時々鬱々日記

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アントニオ9935

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☆★時々鬱々日記★☆


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  どうぞ ごゆるりと
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2007.03.04
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カテゴリ: カテゴリ未分類
仁木英之”僕僕先生”を読んだ。

ひょんな縁で弟子となり、

人界を超えた旅を経て、別れ、そして再び出会う物語であった。

池田先生の訃報が我々にもたらされたひな祭りの日、
頼んでいた図書館から入荷の連絡を受け、

この2日間で読んだ。
レベルのまったく違う2人の、
しかし人間が根っこのところで好きだな、


それによる心のつながり、

そんなものを感じ、ラストでは不覚にもグッときてしまった。

池田先生の訃報が、そんな気持ちの呼び水だったりもする。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

41歳からの哲学
”考えることに手遅れはない”

そんな惹句に惹かれて、先生の本を借りてみたのは、

自分が41歳であったこと、がもちろん一番の理由だったが、
自分の人生について考えてないな、いいのかな、という

あせりというか、先でじっくり考えようという

いつものぐうたらがこの20年続いていて、


本当に自分の人生を生きているのか、という疑問が
自分の中にモヤモヤとあったことが理由だった

と今納得している。

読んだ後はもういけなかった。

止まらなかった。


小林秀雄も。

埴谷雄高も。

いままで読んですっと頭に入る、自分向けの本ばかり読んできたが、

いいのか?

と自問した。
高校時代に挫折した小林秀雄。
今も頭になかなか入らない。

コピーして、手帳に挟み込み、何度か通勤途上で読み返したりした。
会社のトイレで読んだりもする。

少しずつだが、言っていることが理解できてきた気がする。
そして驚いた。

少しの文章の中になんと凝縮された思いが、考えが、込められているのか。

さーっと読んでほとんど理解できないのも当たり前だ。
内容が濃すぎる。

そして、何度も読むこと、そして時には書き写すことで、
やっとこのファンタジー好きのふわふわアタマに少し理解がやってくる。

ありがたかった。
そしてこの出会いを導いてくれる池田先生に感謝した。

すばらしい人だ。
こんな人と同時代に生き、そしてその神託のような
厳しく、でもこれ以上ない直裁、なにものをも斟酌しない、

覚者ならではの剥き出しの真実をぶつけた言葉、

これを週刊新潮やサンデー毎日で毎週読めるすばらしさ、
作者である先生ご本人もすばらしいと言っていることがまた真実であり、
そして面白い、

そんなきびしおかしい文章を
いやあ、でもやっぱ自分はこれでいいのかなあ、
なんて思いながらぼんやりと読んでいた。

いけなかった。こんなにぼんやりしていては。

1000年先の人類に向けて、教育を、人類を憂え
文部大臣になる、とおっしゃっていた先生が、逝った。


死は、人類の誰も経験していないのだから、悲しいものかどうか
誰もわからない、
もちろんその過程で痛い、くるしいは当然あり、それはそれで
辛いものだ、と先生はおっしゃっていたように思う。

自分の理解はいまだこの程度だ。
しかし、今この瞬間は完全に自分自身のもの、過去も未来も
だらだら続いてゆく時間などない、と喝破され、

この瞬間生きている奇跡を考えよう、そう考えて(よく忘れるが)
過ごすことができるようになってきた、

これは100%先生の著作のお蔭である。

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先生はいわば、ソクラテスのような人、小林秀雄のような人だった、と
思う。
純粋に完全に、自らの死を考え、その瞬間に臨まれたのに違いない。

昨年はガン患者の著作に、自分自身で死と向き合える機会を
無くしているという意見を出されていた。

その発言と覚悟の深さを、浅薄なる僕は気づかず、いま呆けたように
感じるのみである。

愛犬をなくされ、その後愛犬の寿命を考え、大型犬を飼うなら
今しかないと2代目を飼われているはず。
勝手な推測だが、ご結婚されていたので、ご夫君が対応をされるのでは
ないだろうか。

初代愛犬を思いつぼにはまると涙がとまらん、とおっしゃる先生の心配は
そんなところにあるのだろうが、

勝手な推測だが、安心されているのではないだろうか。

先週金曜に亡くなり、発表が少しずれている、これにもなにか
意思をお持ちだったのだろうか。

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亡くなられた週には、

2001年哲学の旅
REMARK!

の2冊の本を借りて読んでいた。

まだまだ理解が、考えが足りない、と感じる。
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もう僕は先生の言葉を頂く機会はなくなった。
そう少し自分で考える力をつけて、

機会があれば講演会やサイン会に行きたいな

などとボケボケの気持ちを持っていたのがやはり甘かった。

先生は、ソクラテスや小林秀雄や、埴谷雄高の世界へと
戻っていかれた。

世界霊魂の一部により根源に近い形で戻って、

そして先哲と語らっているのだろうとも思う。

僕はその著作で述べられた考えを少しでも理解してゆき、

そして自分で考えてゆきたい、と思っている。

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年齢的には数年しか違わないが、

意識や覚醒度はまさに仙人と豆くらいの差がある。
しかし、自分で自分の人生を考えて生きて行きたいものだ、という思い、

それを理解したいという思いがあるとそれはいわば
弟子の末席ぐらいに置いてもらえるのではないか。

先生の死を知って2日、仙人に弟子入りする物語を読んで僕は、

あつかましくも今そんな風に考えている。

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自分をさらけ出していない、パソコン内での文章に
批判的だった先生の文章を読んで、

最近はすこしこの日記に書くこともちょっと

いいのか、という思いがあった。

しかし、面と向かって言えないようなことは書かない、

そんなルールを自分に課して行きながら、
進めていければ、と考えている。













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Last updated  2007.03.05 01:10:36
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