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8月に入ると、アナベルが咲きだしました。秋の深まりと共に色が変わっていくのが愉しみな花ですね。今は真っ白だけど、ピンクへと変化していきます。紫陽花もだんだん枯れて来たけれど、まだこの花は変化しないで青のまま。いや、青というより藍色といった方がいいのでしょうか?赤紫だった紫陽花、深みを増していい色になってきました。咲いている花を眺めると、秋を感じます。秋は読書の季節~夏はあまり本を読まなかったですが、久しぶりに桜木紫乃さんの「家族じまい」を読みました。前は好きだった桜木節…今回は鼻についてしまいました。誰にも訪れる親の老化~老々介護も当たり前になってきた昨今、他人事でない「家族の在り方」を考えさせる作品でした。母親がボケてしまった~妹の電話で親の現実を突きつけられた長女の智子。夫との暮らしにモヤモヤしていた智子には、親は遠い存在だった。夫の啓介に母がボケたようだ、と報告すると一度行ってみよう~と言う。夫の提案に智子は躊躇いながらも、久しぶりの釧路へ行くことにした。それぞれ主人公が違う5章からなっている短編集のようでいて、読み終わると、なるほど…と納得してしまう不思議な作品でした。作者の桜木さん自身のお母様が認知症になって桜木さんの名前を忘れたのが切っ掛けになって、「墓じまいがあるなら家族じまいもあるのでは?」という編集者の言葉で生まれた作品だそうです。今、主人の90代の母親が施設にいるので、わがことのように読みました。やはり切ないですね~、親の老いと向き合うことは…。家族じまい (集英社文庫(日本)) [ 桜木 紫乃 ]
2023.08.21
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1992年7月、北海道釧路市内の小学校に通う少年が行方不明になった。という内容で始まるこの小説は、直木賞作家の桜木紫乃さんの作品。少年は、湿原の谷地眼(やちまなこ)に落ちたと思われ捜索したが、とうとう見つからなかった。17年後、弟を探したいと姉の比呂は刑事になった。両親は離婚し、助産婦をしていた母は独立して助産院を開いた。刑事として北海道警釧路方面本部刑事第一課に配属した比呂はある事件で弟の事件の担当だった片桐と組むことになった。湿原で青い眼の会社員の他殺死体が発見された。風貌は、日本人なのに眼だけが青かった。調べるうちに、その会社員は自分の目が青いことから自らのルーツを調べて探していたらしいことが解った。普段はカラーコンタクトで目を黒くして、ひたすら眼が青いことを隠していた被害者。直木賞作家唯一の長編ミステリーとありますが、樺太に住んでいた日本人がソ連軍の上陸で家や家族を失った当時の人々の数奇な運命が背景にあるので、読みごたえがありました。一人の女性が運命に翻弄されながらもたくましく生きた結果…、一人の会社員が殺されてしまった。もの悲しい結果ですが、時々読み直したくなるサスペンスでした。こちらの作品は、比呂の後輩大門真由が活躍するサスペンスです。2016年11月、柴咲コウさんが大門真由役でテレビドラマ化されています。【中古】 氷の轍 北海道警釧路方面本部刑事第一課・大門真由 小学館文庫/桜木紫乃(著者) 【中古】afb
2023.03.23
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