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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「坊ちゃん。とても可愛いですよ。」 セバスチャンは妖しく輝く美しいケーキを満足げに眺めた後、 フーっと一息で火を消すと、1本だけ残して蝋燭を取り去り、 シエルの足を開いた。 「まるで、おまえの誕生日のようだな。おい。1本消し忘れているぞ。」 シエルは線香のように細い蝋燭にまだ火がついている事を指摘した。 「これはそのままで。」 セバスチャンはそう言うと、まだ慣らしてもいないシエルの中に入って来た。 「あっ。ああ。ああ~」 何度も激しく突かれて、シエルは苦痛と快楽の狭間で嬌声をあげた。 身体を突かれる度に蝋燭の炎が揺れる。熱く激しく蝋燭に灯された炎が 幻想的に揺らめき、狂気的な快楽へと誘っていく。 「あっ。ああ~。も、もう。ダメだ。ぬ、抜け。ああっ。」 「御意。」 セバスチャンが蝋燭を抜くと同時にシエルは絶頂に達した。 セバスチャンもシエルの中で欲望を放ち、シエルに口づけした。 シエルは余韻を味わうように口を開け、舌と舌を絡ませ、 セバスチャンの舌を味わった。 「猫とどちらが良かったですか?」 セバスチャンが聞いてきた。シエルは頬を赤く染めて、 「バカ。」 と言った。 行為の後、セバスチャンはシエルの身体を拭き、シーツを取り替え、 全て片付けた。そして、バスタブを部屋に用意し、熱いお湯を注ぎ、 シエルを入浴させた。セバスチャンがシエルの身体を洗っていると、 再び猫が寄って来た。 「こいつも風呂に入りたいんじゃないのか?」 とシエルが言った。 「まさか。猫は水が嫌いですから、お風呂には入りませんよ。 それにしても、この猫は不思議な猫ですね。あの舌使いは ただ者ではありませんね。ひょっとしたら、そっち専用に 飼いならされた猫かも知れません。」 「じゃあ、こいつが居れば、おまえはもう要らないな。」 と、シエルは意地悪く笑って言った。すると、セバスチャンは 「では、次回は猫の手足など入れてみますか?」 と言った。 「おまえが言うと、冗談に聞こえない。」 シエルは笑うのをやめて、口元までお湯に浸かった。 暖かな暖炉の火と月の明かりが湯を照らしていた。 「坊ちゃん。お誕生日おめでとうございます。」 セバスチャンが金の指輪をシエルの目の前に浮かべた。 指輪はゆっくりと湯に沈んで行き、シエルは両手ですくうように 指輪を受け取った。指輪を指で摘まみ上げて、よく見てみると、 三日月・上弦の月・十三夜月・満月・十六夜月・下弦の月など 月の形の細工が施されていた。月の満ち欠けが描かれた 金細工の指輪をシエルは薬指にはめてみた。 「彫金に時間がかかりまして、坊ちゃんにいささか寂しい思いを させてしまいました。申し訳ございません。しかし、誰よりも先に バースデープレゼントを渡したかったのでございます。」 「ずっとこれを作っていたのか?」 「はい。」 セバスチャンは背後から抱きしめ、シエルの指に接吻した。 金色に輝く月は満ちても欠けても美しくシエルの薬指に繋がっていた。 愛よりも深い絆で結ばれた二人の蜜月は月が満ち欠けを 幾度となく繰り返すように永遠に続くだろう。 「坊ちゃん。・・・」 そして、今日もまた悪魔が耳元で囁く。 (完)
2014年12月14日
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BLの苦手な方は読まないでください。 SMの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「何をする気だ?」 シエルが聞くと、セバスチャンはニコッと笑って、 「ケーキを作るのです。坊ちゃんの身体に生クリームを たっぷりと塗って、イチゴで飾り付けして差し上げます。」 と答えた。 「何で僕の誕生日なのに僕がケーキになるんだ?」 「まあ細かい事は気にせずに・・・きっと素敵なバースデーケーキに なると思いますから。」 セバスチャンはそう言うと、シエルの寝巻を脱がせにかかった。 「や、やめろ。」 シエルは抵抗したが、あっという間に全裸にされてしまった。 セバスチャンは嫌がるシエルの両手首をリボンで縛り、 裸体に生クリームを塗り始めた。 「うわっ。冷たい。や、やめろ。」 シエルは生クリームのベタベタする感触に鳥肌が立った。だが、 セバスチャンはシエルの言う事など無視して、胸、腹、下半身へと ヘラを使って身体中にどんどん生クリームを塗って行く。 万遍なく塗り終わると、今度はシエルの尻にホイップクリームを詰め込んだ。 「あっ。やっ。や~。」 ホイップクリームを注入されて、シエルは悶えたが、セバスチャンは おかまいなしだった。セバスチャンは楽しそうにホイップクリームで シエルの両の胸を飾り付けして、イチゴを乗せた。そして、 上を向きかけている下半身もホイップクリームで飾り付けして、 最後にイチゴを並べて、セバスチャンは人間ケーキを完成させた。 「美しい坊ちゃんケーキの出来上がりです。味見なさいますか?」 「あ、味見なんか・・・どうやって食うんだ。」 「坊ちゃんに言っているのではないですよ。猫に言っているんです。」 セバスチャンはさっきから興味津々といった眼差しで見つめていた猫を シエルの足と足の間に置いた。そして、 「さあ、どうぞ召し上がれ。」 と言って、猫にシエルを舐めさせた。猫はシエルの下半身の ホイップクリームを美味しそうにペロペロと根元から先端まで 上手に舐め上げた。シエルはカブッと噛まれないか心配で ヒヤヒヤしていたが、逆にそれはおぞましい快感をシエルにもたらした。 猫はほんのりピンク色の肌が見えるくらいまで舐め続けると、 満足したのか今度は喉をゴロゴロ鳴らし、ベッドを足モミし始めた。 「蝋燭に火を灯しましょう。」 セバスチャンは蝋燭に火をつけて、シエルの身体に塗られた 生クリームに数本差した。 「あ、熱い。や、火傷したらどうするんだ!」 「大丈夫ですよ。すぐに消しますから。でも、その前に、 こちらにも蝋燭を・・・」 セバスチャンは線香のように細い蝋燭を1本手に取ると、火をつけて、 先ほどまで猫が舐めていた薄ピンク色のシエルの先端に ゆっくりと挿し込んだ。 「あっ。や、やめっ。ああ。」 シエルは喘いだ。 (続く)
2014年12月13日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m その夜、シエルはなかなか寝付けなかった。 部屋の明かりは暖炉の火のみで、赤々と燃える炎が床を照らしていた。 セバスチャンは視察から戻るとすぐに猫の飼い主を探すビラ作りに取り掛かり、 100枚もの猫の似顔絵を描き、街中に貼って回った。 夕食後は明日のバースデーパーティーの準備に忙しいと言って、 調理場に閉じ籠り、あまり顔を出さない。 大方、ケーキを作っているフリをして猫と遊んでいるんじゃないかと シエルは思った。シエルは溜息をついて、窓から夜空に浮かんでいる 大きな月をぼんやりと眺めた。 その時、月明かりが差し込む部屋のドアのほうから僅かに物音がした。 一瞬、セバスチャンが来たのかと期待したが、違っていた。 換気の為にと開けたままになっているドアの隙間から 昼間拾ってきた猫がスーッと入って来たのだった。 「なんだ。猫か・・・おまえも放っておかれていたんだな。」 とシエルはつぶやいた。人懐こい猫はシエルのベッドに ぴょんと飛び乗り、シエルの上に座り込んだ。 「一緒に寝たいのか?」 と、シエルは猫に聞いた。 「ニャー。」 と猫は鳴き、シエルの顔をペロペロと舐めた。 「コラコラ。くすぐったいだろ。」 思わずこぼれた笑みに猫はつけ入るようにシエルの唇を舐めた。 ザラザラとした猫の舌の感触がシエルの唇に奇妙な刺激を与えた。 「坊ちゃん。何をしているのです。」 突然、セバスチャンが部屋のドアを開けて、シエルを咎めるような顔で言った。 「な、なんだ?いきなり。何もしていやしないぞ。こいつが勝手に・・・」 シエルは慌てて猫を引き剥がした。 「何も?坊ちゃん。嘘はよくないですよ。今、猫とキスしていましたよね? 坊ちゃんがそういう御趣味とは知りませんでした。」 セバスチャンはわざとらしく眉をひそめて言った。そして、何やら色々 載せたワゴンを押してベッドの横までやって来ると、こう言った。 「お誕生日おめでとうございます。坊ちゃん。時刻は真夜中の12時を 1分過ぎました。2人だけのバースデーパーティーをしましょう。 素敵なケーキを作って差し上げます。」 ワゴンの上には生クリームがたっぷり入ったボウルと イチゴが盛られた皿と蝋燭とリボンが置いてあった。 シエルは嫌な予感がした。 (続く)
2014年12月12日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 街にサンタが溢れる頃、シエルは誕生日を迎える。 誕生日の前日、シエルはセバスチャンを連れて、 ファントムハイヴ社の経営する玩具屋の視察に出かけた。 クリスマスキャンペーンで12月1日~24日までの売り上げの 1%を恵まれない子供達に寄付すると公言したとたん 慈善事業家としてファントムハイヴの名が新聞に載り、 クリスマスプレゼントを買い求める客が店に押し寄せて来たのだった。 「坊ちゃん。大繁盛ですね。」 「世の慈善事業家どもは目玉の飛び出る金額を教会に寄付したりするが、 我が社はタダでは寄付しない。たった1%だというのに物珍しさで 新聞に取り上げられ、店は連日大盛況だ。クリスマス商戦は 我が社の勝ちだな。ワッハッハ・・・」 シエルは悪そうな顔で笑った。 「慈善事業を上手く利用して広告代を浮かすとは坊ちゃんも 悪知恵が働きますね。お見事です。」 セバスチャンはシエルを褒めた。店は親子連れで賑わっていた。 シエルがご満悦の表情で店内を眺めていると、1匹の猫が客に紛れて ドアから入って来た。最初は客のペットかと思ったが、どうやら違うようだ。 猫に気付いた店員が慌てて駆け寄り、猫を店の外に摘まみ出した。 シッシッと言って追い払う店員に何故か猫は逃げなかった。 もう一度店の中に入りたいのか店員の足に猫はすり寄った。 随分人懐こい猫だなとシエルが思って、フッと笑った瞬間、 店員が猫を蹴り飛ばした。蹴られた猫は勢いよく道の真ん中まで飛んで行った。 すると、その時、猛スピードで駆けてくる馬車が猫を轢きそうになった。 「あっ!危ない!」 と、シエルが叫んだ瞬間、セバスチャンが馬車の前に飛び出して、 猫を助けた。猫を抱きかかえ戻ってきたセバスチャンは 「この猫を屋敷に連れ帰ってもよろしいですか?」 と言った。猫は毛並みの色つやも良く野良猫には見えなかった。 「迷子猫かもしれないぞ。飼い主を探せ。飼い主が見つかるまでなら 飼っても良いぞ。」 「イエス・マイ・ロード。ロンドン中に100枚貼紙をします。」 「セバスチャン。おまえ、猫には親切だな。」 シエルは猫を屋敷に連れて帰る事にした。 (続く)
2014年12月09日
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FC2あすなろ日記別館小説部屋に 黒執事二次小説「夢幻の森」をUPしました。 もしよろしければ、読んでやって下さいませ。 「夢幻の森」は幽霊話を思いつきまして、サスペンス風に 事件を最初に持ってくるミステリーを書かせて頂きました。 それと、パラレルも書きたくて、夢の中でシエルにいっぱい あんな事やこんな事をしてしまいました。SMも度が過ぎると 引かれるので、SM嫌いな方には申し訳ないと思っています。 真犯人はクロウではなく、弟が毒キノコを食べさせたせいで 夫人が幻覚によって錯乱し、クロウ家惨殺事件が起きたのですが、 シエルはクロウが復讐を計画して、弟をそそのかしたと考え、 弟は兄に何も指示されていないと言い、真実は見えないまま終わり、 夢の中にクロウの実母の魔女の幽霊が登場し、キノコを指差す事で 幽霊が復讐を計画して毒キノコを食べさすようそそのかした事が 分かるという幽霊話にしてみました。 「夢幻の森」は最初「きのこの森」にしようかと思ったほど キノコづくしで、きのこプレイは書いていて、楽しかったです。 読んでくださった皆様に感謝し、お礼申し上げます。
2014年10月11日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m その夜、シエルが女王への手紙を書き終えた後、セバスチャンが言った。 「坊ちゃん。なんだか浮かない顔ですね。まだ何か気がかりな事でも?」 「・・・クロウに弟は騙されている気がするんだ。」 「左様でございますか。でも、報告書は魔女と幽霊に関する事を除いて、 ありのままを書いたのでしょう?」 「ああ。そうだ。詳しい事は書かなかったが・・・」 「私も昨夜の事は秘密にしておいたほうが良いと思います。それよりも、 坊ちゃんは夕食をあまり召し上がらなかったので、そちらのほうが心配です。」 「マッシュルームのソテーにマッシュルームのシチューにマッシュルームの ゼリー寄せ。そんなものが食えるか。何の嫌がらせだ?」 とシエルは不機嫌そうに言った。 「せっかくマッシュルーム1箱お土産に頂いたのです。 全部食べたほうがと思いまして・・・でも、さすがに料理しきれなくて、 少々残してしまいました。今から食べますか?」 セバスチャンはニッコリ笑って、マッシュルームをシエルに見せた。 「な・・・まさか変な事を考えているんじゃないだろうな?」 「はい。そのまさかでございます。」 セバスチャンはシエルの服を脱がせ始めた。シエルは抵抗したが、 あっという間に全ての衣類を剥ぎ取られてしまった。そして、セバスチャンは マッシュルームを一つ手に取り、シエルの下の口に入れようとした。 「や、やめろ!キノコは嫌だ!」 シエルは拒絶したが、セバスチャンは 「お嫌いですか?水晶玉に映った夢の中では気持ち良さそうでしたが・・・」 と言った。 「観ていたのか?」 シエルは青ざめた顔で聞いた。 「はい。悪魔は眠らないものですから、1時間も経たないうちに 目が覚めてしまいまして、水晶玉に映った坊ちゃんが何度も絶頂を 迎えるのを見ておりました。」 「な、なんで助けなかった。」 「キノコはともかく、虎に興奮してしまいまして・・・人間50人と 虎1匹どっちが良かったか感想を聞きたくなったのでございます。 どちらが良かったですか?」 「?!!!・・・チッ。悪趣味だな。」 シエルは頬を染めて、吐き捨てるように言った。だが、セバスチャンは 「感想を言わないんですか?言わないと、こうですよ。」 と言うと、マッシュルームをペロッと舐めて、シエルに入れた。 「あっ。やっ。やめっ。ああっ。」 「やっぱり、キノコが好きなんですね。では質問を変えます。 私とキノコどちらが好きですか?」 「どっちも嫌いだ。」 「素直じゃないですね。」 と言って、セバスチャンはシエルに挿入した。 「ああっ。ま、待て。キノコがまだ中に・・・ああっ。」 「二つとも味わって、後で感想を言って下さいませ。」 「や、やあっ。あっ。あんっ。ああっ。」 シエルは喘いだ。セバスチャンは激しく腰を突き動かし、マッシュルームで いつもは届かない奥を責められたシエルは絶頂を迎えた。 「ああっ。あああ~」 欲望を吐き出した後もシエルは感想を言う訳もなく、再び責められ、 苛められた。幾度となく繰り返される中、シエルは気を失い、夢を見た。 夢の中でシエルは悪魔と交尾していた。 霧に包まれた森の中の焼き払われた廃墟で長い漆黒の髪の魔女が微笑んで、 美味しそうなキノコを指差すのだった。シエルが交尾に夢中で キノコを採取しないと、彼女は笑いながら消えて行った。 夢とは不思議なもので、夢を見ている間はそれが現実なのだ。 死後の世界も魂は生き続け、骸が朽ち果てようと存在している。 ゆめまぼろしは儚くて、人の記憶は不確かなもの。 目が覚めれば、忘れてしまう。 夢幻の世界から引き戻されたシエルは現実にいる悪魔に接吻された。 「おはようございます。坊ちゃん。よく眠ってらっしゃいましたね。 本日の朝食はマッシュルームのスープでございます。」 とセバスチャンは言って、ニッコリと笑った。 (完)
2014年10月06日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「正解。当たりだよ。弟は虐待する母親にキノコのお化けの 幻覚でも見せて、怖がらせたかっただけだったんだ。 ちょっとした仕返しのつもりが惨殺事件に発展してしまったんだ。 おまけに自分まで死ぬはめになってしまったというわけさ。」 とクロウは言った。 「可哀相な子ですね。」 セバスチャンが言った。 「血の繋がった母親に虐待され、兄には利用され・・・哀れと思います。 死神に魂を回収されないように逃がしたのは無実を証明する証人が 必要だときっと思ったからですよ。お話の内容はよく分かりましたが、 結果的に生き残って爵位を継いだ者だけが得をした惨殺事件を このまま事故として処理して良いものかどうか悩みますね。もしも、 心の中で描かれたシナリオが手を下す前に起きた場合、たとえ真犯人と 言えないとしても、陰で犯行に導いた者が悪くないと思いますか? 幽霊になった今では爵位を継ぐ事は叶いませんが、クロウ男爵を真犯人だと 女王に報告する事はできます。どちらになさいますか?」 セバスチャンに聞かれて、幽霊の少年は 「お兄様は悪くないよ。悪いのは僕なんだ。お兄様を真犯人なんかに しないで。お兄様は独りぼっちの僕にいつも優しかった。 学校に行かせてもらえず、家庭教師に勉強を教わっていた僕の世界は キノコの森と狂ったクロウ家だけだった。お兄様に森に連れて行って もらって、キノコについて学んだり、呪術の本を見せてもらったり・・・ 友達のいない僕にはお兄様との楽しい思い出だけが心の支えなんだ。 だから、僕は死んでもお兄様から離れたくなくて・・・ お兄様とずっと一緒にいたいんだ。お兄様から指示は受けていない。 僕が一人で全部やったんだ。本当だよ。」 と言った。 「分かりました。」 セバスチャンは静かに答えた。シエルはもう何も言わなかった。 人の心の中の真相は誰にも分からない。真実は一つとは限らないのだ。 シエルは帰る事にした。 屋敷の外に出ると、濃い霧が視界を妨げ、森が霞んで見えた。 馬車に乗る時にクロウはお土産にマッシュルームをセバスチャンに渡した。 セバスチャンはお礼を言って馬車に乗ったが、シエルはお礼を言わなかった。 見送りに来た執事やメイドには幽霊の少年が見えていないようだった。 馬車が出発するまで少年は手を振っていた。シエルは無言で少年にだけ 手を振った。屋敷の敷地を出る頃、朝霧に包まれた森の中の屋敷は クロウの心のように霞んで、もう何も見えなかった。 (続く)
2014年10月04日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「だと思ったよ。だから、殺そうとしなかったのさ。悪魔と まともに戦って勝てる魔女なんかいないからね。それに、もし 仮に僕がキミ達を殺す事ができたとしても、今度は女王が 黙っていないだろう。僕は人として生きていきたいからね。 爵位も屋敷も欲しい。でも、キミ達は最初から僕が真犯人だと 決めつけている。そこで僕が魔女である事を証明する必要があったのさ。 よく考えてごらん。この森に生えているキノコは見るからに妖しい 色形のものばかりだろ?幻覚作用があるとは考えなかったのかい?」 とクロウは言った。すると、シエルはフッと笑って、こう言った。 「そんな事とっくに考えている。おまえが男爵夫人に毒キノコを 食べさせて、幻覚による無差別殺人を引き起こさせた。そうだろう? 父である男爵を夫人に殺させ、弟に銃を渡し、弟に夫人を殺させた。 まあ、弟は幽霊になってもおまえに懐いているようだから、 弟を夫人に殺されたのは想定外か。あるいは斧で殺されても構わない くらいに思っていたから、出来た犯行だろうな。で、魔女である事を 証明する必要がどこにある?あんな・・・悪趣味な夢まで見せて・・・ キノコに詳しい奴なら魔女でなくとも誰でも出来る犯行だろう!」 シエルは夢の事を根に持っているのか苛立っているようだった。 「そう。その通り。毒キノコの知識に詳しい人間なら誰でも出来る 犯行なんだ。怪しまれずに森からキノコを採ってきて、キノコ料理を 作って、母に食べさせる事ができる人間なら、誰でも出来る。しかし、 シェフには毒キノコの知識はない。使用人全員に知識はなく、殺害する 動機もない。そして、父と母には毒キノコの知識はない。シエル。 もう分かるだろ?この屋敷で、父と母を恨んでいる者は・・・ 僕と弟の二人だけ。僕が犯人じゃないなら、弟が真犯人だってこと。 弟は母に虐待されていた。僕は血が繋がっていない分だけまだ我慢が できたけど、弟はそうじゃなかった。僕は魔女の力を得た事で自分が 魔女狩りの対象になる事を恐れ、復讐は先延ばしにしていたんだ。 僕は母親の肉を食べさせられた後も大人しく父に抱かれ、キノコの 勉強をしながら、キノコから麻薬が出来ないか研究していた。 弟にも食べられるキノコと幻覚作用が強いキノコの見分け方を教えた。 弟は学校に行かせてもらえない分だけ知識欲が旺盛でね。 10歳なのにキノコの見分け方を覚えたんだ。弟は美味しいキノコを 森で採って来たと嘘をつき、母に食べてもらいたいと言い、 キノコ料理をシェフに作ってもらった。実際に食べられるキノコの 見分け方が弟には既に出来ていて、何度も食べていたからね。 誰も疑わなかった。母が倒れた時も僕以外誰も気付かなかったよ。 僕はいざという時の為に呪文書を読み、弟に銃を渡して、自分自身に 結界を張って待機していた。弟の頭に斧が落ちたのは予想外だったよ。 最初から皆殺しの計画を立てたのだったら、ドアが開いた時点で 迷わず母を撃ち殺すからね。そこで、質問。何故だと思う?」 クロウはクイズの正解をシエルに求めた。 「殺す気がなかったから?」 シエルは自信なさそうに答えた。 (続く)
2014年10月03日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 夢から覚めたシエルは大きなベッドに寝ていた。 枕元でセバスチャンがシエルの顔を覗き込むように言った。 「坊ちゃん。目が覚めて良かった。」 シエルはまた夢の続きを見ているのだと思った。 夢なら泣いても構わないだろうと思うと、涙が溢れてきた。 シエルはセバスチャンに泣きながらしがみついて、 「怖かった。皆が淫乱って苛めるんだ。」 と言った。 「それは・・・怖かったですね。・・・坊ちゃんはどんな夢を見たのですか?」 とセバスチャンに聞かれて、シエルは答えに詰まって黙ってしまった。 すると、その時、背後からクロウの声が聞こえた。 「きっと、監禁調教される夢でも見たのだろう。僕がスープにした キノコは睡眠作用と潜在意識を夢に見せる作用があるからね。」 シエルはビクッとして、セバスチャンから身体を離して振り返ると、 そこにはクロウと幽霊の少年が立っていた。 「やっぱり夢だ。」 とシエルは言った。しかし、セバスチャンはクスッと笑って、 「坊ちゃんは寝ぼけて夢の続きを見ていると思っていたのですか? 夢じゃありませんよ。通りで・・・甘えん坊ですね。」 と言った。シエルは急に恥ずかしくなって、顔を赤らめた。 「おやおや。顔が赤いですね。風邪でも引いたんじゃないですか?」 とセバスチャンがシエルをからかうように言うと、 「風邪を引かないようにベッドに運んだのだが・・・」 とクロウは言った。 「そうでしたね。私までもベッドに運んでいただいて・・・ ご親切に。どうも。」 とセバスチャンはニッコリ笑って言ったが、 明らかに怒っているように見えた。 「どういう事だ?」 シエルがようやくいつもの口調になって、事情を聞いた。 「そちらの悪魔がスープに顔を突っ込んで眠ってしまったので、 そのままにしておくのも悪いかと思って、ゲストルームに運んだのだよ。 頭上に魔方陣を描いておいたから、悪魔でも簡単に魔法で運べたんだ。 キミは僕が抱えて、お姫様抱っこで運んだ。キミ達は12時間も よく寝ていたね。途中で起きるかと思って、見張っていたけど・・・ 水晶玉に映ったキミ達の夢は滑稽だったな。」 クロウはクスクスと馬鹿にしたように笑った。すると、セバスチャンは 「失礼ですね。私は途中で何度か目が覚めましたが、なにしろ夢が・・・ 坊ちゃんの顔をしたキノコがいっぱい生えている森の中で 何百匹もの猫と戯れるというあまりにも素敵な夢でしたし、 坊ちゃんが隣で艶めかしい顔でスヤスヤ寝ているものですから、 煩悩に負けて、頭上の空中に浮かんだ魔方陣を取り除くのが 面倒になっただけです。どうせ12時間経ったら自然と消えると 思っていましたからね。スープに顔を突っ込んでる間も身体が 動かないだけで声は聞こえてましたよ。可哀相な身の上話を聞くのも 調査の手間が省けて良いかと思ったものですから。もしも、あなたが 危害を加えようとしたら、すぐさま戦闘態勢に入ってました。」 と言った。 (続く)
2014年10月02日
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SMの苦手な方は読まないでください。 BLの苦手な方は読まないでください。 20禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 50人目は漆黒の黒髪に深緑色の瞳の若く美しい男だった。 「僕が挿入する前に49人分を掻き出さないとね。」 と男は言い、指を突っ込んで、シエルの身体から白い体液を掻き出し、 スープ皿に入れると、今度はロートをシエルの口に突っ込んで、 スープ皿いっぱいのドロドロとした白い体液をロートに注ぎ込んだ。 シエルはあまりの不味さに吐きそうになったが、口を塞がれているので、 吐き出せない。仕方なく自分の腸で薄汚れた白い液を呑み込んでいった。 口の中いっぱいにネバネバしたものが広がって、喉から食道を通って 胃まで汚されていく感覚にシエルは吐き気を催した。喉にこびりつく 体液に耐えきれず、シエルは泣いてしまった。 「可哀相に・・・水が欲しいんだね?キミにぴったりな水があるよ。 聖水を飲みなさい。」 男はそう言うと、ロートに放尿した。シエルは咽そうになったが、 聖水を飲んだ。飲み終わると、男はロートを口から外し、 「下の口も聖水で清めないとね。」 と言って、ロートをシエルの尻に挿し、再び放尿した。 そして、シエルの体内を聖水で満たした後、 「こぼれないように栓をしないとね。」 と言って、握り拳を尻に挿さったロートに突き立て、そのまま メリメリと尻にロートを押し込んだ。ロートが完全に体内に入り、 手首までズッポリと納まると、観客達が 「その瞳の悪魔との契約の印は淫乱の印だ!そんな奴は 責め殺してしまえ!肘まで入れろ!」 と囃し立てた。ロートの先の部分は既に直腸を超えているというのに、 腕を肘まで入れたら、腸は破れて、死んでしまうかもしれない。 シエルは痛みと恐怖に耐えかねて、泣き叫んだ。 観客達はゲラゲラ笑いながら、シエルの泣き叫ぶ姿を見ている。 「助けて!誰か・・・助けて!」 シエルが血を吐くように叫んだ。すると、男は 「悪魔と契約を交わした印の右目を抉り取るなら、 許してあげてもいいよ。」 と言った。男は腕を引き抜き、ロートも取り出した。 そして、スプーンをシエルに渡し、 「このスプーンで瞳を抉り取るんだ。キミが苛められているのは 悪魔のせいなんだよ。さあ、早くスプーンを眼に突き立てるんだ!」 と言った。シエルは手に握ったスプーンを恐る恐る 目に突き刺そうとした。すると、その時、 「坊ちゃん!坊ちゃん!」 と、懐かしい悪魔の声がして、シエルは夢から目が覚めた。 (続く)
2014年09月26日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m ハッと目が覚めると、シエルは檻の中にいた。 そこは見覚えのある檻だった。 何人もの子供たちが諦めた虚ろな目で震えている。 シエルは自分に手枷足枷がついている事に気付いた。 奴隷のようなみすぼらしい服を一枚だけ着ていて、 下着すら身に着けていなかった。 「来い!出番だ!」 男が檻の扉を開けて、シエルを外に引き摺り出した。 円形のステージを取り囲むように観客席がある丸い大きな部屋の 出入り口から鎖に繋がれた虎が現れた。シエルはステージ中央の台に 上半身だけ括り付けられ、足は床の金具に足枷の鎖を固定され、 両足を開いて尻を突き出す体勢を強いられた。 そして、尻が丸見えになるように衣服を捲し上げられ、 鞭でバシッと1回叩かれた。 「ヒッ。」 と、思わず漏れた声に観客は笑い、虎は興奮したようだった。 男が虎をシエルの背後に連れてきて、虎はシエルに覆いかぶさった。 尻に虎の下半身の感触がして、スリスリと数回擦り付けられた後、 シエルの尻に熱いものが挿入された。 「あっ。やっ。ああっ。ああ~」 シエルは虎に犯されて喘いだ。観客達はゲラゲラ笑ってシエルを 淫乱と罵った。虎はカクカクと腰を振り、シエルの肩を甘噛みした。 「痛いっ!や、やめっ。あああああ~」 虎がシエルの中に放つと同時にシエルは絶頂に達してしまった。 「虎に犯されてイクなんて!前代未聞の淫乱だ!おまえは人外の者と 交わるのが好きなんだな。それとも、おまえは人と交わるのが 嫌いなのか?虎が好きな淫乱には罰を与えなければいけないな。 今から会場にいる観客50人全員の相手をしろ。そして、後で 虎と人どっちが良かったか感想を言えよ!」 と、男は言うと、観客を1列に整列させた。 一番目は背の高い筋肉質な逞しい身体の男だった。 男はシエルの手枷足枷を外すと、シエルを仰向けにして台に乗せた。 そして、シエルの足を大きく開かせ、一気に貫いた。 「あっ。ああっ。」 不思議と痛くなかった。いつもは痛くて泣いてしまうのに、 何故か今日は気持ち良かった。男がシエルの中で果てると、 次に金髪碧眼の端正な顔立ちの若い男がシエルに挿入し、 「気持ち良いのか?淫乱。もっと腰を振れ。」 と、蔑んだような目で言った。シエルは命じられるままに 腰を振って、男を喜ばせた。男がシエルの中で果てると、 次に太った男がシエルに挿入し、シエルの首をペロペロと舐めた。 まるでアイスクリームでも味わうように舐めまわす男にシエルは 嫌悪感を覚えた。そして、虎に噛まれて血がにじんでいる肩を 舐められた時、シエルは絶頂に達してしまった。 その後も年老いた男、痩せた男、口の臭い男、背の低い男、 顔の醜い男など様々な男達に犯され続け、夜が明ける頃に 50人目の男の順番が回って来た。 (続く)
2014年09月22日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 夢は最悪だった。 真っ暗な部屋に大きなキノコが何人もいて、 「淫乱」 と罵るのだ。キノコは小人くらいの大きさで喋るのだった。 シエルは全裸で部屋の中央の手術台みたいなベッドに 縛り付けられていた。赤い水玉模様の大きな傘を持つキノコが シエルの尻に頭を突っ込んだ。 「あっ。ああっ。」 あまりの大きさにシエルは思わず声をあげた。 「淫乱。気持ち良いのか?」 とキノコ達が聞いてきた。 「もっと気持ち良くしてやる。」 と言って、黄色と青色のキノコがシエルに乗り、傘の裏のひだを シエルに擦り付けて上下に擦った。 「あっ。やっ。ああっ。」 悦がるシエルにキノコ達は 「もう1本追加だ。」 と言って、今度は紫色のキノコが飛び蹴りするみたいにジャンプして、 柄の部分を尻に突っ込んできた。 「ああっ。やっ。やめろっ。」 見る見るうちにキノコは2本ともシエルの中にすっぽりと入ってしまった。 「2本入ったな。淫乱。今度は2本同時に入れるぞ。 合計4本のキノコを味わえ。」 キノコ達はそう言うと、緑色と茶色のキノコが二人並んで、 傘の部分で穴を押し広げるようにして、先に入っていた2本のキノコを 奥深くに押しやりながら、2本同時にシエルの中に侵入してきた。 「ああっ。やっ。いっ。痛い。ああっ。あ~」 シエルは4本のキノコに犯されて、イってしまった。 「こいつ痛いのに感じるんだなぁ。淫乱だ。」 キノコ達は口々にシエルを罵った。 「こんな淫乱は身体の中に胞子を撒いてやれ。キノコの子を腹に宿して、 キノコを産むんだ。」 とキノコ達は言い出した。シエルの尻の中の4本のキノコ達が次々と 胞子をシエルの腸に撒いた。 「やっ。やめろっ。い、いやああ~!!」 シエルは絶叫した。 (続く)
2014年09月16日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m クロウは悲しい表情を浮かべた。 「父は僕を溺愛し、継母は僕を寄宿学校に放り込んだ。 僕は17歳になって学校を卒業するまで週末は父に抱かれ、 月曜から金曜までは学校で勉強する生活が続いた。でも、クロウ家の 跡取りだった弟は学校に行く歳になっても家庭教師で、ずっと この屋敷から出る事はなかった。僕はまだ恵まれていたほうなのかな。 母は魔女狩りさながらの拷問を父から受け続けて気が狂っていたし、 僕が17歳の誕生日に鉄の処女に閉じ込められて死んだんだ。 継母は母の肉が腐らないように工夫して保存して、僕の卒業祝いに 食べさせてくれた。僕は2ヶ月前、魔女の肉を食べたんだ。そう、 母親の肉をね。最初は何の肉か分からなくて、継母がニヤニヤしながら 僕を見ているものだから、僕は気味が悪かったのを覚えてるよ。 ほんの2ヶ月前の出来事が随分昔のような気がする。何故だか分かるかい? その時、僕は覚醒したんだ。魔女の肉を食べると願いが叶うって伝説は 説明したよね?本当はそれは間違いで、魔女が魔女の肉を食べると、 願いが叶うんだ。つまり、僕は常日頃から自分の無力さを嘆き、強く なりたいと思っていた。だから、魔女の肉を食べる事で強くなったんだ。 世界最強の魔女になったんだよ。悪魔と対等に戦える強さを手に入れたんだ。 ウィッチ家は薬を作る白魔術。黒魔術を司る悪魔の下僕とは違うんだ。 誇り高き一族なのさ。僕が昔話をキミにした理由が分かるかい? キミは女王の番犬なんだろう?全部知ってるよ。キミが昔、連れ去られて 玩具にされた事も。今は悪魔と交わっている事も。キミは人外の者と 交わるのが好きなのかなぁ。僕は人であって人でないんだ。もし良かったら、 僕と交わってみる?シエル。キミの瞳を抉り取ったら、悪魔との契約は 破棄しても大丈夫なのかな?フフフ・・・」 クロウは笑いながら、シエルの瞳にキスしようとした。 「や、やめろ!」 シエルはクロウを突き飛ばした。だが、逆にシエルのほうが反動で倒れて 尻もちをついてしまった。 「キミ、スープを飲んだだろ?この森で採れる毒キノコには幻覚作用と 麻薬みたいな効果があるんだ。キノコを食べたら最後、もう僕には 逆らえないんだよ。キミはもっとキノコを食べたほうが良いな。 さあ、スープを飲んで。」 クロウはテーブルのスープの皿を手に取り、スープを口に含むと、 シエルに口移しで飲ませた。シエルは嫌がったが、唇を塞がれて 吐き出す事もできず、仕方なくゴクリと呑み込んだ。 「いい子だ。」 クロウはそう言うと、シエルに何度も口移しでスープを飲ませた。 スープを全て飲み干した頃、シエルの意識は混沌とし、瞼が重くなった。 「眠くなったんだね。良い夢を見なさい。おやすみ。シエル。」 クロウがシエルを抱きしめて、瞳にキスをすると、シエルは眠りについた。 (続く)
2014年09月13日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「もう、これで、この悪魔は最低でも12時間は動けない。 シエル。キミは・・・自分の執事がこの屋敷に入った瞬間から 様子がおかしくなった事に気付かなかったのかい? ドルイット子爵の話といい、浅はかだね。この屋敷の至る所には 悪魔封じの呪文が書いてあるのさ。普段は結界も張ってある。 キミ達が来る事は予知していたから、今日だけ結界を解いておいたんだよ。 この悪魔は全ての魔女が悪魔より弱く、悪魔に媚びへつらう生き物だと 思っていて、魔女を軽んじるばかりに僕の力を見誤ったんだ。 聖水も効かないほどの強い悪魔が毒キノコと聖水をグツグツ煮込んだ スープを飲んだだけで倒れる訳がないと己の力を過信していたんだろうね。 だけど、僕の呪文はどの魔女よりも強い。今までずっと僕はこの力を 隠していたからね。調査不足のまま屋敷にやって来て、キミ達は罠に 嵌ったんだよ。愚かだよね。」 クロウは笑いながら、シエルの眼帯に人差し指を向けた。 「動くなよ。」 シエルは不思議と足が竦んで動けなかった。クロウはシエルの傍に 寄って来て、シエルの眼帯の紐を解いた。 「綺麗だね。」 悪魔と契約を交わした証が刻まれたシエルの瞳を見て、クロウは言った。 「キミは魔女の肉を食べた事があるかい?魔女の肉を食べると願いが叶う という伝説がこの森にはあってね。20年前、村で疫病が流行った時に 村人達がウィッチ家の人々を殺して食べたのさ。欲深いクロウ家の人間は 魔女を一人残して繁殖させれば、願い事を叶える道具ができると思って、 娘を一人監禁して、犯して、孕ませた。生まれてきた子はクロウ家の 人々に食べられてしまったのさ。酷い話だろ?でも、魔女の子を食べても 何も願いは叶わなかった。それで、次に生まれてきた子供は食べずに 育てられた。第一子は食べてしまったから、第二子でもクロウ家の 第一子として認知された。それが僕。僕の母は地下に幽閉されて、 毎日泣いてたよ。泣かされてたって言ったほうが正しいかな。僕が 幼い頃から母はよく全裸で三角木馬に跨らせられたり、鉄製の椅子に 拘束されたりしていたからね。身体に鋲が刺さって痛いって泣いてたよ。 でも、本当の地獄が始まったのは父が結婚してからだった。 僕が5歳の時に父は結婚したんだ。母は妻じゃなかったからね。 クロウ男爵家に相応しい正妻を迎えたと言っていたけど、あの女は まるで悪魔だったね。父は欲に駆られて自分の子を食べた事を悔いて、 僕には手を挙げなかったけど、継母は僕の事を鞭で打つんだ。僕が 7歳の時に弟が生まれたけど、あの女は赤ん坊の弟まで叩いていたよ。 クロウ家の屋敷の地下からは僕の母の泣き声が、地上からは僕と弟の 泣き声が毎晩、響いてね。そんな時かな。父が僕に手を出したのは・・・ それまで僕には優しかった父が突然ベッドに僕を押し倒したんだ。 僕は7歳で父に犯されたんだよ。」 (続く)
2014年09月12日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「マッシュルームのスープでございます。」 老執事がスープを3皿テーブルに並べた。 「さあ、召し上がってくださいませ。ファントムハイヴ伯爵の 後ろに立っているお付きの方も是非どうぞ。」 クロウが満面の笑顔を浮かべて言った。 「いえ。私は執事でございますので、主と同じテーブルにつくなど、 めっそうもございません。」 セバスチャンは断ったが、クロウは 「まあ、そう言わずに。席にお座りなさい。」 と言った。すると、セバスチャンはシエルの許可なく席に着いた。そして、 「スープを召し上がれ。」 とクロウが言うと、セバスチャンはスープを飲んだ。 シエルはセバスチャンの様子がおかしいと思ったが、これ以上何かして、 怪しまれてもいけないと思って、セバスチャンに聞く事ができなかった。 「ファントムハイヴ伯爵もどうぞ。早く召し上がって下さいませ。」 とクロウがスープを勧めた。シエルは急に何か威圧感を覚えたが、 逆らう事ができず、恐る恐るスプーンでスープをすくって口に運んだ。 一口飲んだだけで、口の中にマッシュルームの味と香りが広がり、 その中に隠された得体の知れない旨味がシエルの舌に至福の時を味あわせた。 「美味しい。」 とシエルが言った瞬間、セバスチャンが倒れた。 「セバスチャン!!」 とシエルが叫んでも、セバスチャンはスープ皿に顔を突っ込んだ状態で 動かない。 「何をした?毒を盛ったのか?」 「このスープは森で採れたキノコを聖水でじっくり煮込んだスープです。 悪魔の口には合わないかもしれませんね。」 とクロウは言った。 「何?!何故セバスチャンが悪魔だと分かった!貴様、何者だ!」 「僕はジャスティス・クロウ。クロウ家ただ一人の生き残りであると共に ウィッチ家の末裔でもある。僕は魔女なんだ。」 クロウはそう言うと、空中に指で魔方陣を描き出した。すると、 驚いたことに、セバスチャンの頭上に白い魔方陣が浮かび上がった。 (続く)
2014年09月07日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m それから、しばらく馬車に揺られ、屋敷に着くと、暗い顔をした老人が 出迎えてくれた。クロウ家の執事だった。メイドの数も少なく、皆 陰気な顔をしていた。不思議と人の話し声が一つもしない屋敷だった。 村から離れた森の中の屋敷は幽霊でも出そうな雰囲気だった。 「ようこそ。おいで下さいました。ファントムハイヴ伯爵。 なにぶん田舎なもので、突然の来客に十分なおもてなしもできませんが、 キノコ料理でも召し上がって行って下さいませ。」 エントランスホールに待たされる事10分。吹き抜けの階段をゆっくりと 下りて来たクロウ男爵は漆黒の髪に深緑色の瞳の美しい少年だった。 シエルたちはディナーをご馳走になる事になった。 「はじめまして。シエル・ファントムハイヴです。ここから馬車で 半日ほど行った先の町に所用がありまして、ドルイット子爵にその事を 話しましたら、爵位を継承されたお祝いを渡してくれと頼まれまして、 ちょっと立ち寄るだけのつもりだったのですが、この辺りは宿屋も レストランもなく、困っていたので、クロウ男爵の御好意に感謝します。」 席に着くなり、シエルは嘘をついた。クロウ男爵が爵位継承を とりなしてもらう為にドルイット子爵に賄賂を送ったという噂を 耳にしたセバスチャンが祝いの品のティーカップを用意して、 シエルに一芝居打つように指示していたのだった。しかし、 クロウは訝しげな表情をして、こう言った。 「ドルイット子爵からは手紙とお祝いの花束を頂いておりますが、 一言もそのような事は聞いておりません。ドルイット子爵と ファントムハイヴ伯爵はどのような御関係ですか?」 シエルは失敗したと思った。ドルイット子爵が手を出しそうな容姿の クロウ男爵を見た瞬間に計画を変えるべきだったと後悔した。 だが、一度ついた嘘は付き通すしかない。シエルは背後に立っている セバスチャンのほうをチラッと見たが、セバスチャンは何も言わなかった。 シエルは冷や汗を掻きながら、 「ただの知り合いです。」 と言った。すると、クロウは疑いの目を向けたような表情のまま 「ふ~ん。それなら、良いのですが・・・」 と言った。完全に疑われているとシエルは思った。再びセバスチャンを チラ見したが、セバスチャンは無言でじっとクロウを見つめていた。 気まずい空気が漂っている中、ディナーが運ばれてきた。 (続く)
2014年09月06日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 小鳥の囀りさえ聞こえない静かな森だった。森は木々の葉が生い茂り、 陽当たりが悪く、木々の根元には色とりどりの見た事もないような キノコが見渡す限り無数に生えていた。シエルは馬車の窓から 森中に生えている赤や黄色の妖しいキノコを見て、こう言った。 「この森は気味が悪いな。本当にマッシュルームの名産地なのか?」 「はい。左様でございます。クロウ男爵家の荘園は森の入口にある 村一つにございますが、この広大な森を私有地として持っておりますので、 マッシュルームを始めとするキノコの栽培だけで暮らせるらしいのです。」 「森中に生えている見た事もないキノコの群れ。まさか、あれは 売り物じゃないだろうな。」 「さあ。キノコの名前は私も存じませんが、おそらく幻覚作用を 引き起こすような類の毒キノコかと思われます。毒を作って売ったら、 きっと高く売れるでしょうね。色鮮やかで美味しそうですけれど、 坊ちゃんはくれぐれも食されませぬように・・・」 「あたりまえだ。誰が食べるものか。」 シエルはフンっと鼻で笑い、再び森を見つめた。曇天のせいか森は 昼間だというのに薄暗かった。陽の光を嫌う森なのだとシエルは思った。 キノコを太陽から守るように生い茂る木々は何百年も森を守り、 中世までは道すらなかったのであろう。近世に作られたと思われる 屋敷に続く1本道は獣道に等しく、馬車1台通るのがやっとだったに 違いない。半径徒歩1時間と言われる樹海に似た森は18世紀に なってから道の整備が行われ、クロウ男爵家の所領となったのだ。 それまでは森も村もウィッチ家の領地だった。 シエルがいつまでも続く同じ景色を眺めていた時、突然 シエルの目の前に陰惨な光景が現れた。木々が途切れた隙間から 焼け焦げた家屋が見えたのだった。 「こ、これは・・・」 「ウィッチ家の屋敷跡でございます。薬を作り、呪いを家業とする ウィッチ家は近世に流行った魔女狩りのせいで没落し、後から来た クロウ家に全てを奪われました。それでも150年くらいは細々と 森の中で薬を作って暮らしていましたが、20年前、村で疫病が 流行った年に村人に襲撃され、皆殺しになったのです。 その襲撃の際に当時15歳だったウィッチ家の一人娘は略奪され、 クロウ家の地下牢に幽閉されました。長年の凌辱の末、クロウ家長男 ジャスティス・クロウが生まれたのでございます。」 「悲惨な話だな。」 シエルは溜息をついた。 (続く)
2014年09月05日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「坊ちゃん。お目覚めの時間です。」 翌朝、セバスチャンは何事もなかったかのようにシエルを起こし、 シエルに服を着せ、紅茶を用意した。そして、 「昨日はお知らせするのをうっかり忘れてまして、申し訳ありません。」 と言って、セバスチャンは女王からの手紙をシエルに手渡した。 「坊ちゃんには女王の番犬として、先月、悲惨な惨殺事件が起きた クロウ家を調べて欲しいとの事でございます。詳しくは、こちらの 新聞をお読み下さいませ。」 突如発狂したクロウ男爵夫人が夫であるクロウ家当主を始め使用人までも 次々と斧で惨殺し、嫡子である10歳の息子を斧で殺害する際、息子に 射殺され、死亡。生き残った妾の子のクロウ男爵の長男ジャスティスが 爵位を継承し、クロウ家当主となった。 キノコの産地で有名な森を所有するクロウ家には血塗られた過去があり、 現在、クロウ一族の血を引く者はジャスティス・クロウ男爵のみである。 しかし、彼の母親は森に住み呪いを行うウィッチ家の末裔でもある。 ウィッチ家もまた血塗られた歴史により領民の襲撃に遭い、滅ぼされている。 今回の継爵には異議を唱える者も・・・と新聞には書かれていた。 「こ、これは・・・」 シエルは新聞の写真を見て、驚いた。クロウ家の嫡子である少年の顔が 昨日現れた幽霊と同じだったのだ。 「私も最初に幽霊の少年を見た時には驚きました。女王様の使者が昨夜 お見えになりまして、坊ちゃんに手紙を渡す前に調査資料をご用意しなければと、 新聞等を集めておりました矢先の事でしたので、偶然とは思えません。 クロウ男爵に会いに行きましょう。馬車で6時間のところでございますから、 今から出発すれば、いにしえに魔女の森と称されていたキノコの森の中にある クロウ家の屋敷に日が沈む前には着けると思います。」 (続く)
2014年08月07日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 舌と舌を絡めながら、セバスチャンはシエルに指を這わせ、 寝巻のボタンを一つ一つゆっくりと外していった。 生まれたままの姿になったシエルにキスをして、口に含み、 果実の蜜を味わうように舌を動かし、指の先で蕾を愛で焦らして、 シエルを快楽の波に漂わせた。 「あっ。あっ。は、早く・・・」 「坊ちゃん。どうして欲しいですか?おねだりしないと、 ずっとこのままですよ。」 「く、くれ。焦らすな。早く入れろ。」 「よくできました。入れて差し上げますね。」 セバスチャンはシエルを俯せにして、後ろから抱きしめるように貫いた。 「あっ。ああ~」 シエルは枕に顔を埋めて、枕の両端を掴んで耐えながら腰を僅かに浮かし、 嬌声をあげて、セバスチャンを受け入れた。 セバスチャンは肉を掻き分ける感触を楽しんだ後、 貪欲な肉が我が身を締めつけるのを味わいながら、熱く蠢く肉の中で じっとして動かなかった。セバスチャンがシエルのうなじを甘噛みすると、 シエルはビクッと身体を震わせ、こう言った。 「あっ。もう、いつまで焦らすんだ。さっさと動け。あっ。」 セバスチャンは無言で肩を噛んだ。そして、首筋を舐め上げて、耳朶を噛み、 「坊ちゃん。イって良いですよ。このままでおイキなさい。」 と言った。シエルは困惑して、躊躇いながらも自ら腰を動かし、 シーツに擦り付け、イこうとしたが、 「はしたない真似はおよしなさい。」 と、セバスチャンに咎められた。 「坊ちゃんは貞節な淑女のように何もしてはいけません。 身体を貫いているものを体内に感じて、イクのです。」 「そ、そんな・・・無理・・・」 シエルは首を横に振った。しかし、執事に命じられて、 身体の芯が疼いてしまった。 「あっ。あっ。ああ~」 シエルはセバスチャンをキュゥキュゥと締めつけて、絶頂に達した。 「浅ましいほどに締めつけて、イってしまいましたね。 貪欲な坊ちゃんにご褒美を与える時間が来たようです。 気を失うまで激しく突いて差し上げますよ。」 セバスチャンはそう言うと、激しく腰を突き動かした。 シエルは何度も絶頂を迎え、夜が明ける前に眠りに落ちた。 (続く)
2014年08月02日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「うわああ!!!」 シエルが寝苦しさを感じて目覚めると、頭上に斧が刺さった血まみれの少年が 胸の上に跨っていた。 「坊ちゃん?!」 悲鳴を聞いて1秒で駆けつけてきたセバスチャンが思わず息を呑んで身構えた。 すると、少年は 「うわぁ。悪魔来た。逃げよ。」 と言って、フワッと舞い上がり、窓をすり抜けて外に飛んで行った。 セバスチャンは窓を開けて、少年が近くにいないか確認してから、 シエルの傍に来て、 「坊ちゃん。大丈夫でしたか?」 と聞いた。 「い、今のは何だ?」 「悪霊でございます。おおかた、どこからか飛んで来たのでしょう。 悪霊は人の負の心につけ込み、人に憑りつきます。おそらく、 坊ちゃんに憑りつこうとしていたのでしょう。危なかったですね。 では、おやすみなさいませ。」 セバスチャンはニッコリ笑って部屋を出ようとした時、 「ま、待て。そこにいろ。」 と、シエルは引き止めた。 「仰せのままに。お傍にいて差し上げます。」 セバスチャンがシエルの手の甲に口づけした。そして、ベッドに横たわる シエルの髪をそっと撫でた。 「坊ちゃん。怖かったですか?」 「こ、怖くなんか・・・」 「強がらなくても良いのですよ。怯えた瞳の坊ちゃんも美しい。」 セバスチャンはシエルの唇に唇を重ねた。 (続く)
2014年07月18日
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オカルトの苦手な方は読まないでください。 BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 真夜中、人里離れた森の中の屋敷に恐怖が訪れた。 「助けて。神様。どうか、お母様から僕を守って。」 胸元で十字を切って祈る10歳の少年は神に祈っていた。 突然、食事中に倒れた母親が夜中に目を覚ますと、 壁に飾ってあった銀の斧を持ち、父親の首を刎ねたのだった。 母親は屋敷の中を徘徊し、次々と使用人を惨殺した。 少年は兄に渡された小銃を持って、自室に隠れ、 屋敷中に響き渡る悲鳴を聞きながら、恐怖と闘っていた。 鍵をかけた部屋の扉を斧でバキバキッと叩き割る音が聞こえたかと思うと、 扉に開けられた穴からスゥッと手が入ってきて、ドアノブの鍵を開けた。 ゆっくりとギィッと開いた扉には血に染まった少年の母親が 物凄い形相で立っていた。少年は震えながら、銃を身構えて、 「お母様。こっちに来ないで。僕を殺さないで。」 と言った。だが、母親は笑いながら少年に近付き、銀の斧を振り上げ、 少年を殺そうとした。少年は泣きながら母親を撃った。 バキュンという銃声と共に母親の顔は吹き飛び、 母親の振り翳した斧は手から離れ、少年の頭の上に落ちた。 少年は一瞬、頭に斧が刺さった事を理解できなかった。母親が倒れると、 絨毯に黒い穴が開いて、デスサイズを抱えた黒い死神が現れた。 死神は母親の骸を黒い穴の中に引き摺り込み、消えて行った。 そして、次にまた部屋の絨毯に黒い穴が開いた時、兄が廊下から 駆け寄って来て、扉の前に立ち、 「逃げろ!窓から飛んで逃げろ!」 と叫んだ。少年は兄の言う通りに窓に向かって走った。 死神が現れ、少年の身体を掴もうとした瞬間、少年は窓から空に飛び立った。 少年が空から窓の方を振り返って見ると、死神は少年の骸を抱えて、 口惜しそうに少年を見ていた。少年は屋敷を離れて、森を抜け、 夜空を飛んで逃げた。幾日も果てしなく飛び続けた挙句、 復讐を誓った少年の住む屋敷を見つけて、窓から侵入した。 ベッドで眠る美しい黒髪の少年に興味を持った斧で殺された少年は 静かに黒髪の少年の上に乗り、寝顔を見つめていると、 微かに聞こえる呻き声と共に黒髪の少年の瞳が開いた。 (続く)
2014年07月17日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「ちょっと待て。なんだか頭が痛くなってきた。」 シエルは頭を抱えた。代わりにセバスチャンが質問した。 「と、いうことは、ガブリエル様はジョゼフさんの息子さん ということですね。」 「はい。そうです。この事が世間に知れたら、代々続いた ロセッティ家がお取り潰しになるかと、正式にガブリエル様 が継承なされるまでは気が気ではありませんでした。」 「血統から考えれば、ガブリエル様は甥ですか・・・他に お子さんがいらっしゃらなければ、爵位継承には何の問題も ないですね。しかし、妾腹とはいえ、ジョゼフさんにも爵位を 継がれる権利がおありだというのに、使用人の身分のままで よろしいのですか?」 「はい。僕はガブリエル様さえ幸せになってくれたら、それで 良いのです。」 「親バカですね。」 「はい。亡くなった旦那様にもよく言われました。」 「親ならもっと子供をしつけたほうが良いんじゃないか? 我儘放題に夜が明けるまでやらせるなんて・・・」 シエルが薄ら笑いを浮かべながら、ジョゼフに文句を言った。 「意外と根に持つタイプだったんだね。妬いてるの?」 ガブリエルがシエルをからかうように言うと、シエルは食事を 喉に詰まらせ、ゴホッとむせた。 「バカ言え。妬くわけがないだろ。」 「坊ちゃんがヤキモチを妬くのは愛があるからです。 ジョゼフさんが亡くなったロセッティ伯爵が自分以外と交わる のを見ても腹が立たないのは恋愛感情よりも肉親に対する 愛情が強かったからです。兄としてのロセッティ伯爵に深い 愛情を持っていたからではありませんか?私は葬儀の日に 涙を流しているジョゼフさんを見て、そう思いました。」 「お気付きでしたか・・・確かに僕は肉体関係以上の愛情を 兄である旦那様に求めていました。でも、旦那様は僕を愛人 としてしか見ていなかった。僕は彼を恨んだ事もありましたが、 ガブリエル様が生まれてからは我が子が立派な跡継ぎになる 事を夢見て暮らしておりました。伯爵家を継いだガブリエル様 と二人で暮らしている今はとても幸せです。」 「あなたはずっと幸せになりたかっただけだったのですね。」 「はい。」 と、ジョゼフは笑顔で答えた。 その後は和やかに朝食を済ませ、シエルとセバスチャンは ファントムハイヴ邸へ戻った。 「幸せってなんだろうな。」 シエルが呟いた。 「坊ちゃんはあのお二人が幸せになれると思いますか?」 「さぁな。」 シエルはぼんやりと窓の外を眺めた。 「坊ちゃん。」 セバスチャンが後ろから抱きついてきた。 「あっ、放せ。一体何回やったら気が済むんだ? 昨日だって・・・」 「私は1回しかイってませんよ。私は坊ちゃん以外では いかないのです。」 セバスチャンが耳元で囁いた。 「私が愛するのは坊ちゃんだけです。」 「嘘つけ。」 シエルはフッと笑った。セバスチャンがシエルを押し倒した。 悪魔は嘘をつかない。シエルは刹那的な快楽と人の幸せは 隣り合わせだと思った。どちらが欠けていてもつまらない。 シエルは至福を感じながら、悪魔の抱擁に身を溶かした。 (完) <あとがき> まずはお詫びから・・・ 11万HITの時に次回最終話と予告したのに 最終話が長くなりすぎたので、2回に分けました。 本当は「はい。とジョゼフは笑顔で答えた。」までの つもりだったのですが、今日、突然思いついて、 加筆しました。 10万HIT記念に書いた小説なので、自分なりに 力を入れて書きました。 多分、今まで書いた数多くの小説の中で一番エロい と思います。 少々ブログに掲載するにはふさわしくない小説に なってしまった事を心よりお詫びいたします。また、 私の小説を読んでくださった皆様に感謝いたします。 ジャンボ カードダスEX 黒執事 ヴィクトリアンアートコレクション2 BOX 未開封1ボックス 16パッ...価格:1,680円(税込、送料別)
2010年08月26日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 朝、シエルが目覚めると、セバスチャンは 「おはようございます。坊ちゃん。朝食のご用意が出来て おります。」 と、何事もなかったように言った。シエルはセバスチャンに 身支度を整えさせると、ダイニングルームへ向かった。 ガブリエルとジョゼフは先に朝食を食べていた。4人分 ナイフとフォークがセッティングされていたが、セバスチャンは 椅子をひいてシエルを座らせ、シエルの後ろに立った。 それを見て、ガブリエルがこう言った。 「一緒に食べないの?」 「私は結構でございます。」 「ジョゼフはいつも僕と一緒に食事しているよ。セバスチャンも 遠慮せずに食べたらいい。」 「私はジョゼフさんとは違いますから。」 「そう。」 ガブリエルはつまらなさそうに朝食を再び食べ始めた。 「貧救院の地下牢にいる私の母はロセッティ家に 住まわせてくれる事になりました。」 ジョゼフが笑顔で言った。 「それは良かったな。貧救院の件だが、やはり取り壊して工場を 建てるつもりだ。貧救院の子供達はファントムハイヴ社で雇って やる。工場の横に寮も作って住み込みで働かせる事にした。 10歳以下の子供は役に立たないから給料は払えないが、 見習いとして3食寝床付で雇ってやる。」 「本当ですか?!それは嬉しいな。感謝します。」 「さすが、女王の番犬!これで一件落着だね。」 ジョゼフとガブリエルは口々に喜んだ。だが、シエルは 「知っていたのか。」 と、チッと舌打ちした。 「坊ちゃんが女王の番犬と言われている事をいつ頃から ご存知だったのですか?」 セバスチャンが聞いた。 「葬儀の日にコンスタブル卿と接触しているのをお見かけし まして、失礼ですが、いろいろと調べさせていただきました。」 「ジョゼフは頭が良いんだ。」 ガブリエルがニコッと笑って言った。 「今回の事で分からない事があるのだが、何故、地下牢に 閉じ込められていたのだ?」 シエルがジョゼフに聞いた。 「私の母は旦那様のお父上の妾だったのです。身寄りのない 母は13歳で奉公に上がり、15歳で僕を産みました。 別宅に住まわせていただいて、幸せに暮らしておりましたが、 お父上が病で亡くなられて、旦那様の母君に母子ともども 貧救院の地下牢に閉じ込められてしまったのです。5年後、 母君が亡くなられてから旦那様が僕を地下牢から出して くださいました。」 「亡くなったロセッティ伯爵とは異母兄弟という事か・・・」 「はい。兄である旦那様は僕を可愛がってくださいました。 僕が13歳の時にご結婚された時も旦那様は女性に興味 がなく、初夜の晩に僕をお二人の寝室に呼び、3人で情交に 及びました。女性に触れた事のない僕に花嫁を抱くように 命じられまして、旦那様は後ろから僕を・・・サンドウィッチの ようにお二人に挟まれて、前からと後ろからの刺激で僕は 何度も最高の喜びを味わいました。旦那様もすっかり気に 入ったようで、ガブリエル様が生まれるまでその行為は 続きました。」 (続く) 【ポイント10倍】YOU(黒執事盤)(紙ジャケット仕様)松下優也価格:1,000円(税込、送料別)
2010年08月26日
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18禁です。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許し下さいませ。m(_ _)m 夜が明ける頃、ガブリエルとジョゼフは眠ってしまった。 セバスチャンの傍らで眠っている二人はまるで餌を お腹いっぱい食べて満腹になって寝ている猫のようだった。 無邪気に裸のままで寄り添って寝ている二人は幸せそう だった。セバスチャンはベッドに縛り付けられている両手を 無造作に引っ張って縄を引き千切った。そして、怒り狂った ように目を真っ赤にして見据えているシエルの所にゆっくりと 歩いて行き、シエルの縄を解いた。猿轡を外されたシエルは 「どういうつもりだ?」 とかすれた声で聞いた。 「情報を聞き出すには情を通じるのが一番早いですから。」 バシッとシエルはセバスチャンの頬を平手打ちした。 フッと笑うセバスチャンにシエルは 「最低だな。」 と言った。 「でも、これでロセッティ伯爵の死因が断定できました。 食欲旺盛なお二人に一晩中せがまれてし続けていたら、 死んでも不思議じゃありませんね。」 「お前は6回しても生きているじゃないか。」 「ガブリエル様3回ジョゼフさん3回の計6回は私でも 疲れました。ガブリエル様は4回もイって疲れたのか、 とうとう諦めて眠ってしまったようですね。」 セバスチャンはクスッと笑った。 「笑い事じゃないだろう。」 シエルは怒っていた。一晩中、縛られたまま情交を見せ付け られていたのだ。怒るのも無理はない。セバスチャンは シエルの顎に手をかけ、こう言った。 「坊ちゃんの怒った顔、素敵ですよ。」 セバスチャンがシエルに口づけし、舌を入れてきた。だが、 シエルはガリッとセバスチャンの舌を噛んだ。セバスチャン の唇から一雫の血が流れた。セバスチャンは目を細めて、 シエルを床に押し倒した。 「やめろ。バカ。」 シエルは抵抗したが、ズボンの上から掴まれただけで、 感じてしまった。 「坊ちゃんの身体は正直ですね。一晩中見ていただけで、 ほら、こんなに・・・」 セバスチャンはシエルのズボンを脱がすと、ニヤニヤ笑って 握りしめた。 「あ、よせ、あっ」 セバスチャンの愛撫にシエルは声をあげた。口に含まれて 舐められると、抵抗するのを忘れてしまう。指が蕾をなぞり、 ゆっくりと入ってきた。 「よっぽど我慢していたのですね。指に吸い付いてきますよ。」 セバスチャンは意地悪く眺めながら言うと、指を動かした。 「あ、ああ~」 セバスチャンが指を入れたまま顔を近づけて来てキスをした。 やがて、セバスチャンは指を引き抜くと、シエルの足を大きく 広げて欲望を突き刺した。 「坊ちゃんの中は熱くて蕩けそうですよ。」 セバスチャンが囁くとシエルは歓喜の声を上げ絶頂を迎えた。 「入れたばかりなのに、いつになく早いですね。」 シエルが赤くなるのを見てセバスチャンはニヤニヤして言った。 「大丈夫。もう1回イかせてあげますよ。でも、今度はあの二人 にもよく見えるように体勢を変えましょうか。」 「え?!」 シエルがベッドの上を見上げると、ジョゼフとガブリエルが じっと見ていた。 「坊ちゃんの声が大きいからお二人が起きてしまいましたよ。」 そして、焦るシエルとは逆にセバスチャンは座位の姿勢で 後ろから突き上げた。セバスチャンに座らされたシエルは 両手で足を掴むように言われ、全てが丸見えの姿勢をとら された。突き上げる腰にシエルは悲鳴を上げた。 「見られて興奮するなんて、坊ちゃんはいやらしいですね。」 意地悪なセバスチャンの言葉にシエルは身体を震わせた。 セバスチャンが激しく腰を突き動かす。 「私が真の快楽を得られるのは坊ちゃんだけです。」 セバスチャンの甘い囁きにシエルは再び絶頂を迎えた。 セバスチャンが自分の体内に放つのを感じながら、シエルは 意識を手放して眠りについた。 (続く) 【アニメグッズ/5382】黒執事セバスチャン&シエル布製ポスター(タペストリ)価格:2,000円(税込、送料別)
2010年08月24日
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18禁です。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「僕もガブリエル様と同じで、旦那様以外を受け入れるのは 初めてです。」 「通りで。25歳にしては緩んでないはずですね。」 セバスチャンはグルッと腰を動かした。 「あっ、あん、ああ~」 ジョゼフの良い所に当たったのか、ジョゼフは恍惚とした 表情を浮かべた。 「ジョゼフ、気持ち良い?お父様が死んでからずっと何日もして なかったものね。僕も欲求不満だったから、さっきイったけど、 もう1回、イきたいな。」 ガブリエルはそう言うと、セバスチャンの首にまたがってきた。 「舐めて。」 セバスチャンの口に押し当てて、ガブリエルは女王様のような 微笑を浮かべた。 「仕方のないお子さんですね。」 セバスチャンはガブリエルの貪欲さに呆れたが、口に含んで 舐め始めた。 「あ、ああ~気持ち良い。お父様より上手いね。」 「こちらのほうも最高ですよ。ああ~。僕ももう、イきそうです。」 ジョゼフは激しく腰を動かすセバスチャンに合わせて、 腰を振り乱した。 「あああ~、イ、イクっ!あああ~」 「あ、僕も!あああ~」 ジョゼフとガブリエルは二人同時に果てた。セバスチャンは 口に含んだ白い液体をペッと吐き出した。白いもので汚された セバスチャンは貪りたくなるほど艶めかしかった。満足げに セバスチャンの身体を見ていたガブリエルの顔色が変わった。 「あれ?まだイってないの?」 セバスチャンは達していなかった。ジョゼフは少し気にして、 「よくなかったですか?」 と聞いた。 「そんなことはありません。」 セバスチャンはにこやかに答えた。 「もう1回する?」 ガブリエルが甘えた声で聞いてきた。 「遠慮しときます。早く縄を解いてください。もう気が済んだ でしょう。」 セバスチャンの言葉にガブリエルはムッとした。 「イクまで離さないよ。3回でも4回でも何回でもやってやる。」 ガブリエルがセバスチャンの上に乗ってきた。 「私を腹上死させる気ですか?!」 「ガブリエル様を怒らせると、朝まで離してもらえませんよ。 旦那様も5回目であんなことに・・・4回でやめておけば よかったのですけど・・・」 「今夜は眠らせないよ。」 ガブリエルがニヤリと笑った。 (続く) 【送料無料】 DVD/アニメ/黒執事 III (通常版)/ANSB-3775価格:6,090円(税込、送料込)
2010年08月22日
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18禁です。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 呻くシエルに気付いたセバスチャンが 「坊ちゃん、お目覚めですか?」 と聞いた。シエルは怒鳴りたかったが、猿轡のせいで 声が出ない。 「坊ちゃん、どうやら私達は罠にはめられたようです。」 セバスチャンも両手首を縄でベッドに縛りつけられていた。 だが、セバスチャンは冷静だった。 「シャンパンに薬が入っていたようですね。でも、ご安心 ください。坊ちゃんだけは脱がさないでくださいと頼んで おきましたから。」 セバスチャンは半裸状態だった。服はボタンが全て外され、 ズボンも太腿まで下ろされていた。シエルは怒りで我を忘れて 『殺してやる』と思った。実際、縛られていなかったら、殺して いただろう。ジタバタと暴れるシエルにジョゼフが言った。 「静かにしてください。椅子が倒れたら大変だ。」 「そうだよ。大人しくしてろよ。今、いいとこなのに・・・」 セバスチャンに夢中でしゃぶりついていたガブリエルが ようやく口を離して、シエルのほうを向いた。セバスチャンの 大きく立ち上がったものが天を仰いでいた。シエルは信じられ ない光景を見たと言わんばかりにセバスチャンを睨んだ。 しかし、セバスチャンは無言だった。代わりにガブリエルが 勝ち誇ったように言った。 「君の執事だって男だもの。愛なんて所詮、無意味なのさ。」 「そう。愛は一人だけに捧げても、体は別です。男は欲情する 生き物なのです。」 ジョゼフはシエルに諭すように言った。シエルは全裸の二人に 喚き散らしたが、猿轡のせいで呻き声にしかならなかった。 ガブリエルはニヤッと笑って再びセバスチャンにかぶりついた。 しばらくすると、ジョゼフが蜂蜜を取り出して塗りだした。 「美味しそうだね。もう、入れてもいい?」 ガブリエルが蜂蜜を塗られたセバスチャンの上にまたがって 聞いた。そして、ガブリエルはセバスチャンを自分の中に入れ 「ああ~。大きいよ~。お父様のよりもずっと大きい。」 と言って、腰を動かした。 「気持ち良いですか?ガブリエル様。お父様しか知らない ガブリエル様にはちょっと大きすぎるかも知れませんが、 一つしか歳の違わないシエル様が味わっているものです。 慣れれば大丈夫です。いつものようにもっと気持ち良くして あげましょうか?」 ジョゼフはガブリエルにそう言うと、背後から接合部を舐めた。 「あっ、ああ~」 ガブリエルは歓喜の声をあげた。甘く蕩ける蜂蜜を美味しそう に舐めるジョゼフを見て、セバスチャンはこう言った。 「変態ですね。」 「そう。ジョゼフは変態だよ。お父様に10歳の頃からいろいろと 仕込まれてるからね。僕がお父様に初めて抱かれたのは8歳 の時だった。ジョゼフが僕を心配して泣いていたのを今でも 覚えている。」 「仲がよろしいのですね。」 「ああ。僕はジョゼフを愛している。」 「それなら、こんなことなさらなくても、お二人ですれば よろしいのでは?」 「ジョゼフがダメって言うんだ。一線は越えられないって。 あっ、ああ~、ああああ~」 ジョゼフが接合部から口を離したとたんにセバスチャンが 動いた。下から突き動かされて、ガブリエルはあっけなく 果てた。ガブリエルが退くと、今度はジョゼフがセバスチャン の上に乗った。 (続く) 松下優也/Bird/4 Seasons(期間生産限定盤/CD+DVD ※TVアニメ黒執事ED映像収録)(CD)価格:1,575円(税込、送料別)
2010年08月22日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「バカ。違うよ。僕はお父様が嫌いだったんだ。」 「性的虐待を受けていたからですか?」 「それもあるけど、お父様はジョゼフに対して酷かったからさ。 僕には鞭を使った事なんて一度もないけどね。」 「旦那様はガブリエル様を愛してらっしゃいましたから。」 「愛?愛って何なの?ジョゼフは人が良過ぎるんだよ。 ジョゼフはいつもお父様に愛してるって言われて喜んでた けど、あの人は誰にでも言うんだよ。」 「貧救院の子達には一度も言った事はありませんよ。僕と ガブリエル様以外に言っているのを見た事はありません。」 「亡くなったロセッティ伯爵夫人にもですか?」 セバスチャンが唐突に聞いた。一瞬、二人は嫌そうな顔をして 黙ってしまった。数秒間の沈黙の後、ジョゼフが慌てて話題を すり替えるように口を開いた。 「契約を祝して乾杯しましょう。」 ジョゼフは使用人にシャンパンを持って来させて、グラスに シャンパンを注いで、シエルとセバスチャンに手渡した。 「乾杯!」 ガブリエルがグラスをかかげた。シエルは一気にシャンパンを 飲み干した。すると、急に眩暈がして、クラクラしてきた。 シエルは落としたシャンパングラスの割れる音を聞きながら、 意識を失った。 目が覚めると、シエルは椅子に縛りつけられていた。 手は後ろ手にきつく縛られ、足首までグルグル巻きに縄で 縛られていた。シエルはセバスチャンの名を叫ぼうとしたが、 猿轡のせいで声が出なかった。 (続く) 黒執事 1(初回生産限定)価格:2,835円(税込、送料別)
2010年08月21日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「君がシエル?やっぱり葬儀の日に叔父様とこそこそ 会ってた子だね。」 ガブリエルはソファに座ったまま立ち上がろうともしないで、 見下したように言った。 「叔父様が何を言ったか知らないけれど、ジョゼフは 殺してないよ。」 想定外の11歳の伯爵の言葉にシエルは言葉が出なかった。 「お父様は腹上死だったんだ。」 「存じ上げております。メイドとの情交中に心筋梗塞で お亡くなりになられたとか・・・」 セバスチャンがチラッとジョゼフを見ながら言った。すると、 ガブリエルはこう言った。 「メイドじゃない。僕だよ。僕の腹の上でお父様は死んだんだ。」 「ああ。そういうことですか。謎が解けました。執事ならともかく ご子息との情交中にとなると大スキャンダルですね。それで、 メイドに嘘の証言をさせて殺したのですか?」 「殺してないよ。メイドが警察に事情聴取で連行されそうに なったから、後追い自殺のふりをするよう睡眠薬を渡したんだ。 メイドは病院に運ばれたけど、致死量飲んでないから翌日、 退院してすぐに里に帰った。警察も自殺未遂までする人間を 取り調べたりしないからね。メイドはジョゼフから大金を貰って 田舎で暮らしてるよ。」 「手の込んだ事をしますね。」 「まあね。ジョゼフが僕の為にした事だからさ。僕はまわり くどいのは嫌なんだけどね。」 「確かに。直球勝負過ぎる性格のようですね。」 「貧救院の契約書にサインして。」 テーブルに差し出された契約書を見て、桁外れの安さに シエルは驚いた。 「本当にこの金額で良いのか?」 「0を1個付け忘れてると思った?ポケットマネーで買える 金額にしろってジョゼフがうるさいから安くしといたんだ。 さっさとサインしてよ。」 シエルは少し考えるようにセバスチャンと顔を見合わせたが、 契約書にサインした。 「ハハ・・・これで奴らの面倒を見なくて済む。せいせいした。」 不思議そうにしているシエルにジョゼフが説明した。 「貧救院の子供達は全員、娼館で生まれた娼婦の子です。 娼館で生まれた女の子は年頃まで大事に育てられ、店の 商品になりますが、男の子は6歳になると人買いに売られて しまうのです。通常は二束三文で年季奉公に出されますが、 旦那様は人買いから金貨1枚で6歳の男の子を買い集め ました。ロンドン中の娼館から毎年数名の男の子が貧救院に やってきます。そして、旦那様は全員を自らお味見なさって Aランク~Cランクに分類し、調教し、客をとらせていました ので、ガブリエル様はそれを面白く思ってなかったのです。」 「嫉妬ですか。」 セバスチャンが呆れたように言った。 (続く) 【DVD】黒執事 VI映像アニメ価格:5,481円(税込、送料別)
2010年08月19日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m その時、一番奥の牢から何やら人の声が聞こえた。3人と 言っていたのに、もう一人いるのかと思って5番目の牢を 覗いてみると、40歳くらいの女性がベッドに腰掛けていた。 他の牢は全員裸だったが、その女性は服を着ていた。 かなりやつれていたものの金髪碧眼の目鼻立ちがはっきり とした美人だった。 「この女性は・・・」 「母です。」 とジョゼフは答えた。 「母は分けあって、20年もの長い間、この地下牢に閉じ込め られているのです。僕も15年前までちょうど向かい側の牢に 閉じ込められていました。僕は商品ではありませんでしたが、 旦那様は僕に目をかけて可愛がってくれました。僕は5歳から 10歳までの5年間、日に日に精神を病んでいく母を見つめて 牢の中で暮らしていました。泣き叫ぶ母を見るのは辛かった です。だから、旦那様が僕を牢から出してくださった時はすごく 嬉しかったです。旦那様は家庭教師を雇って僕に教養を身に つけさせてくださいました。旦那様には感謝しています。」 「それで、この貧救院を受け継ぐ事にしたのですか?」 セバスチャンが冷ややかな目でジョゼフに聞いた。 「ガブリエル様のご命令で、貧救院は近々、売り払う予定 です。ただ、子供たちの身の安全を保障できる買い手が なかなか見つかりそうにありません。ガブリエル様は 人買いに子供達を売り払い、土地には工場を建てると 良いと仰せです。売春宿に売られた子供達は数年で体を 壊して死んでしまいます。そこで、提案なのですが・・・ 貧救院を買っていただけないでしょうか?」 「それは願ったり叶ったりでございます。」 「喜んでくださるとこちらも助かります。格安でお売りします ので、どうか子供たちをよろしくお願いします。早速ですが、 今日の夜、ロセッティ家にご招待してもよろしいですか? ガブリエル様もシエル・ファントムハイヴ伯爵様にぜひ お会いしたいと申しております。」 (続く) 【送料無料選択可!】黒執事 I [通常版] / アニメ価格:2,226円(税込、送料別)
2010年08月17日
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18禁です。 SMの苦手な方は読まないでください。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 地下室への階段は応接間の隣の部屋にあった。薄暗い階段 を下りて、扉を開けると、そこは赤い絨毯にシャンデリア、 派手な花柄のソファが置いてある客間だった。ミニカウンター のバーには酒瓶が並んでいて、バーテンダーの格好をした 使用人が一人立っていた。 「意外という顔ですね。ここは会員のお客様がプレイに入る前 にどの子と遊ぶか選んでもらう部屋です。50人の写真を料金 別にAランクBランクCランクの3冊の本に分類してあります。 どの子も均一料金だと顔の良い子ばかりが毎晩客をとる事に なって不公平ですから。我が地下クラブでは入会金と年会費 が高い分、1回のプレイ料金が安く設定してありますので、 気軽に毎週通っていただけるシステムになっております。 プレイルームもご覧になりますか?」 ジョゼフは一通り説明すると、返事も待たずに地下通路への 扉を開けた。薄暗い通路に大きな地下牢が3つ並んでいた。 牢の中には三角木馬とベッドがあった。鞭や拘束具などが 壁に飾られていて何のプレイをするのか一目瞭然だった。 通路の向うにはまた扉があり、先ほどとは違う粗末な部屋が あった。机と掃除道具入れとおぞましい拷問道具が収納され ている棚がある部屋だった。ジョゼフは無言で部屋を横切り、 次への扉を開けた。今度は中央に通路があり、左右に小さな 牢が5個ずつ計10個の藁を敷き詰めた独房があった。 「左側は空っぽです。右側の牢に3人の逃げ出して捕まった 子供達を収容しています。ご覧になりますか?」 ジョゼフはどん引きしているシエルに笑顔で尋ね、また返事を 待たずに牢の鍵をポケットから取り出し、鉄格子の扉を開けた。 「おいで。13番。」 ジョゼフが優しく呼ぶと10歳くらいの裸の少年が四つん這いに 這って出てきた。 「この子は牢に閉じ込めてある子の中でも一番従順な子です。 さあ、13番、お客様にご挨拶なさい。」 ジョゼフの命令に少年は頷き、這いつくばったままシエルの 靴にキスをした。 「フフ・・・可愛い子でしょう。この子はお手やチンチンも できるんですよ。13番、チンチンしなさい。」 ジョゼフが命令すると、少年は体を起こして犬のように両手を 胸元で曲げて腹を見せた。少年の白い腹にはやきごての痕 があった。 「逃げたお仕置きに旦那様がつけたのです。貧救院に住む 50人の子達にはロウソク以外は使いませんが、地下の子 は別です。どのお客様でも金貨3枚でやきごてプレイが 楽しめます。」 痛々しい少年の腹を見ていてシエルは気分が悪くなった。 「次の子も紹介しましょうか?」 ジョゼフがニヤリと笑ってシエルに聞いた。そして、少年を 牢に戻すと、隣の牢を開けた。 「49番。出ておいで。」 しかし、49番と呼ばれた12、3歳の少年は動かなかった。 「この子は頭がおかしくなってしまったのです。」 少年の背中には無数の鞭の傷痕あり、体中にやきごての痕 があった。 「次の子もちょっと問題はありますが・・・おいで。33番。」 おむつをした7、8歳の少年が牢から出てきた。 「この子はフィストのし過ぎで緩くなってしまったので、おむつを 着用しています。赤ちゃんプレイって知ってますか?」 ジョゼフは吐き気を我慢しているシエルを面白がっているかの ように楽しそうに説明した。 (続く) 【アニメグッズ/5380】黒執事セバスチャン・ミカエリス(ダメージ)布製ポスター(タペストリ)価格:2,000円(税込、送料別)
2010年08月16日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「今度は部屋を案内します。」 ジョゼフが作り笑顔を浮かべてそう言った。 子供達の部屋は貧救院の2階に8部屋あった。8人部屋で 各部屋に2段ベッドが4つあった。机もタンスもなくて、ベッド の下にある50センチ四方高さ20センチのふたのない木箱が 唯一の収納だった。子供達の所持品は箱一つに収まる程度 しかなかった。殺風景な部屋を見た後、シエルたちは再び、 1階の応接間に戻った。 「いかがでしたか?お役に立てましたでしょうか?」 「はい。参考になりました。」 セバスチャンがニッコリと笑みを作って言った。 「しかしながら、私共は政府の視察の役人ではありません。 肝心の地下室を見せていただけない事には帰れません。」 「ほう。慈善事業に興味があるとおっしゃっておきながら、 地下に興味がおありだったのですか?残念ですが、地下室は 地下クラブに入会していただけないと、ご案内できない決まり になっております。」 「では、入会いたします。」 「失礼ですが、ファントムハイヴ伯爵にそのようなご趣味がある とは思えませんが・・・」 「ガブリエル・ロセッティ伯爵様と同じ趣味ですよ。」 「では、証拠を見せていただけませんか?」 ジョゼフの小馬鹿にしたような笑顔にシエルはムッとしたが、 セバスチャンはおかまいなしにシエルに口づけした。文句を 言おうとして口を開けたシエルに舌をねっとりと絡ませ、腰を 抱き寄せて、ジョゼフに見せ付けるようにディープキスをした。 長いキスの後、セバスチャンはこう言った。 「坊ちゃんも同じ穴のムジナです。趣味と実益を兼ねた事業 をと考えておりまして、そのノウハウをこちらで学びたくて 見学させていただきに参ったのです。」 「分かりました。それでは地下を案内いたしましょう。 僕について来て下さい。」 (続く) 【送料無料】 DVD/アニメ/黒執事II I (完全生産限定版)/ANZB-9721 [9/22発売]価格:5,390円(税込、送料込)
2010年08月15日
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BLの苦手な方は読まないで下さい。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許し下さいませ。m(_ _)m 貧救院はロンドン郊外にひっそりと建っていた。白い石造りの 古びた建物で老朽化が進んでいた。畑もある広大な敷地は すべて高い塀で取り囲まれていて、出入り口は正門一つだけ だった。まるで刑務所を想わせるような貧救院にシエルと セバスチャンは閉口した。 馬車を降りると、二人の門番がニヤニヤとシエルを品定めする ように見ていた。やがて、そのうちの一人が近づいて来て、 「シエル・ファントムハイヴ伯爵様ですか?ご案内します。」 と言って、ペコペコしながら、貧救院の応接間に案内した。 応接間にはジョゼフがいた。 「ようこそ。おいでくださいました。コンスタブル卿から 伺っております。貧救院を見学なさりたいとか・・・」 「はい。坊ちゃんは慈善事業に興味をお持ちでして、貧救院 を設立いたしたく考えておりまして、参考までに是非とも 見学させていただきたいとコンスタブル卿にお願いした次第 でございます。」 「コンスタブル卿は我が主ロセッティ伯爵の縁戚に当たります から、その方のご紹介とあれば、むげにもできません。どうぞ、 ごゆっくり見学なさっていってくださいませ。早速、施設を ご案内いたします。どうぞ、こちらへ。」 ジョゼフは軽く会釈をして、シエルを食堂へ案内した。 食堂には細長いテーブルが2つ並んでいて、子供たちが 木の椅子に座っていた。ちょうど食事の時間だったのだ。 「貧救院には6歳~16歳までの子供が50人ほどいます。 昔は女の子もいましたが、今はすべて男の子です。 亡くなった旦那様の趣味で15年前からそうなりました。」 子供たちは皆、死んだような目をしていた。生気がなく、 一言も口をきかずに黙々と豆のスープをすすっていた。 「食事は豆だけなのか?」 シエルがジョゼフに聞いた。 「はい。昼食は豆のスープだけです。朝食はパン屋から 二日前のパンを安く買って来たものを食べさせています。 夕食は庭の畑で採れた野菜とじゃがいもをスープにしたもの などを食べさせています。子供たちの好きなマッシュポテト も食べさせていますし、貧救院のわりには比較的恵まれた 食生活です。」 「刑務所並みの食生活で恵まれていると言えるのか?」 「貧救院が刑務所よりも暮らしやすかったら、誰も働きません から。浮浪者を捕まえて収容している施設は1日2食でパンは 食べさせないのですよ。それに、服もうちの貧救院は清潔な 白い寝間着を制服変わりに使用していますので、毎週洗濯 していますが、何ヶ月も同じ服を着せたまま放置している ような不衛生な所も多いのですよ。」 確かに子供たちは皆、清潔そうだった。だが、全員同じ 真っ白な寝間着を着て、首に番号と名前の札をつけている 姿は一種異様な気がした。しかも、子供たちは皆、凍りついた 顔のように表情が無かった。刑務所よりも恐ろしい貧救院で 何がそうさせているのか考えただけでシエルはゾッとした。 (続く) 【送料無料】 DVD/アニメ/黒執事 III (通常版)/ANSB-3775価格:6,090円(税込、送料込)
2010年08月14日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しください。m(_ _)m 「はじめまして。シエル・ファントムハイヴ伯爵。 お目にかかれて光栄です。」 「こちらこそ。コンスタブル卿。ロセッティ伯爵の突然の死、 お悔やみ申し上げます。」 「実は後見人の事でご相談がありまして。伯爵の死後、 ガブリエルは後見人に遠いスコットランドに隠居している 大叔父を指名しました。実質上は顧問弁護士と執事の ジョゼフが後見人代理としてガブリエルが成人するまで ロセッティ伯爵家を取り仕切る事になったのです。弁護士は 遺産の管理をするだけなので何の問題もありませんが、 問題は執事のジョゼフです。あいつが貧救院の出だという ことはご存知ですか?あのような下賎な者に伯爵家は 任せられません。」 「身分が低いという理由で変えろとおっしゃるのですか?」 「それだけではありません。ジョゼフは15年前、10歳の時に 貧救院から小姓としてもらわれてきたのです。小姓の意味が わかりますか?私の姉は12年前にロセッティ家に嫁いで まもなく発狂しました。妊娠中も何度も流産しかかってようやく 男の子を出産しましたが、難産の末、姉は他界しました。」 「それはお気の毒に。」 「姉はロセッティ伯爵に殺されたんです。ロセッティ伯爵は 新婚初夜からジョゼフを寝室に引き入れて姉に耐え難い 屈辱を味あわせたのです。姉は心の病を理由に屋敷に 幽閉され、失意の中で憎い男の子供を出産したのです。 ガブリエルは天使のような風貌とは似ても似つかない 悪魔のような呪われた子なのです。」 (続く) 黒執事(6)価格:590円(税込、送料別)
2010年07月24日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「ガブリエル様は11歳だとか。爵位は継げますが、 後見人が必要なお歳です。コンスタブル卿が後見人に 名乗り出ておられます。お会いになりますか?」 「女王の憂いを晴らすのが僕の仕事だ。この事件を 解決するのに協力者は一人でも多いほうがいいだろう。」 「では、お会いになられるのですね。」 「当然だ。」 「葬儀の後、教会の一室に席を設けてあります。コンスタブル 卿から坊ちゃんにお知らせしたい事があるそうです。」 「ロセッティ伯爵は叩けば埃が出る男だと聞いている。 告げ口したいほどロセッティ伯爵を恨んでいたということか?」 「コンスタブル卿の姉のロセッティ伯爵夫人はご子息を産んで すぐに亡くなったと聞きます。死人の多い家系は必ず裏で 何かあると考えたほうがいいでしょう。ロセッティ伯爵が 本当に腹上死だったのか、それとも殺害されたのか、調べて いけば、いずれ分かることです。女王の番犬と呼ばれる 坊ちゃんに接触したがる人物は犯人ではないでしょう。 どのみち爵位継承者はガブリエル様お一人しか今のところは いらっしゃいませんので、遺産目当てによる暗殺はないと 考えられます。隠し子でもいれば別ですが・・・」 「男色家の変態に隠し子なんているはずないだろう。 それよりも問題は貧救院だ。ロセッティ伯爵は先代から 引き継いだ貧救院で悪行の限りをつくしていたそうだ。本来、 貧しい者を救うべき場所で貧しい者を虐待し、骨の髄まで 搾り取るような卑劣な行為をしていたらしい。慈善事業家の ふりをして、ロセッティ伯爵は相当儲けていたそうじゃないか。 貧救院を調べるのが女王陛下からの今回の依頼だ。貧救院 の経営は伯爵の死後、誰が引き継ぐ?ガブリエルか?」 「いえ、執事のジョゼフです。ガブリエル様はまだ子供です から経営能力には欠けていますので。」 「ジョゼフとは誰だ?」 「あのガブリエル様の後ろで涙を流している使用人です。 参列者のほとんどが嘘泣きだというのに、よほど主人に 思い入れがあるのでしょうか。それとも演技で涙が流せる タイプなのでしょうか。ジョゼフは勤勉で頭も良く、執事として 仕えるだけでなく伯爵の秘書の仕事もしていたとか。 貧救院とは深く関わっている人物です。」 (続く) 【送料無料】やさしいピアノ・ソロ&弾き語り 黒執事価格:1,680円(税込、送料込)
2010年07月23日
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10万HIT記念小説です。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 幸せってなんだろう? 求めても永遠に手に入れられないものなのかな。 雨が地面に浸み込むように僕の流す涙も地面に 吸い込まれていく。 悲しみも憎しみも今ではもう無意味でしかない。 僕は幸せになりたかっただけなんだ。 すべてを手に入れることができたなら、 僕でも幸せになれるのだろうか・・・ 神父様の祈りと共に僕を愛してくれた人の棺が土に 埋葬される。 雨がしとしと降る中で伯爵家にふさわしい盛大な葬儀が とり行われた。 カラーンカラーンカラーンカラーン---------- 肉親との別れを祝福するかのように教会の鐘は鳴り続けた。 「あれがロセッティ伯爵のご子息ガブリエル様でございます。」 セバスチャンがシエルに耳打ちした。 「父親が死んだというのに涙一つ流さないとは気丈だな。」 「さようでございますね。」 「表向きは病死という事になっているが、本当のところは どうなんだ?」 「腹上死です。警察にはメイドとの情交中に心筋梗塞の発作 が起こり、死に至ったと内密に届出が出されております。」 「心臓が弱かったのか?」 「さあ。それは分かりませんが、警察に届け出た翌日、 メイドが後追い自殺しております。」 「怪しいな。」 「しかも、ロセッティ伯爵はその道ではかなり有名な男色家 だったとの噂です。」 「ますます怪しいな。」 (続く) TVアニメーション黒執事black record価格:1,890円(税込、送料別)
2010年07月22日
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BLの苦手な方は読まないでください。 R18です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m セックス依存症は僕のほうかもしれない。そんな事をシエル はベッドに裸で横たわったまま考えた。 「またリチャード様の事を考えているのですか?」 当たらずともはずれとも言えない事を聞かれて、シエルは ドキッとした。 「リチャード様はパブロフの犬なのです。私が炎の中から 助け出した夜に餌を与えてしまったので、恋してしまわれた のです。しかし、リチャード様が最も欲するのは私ではなく チョコレートです。チョコレートを与えてくれる人なら誰でも 良いんです。あの時、坊ちゃんをすぐに追いかけなかった のは、リチャード様に明日、ガートランドに帰るよう説得して いたからです。」 セバスチャンはシエルの髪を優しく撫でた。そして、 「私は坊ちゃん以外の人間には興味がありません。この 数日間、嫉妬に狂う坊ちゃんの目はとても素敵でした。」 「わざとか。」 シエルはセバスチャンがやきもちを焼かせて楽しんでいた 事を知って呆れて怒ってしまった。 「怒った顔も素敵ですよ。坊ちゃん。」 セバスチャンがシエルに口づけした。セバスチャンの瞳が 笑っている。すべては意地悪な悪魔の悪戯だったのだ。 セバスチャンの指がシエルの身体を弄る。唇が舌がシエル を快楽へと誘う。セバスチャンがシエルを満たしていく。 悪魔との夜は長い、シエルは再び幾度となく絶頂を迎えた。 (完) あとがき ホワイトデーには甘いスイーツも良いですが、 甘い悪魔の囁きも貴腐人には味わっていただきたく 耽美の世界をご用意いたしました。 お嬢様、美味しく召し上がっていただけましたでしょうか? この作品はらいちお嬢様に奉げます。 すべてはセバスチャンのドSプレイだったというオチです。 放置プレイの後は燃えますからね。 嫉妬に狂うシエルは書いていて楽しかったです。 素敵なキリリクをありがとうございました。
2010年03月14日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「坊ちゃん。坊ちゃん。」 甘く囁く声がしてシエルは目を覚ました。真っ暗な中で1本だけ 灯した蝋燭を片手にセバスチャンがベッドの横に立っていた。 「可哀相に泣き疲れて寝てしまったのですね。」 「誰のせいだと思っている?」 シエルがセバスチャンを睨んだ。 「リチャード様のせいですか?」 セバスチャンはわざと蝋燭をサイドテーブルに置きながら そう言った。 「おまえのせいだ。」 シエルがセバスチャンを叩こうとしたが、セバスチャンは その手を掴み、シエルをベッドに押し倒して口づけをした。 舌と舌が絡みつく。両手を頭の上で重ね合わせた手首を 片手で押さえつけられて、シエルは口の中を犯された。蠢く 舌にシエルは身体の力が抜けていった。セバスチャンは 口づけを交わしながら、シエルの服を脱がしていった。耳 たぶを軽く噛まれてシエルは呻いた。形の良い耳をなぞる ように舌を這わせて耳の穴に舌を差し入れる。中まで 舐められてシエルは声をあげてしまった。 「あ、ああ~」 「坊ちゃんは耳が好きですね。」 シエルは急に考えたようにセバスチャンを見た。 「リチャードは?リチャードにも僕と同じ事をしたのか?」 「気になるのですか?答えはノーです。」 「どうだかな。」 シエルはふてくされたように空中を見つめた。時が一瞬、 二人の間で張りつめたように沈黙が漂った。すると、 セバスチャンはシエルの瞳を手で覆い、こう言った。 「坊ちゃん、目を閉じて、私を身体で感じて。」 悪魔の囁きは呪文のようにシエルの脳を犯した。シエルは 目を閉じて、セバスチャンの愛撫を全身で感じた。身体を 這い回る舌はシエルを快楽の渦に陥れ、欲望がシエルを 襲う。セバスチャンを体内に受け入れてもシエルはまだ目を 開けなかった。悪魔に身を捧げる儀式のようにセバスチャン に抱かれて歓喜の声をあげていた。やがて絶頂に達しても シエルはまだ目を開けなかった。セバスチャンが自分の中 にいる喜びを感じていた。セバスチャンは体内に留まった まま、シエルの眼帯の紐をほどいた。 「坊ちゃん、この身体は坊ちゃんだけのもの。坊ちゃんに 尽くす為に存在するのです。さあ、目を開けて、私を見て。」 セバスチャンの赤い瞳が暗闇で光っていた。シエルは 美しいと思った。妖しく美しい悪魔の瞳に見つめられて、 シエルは至福の時を感じた。悪魔との契りは淫靡で甘い 麻薬のようだった。見つめ合ったまま互いに快楽の絶頂を 迎えた。果てた後、セバスチャンはシエルの瞳の契約の印 に接吻した。 (続く)
2010年03月14日
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BLの苦手な方は読まないでください。 R18です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 太陽が沈み空を赤く染める頃、シエルは信じられない光景 を見た。庭の噴水にリチャードとセバスチャンが戯れている 姿が映っていた。水面に映る影は楽しそうに寄り添い、昼間 作ったチョコレートを二人っきりでいちゃいちゃと食べていた のだった。あ~んと大きな口を開けてリチャードがチョコレート をせがむ度にセバスチャンはまるで雛鳥に餌を与えるかの ようにチョコレートを一粒ずつ指で摘まんで食べさせていた。 満足げにチョコレートを食べた後、リチャードはセバスチャン に抱きついた。 「好きだ。セバスチャン。」 潤んだ瞳でリチャードが告白した。 「出会った日からずっとセバスチャンのことが好きだった。」 「斧で首を切り落とした日からですか?」 「意地悪。僕を炎の中から救ってくれた日からだよ。」 「あれは坊ちゃんの命令でしたので・・・」 「そんなの、関係ないよ。」 「私はあくまで坊ちゃんの執事ですから。」 「僕と契約して。」 「正気ですか?」 「お願い。」 「困りましたね。」 セバスチャンはリチャードを自分から引き剥がした。その拍子 にチョコレートの入っていた籠が地面に落ちて、様々な形の チョコレートが地面に転がり出た。セバスチャンはクスっと 笑って、その中からきのこの形をしたチョコレートを手に取る と、こう言った。 「あなたが私に魅かれているのは知っていました。こんな ふしだらな形のチョコレートまで作って、厨房でペロペロと 舐めて見せたりして、いけない子だ。リチャード様はセックス をしたいという欲望と恋とをはき違えているのです。そんな 悪い子にはお仕置きが必要ですね。お尻を出しなさい。」 リチャードはセバスチャンの変貌ぶりに少し驚いたようだった が、おずおずとメイド服のスカートをまくってお尻を差し出した。 ズロースを下げると、リチャードの桃のような可愛らしい お尻が現れた。セバスチャンはそのお尻にきのこの形の チョコレートを一つ押し込んだ。 「あん。」 リチャードは噴水の脇に手を着きよがり声をあげて喜んだ。 「セバスチャン!何をしている!」 物陰から見ていたシエルが怒って飛び出した。しかし、 セバスチャンは 「やっと出てきましたね。坊ちゃんがいつ出てくるかと待って いたのですよ。」 と言った。セバスチャンはシエルが見ている事を知っていた のだ。シエルはカァッとなって逃げ出した。だが、セバスチャン は追いかけて来なかった。シエルは独りで部屋に閉じこもり 涙を流した。傲慢で何もかも見透かしたようなセバスチャン が許せなかった。泣き続けているうちにシエルは泣きながら 寝てしまった。 (続く)
2010年03月13日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m リチャードがファントムハイヴの屋敷に来て幾日か過ぎた頃 「リチャード様、一緒にチョコレートを作りませんか?」 セバスチャンがリチャードを誘った。 「わーい。チョコレート大好き。」 リチャードは今日もご機嫌だった。リチャードは屋敷に来た 翌日からすぐ使用人たちと打ち解けて仲良くなった。特に セバスチャンとは仲が良過ぎるくらいだ。リチャードは朝から 晩までセバスチャンにはりついている。また、セバスチャンの ほうもまんざらでもないような顔をして、あれこれと手伝わせ ている。他の使用人には絶対に手伝わせないお菓子作りも 最近では二人で仲良く作るようになった。シエルはセバス チャンの作るお菓子が大好きだったが、リチャードと一緒に 作ったものはあまり食べる気がしなかった。もちろん不味い というわけではない。不味ければ即、厨房に入る事を禁じる のだが、あいにくとリチャードの作るお菓子は美味しかった。 お菓子だけではない。料理もとても13歳とは思えないほど 上手だった。趣味はお菓子作りと料理と言っていただけは ある。リチャードはセバスチャンの教え方が上手だからすぐに レシピを覚えられたと言うが、厨房という密室で二人でいつも 何をしているのかと思うとシエルは気が気ではなかった。 せめてバルドでもいてくれたら良いのだが、バルドは何故か 二人が厨房に入ると必ず、庭でフィニと話していたり、屋敷 の中をフラフラと歩いているのだった。 セバスチャンがさりげなくリチャードの腰に手をまわした。 ただエスコートするために軽く腰に手を当てただけだったが、 シエルは凝視した。厨房に入るのに何故エスコートする 必要があるんだ。もっと離れて歩け。シエルは心の中で 悪態をついた。だが、やきもちを焼いていると思われるのが 嫌で口に出して言わなかった。シエルはリチャードの無邪気 に笑う姿を黙って見ていた。 (続く)
2010年03月11日
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女装の苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 翌朝、メイリンの悲鳴が聞こえてシエルは目を覚ました。 「何事だ。」 シエルが質問するとメイリンは 「おらのメイド服が盗まれましただ。」 と答えた。シエルは嫌な予感がして、セバスチャンに 「リチャードはどこにいる?」 と聞くと、 「リチャード様でしたら、まだお休みになられているはず ですが・・・おや、庭に誰かいますね。」 と、セバスチャンは目を細めて言った。庭にはメイド服を着た リチャードがいた。リチャードはまるで長年この屋敷に住んで いるメイドのように竹ぼうきで庭を掃いていた。 セバスチャンはリチャードの傍に駆け寄って 「リチャード様、なんという格好をなさっているのですか。」 と聞くと、リチャードは悪びれもせずにこう言った。 「僕はこの格好が一番落ち着くんだ。それに今日から ファントムハイヴ家にやっかいになるのだから掃除くらいは させてもらうよ。」 「だからと言って、メイドの真似など・・・」 セバスチャンが呆れて、ため息をついていると、 「おい。おい。新入りかい?」 何も知らないバルドがやって来た。 「ねえ君、女の子みたいに見えるけど本当に男の子なの?」 フィニも興味津々で寄って来た。 「その服おらよりも似合ってるだでリチャード様にあげるだよ。」 メイリンが言った。3人に取り囲まれてリチャードは少し 嬉しそうだった。 「まあ、働きたいと言うのなら、仕方ないですね。そのほうが 気も紛れるでしょうし・・・いかがなさいますか?坊ちゃん。」 「好きにさせてやれ。」 シエルはフッと笑って屋敷の中に入って行った。 (続く)
2010年03月09日
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私のブログの7万アクセスのキリ番を踏まれました らいちお嬢様からのリクエスト 「セバスが誘惑される現場を見たシエルは悶々とするけど セバスの技(R)により無事解決」です。 『鳥籠』のもう一つのラストとしてリチャードを救っていたら と考えて小説にしてみました。 カテゴリーまたはフリーページから『鳥籠』を読んで 『鳥籠 アナザーストーリー』をお読みください。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「リチャード!!」 炎は瞬く間に燃え広がり、屋敷を焼き尽くした。 「セバスチャン。命令だ。リチャードを助けろ。」 シエルは叫んだ。 「イエス・マイロード。」 セバスチャンは燃え盛る炎の中からリチャードを救い出した。 シエルは自ら死を選んだリチャードを哀れに思って、 ファントムハイヴの屋敷に住まわせることにした。 その夜、リチャードはベッドの中で目を覚ました。 「お目覚めですか?リチャード様。」 セバスチャンが微笑む。 「ここは・・・」 心配そうにリチャードは聞いた。 「ファントムハイヴ邸です。坊ちゃんのご意向により今日から あなた様のお世話をする事になりました。警察には知らせ ない事に致しましたので、ご心配には及びません。どうぞ ごゆっくりなさってくださいませ。」 「そうだ。心配無用。女王の命を遂行するのが僕の仕事だ。 警察とは何の関係もない。女王の命とは行方不明の リチャード・ガートランドを救出し、家督を奪おうとした ワーウィック・ガートランドの悪事を暴く事。全ては君を鳥籠 に閉じ込めたワーウィックの陰謀として女王には報告して おくから、安心しろ。」 「でも、僕は・・・」 シエルの言葉にもリチャードはまだうかない顔をしていた。 「チョコレートですか?」 セバスチャンがリチャードに呆れたといった顔で聞いた。 リチャードはこくりと黙って頷いた。 「チョコレートの成分を調べてみましたところ、阿片は入って いませんでした。よく考えてみたら、たばことして吸う阿片を チョコレートに混ぜたら食べられるものではありません。 チョコレートの中に入っていたものは医師により処方される 精神安定剤と媚薬でした。パブロフの犬をご存知ですか? 毎日決まった時間にベルを鳴らしてから餌を与えるとベルを 鳴らしただけで涎をたらすという話です。リチャード様は パブロフの犬だったのです。チョコレートを食べた後セックス をしていたから、時間になると薬が欲しくてたまらなくなる という状態に陥っていたのです。リチャード様はお母様を 殺した罪悪感から逃れる為に何もかも忘れられるほどの 気持ちの良いセックスに溺れていただけなのです。」 「知らなかった。叔父様はドラッグが入っていると言って いたから・・・」 「ドラッグ=麻薬ではなくて、ただの薬だったのですよ。」 セバスチャンは微笑んだ。 「チョコレートをお持ちしました。ただし、媚薬は入って いませんが、これを食べてぐっすりとお休みなさいませ。」 セバスチャンは銀のトレイからチョコレートをつまんで、 リチャードに一つ食べさせた。唇にチョコレートが触れた時、 リチャードの恍惚と開いた口が美味しそうにチョコレートを 飲み込んだのをシエルは見逃さなかった。 安心したように眠ったリチャードを見て、セバスチャンは シエルにこう言った。 「リチャード様をお預かりするのはガートランドのお屋敷を 建て直すまでですよ。」 「分かっている。事件の報告をして、爵位をリチャードに 継がせる手はずが済んだら、ガートランドへ帰ってもらう。」 「では、そのように。」 セバスチャンはシエルにお辞儀をした。 (続く)
2010年03月08日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「あぶないところでしたね。もう少しでばれてしまうかと ひやひやしましたよ。坊ちゃんが感じやすいから。」 セバスチャンはバルコニーでシエルを後ろから抱きしめた。 「誰のせいだと思って・・・あっ。」 シエルは首筋にキスをされてビクッと感じた。 「ドルイット子爵とどちらが気持ち良いですか?あんな 手の甲にキスされたくらいで感じるなんて、はしたない。 坊ちゃんは誰にでも反応する体をお持ちなんですね。 そんな悪い子にはお仕置きが必要ですね。」 セバスチャンはそういうと一気に尻尾を引き抜いた。尻尾の 先には直径2センチの真珠玉が5個連なってついていた。 「あ、あ。」 シエルは急に体内に入っていたものを抜かれて、声を出 してしまった。直径3センチの穴からは外気にさらされて ひくついている蕾が見える。 「坊ちゃん、たった1、2時間入れていただけなのに真珠が 濡れていますよ。本当にいやらしい体ですね。」 セバスチャンはふさふさのしっぽでシエルの頬を撫でた。 そして、スカートの穴から指を差し入れた。すでに緩んで いるそこは指2本をなんなく受け入れた。 「あ、あ~」 「シー。坊ちゃん、声が大きいです。会場の皆様に聞こえて しまいますよ。」 セバスチャンがシエルの口をふさいだ。そして、 「声を出さないように、これでもくわえていなさい。」 しっぽをシエルの口にくわえさせた。さっきまで体の中に 入っていた真珠を猿轡のように口にあてがわれて、シエルは 混乱したように呻いた。指は更に激しく加速する。シエルは バルコニーに両手をついて必死に耐えた。やがてシエルが 絶頂に達すると、今度は代わりにセバスチャンがスカートの 穴の中に入ってきた。 「この衣装だと脱がさなくてもできるから便利ですね。」 セバスチャンはそう言うと、腰を動かし始めた。指とは違い穴 いっぱいに挿入されたものは布を破りそうな勢いだった。 シエルが再び絶頂に達するとセバスチャンもシエルの中に 放った。 「坊ちゃん、よく声を我慢できましたね。」 と言うとセバスチャンはシエルの口から真珠を外して、 スカートの穴の中に差し込んだ。 「しっぽをつけていないと可愛いお尻が見えてしまいます からね。」 「あっ、もう、いやだ。あ。」 セバスチャンはふさふさのしっぽをつけ終わると、跪いて シエルの手をとり、手の甲にキスをした。 「坊ちゃん、私とダンスを踊っていただけますか?」 「こんな状態で踊れるわけがないだろ。」 「踊れますよ。こんなに星空が綺麗なのですから、夜空で ダンスをしながら帰りましょう。」 セバスチャンはシエルをお姫様抱っこすると、ひょいっと バルコニーから3階の屋根へと飛び移った。そして、まるで ダンスを踊るように軽やかに屋根から屋根へと飛び移り、 夜空の空中散歩を楽しんだ。屋根の上でのデートにシエル は笑ってこう言った。 「まるで猫になった気分だ。」 「坊ちゃんは誰よりも美しい猫でございます。」 セバスチャンは笑顔で戯言を囁いた。 (完)
2010年01月08日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 新年会のパーティーは華やかだった。ド派手な仮面をつけた 男女が花のように色鮮やかな衣装を身にまとい踊っていた。 皆、シャンパンに酔い、上機嫌だった。そんな中で一人だけ 仮面をつけていない人物がいた。それはシエルだった。 シエルは仮面の代わりに猫耳をつけていた。ふわふわの 白い猫耳はカチューシャでありながら、まるで本物の猫の耳 のように可愛らしかった。純白のドレスからは白いフサフサ の尻尾が生えていた。いや、正確にいうと尻尾はドレスに ついているのではなく、直径3センチほどの穴がスカートに あけられていて、その穴の中から生えていた。外からでは 分からないが、下着にも直径3センチの穴があけられている。 「坊ちゃん、素敵ですよ。」 セバスチャンが甘い囁きと共に耳に息を吹きかけ、尻尾を 優しく撫でた。軽く触れられただけで呻きそうになるのを シエルは堪えた。 その時だった。ドルイット子爵がシエルに近付いて来た。 「ようこそ。可憐な駒鳥。僕の主催するパーティーに君が来て くれるなんて嬉しいよ。君にもう一度会えるなんて奇跡だ。 僕は奇跡に感謝するよ。」 ドルイット子爵は跪いてシエルの手の甲にキスをした。 シエルはキスされてビクッとした。そして、恥じ入るように 目を伏せて俯いた。 「どうしたんだい?顔色が悪いよ。」 ドルイット子爵は様子がおかしい事に気付き心配した。 「お嬢様は少しシャンパンに酔ってしまわれたようです。 外の空気を吸えばじきに治るでしょう。失礼いたします。」 セバスチャンはそそくさとシエルをバルコニーへ連れ出した。 (続く)
2010年01月07日
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6万HIT記念小説は5万HITに受けたリクエスト小説です。 MARISSAお嬢様からのリクエスト 「猫耳カチューシャのシエル」の小説を書きました。 今回はミステリーではありません。 短編なのに前編中編後編に分けてUPします。 後編はR18指定です。 BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「なんでこんなことになってしまったんだろう・・・」 シエルはため息をついた。 「坊ちゃん、とっても良くお似合いですよ。」 セバスチャンが耳元でそっとささやいた。 あれは昨日の夜の出来事だった。 シエルがいつものように一人でチェスをしていると、 「坊ちゃん、お相手いたしましょうか?」 と、セバスチャンが珍しく言ってきた。シエルはどういう風の 吹き回しだろうと思ったが、セバスチャンの申し出を受け入れ てチェスをした。シエルは一回目のゲームに勝った。しかし 二回目のゲームは負けてしまった。もう一回とセバスチャン に挑んだが、 「もう寝る時間です。やめておきましょう。」 と、言われた。でも、シエルは勝つまで止めたくなかった。 「もう一勝負しろ。子供はゲームに貪欲なんだ。」 「坊ちゃん、では賭けをしましょう。私が勝ったら、坊ちゃんは 私の思いのままに。私が負けたら、坊ちゃんのどんな我侭でも なんなりとお申し付けください。」 「よし、いいだろう。」 「私は貪欲な坊ちゃんが好きです。プレイは一回のみ。 真剣勝負でお願いします。」 「望むところだ。」 ・・・だが、結果は惨敗だった。 がっくりしているシエルにセバスチャンはこう言った。 「ドルイット子爵からの招待状が届いております。新年会の 仮装パーティーに出席していただきます。ただし、普通の仮装 では面白くありませんから、私好みのコスプレを坊ちゃんには していただきます。これをつけてください。」 シエルはセバスチャンの差し出した衣装と小道具に顔が 真っ青になった。 (続く)
2010年01月07日
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BLの苦手な方は読まないでください。 18禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 翌朝、シエルたちは古城の住人たちに別れを告げて旅立っ た。エドワードは相変わらず、モジモジとノルマンの後ろに 隠れていたが、馬車が出発する前に 「さようなら。」 と、笑顔で手を振った。その天使のような穢れのない笑顔 は無垢そのもので、憑依されていた時の記憶もなければ、 兄のように慕っているノルマンと父親の関係も知らないのだ とシエルは思った。スチュアート男爵が魔法陣を悪戯だと 決めつけているにもかかわらず、警察に届けなかったのは 我が子が描いている姿を見たのかもしれない。おそらく、 ノルマンも母親が死んだショックでエドワードがおかしくなっ たと思っていたのだろう。事実は誰も知らないままに次の 満月の夜を迎えるだろう。皆の安堵する顔が目に浮かぶ。 シエルは馬車の中からエドワードとジェームスに心の中で さよならを言った。 「坊ちゃん、せっかくお友達ができたのに残念でしたね。」 セバスチャンがニヤッと笑って言った。 「何の話だ?」 シエルが睨んだ。 「エドワード様とジェームス様は同じ顔をしていても性格は 正反対でしたね。純粋で内気なエドワード様と聡明で勝気な ジェームス様。まるで私と出会う前の坊ちゃんと現在の 坊ちゃんみたいです。」 「過去の話はするな。」 「照れてらっしゃるんですか?」 「なんでそうなるんだ?」 「坊ちゃん。」 向かい側に座っていたセバスチャンが隣に移動してきた。 「そういえば、昨晩は忙しくて、してなかったですね。 坊ちゃんは寂しがり屋さんですから毎日しないとお寂しい んじゃありませんか?」 「なっ、なわけない、あっ。」 セバスチャンがシエルの服の中に手を滑り込ませた。 「よ、よせ。」 「馬車は今、森の中です。誰にも見られませんよ。」 セバスチャンはシエルのボタンを外していった。椅子に押し 倒して覆いかぶさるように手足を押さえつけた。シエルは 身動きが取れなくて 「放せ。」 と言ったが、セバスチャンの唇に遮られて、何も言えなく なった。やがて、全ての衣服を脱がされたシエルは体中を 弄るセバスチャンの手に翻弄された。 「あっ。」 敏感な先端を指で弄られてシエルは声をあげてしまった。 セバスチャンは更に舌先でチロチロと舐め始めた。 「あっ、ああ~」 指が2本シエルの中に入って来る。 「坊ちゃん、指と舌とどちらが気持ち良いですか?」 先端を舐められたまま、体の奥の最も感じる部分を指で 弄られてシエルは大きく仰け反った。 「もっと気持ち良くしてさしあげますよ。」 セバスチャンがシエルに入ってきた。 「ああああ~」 足を肩に抱え上げられて、深く繋がると、シエルは嬌声を あげてセバスチャンにしがみついた。セバスチャンはシエル を抱きしめるとグイッと持ち上げて座位の格好をさせた。 「坊ちゃん、自分で動いてみてください。」 「嫌だ。」 「嫌なら、抜きますよ。」 セバスチャンはそう言って、本当に抜いてしまった。 「やぁ~。」 シエルは急に抜かれて泣きそうになった。 「坊ちゃんのご命令とあれば、また抱いて差し上げても よろしいですよ。」 「意地悪するな。僕を抱け。命令だ。」 「御意。」 セバスチャンはシエルをひょいっと膝の上に乗せて後ろから 抱きしめた。激しく何度も突かれてシエルは絶頂を迎えた。 セバスチャンはぐったりしたシエルの耳元で囁いた。 「お屋敷に着くまでまだまだ時間があります。たっぷりと 可愛がって差し上げますよ。坊ちゃん。」 屋敷に着くまでの道のりはおよそ7時間。 幾度となく果てても続く行為に命令するんじゃなかったと シエルは後悔した。 (完) あとがき ほのぼのとした終わり方にしてみました。 今回は延びに延びてしまい、最初10話完結の予定で 書き始めたのに14話になり、更に15話に延びました。 ホラーミステリーを書いてみようかなと思ったのは10月 でした。パソコンで書き始めたのは11月からです。 一応、私は耽美派のつもりなのですが、魔女狩りを参考 までに調べているうちにSMが書きたくなり、本格的な 20禁を書いてしまいました。11話でのプレイが苦手な お嬢様の為に15話はノーマルなプレイにしました。 でも、馬車の中でシエルに意地悪してしまいました。 ドSな私をお許しください。m(_ _)m
2009年12月26日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「もう一度言います。貴女は自縛霊なのです。死んだ場所 から離れられないと思い込んでいるだけで、貴女は何処に でも行けます。そもそも呪術の力で人間は魔女や守り神に はなれないんです。さあ、私の言葉を信じて、湖から一歩 踏み出してみてください。」 セバスチャンは手を差し伸べた。彼女は決意したように セバスチャンの手を取り、歩みだした。湖から岸辺へと容易 に移動できた。セバスチャンはにっこり微笑んでこう言った。 「ジェームス様の棺にご案内いたします。」 セバスチャンが案内したのは魔女狩りの拷問道具が置いて ある部屋だった。3体の鉄の処女のうち聖母マリアを模した 顔のふたを開けた。その人形型の鉄の処女は頭部に長い針 がびっしりとついているが、胴体部分には針がなかった。 子供用の小さな棺は胴体部分にすっぽりと収まっていた。 セバスチャンは鉄の処女の中から棺を取り出すとこう言った。 「月の魔女の指輪をこの棺の鍵穴に差し込んでください。」 ジェームスが指輪を棺に差し込み、180度回すとカチッと 音がして棺が開いた。棺の中には手枷足枷をした少年が 100年前の姿のまま眠っていた。100年経っていたら白骨化 しているはずなのに、少年は生きたまま眠っているかのよう だった。少年は御伽噺のお姫様のように雪のような白い肌 と薔薇の花びらのような赤い唇をしていた。 「やっと見つけた。僕の体。」 ジェームスはそうつぶやくように言うと幽体離脱をするように エドワードの体から離れて自分の体へと入っていった。すると 棺の中のジェームスが目を開けた。 「お母様、僕は100年もの長い間、この棺に閉じ込められて いても、お父様を恨んだことなど一度もありません。全ては 僕を助ける為にしたことですから。お母様もそれは同じはず、 一緒にお父様の所へ参りましょう。」 「おお、ジェームス。」 二人は抱き合った。ジェームスの母が体を抱き上げ、棺から 出すと、ジェームスの体はサラサラと舞い散る灰になった。 半透明の幽体となったジェームスは母に抱きかかえられた まま幼子のように笑った。やがて、美しい光が二人を包み 天国へと導いていった。 「ありがとう。シエル。」 「ありがとう。望みを叶えてくれて。礼を言います。」 二人は口々に御礼を言って光の中へ消えて行った。 「坊ちゃん、この指輪はどうなさいますか?」 セバスチャンが棺の鍵穴から月の魔女を取り出して 聞いてきた。 「湖に返そう。」 シエルは指輪を受け取ると、窓を開けて、湖に投げ捨てた。 月の魔女は湖に沈んでいった。 「棺も後で湖に沈めてくれ。」 シエルは母親の血で描かれた魔法陣の棺を指差して言った。 「イエス・マイ・ロード。では、エドワード様をベッドへお連れ してから、そう致します。」 セバスチャンは気を失って倒れているエドワードを抱き かかえて微笑んだ。 (続く)
2009年12月23日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「何故、知っている?」 「悪魔で執事ですから。血塗られた古城の歴史を調べて参り ました。そして、棺のありかも・・・」 「何だって?僕の棺が何処に隠されているか知っているのか?」 「やはり、ご自分の帰るべき体を見失っていたのですね。」 セバスチャンはため息をついた。ジェームスの母親は静かに 語り出した。 「あれは1年前の満月の夜でした。湖に月の魔女の指輪を した女性が身を投げたのです。私は月の魔女の力を借りて ジェームスの魂を呼び起こしました。湖の岸辺に魔法陣を 書いたのですが、翌朝、城の者に見つかり、消されてしまい ました。それで、ジェームスは眠っていた場所が分からなく なってしまったのです。ジェームスが母親を亡くして悲しみ に暮れているエドワードにとり憑くのは容易でしたが、霊力 が弱いため完全に体を乗っ取れるのは満月の夜だけでした。 しかも、肝心の指輪は何処かへ隠されてしまい、月の魔女 の力を借りる事もできず、ただ、毎月、魔法陣を描き、湖 から出る事のできない私と二人で祈りを奉げていました。 いつの日か天国へ行ける日が来るのをずっと祈っていたの です。あの時、私が禁忌を犯さなければこのような目に遭わ されなかったであろうに・・・。」 「お母様、100年前に僕が死んだのがいけなかったのです。 病弱な僕をお許しください。」 「ジェームス。全ては母が悪いのです。浅はかな母を許して おくれ。」 二人は泣き出した。セバスチャンは二人に言った。 「城へ戻りましょう。」 「あなた方だけでお行きなさい。私は湖から出られないのです。」 「死体が湖の底に沈んでいるからですか?100年前、貴女は 月の魔女の指輪を用いて禁断の黒魔術を行った咎で、この 湖で処刑された。満月の夜、指輪と魔法陣と生贄と復活の 呪文さえあれば、死体を一時的に蘇らせることができます。 ですが、その死体は魔法陣の中でしか生きられない。一歩 でも外に出ると灰になってしまいます。貴女は100年前、 城の床に大きな魔法陣を描いて病死した我が子を生き返ら せた。最初は一目会ったら魔法陣を消して灰にするつもり だった。でも、愛する我が子をどうしても灰にできなかった。 何日も魔法陣から出ないように鎖で繋いで生かせておいた。 領民は貴女を魔女と思い込み、暴動を起こした。城の主は 禁忌を犯した罪で貴女を処刑し、貴女の死体を湖に投げ込み 贄として捧げた。そして、貴女の血で魔法陣を描いた棺に 息子を閉じ込め、暴徒から我が子を守ったのです。城の主は 棺を隠した後、城に押し寄せた領民たちによって殺されて しまいました。領民たちは何の罪もない領主を殺すことで 17世紀に魔女狩りにあった復讐を遂げたのです。」 (続く)
2009年12月22日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m 「あいつら、いつもここであんなことをして遊んでいるんだ。」 エドワードが地下道の小窓から覗き見ているシエルに言った。 「湖で君に会わせたい人がいるんだ。行こう。」 エドワードはシエルの手首を掴んで、グイグイと引っ張った。 地下道を走るとすぐに湖に出た。真夜中の湖は静かだった。 満月が美しく夜空に浮かんでいた。エドワードはシエルから もらった指輪を満月に掲げて、こう言った。 「月の魔女よ。我が願いを叶えたまえ。」 すると湖がさざめき湖の中から白いドレスの女が姿を現した。 「お母様!」 エドワードは湖から現れた女性の傍へ駆け寄った。 「我が愛しき天使よ。そこにいる人間は何者です?」 「贄でございます。今宵の為に連れて参りました。」 エドワードはシエルを指差した。だが、彼女は 「その者は汚れておる。贄にはならない。不浄の者は贄に はできないのです。」 と言った。 「君が不浄だったなんて残念だよ。」 エドワードはがっかりしたようにシエルに言った。シエルは 言いがかりのような侮辱に唖然とした。 「代わりの贄が必要です。この体を湖に捧げましょう。」 「では、そうしましょう。」 母親はにっこりと微笑んだ。エドワードが湖に入ろうとした時 「お待ちなさい!」 セバスチャンが突然現れて、エドワードの腕を掴んで引き 止めた。 「人を殺した者は天国へは行けませんよ。」 「手を放しなさい。悪魔め。」 「ほう、私の正体が見えるんですか?でも、自縛霊にそんな 言い方されたくありませんね。」 「お母様は自縛霊なんかじゃない。この湖の守り神なんだよ。」 「守り神?笑わせないでください。誰が決めたんですか?」 「月の魔女にお父様がお願いしたんだ。」 「お願いね。あなたはその指輪が何でも願いを叶えてくれる と本気で思っているのですか?答えはノーです。月の魔女 は単なる呪術の道具に過ぎません。あなたも本当はうすうす 気付いていたはずです。ジェームス様。」 (続く)
2009年12月20日
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BLの苦手な方は読まないでください。 SMの苦手な方も読まないでください。 20禁です。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m シエルは驚きのあまり声も出なかった。とっさにその場から 逃げようとしたが、エドワードに手首をしっかりと捕まえられ てしまった。 「待って。今のは冗談だよ。」 「手を放せ!」 「君に見せたいものがあるんだ。僕の部屋の隠し扉から湖に 通じる地下道への階段がある。一緒に行こう。面白いものを 見せてあげるよ。」 「い、いやだ。」 「遠慮するなよ。君はノルマンに会いたいんだろ?彼は今、 地下牢にいるよ。」 「えっ?」 何故と聞く暇もなくシエルはエドワードに腕を引っ張られて 地下道へと続く階段を下りていた。階段を下りた先に小さな レンガ一個分の窓があった。そこから中を覗くとノルマンが 裸で縛られていた。ノルマンは地下牢の天井から後ろ手に 縛られて吊るされていた。シエルが思わず息を呑むと、 エドワードはシーっと人差し指を唇にあてた。 「黙って見ててごらん。面白いから。」 エドワードはクスクスと声を殺して笑っている。シエルは 異常な光景に眩暈を感じたが、壁の小窓から中をもう一度 よく見てみた。ノルマンは蝋燭を体中に垂らされていた。 そして、その蝋燭を垂らしているのはスチュアート男爵 だった。彼は欲望に捕らわれた目をして、赤い蝋燭の蝋を ノルマンの胸や腹に垂らしていた。熱くそりかえった下腹部 に蝋を垂らすとノルマンは悲鳴をあげた。ノルマンの尻には 太い蝋燭がすでに埋め込まれており、体を揺らす度に炎が 揺れていた。尻から滴り落ちる蝋が太ももを伝い赤く染めて いた。背中にはムチの痕がノルマンの白い肌を彩っていた。 「気持ち良いかい?舌を出しなさい。」 スチュアート男爵の命令にノルマンは従順だった。おずおず と舌を出すと、スチュアート男爵は蝋燭の蝋を垂らした。ポタ ポタと垂らされる蝋を舌で受けとめるノルマンは苦しそうだっ た。スチュアート男爵は更に蝋燭を顔に近づけて、炎が顔を かすめそうになる度に恐怖に怯えるノルマンにこう言った。 「蝋燭の炎で舌をあぶってやろうか?何秒耐えられるかな?」 「お許しください。そればかりはご勘弁を・・・」 ノルマンは恐怖のあまり失禁してしまった。 「仕方のない奴だな。」 スチュアート男爵はノルマンのロープをほどき床に転がした。 そして木桶に汲んであった水をザバーッとノルマンにかけた。 「旦那様、どうかお許しください。」 震えるノルマンの足を開かせて、尻にささっている蝋燭を抜き 取ると、スチュアート男爵はノルマンに自らを挿入した。 「ああああ~」 ノルマンは歓喜の声をあげた。先ほどまでと違ってノルマンは 恍惚とした表情を浮かべて自ら腰を動かしている。支配される 喜びを感じているかのようだった。 (続く)
2009年12月19日
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BLの苦手な方は読まないでください。 あくまで二次創作ですから苦情は受け付けません。 何卒お許しくださいませ。m(_ _)m その夜、シエルは真夜中近くになっても寝付けなかった。 あの魔法陣は幽霊の仕業ではなく、誰か人の手によって 描かれたのだろう。ノルマンは何か隠しているとシエルは 思った。ノルマンに聞けば何か手がかりがつかめるかもしれ ない。シエルは白い寝間着のまま部屋を出た。一人で古城 の廊下を歩いているとエドワードの部屋から物音がした。 部屋の扉の隙間からかすかに明かりが洩れている。まだ 起きていたのか。エドワードも今夜は寝付けないのかなと 思い、シエルはエドワードの部屋のドアを開けた。部屋の中 は薄暗かった。入口の横の壁の蝋燭が扉を灯していただけ だった。エドワードは部屋の奥のベッドに横になっていた。 「なんだ、寝ていたのか。」 と、つぶやいてシエルが帰ろうとした時、 「眠れないのかい?僕もだよ。」 とエドワードは言って、体を起こした。 「体の具合、大丈夫か?」 「気分はいいよ。君と少し話がしたいけど、いいかな?」 「いいよ。」 シエルはベッドの傍らに腰掛けた。 「月の魔女は我が家の家宝なんだ。返してくれるかな?」 「えっ?でも・・・」 「本来は僕が受け継ぐはずだったんだ。返してくれ。」 いつになく真剣な眼差しでエドワードに言われてシエルは 戸惑ったが、言われるままに指輪を返した。 「ありがとう。この指輪には魔力が秘められているんだ。 栄光と破滅のどちらかをもたらすというのは作り話だよ。 月の魔女は満月の夜に願いを一つ叶えてくれる不思議な 指輪なんだ。僕はお母様に会いたくて、何度も満月の夜に 願いを叶えてもらったよ。でも、本当の望みはまだ叶えて もらえていない。贄が小さいとダメなんだ。もっと大きな贄を 捧げないと月の魔女は僕の願いを叶えてくれない。今日 この日をどんなに待ち望んでいたことか。君に会えて良かっ た。御礼に良いものをあげるよ。」 エドワードは枕の下に隠していた猫の首を取り出した。 エドワードは血の滴る猫の首にそっとキスをして、悪魔にも 似た微笑を浮かべながら、シエルに差し出した。 (続く)
2009年12月14日
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