とうとうやってきた疲れをやり過ごしていた今日・・・
はす向かいのおうちに異変があると、ご近所の方が飛び込んでいらっしゃいました。
ＡＬＳという難病で闘病していた奥様がとうとうお亡くなりになられたのです。
ここに住み始めてすぐ、子供の年齢も近かったこともあり
ご実家も遠く、お母様をも早く亡くされたせいか、
わたしを姉のように慕ってくれ、おつきあいしておりました。
病気の発症のときも相談を受けて聞き役になって居りましたが、
近所の整骨院やら病院で埒のいかない処置をうけているのが心配で、
わたしの通っている大学病院の予約を強引にすぐとり、行ってもらい
難病ＡＬＳとの診断がついたといういきさつもあり、妹のように心配しました。
でも所詮他人の介入できることには限界があり、
彼女が声を失う前は、彼女の不満・希望など代弁を務めてきましたが
ことばを失ってからは、ご主人の意向ですべてが決まりました・・・
それでもお子さんが小さいときは、お夕飯やらを差し入れたりなどは
させていただけましたが、大きくなり塾通いが始まると、
もう近所のおばさんのしてあげられることはなくなりました。
夕方雨戸代わりのシャッターを閉めるときに
彼女の横たわるお部屋を見ながら、お月様やお星様に彼女の安息を祈ることが
わたしにできるすべてでした。
昨夜、大阪からわたしは戻りましたが、
その夜３時に彼女は息を引き取ったそうです。
身勝手な思い込みですが、待っててくれたんだなあと思いました。
彼女は奈良の人で確か、ご主人とは大阪で知合ったはず。
これでやっと彼女から聞いていた大阪のことがすこしわかるようになりました・・。
夕方、ご主人から会ってほしいとご連絡があり、御焼香にでかけました。
穏やかなお顔をされている彼女に久し振りであいました。
色白で美しい肌を持った美しい方でしたが、そのまま年もとらず眠っておいででした。
気管支切開をし、声を失い、チューブで栄養を取り込んでいましたので
やつれた感じはまったくなくて、お美しいままでした。
初めから彼女と彼女の御家族の面倒をみてらした家政婦さんもいらしてました。
彼女は昨年脳血栓で倒れて以来、介護にこられなくなっていたのだそうです。
最期までみてあげられなかったと泣いておられました。
私を見るなり、わたしの胸に飛び込んでこられ
抱き合った胸の中で、彼女との日々を思い起こし、けんかもしたけど
最期まで見届けて上がれらなかった・・と繰り返しつつ・・慟哭されてました。
もうお一方のヘルパーさんも肝炎がひどくなり、去られた方でした。
何人ものヘルパーさんがお体を壊したとも漏れ聞いています。
ＡＬＳは２４時間付き添いが必要です。
夜も寝ずの番をしてタンをとってあげないといけないのです。
もうことばと意志をあらわす手段を失ってからは
誰も彼女の苦痛を感じ取る事ができなくなっりましたが、
体が痛くて痛くて、四六時中、体の向きを変えてあげたり、
さすってあげなかればならなかったのです。
初めから、彼女に付き添ってくれていたその家政婦さんや数人の方は
これを覚えていて、彼女が何も伝えられなくなってもやってあげていたようです。
一生懸命命を燃やし続けた彼女は、ヘルパーさんや家政婦さんに恵まれ
頑張り続けました。
でも彼女ほど、この病気ほど、生きているのが辛い病気はないでしょう・・・
本当によく、辛抱して、生き抜いてくれました、奇跡です。
ご冥福をお祈りし、彼女が生きていてくれたから
わたしも頑張ってこれたのだと心から感謝いたします。
彼女の生き抜いた姿を心にとめます。
明日から、彼女のお部屋を見ながら祈らなくてよくなると思うととても寂しいです・・・
ＡＬＳを御存知ですか？
以前に書いたブログ
ですがあわせてお読みいただけると幸いです。
彼女が好きだったピエールドロンサールも咲きました。彼女に捧げます・・。
うえの美しいカードは、よだれ倶楽部のお仲間、
そしてわたしにとっては、懐かしいドイツでお暮らしになってる憬れの方、
ドイツのAkkocyan
が心をこめてお作り下さり、お寄せくださいました。
Akkocyan、ありがとう。
