コロガリ コロガル

コロガリ コロガル

PR

プロフィール

おうじょ

おうじょ

カレンダー

バックナンバー

2024年11月
2024年10月
2024年09月
2024年08月
2024年07月

コメント新着

おうじょ@ Re[1]:16歳(07/10) マイヒトさんへ 読んでくれてありがとう!…
マイヒト@ Re:16歳(07/10) ただ読んでいるだけのこっちまで笑顔にな…
おうじょ @ Re[1]:再会と告白(07/21) マイヒトさんへ 読んでくれてありがとう!…
マイヒト@ Re:再会と告白(07/21) 久しぶりに読んだけど、改めてすごい文章…
ようこ@ Re[1]:勝敗を越えて(05/05) mayumiちゃん コメントありがとう。ほんと…

キーワードサーチ

▼キーワード検索

2011年01月11日
XML
カテゴリ: カテゴリ未分類
一月の三連休、東京にいる夫の両親の「結婚40周年記念の会」に
出席するために帰省をした。
「結婚40周年」とはあまり聞きなれない数字。
日本では結婚生活を祝うなら、金婚式(50年)のお祝いの方がメジャーだが、
夫のお母さんがクリスチャンで、どうやらキリスト教においては
「40」という数字がは特別な意味をもつとのことだった。
実際、50年周年だと夫婦そろって元気に迎えられるかというと、
年齢的にも難しいことが多い。
だから、40周年というのは、なかなか良いタイミングではないかと思う。


今回も神父様を招いて、「結婚40周年を祝うミサ」が行われた。
ミサの中では「結婚更新」という言葉が使われていた。
40年という区切りに、改めてお互いを夫婦としていくことの
意思確認が行われた。
「あなたは○○を妻とし続けることを誓いますか」
「ハイ 誓います」
というあの結婚式でおなじみのやり取りもなされ、
さらには、もう一度指輪の交換まで行われた。
(義母は指輪が外れずに、別の指輪を用意していたケド)

正直、髪の白くなった二人がこうやって、多くの人に見守られ、
もう一度「結婚式」のようなものをやると言う景色は初めて見たので、


さすがにウエディングドレスなどは着ないので、華やかさはないが、
40年という年月を重ねてきた二人が改めて「誓い合う」というのは
とても静かな深い誓いに思えた。
これから起こることなど何も知らないある意味「無知」な若い二人が
交わすその誓いとは、随分重みが違うのだろうなと。


40年という年月の中には、お互いを知って、
時にはぶつかり、それを「赦(ゆる)し」・・・という長い
歴史を経てきたに違いない。

ミサのあと皆で食事をし、落ち着いた頃に、
夫(つまりは夫婦の息子)が作った「結婚40年を振り返る
スライドショー」が上演された。
夫はそういったことを生業としているので、技術的には難しいことでは
ないだろうが、自分の親を主人公にというと、照れくさかったり、
変に感情移入したりとかなり悪戦苦闘していた。

あちこちから、それこそ埋もれていた写真たちを発掘し、
整理し、デジタル処理をし、音楽に乗せて、
40年の流れを構成していく。

幸い、思っていた以上に多くの写真が出てきた。
それらの中には、ちゃんと整理されずに袋に入ったままのものもあった。

黄色く色褪せた写真。日付が消えてしまったもの。
べっとりとくっついてしまって、はがすのに一苦労したものも。

作業をしている脇でそれらの写真たちを見ていたら、
なんともいえない気分になった。一枚一枚に降り積もる時間。
「写真っていいなあ」。

夫はそれこそ、音楽の選択や、写真たちをいかにストーリーとして
見せるかということを試行錯誤していたが、
私はもうその古い写真たちが持つ力に圧倒されて、
申し訳ないけど「どうやって作ったって、いいものになるよ」
なんて無責任なこと言っていた。
それ位、その写真たちは多くを語っていた。

その中で一枚、印象に残る写真があった。
新婚当初の若い二人がささやかな新居のベランダで、同じ腕組みのポーズで立っている。
誰が撮った写真なのか定かでないが、ちょっとおどけた空気や、
普段着のリラックスした感じから、それが特別な日でないことがわかる。
その「何気なさ」に、二人が新しい生活に見つけた喜びや、希望が
息づいている。
私は血の繋がった娘ではないが、「義理の親だから」とかいう親近感ではなく
もっと普遍的な「しあわせ」がそこにはあった。
なんともいえない愛おしい気分になる写真だった。

20分ほどにまとめられた写真の数々を、集まった親族たちで
笑い、時には目を潤ませながら見入った。
息子が自分の親の歴史を振り返るなんて、正直どこか恥かしいような、
照れくさいようなものに、なるのではと思ったが、
そこはプロ。夫は仕事のように、とにかく客観的に「作品」にしていたので、
杞憂に終わった。

スライドショーの最後にお互いへのアンケートが少し紹介された。
「好きなところ」「嫌いなところ」もちゃんと書かれていたが、
その「嫌いなところ」を「何とか受け入れようとしている」という一文が
「結婚」を物語っていたように思う。

しかし、40年って長いなあ。
写真だけでも膨大な数。
そして、一枚一枚がその日その時は生々しい日常であったと思うと、
今、日々を紡いでいくある意味地味な作業が、
確実に未来のいつかに繋がっているんだなと実感することができた。








お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2011年01月11日 13時47分16秒
コメント(0) | コメントを書く


【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
X

Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: