みちゆく読書・映画日記

みちゆく読書・映画日記

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2009.07.04
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カテゴリ: 小説


ママの名前はマコ。マコの娘はコマコ。「コマコ、逃げるわよ」というママの掛け声で、想像を絶する数奇な運命と物語が動き出す。
母を愛し、母にとらわれ続けるコマコの5歳から34歳までの物語。



桜庭一樹作品はとても好きだったのですが、これはがっかりしました。
ある意味桜庭作品らしいのですが、どこかで読んだことがあるような、今までの著者の作品をミックスしてクオリティを下げた印象を受けました。


母娘の逃亡生活、言葉が喋れない幼少期、スカートをはいた男の子、葬式婚礼、自殺、DV、殺人、同性との関係、ポルノスター……など、他にも過激な出来事や設定が多々出てくるけど、それら全てが理由づけはされず、物語にも響いてこない。
説明しないことで想像させようとしたのかもしれないけれど、色々な出来事が唐突に説明不足で起きるし、人はたくさん死ぬし、心理描写は足りないどころか同じ様な繰り返しばかりに思えた。
ほとんどが不必要な要素なんじゃないかと思ったほど。
退廃的で、排他的な愛と、生と性、混沌と混乱。著者自身も混乱しながら書いたのではないかと思うほど、後半はぐちゃぐちゃしていた。


一言でいえば「桜庭一樹≪っぽい≫」けれど、表面上の過激さだけを詰め込んでみた薄っぺらいダイジェストの様な作品。

もっと煮詰めてから発表してほしかったです。

自己評価★☆


ファミリーポートレイト
著者: 桜庭一樹
出版社: 講談社
サイズ: 単行本
ページ数: 517p
発行年月: 2008年11月





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Last updated  2009.07.04 12:31:05


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