「だって、私の誕生日っていうのは母がとても頑張ってくれた日でしょう。21年前のこの日に母親が痛い思いをして、一生懸命私をこの世に送り出してくれたんだなあって思ったら、花とハグのひとつも贈りたくなるでしょう。Don’t you agree?」
出会ったのが英語のクラスだったため、私たちの会話には時たま英語が挟まっていたりする。私はあわてて「Yes, I strongly agree…」と答えていたが、心底友の深慮に舌を巻く思いだった。そうだ、彼女はいつも直線的に思考して行動する私に、立ち止まってある物事をまったく別の視点から見る方法を教えてくれる女性だった。