督室に呼び出し、
「クソ野郎」「アホ」「ポンコツ」
などの暴言を浴びせていた。
さらに、
「お前のことずっと見てるからな、
俺にチクってくれる奴がいるんだよ」
などと発言している。
また、学生が’24年夏に開催された
「佐賀国体」に出身地の代表として出場が決まった際には、
「なんで国体に出るんだ?」「日大の仕事をしろアホ」
などと発言。
’25年1月以降はLINEなどでの暴言も増え始めた。
毎週金曜日の呼び出しは継続され、
’25年2月下旬、次のような出来事が起きた。
部員の1名がノロウイルスに感染し、
動けなくなるほどになってしまった。
しかし、救急車が高額の実費であったため、
手配を断念。
部則違反であったが、
緊急を要したため同学生は自ら車を運転して
部員を病院へ連れていった。
それに対し、監督は同学生を責める暴言を吐いた。
その直後、監督に呼ばれ、
「次、何かあったら〇〇
(同学生の母親の下の名前を呼び捨て)
に電話するぞ」
と、脅されたという。
’25年4月25日にもLINEで、
「何かあったらすぐに母親に電話するぞ」
とのメッセージとともに、
電話番号のメモ書きを写した画像を同選手に送信している。
【ケース3】
’24年10月18日から行われた
「第65回全日本新人ローイング選手権大会」
で、好成績を残せなかった選手に対して
次のような罵倒を繰り返している。
1、2年生の選手に対して
「お前は障がいじゃないのか」
と発言。
同選手に対しては、
普段から自転車を漕いでいる姿を見ては
「頭を振りながら漕いどるからおかしいんや」
と発言していた。
これだけではなく精神的に追い詰めるような
威圧的・脅迫的な発言を繰り返す。
2、3年生の選手の声の大きさを指摘し、
「うるさいからアスペルガーやろ」
と発言。
3、同大会での成績不振を理由に、出場選手たちに、
「お前らの汗が汚い」「ゴミ」「雑魚」「気持ち悪い」
などの発言を繰り返す。
監督によるこれらの暴言を受けた【ケース1】の学生は、
保護者に、
「監督に学費免除の権限はないことは明らかです。
でも、学生はその“言葉”に逆らえない。
支配の道具として“制度”をちらつかせることで、
通報を潰そうとしていたのだと思います」
と話し、
【ケース2】の学生は、
「部活に対してのモチベーションがなくなってしまって、
監督が来る金曜日は部屋から出たくなくなったり、
寮にいること自体憂鬱になりました。
そのときは、
周りの人もみんな監督にチクってるのかな
とか疑心暗鬼になっていた部分もあって、
相談する人がいなかった。
寮の居心地が悪く精神的にきつかった。
誰も信じられないという感情になり、
仲間が大事な部ではありますが、
冬まで心を閉ざしていました。
一人になったときは、泣いたこともあります。
僕が入寮した日から現在に至るまでの約1年半、
監督からの暴言は当たり前のように繰り返されました。
怒鳴り声と罵声が部内に染みつき、
学生、誰もが『反論すれば自分が潰される』
という空気の中で沈黙を強いられていました」
などと話している。
『FRIDAY』は大学の見解を聞くべく、
日本大学競技スポーツセンターに電話で上記の内容を伝え、
日本大学広報部宛にメールで質問内容を送付。
メールで次のような回答を得た。
〈ご指摘のような事実についての情報提供はありましたので、
事実関係の把握に努めているところです。
関係者が多数のため、慎重な調査を重ねている最中です。
十分ではない調査に基づく報道により、
真相解明を遠ざけることにならないか危惧しております。
くれぐれもご配慮いただけますと幸いです〉
この回答に対し、保護者は、次のように話した。
「我々の調査の中で明らかになったのは、
監督による恫喝・罵倒・差別的発言が、
日常的に部員全体へ向けて繰り返されていた実態です。
もはやそれは“指導”ではなく、
精神的暴力による支配構造だったと思います。
日大は、’18年5月に行われた試合で、
監督、コーチによる『危険タックル』が指示され、
大きな社会問題となりました。
その後、監督、コーチは処分を受けました。
今回の件でも、
大学は真摯に調査を行っていると感じています。
あくまで監督以下一部指導陣の問題と考え、
監督が現状、ボート部に関わらないようにしてくれています。
しかし、一番学生が恐れているのは、監督からの報復です。
日大には過去にもそのような事態があったと聞きます。
そうならないためにも、
世間に現状を知ってもらうことは非常に大切だと考えています」
被害を受けている学生のためにも、
日大の早急な対応が求められる。
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