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3月19日(土)国内のSARS-Cov-2の新規感染者数は一進一退の状況。感染者数が急増した時は、棒グラフが崖のように立ち上がりましたが、減少に転じた後はなだらかな下降線です。第5波までは、所謂、正規分布のような曲線でしたが、今回は山の高さも形も相当異なる様相。 そのような中、日本政府は22日以降のまん延防止等重点措置の全面解除を正式決定した模様。飲食業、観光業など一切の制限を掛けず、本来の経済活動を正常化するとのことです。COVID-19に対する知見は蓄えられ、ワクチン接種が進んで、COVID-19も過度に恐れる必要のない疾病になったということなのでしょうか。しかしながら、マスク着用、手洗い、3密回避等の基本的な感染対策は未だ必須です。昨日の全国の新規感染者数は5万人前後。第5波までの最高値をゆうに超えているのですから、未だに要警戒は間違いないですな。お隣の韓国は1日40万人だって。 世界の2割を占めるそう。悪い処は真似しないように気を付けましょう。ところで現在、COVID-19以上の関心事はウクライナの状況。停戦合意は近いともされますが、ロシアの攻撃は軍人同士の戦闘に留まらず、一般の住居や学校、病院等、民間の重要インフラも、ロシア軍の砲撃を受けているようです。避難所までもが。 それに伴い、夫人や子供も含め一般人が攻撃の標的となり、多数の犠牲者が出ているとのこと。 映像を見ると声を失ってしまいます。 ロシア・プーチンの真の狙いは何なのでしょうか。抗うことができない自然災害による犠牲とは全く次元が異なる惨劇に、人の存在とは一体何なのか、何故歴史は繰り返されるのか、深く考えさせられます。今日の日記のお題は「チバニアン」を示す地層のこと。令和2年1月、今から約2年前に世界的に話題になった事柄に係るお話です。ところで、「チバニアン」とは特定の場所の名称ではなく、長~い地球の歴史の中のある時代を指し示す言葉だったのです。これ勘違いし易いポイント。 「チバニアン」とはラテン語で「千葉の時代」。地球の歴史は、繁栄していた生物や気候、また地球の磁場の様子などに基づいてざっくりと分けられています。恐竜が全盛期であったジュラ紀や白亜紀などは、嘗て図鑑などで見た覚えがあるのではないでしょうか。この名称は、国際学会によりそれぞれの時代の特徴的な地層が選ばれ、その地層が存在する地域に因んだ名前が付けられてきました。例えば、ジュラ紀はフランス・スイス国境のジュラ山脈。白亜紀は欧州の地層によく見られるチョーク、ラテン語ではCreta:クレタ、日本語で白亜とされるものに由来します。しかし、まだ名前が決まっていない時代も幾つかありました。その一つが約77万年前から12万9千年前の間(新生代第四紀更新世中期)。この当時は氷河期と間氷期が繰り返された時代。マンモスなどの大型ほ乳類が生息し、旧人のネアンデルタール人から現人類ホモ・サピエンスへと移行した時代。その地層年代の名称が「チバニアン」なのですよ。そしてその時代を最も良く表す地層(GSSP:国際境界模式層断面とポイント)がここ。親爺も少々誤解していました。千葉県市原市のある場所の地名だと思っておりましたよ。といいましても、「チバニアン」の名称の元となったこの場所は、世界でも僅か3か所しか発見されていない稀有な場所なのです。で、ここは何処かといいますと、千葉県市原市加茂地区田淵の養老川沿い。今年のディスカバー千葉の旅の途中でちょこっと立ち寄ったのです。因みに前回の日記の「とある渓谷」とは、近くにある養老渓谷でした。では、世界で3か所しか発見されていないこの地層の特徴とは何でしょうか。地球は大きな磁石のようなもので、現在は北極部がS極、南極部がN極ですね。そして「チバニアン」ではこの地磁気が逆転していた時代なのです。この証拠を確認できる地層が、養老川が浸食して現れたこの地の地層ということ。GSSPは世界で74か所、日本では初めての認定です。斜面上の一番左側の杭の並びに注目。上から緑色、黄色、赤色と杭が打たれていますが、赤色の杭の部分が地磁気逆転の証拠を残している鉄鉱石を含むところなのだそうです。赤色の杭と黄色の杭の間から右上に向かって白い筋が伸びています。これは約77万年前の御嶽山の噴火によって降った火山灰が積もったもの。従ってこれより下は約77万年より前の地層だということが分かります。緑色の杭の部分は現代と同じ地磁気の時代。黄色の杭の部分は赤色と緑色の移行期。 地磁気の方向が曖昧なのだそうです。因みに、この「チバニアン」が地磁気逆転の最後の時代だそうです。比較的最近豪雨の被害を受けているようで、現場は少々荒れていました。左端の階段部分は立ち入り禁止となっていて、肝心な部分を近くで観ることは不可能。少しばかり残念です。市原市が設置した「チバニアン」の解説の看板が複数ありましたが・・・。はっきり言いまして、一見さんが全体像を理解するのはちょっと難しいとの印象。現在は国の天然記念物に指定されています。近くの養老温泉のお宿に宿泊しましたが、玄関前に設置された池泉にはきれいな錦鯉が多数放たれていました。とても人慣れしていて、口をパクパクして挨拶してくれます。上から水が流れ込んでいるのですが、このように流れ込みに向かって頭を並べている一群も。鯉のぼりのようでとても可愛らしく・・・。「チバニアン」、予習無しで向かうと理解が困難ですが、地球の歴史の概略をざっと学術的に理解するには最適ポイントかも。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.03.19
3月4日(金)プーチン・ロシアによるウクライナ侵攻。日に日に犠牲者が増していく様相に、次第に怒りが沸々とこみ上げてきました。単なる推測に過ぎませんが、大方のロシア国民は果たして戦争を望んでいるのか、甚だ疑問を持たざるを得ません。本当にウクライナ東部でロシア系住民が迫害されてきたのか遥かに離れた日本において真偽のほどは分からないんのですが、恐らくはロシア政権によるでっち上げのデマ。 間違いないと。ウクライナの人々がロシア系国民を迫害する理由がない。何のためにするのか。国境を越えて自由に行き来していたようですし、結婚するカップルも多々いるとか。プーチン大統領の言い分がわけが分かりません。 理解不能です。まぁ、この話を信じる人はほとんどいません。 おかしなお話です。 ふざけるなです。国連を始めとする国際社会の対応を見れば、これは火を見るよりも明らかでしょ。このような自作自演のデマを元に隣国に攻め込み大量殺戮兵器で市民を虐殺する悪魔。このロシアと日本も国境を接していますし、領土問題も未解決のまま抱えています。根室市の納沙布岬から見える歯舞群島や、根室海峡越しに見える国後島の姿を思い出すにつけ、不気味な思いに駆られます。そのような意味でも、例え地政学的には遠いウクライナと言えども、彼の地で起きていることはとても他人事には思えないわけですな。香港やミャンマーで起きたことも悲惨ではありますが、自国内での争いとは異なる、全く次元の異なる紛争だと位置づけられます。現在、国連UNHCR協会、日本赤十字社、日本ユニセフ協会、楽天など、多くの団体が主催してウクライナ支援のための緊急募金を呼び掛けています。私も国連UNHCR協会を通じて些少ながら寄付をさせていただきました。国連UNHCR協会は国連の難民支援機関である 、UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)の活動を支える日本の公式支援窓口です。UNHCRは、かの緒方貞子さんが、日本初の国連難民高等弁務官を務められたことでも有名ですね。因みに国連UNHCR協会のウクライナ支援寄付のwebsiteのURLは下記の通り。https://www.japanforunhcr.org/campaign/ukraine日本国民のうち、1/10が10万円を寄付すれば総額は凡そ1兆円。1万円でも1千億円になります。 これだけあればどれだけウクライナ市民を支援できることか。経済封鎖でロシアの暴挙を止めることも大事ですが、現実に起きている人道問題に対し個人でもできることをする意思も、同じ地球市民の一員としてはとても大切なことではないかと思料します。ポーランドを始め西側諸国では、支援活動の輪がどんどん広がってきています。我々としては直接の支援はできませんが、支援する人を支援することも可能ですね。ロシアに対する経済制裁にしろ、寄付による間接的な支援にしろ、それはそれで物価の上昇やらお財布の中身が減るなどの痛みを伴うものですが・・・。ご当地の当人様たちの艱難辛苦は想像を絶するもの。少しでも被害に合っている方々の痛みを分かち合い支えることが肝要。このことによって見ず知らずの異国の方々とも、地球市民としての一体感を生むのではないのでしょうか。日記は千葉県のとある渓谷のセキレイ3種。日本で観察されるセキレイの仲間は6種ほど。そのうち、普通種とされるキセキレイ、ハクセキレイ、セグロセキレイですが、同一か所で観られたのは初めての経験。 なかなか興奮しましたよ。キセキレイは比較的山間部の水際に多く観られます。しかし東京都心の日比谷公園で見付けましたから、大まかな傾向と言えましょう。カメラに望遠レンズを装着していなかったので、ある程度距離があったので状態で鮮明な写真がとれなかったのは残念。希少種のツメナガセキレイやキガシラセキレイと比較的似ています。遠目での見分けは難しいのですが、両種とは脚の色が異なることで見分け可能です。キセキレイはピンク色ですが、ツメナガセキレイやキガシラセキレイは黒色なのです。お次はハクセキレイ。 日本においては勢力拡大中の最右翼。とにかく何処にでもいるのではないかと疑ってしまうほど良く観かけます。ひょっとすると、数を減らしつつあるスズメよりも多くなったのではと疑うほど。個体別に明確な縄張り意識があるようで、どちらかというと群れを成さないので目立たないかもしれませんが・・・。「チュチュン」とか「チ、チ、チ」という鳴き声を発し飛び交う野鳥はたいていハクセキレイ。本来は水辺との結び付きが強い種で、このような姿が似合うわけですが・・・。最近は水と無縁な場所でも良く観かけるような印象を持ちます。最後はセグロセキレイ。ハクセキレイとよく似た装いですが、お顔の周辺がより黒いですな。正確に言いますと、過眼線より下側が真っ黒。ハクセキレイはお眼々より下も白ですから分かりやすい。ハクセキレイとセグロセキレイの生息域は比較的被っていて、同時に観察する機会は従前から多いような印象を持っています。キセキレイとハクセキレイの分布は、ユーラシア大陸からその周辺と非常に広いのですが、セグロセキレイは日本の固有種といっても過言ではなく、そのような意味ではとても貴重な種です。ハクセキレイとは異なり海岸線まで進が出することはないよう。生息域は淡水の河川や湖沼周辺に限定されていまして、より適応力が高いハクセキレイの勢力拡大の勢いに押され個体数は減少傾向にあるそうです。ほぼ日本でしか観られませんから、日本を訪れる外国人バーダーにとっては、ヒヨドリなどと並んで人気の種とのことです。ところで、ロシアは日本の隣人であり、過去の経緯や領土問題は置いておいても結び付きは強い国。そのような国と国交をほぼ断絶せざるを得ない状況は、経済上も安全保障上も文化交流上も大きな痛手となりますし誠に残念な思いです。今回改めて痛感しましたが、ロシアの人々に関する感情とロシア国に対する感情は全く別物であり、これがまさに戦争、紛争にまつわる複雑な気持ちなのかと実感しています。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.03.04
2022年2月26日(土)少し前のお話になりますが、2月22日の日付は7つ並んだ数字のうち、5つが2。改めて書くと「2022/2/22」でしたね。 更に悪乗りして夜には22時22分22秒も。この数字の並びは何と800年振りなんだそうですよ。800年前は1222/2/22。 はるか前の鎌倉時代。既に源家の将軍は絶えて・・・。今大河ドラマで話題の第二代執権、北条義時の時代です。まさかまさか、脚本担当の三谷幸喜氏は、この洒落を密かに忍ばせているのではあるまいな、と思ってしまいます。それはさておき、誰が名付けたか分かりませんが、「スーパーニャンコの日」。「ニャーゼロニャーニャーニャーニャーニャー」となるのでしょうか。毎年2月22日は、猫ファンの間では「猫の日」とされているそうですが。今年は特別中の特別の猫の日だったということですな。200年後の今日は、2222/2/22。生きて迎えることは叶いませんがね。 「スーパーウルトラニャンコの日」となりましょうか。ところで、昨年の11月下旬以降ラニーニャ現象が発生していて、今冬の厳しい寒さは予想されていたものの、北海道や日本海側の各地の降雪はどうも常軌を逸しているようですな。もう2月の下旬でそろそろ春の兆しを感じたいところでありますが、未だに札幌市内でも連日1m以上の積雪を記録しているそうで、雪慣れしている北国の方々も、もううんざり、いい加減にしてくれというところ。一日に何回も雪かきをしても、全く追い付かないそうです。JRも航空機も臨時のお休み。 交通網もかなり寸断され暮らしへの影響が心配です。我々は10cmも積もれば大騒ぎとなりますからね。やはり雪国への移住なんぞ、全く考えられないところであります。今日の日記は、千葉県内某所の渚で見られた野鳥たちの姿です。今期の冬鳥シーズンは新年後、COVID-19が怖くてお家にお籠り生活が続いていました。昨年のうちにもっと行っておけばよかったと後悔しきりなのであります。このまま外に出ないと、眼は衰えるわ、元々ダメダメの写真の腕前は落ちるわの心配が・・・。更には、トホホの高齢者生活まっしぐらになってしまいますから、これではいかんと、勇気を奮って奥様と県内プチ旅行に行って参りました。昨年も今頃にディスカバー千葉と称してプチ旅行をしましたが。今年もCOVID-19が沈静化せず再び千葉県内をプチ旅行。これまで訪れていない場所を中心に訪ってきました。平たく言えば房総半島を巡ってきたのですが、某海岸まできてお宿入りに早すぎて、渚線で1時間ほど野鳥観察。居ても全くおかしくない鳥さんばかりでしたが、入れ替わり立ち替わり現れて、なかなか興味深い時間を過ごせました。まずはツグミさん。このような渚線でツグミの姿に気が付いたのは初めて。波とツグミ。 新鮮な組み合わせでした。並行して走る道路の反対側は草原が広がっていましたから、ここまでご飯を探しに出張って来ていても不思議ではないのですがね。ところで、ロシアが遂にウクライナに侵攻しましたね。「プーチン大統領、やはりやりやがったな」という感じですが・・・。歴史的な経緯に鑑みると、ウクライナとロシアとベラルーシは3兄弟のようなものですから、兄弟喧嘩の延長のようなものとも考えられますが・・・。例え兄弟とはいえ、今は世帯も家も別なわけですから、土足で上がり込み暴力で脅すとは如何なものかとウクライナの北方はベラルーシですが、過去の経緯は別にして、ルカシェンコ政権は現在親ロ体制をとっています。プーチン大統領の頭の中は、過去のソビエト連邦時代のロシアの復権を目指しているのかと疑われます。背景には、ウクライナ、ロシア両国の経済の衰退もちらちらと見られるようですな。さて、現在のロシア国旗は白、青、赤の三色旗ですが、白は高貴と率直の白ロシア人(ベラルーシ人)、青は名誉と純潔性の小ロシア人(ウクライナ人)、赤は愛と勇気の大ロシア人(民族ロシア人)を表しているとされています。そのようなところが符丁になるのでしょうか。つい最近までウクライナ国内ではウクライナ人もロシア人も平和に暮らしていたはず。仲良く共存する道は探れないのでしょうか。 既に民間人も含め多数の死傷者も出ている模様。これ以上の犠牲者が出ないこと、古都キエフが破壊されないことを祈るばかりです。ツグミさんだとばかり思っていましたら、あらあら、ムクドリさんに変身していました。ツグミとムクドリは何処でも似たような処にいますから不思議ではないところ。とはいうものの、波が寄せる波打ち際のムクドリの姿も新鮮。見慣れている人は違和感無いんだろうけど、この子たちが此処に居るってのは自分には新鮮。しかし、ゴミが多いなぁ。 タイヤが埋もれていますねぇ。で、ムクドリさんを追いかけているとイソシギさんも参上。イソシギはここで見かけるのは違和感無しです。ですが、ムクドリとのツーショットは親爺にとっては違和感有り有りです。シギの仲間は似た者同士がてんこ盛りですが、イソシギはその特徴を知っていれば一目瞭然なんですよ。脇腹の白い部分が背中方面まで切れ上がっているのが特徴。 これイソシギだけです。この子は海藻を掻き分けてご飯を探していました。シギの所作としては珍しいのでは。 まるでツグミの仲間のような動作です。 ツグミはもちろん、シロハラやアカハラが良くやっていますね。全くの推測となりますが、ご近所のツグミさんのやり様を真似しているのでは・・・。この姿、なかなか可愛いです。で、ツグミさんとムクドリさんとイソシギさんを追っていたら、今度はタヒバリに変身。いろいろ出てきますね。 マジックショーを見ているようです。タヒバリさんはビンズイくんとそっくりですが。見慣れてくると何となく区別がついてくるもので。後は生息域。 波打ち際に来るのはタヒバリかと。海辺の松林だとビンズイ。 あとはタヒバリの方がやや茶色味が強いか。いずれにせよ外見のパッと見では見分けは難しいですね。言い忘れましたが、タヒバリさんを波打ち際で見たのは過去数度。 否、3回目でした。北海道根室の春国岱でも波打ち際にいましたよ。そして、千葉県の飯岡漁港でも波飛沫が掛かるブロックの上で見ていました。波打ち際ではないのですが、海の側では霧多布岬でも見かけました。ということは、比較的海と親和性が高いと考えても問題なしでしょうね。タヒバリくんを見ていたら、今度はイソヒヨドリくんに変身。海辺だからイソヒヨドリはいて当たり前。 これは違和感ゼロですね。イソヒヨドリは最近、都市部やら内陸部で良く見かけるそうですが、少なくとも日本では、海岸線で見る方が自然に感じるところ。イソヒヨドリは世界では、ユーラシア大陸、アフリカ大陸などに広く分布。ヒマラヤなどでは、2000m~4000mの高山の岩石地帯が主たる生息地。嘗ての日本では、海岸線の磯で主に見られたとのことですが、これには何か理由があったのでしょうね。 おそらく。日本では海岸線の方が容易にご飯を得られるとか、海岸線の方が天敵が少ないとか、繁殖に適した岩礁地帯が多いとか。勝手な推測しかできませんが、こんな妄想を巡らせるのも楽しいことです。気が付いたら、イソヒヨドリはツグミに変身していました。イソヒヨドリという名前が付いていますが、ヒヨドリ科の仲間ではなく、ヒタキ科の仲間でむしろツグミの方が近い。というのが最後の落ち。その他にはハクセキレイもチョンチョン歩いていましたが、海岸では定番すぎてあえて省略。 別の場所でセキレイ3兄弟を発見しましたからそちらで。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.02.26
2月11日(金)現在、北京冬季オリンピックが開催中。米中の対立、台湾海峡問題など、日本に直接影響を及ぼす国際問題を抱えたまま。その上、ロシアがウクライナへの進攻をうかがうもきな臭い国際情勢。おまけに北朝鮮は日本海に向けてミサイルを撃ちまくって始末。オリンピックは平和の祭典といわれ、その理念は政治とは無縁のはず。少なくともオリンピック開催期間中は大きな騒ぎにならないことを祈りましょう。さて、オリンピックの中継番組を見ていて、北京市内の風景が一瞬映ったのですが・・・。場所は景山公園と故宮博物館のどちらをも臨む処。今から30年ほど前に、仕事で北京を訪れたことがありまして、一瞬懐かしい思い出に浸りました。オフタイムには故宮博物館や万里の長城、明の十三陵を見学。そして、人民大会堂(全国人民代表会議の議場)での晩餐会にもお招きいただきました。ホテルは日本のニューオータニ系の長富宮飯店。今思えば、国賓級の御一行様の端っこに運よく加えていただいたというところです。当時の北京はまさにこれから近代化に向かう準備段階。民主化を求めた天安門事件から数年後のことです。片や日本はバブル経済が弾けたとはいえ、まだ高度成長時代の残滓が色濃く残り、イケイケであった時代です。当時若造の自分がこのような形で北京を訪問できたのも、我が国が世界第二位の経済規模を維持していて、国力が盛んであったおかげと思います。さて、天安門広場を貫く長安街は片道5車線の大通りですが、自動車より自転車やオートバイの数が圧倒的に多いことに驚いたものです。また、何よりも人民大会堂や天安門等、市内の主要な建造物のスケールがばかでかいと感じられました。たかだか30年程度の時間が流れただけですが、中国の発展と大国化には目を見張るといいますか、本当に隔世の感を覚えますね。何故なんでしょう2008年の夏季オリンピック当時は全く感じなかったのですが・・・。今回は突然懐かしい郷愁のようなものが込み上げてきました。歳を重ねてしまったということなのでしょうか。それとも余りにも中国が変わってしまったからなのでしょうか。今日の日記はアクアマリンふくしまの続き。お魚水槽にスポットを当てます。下は人気のチンアナゴ。 ガーデンイールです。水槽の中に人が立っているよう。アクアマリンふくしまの大水槽の特徴です。大水槽の上部を外側からも観ることができるのです。逆に外にいる人を中から透けて見ることができるのですよ。上の方に固まって見えるものはマイワシの群泳です。多くの水族館で人気のアカエイ。 ニコチャンマークのようなお顔でキュートです。ところで、今回のオリンピックは疑惑の判定やら続出していますね。スキージャンプの男女混合団体戦のスーツ規定違反や、スケートショートトラック、スノーボードの失格等々、なんでやねん!という声が多いこと。開催国が中国、そのようなことを連想させてしまうのですが、現在の世界情勢も反映されているような気がするのは考え過ぎでしょうか。身近なところでは米中の争いに象徴されるナショナリズムの台頭。イギリスのEC脱退(Brexit)も象徴的な出来事。 中国による香港への対応もそう。そして現在は、ロシアのウクライナへの進攻も窺われる状況。要するにローカルの利益を最大化する行為(利己)が堂々と主張される雰囲気。半年前の東京オリンピックでは感じられなかったことです。そうはいっても、ほとんどの競技では公正で透明なルールとフェアな精神のもとに進行していますから、新たな感動が産まれていますね。 人の限界を追求する、これには心が動きます。カツオの小さな群れ。不詳の生物。マトウダイ。 体の側面に的のような模様があるから。正面から見ると思いっきり薄っぺらいです。ヌマガレイ。ヒレの模様がおしゃれですね。ところで「左ヒラメの右カレイ」という言葉をお聞きになったことがあるでしょうか。ヒラメもカレイも平ぺったい体。 一見よく似ていますが、眼の向きがちょっと異なります。ヒラメの眼は左向き。 カレイの眼は右向き。 でもヌマガレイは少し例外。日本のヌマガレイはほとんどが左向き。 つまりほとんどが奇形なのだそうです。お名前に「ヌマ」とあるように汽水域や淡水にも生息可能。否、むしろ淡水に生息する時間の方が長いのかもしれませんな。キハダマグロとカツオのシンクロ。昨日の朝から夜にかけて、関東地方では降雪時間が続きました。幸い、我が家の周辺では夕方まで雨で、2~3cm程度の積雪で済みました。早朝に道路の雪を退かしましたが、それでも水分を大量に含んだ雪でやたら重かったですね。明後日から明々後日にかけて再び降雪の予報が出ています。積雪に慣れていないだけに、あまり酷い状況にならないことを祈っています。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.02.11
2月3日(木)今日は節分。 明日からは暦の上で冬を抜け出しますが、まだまだ気温が低く寒い日が続くようです。週末には一段と強烈な寒波が押し寄せてくるすから、皆様方におかれましても、くれぐれも御自愛なされますように。さて、日本全国のSARS-Cov-2の一日あたりの新規感染者数が、早晩10万人を超えようとしています。 昨日時点ではイタリアを超えていましたし、スペインやイギリスと肩を並べかけるほどの勢い。 こんな日が来るとは想像も付かず。そのような中、新たにみなし陽性者という新たな概念が出てきましたね。何だろうと思い調べてみると・・・。「感染者の濃厚接触者となった同居家族に発熱などの症状がある場合、検査をせずに医師の判断で感染者とみなすことができる仕組み」、なのだそうです。急激な患者数の増加により先月末あたりから、検査キットや試薬までもが品不足との状況であったそうですから、検査無しでも認定するという、このような措置も致し方無しなのでしょうか。類似の症状を示すインフルエンザが全く流行っていないこともありますし。どうも、発熱症状を訴える患者さんのほとんどがSARS-Cov-2の感染者だそうで。このような現状に鑑みると、なるほどと思われるのであります。一部の方々には、オミクロン株は重症化しにくいから心配無用、との緩い認識も芽生え始めているようですが、感染拡大は社会活動の制限に繋がっています。何はともあれ、未だピークアウトの兆しは明確ではありません。これだけ感染者数が爆発すると、検査も診療もパンクするのは自明の理。個々人ができることとして、まだしばらくは、感染しない、濃厚接触者にならない、ということに最大限気を配るに尽きるのでしょうね。そのようなことから、新年明けてからはほとんど家に籠りっぱなし。従って気になる処はおろか、家の周りの様子も余り分かっていない状態です。ロシアのウクライナ進攻問題も気がかりなところ。ウクライナは遥かに遠い国ですが、日本にとってもエネルギーなど経済に与える影響は大。また、中国・台湾問題にも波及しかねず、その動向、帰趨には心配が増すばかりです。今日の日記は「アクアマリンふくしま」のことですが、昨年末に見学したことの焼き直し。 出歩いていないので悪しからず・・・。2011年、あの東日本大震災の津波で、全館停電により多くのお魚が死滅するなど、壊滅的な大打撃を被ったのですが、僅か4か月後には再開するといった、驚異的な復興力を見せたのですよ。この前年の4月、いわき市を訪れ震災前の「アクアマリンふくしま」を見学しましたから、久し振りの訪問となり大変懐かしい思いを抱きながら展示を見て回りました。「アクアマリンふくしま」の目玉である大水槽は健在でしたし、大水槽の表層を泳ぎ回るマイワシの大群も、依然と変わらず真近で見られました。マイワシといえば、マサバとマアジ。こちらはこじんまりとした水槽でゆったりと泳いでいました。 コノシロ(コハダ)も一緒。そんなこんなを見学しながら通路を進むと・・・。クチバシが赤い見慣れない鳥がいました。 これエトピリカじゃないと少し興奮。今では日本国内ではほとんど見られなくなった幻の鳥。かつて、北海道では霧多布岬などで多数が繁殖していたということですが。今でも千島列島では普通に繁殖しているそうですから絶滅したものではないようです。残念ながら日本近海の環境変化によるものなのでしょう。エトピリカ村の片岡村長さんのお話では、冬に越冬しに来るカモ類など、その他の海鳥の姿も激減しているとのこと。温暖化の影響なのでしょうか。 残念なことです。こちらは同じ水槽にいたウミガラス。 なかなか可愛いお顔です。エトピリカよりは姿を見る機会は多いようですが、やはり日本ではほとんど繁殖しなくなってしまったそうです。エトピリカもウミガラスも冬羽です。夏羽のエトピリカはもっと派手ないでたちで、まるで歌舞伎役者のようなのだとか。写真で見ると確かに言い得て妙です。眼瞼輪かアイリングか分かりませんが虹彩の周りは赤く縁どられ、目の後方上部から白黄色の長い飾り羽がでます。 くちばしもより鮮やかなオレンジ色となり黄色い模様も目立ちます。冬羽の子の姿とは全く異なる種のようですよ。なかなか愛嬌のあるお顔。横から見るとクチバシは大きく見えますが、実はとても薄くて平たい形状なのですね。ツノメドリという種も似たような風貌ですがここにはいませんでした。この水槽非常に水深があったのですがその理由はすぐに分かりました。エトピリカもウミガラスも潜るのが大の得意。翼を羽ばたき、水中を飛ぶように泳いでいました。普段から水中に潜って小魚を捕らえ食しているのですね。盛んに潜ってその姿を見せてくれました。一番きれいに写った写真。さて北海道を中心に冬に渡ってくる海鳥には、ウミ○○という野鳥が多いのですよ。この子はウミガラスですが、ウミスズメ、ウミオウムとかも。その他、ケイマフリやウトウも同じ仲間。 みんな海に潜るのが得意です。翼以外は何処となくペンギンさんみたい。 空飛ぶペンギンなんてね。ウミスズメは、折り合い良ければ銚子や飯岡といった千葉県の漁港でも見られます。可愛くて人気あります。この子たちを観ていたら、また北海道に行きたくなってきました。真冬の北海道を訪問する勇気は今のところありませんが・・・。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.02.03
1月22日(土)年明けから数字を伸ばし続けるCOVID-19の新規患者数。さすがに前週同曜日に対する倍率は鈍化してきましたが、過去最高値を更新する都道府県の数が日を追う毎に増えてきています。前回の日記では、「裾野を引かぬ崖」としましたが、実はこれが裾野だったのかと、数週間後には思うことにならないか心配です。さて、13都府県でまん延防止等重点措置が発動。先に発動していた3県と合わせ、これで16都府県となってしました。もう直に大阪府等近畿圏にも適用されると思っていましたら、13道府県が追加され日本全国に亘って益々経済活動が制限されることに。またもや飲食店関係の方々にご負担を強いることになりますが、今回はそれにも増して、幼年層への感染が目立ちますから教育への影響も心配ですな。我が家も孫娘二人のことが心配になりますな。もちろんワクチン接種をしていませんから、感染の心配もさることながら・・・。授業はリモート授業などで代替できるとしても、友人や先生とのふれあいを通した対人関係の積み重ねなど、人格の形成に必須の貴重な経験を積むことができないとなると、老婆心ながら、これは将来まずいことにならないかと余計な心配をしてしまいます。政府の新型コロナウイルス感染症対策分科会の尾身会長は、19日に、今回の感染防止のポイントは人流抑制では人数制限だとお話になりました。ステイホームは意味がない、渋谷の交差点では感染はしない、とのことですが、目的もなく渋谷の交差点を歩く人はいないわけで、問題の場はその先にあるのでしょう。人流が増えれば、必ず密になる人数制限は難しくなる、そのように思われますが如何。一方、人流を抑制すれば経済活動は抑制されるわけで、これはこれで困った問題。感染抑制と経済活動の両立。2年経った今でもその最適解が見出せないという、何とも人の科学の幼稚さが、嫌というほど思い知らされるCOVID-19との闘いです。人の科学の幼稚さといえば、トンガの海底火山噴火も同様ですな。様々な点において事前に想定できていなかったことのオンパレード。数日経っても被害状況すら良く分からないとのこと。親日国家トンガ王国の皆様の安否が気遣われるところです。それにしても、ダイナミックな地球の営みの前にはやはり人は無力なものですな。それなのに、何でもコントロールできると大きな思い違いをしている。少々強い表現をすれば、人はもっと謙虚であるべき、ということなのでしょうね。日記は千葉県は東庄町の夏目の堰。初めて奥様連れ。 そのせいか少々お天気はグヅツキ気味でした。 夏目の堰は千葉県ではコハクチョウ、オオハクチョウの最大の越冬地。毎年1,000羽を大きく超えるハクチョウたちがここを塒として冬を過ごします。ハクチョウ以外にも、多くのカモたちも過ごしますから水面は超密になります。これだけ多くの野鳥の姿を見ることができる場所は、関東地方では他にはないのでは。何しろ野球場一面に毛が生えた程度の溜池に、ハクチョウ1,000羽以上に、夥しい数のカモ類がひきめしあっているのです。鳥口密度では宮城県の伊豆沼を凌駕しているかも、と思わせます。これだけ密度が高いと、何か疫病が流行ると全滅かと心配になります。例えば鳥インフルエンザとか。ところで、トンガのこれまでのSARS-Cov-2の感染者は累計で僅か1名とのこと。人口は10万足らずで我が市より少ないとはいえ、世界有数の観光地でもあります。にもかかわらず1名のみ。 これは驚異的な防疫能力といえましょう。南太平洋諸国では、嘗ての欧米諸国による植民地化時代に苦い思いをしています。伝染病が持ち込まれ、免疫のない現地住民にあっという間に感染が広がったのです。例えばトンガのお隣のフィジーでは、1875年に人口の約40%が麻疹によって死亡したそうですよ。そのような歴史があって、トンガの人々も公衆衛生への思いが強いのだそうです。ところが今回の海底火山噴火の災害救援では、これが障害になっているとのことです。近隣のニュージーランドやオーストラリアから、救援物資が届き始めています。 日本の自衛隊も飲料水などを届ける予定。 しかし受け渡しには最新の注意が払われています。いうなれば置配。 航空機で輸送の場合は飛行場に降ろして早々に帰国。このような感じですから輸送に時間と手間がかかっているとか。話は元に戻して夏目の堰のハクチョウたちのこと。ハクチョウは朝方はご飯を食べるために次々と飛び立っていきます。ガンの仲間とは異なり、家族や一族単位で移動していきます。そのうち一羽だけ体が小さい個体を発見。 シジュウカラガンです。一昨年訪れた際にもいました。 同じ子でしょう。ずっとコハクチョウの一家と暮らしているんでしょうな。どこでどう間違えたかわかりませんが、お互いに家族だと認識しているのですね。コハクチョウの中にシジュウカラガンが一羽だけですから、推測するにはこの子が孵化した直後、産院で親を取り違えてしまったということでしょう。間違えられたコハクチョウの夫婦も、ずっと我が子として育てたものかと思われます。鳥類は最初に見た大きな物体を親と認識するといいますからね。コハクチョウの若とも仲良し。 北の大地に戻った時はどんな感じか見てみたいもの。ところでハクチョウたちは、次々と何処へ飛んでいくのでしょうか。夏目の堰は塒ですから、夜が明けるとお食事場所へと移動するのですよ。実はこの地の東方は、海の近くまで広大な穀倉地帯。 「干潟八万石」と呼ばれています。嘗ては利根川から流れ出た土砂が砂嘴を形成し、浜名湖やサロマ湖のような椿の海と呼ばれる内海を形作っていたのですよ。それを江戸時代より埋め立てて、穀倉地帯へと生まれ変わらせたのです。「干潟八万石」まで行きますと、此処其処にハクチョウたちが飛び交っていて、伊豆沼周辺の田圃を思い出します。突然カモたちが飛び立ったのですが、多くのトモエガモが混じっていました。小さな夏目の堰ですが、中央まではネット裏から2塁ぐらいまではありますからね。小さなカモたちの種別を判別するのは至難の業なのです。いつも目を皿のようにして観ていますが、トモエガモは簡単には見つからない。何しろぐちゃっといますから、マガモやオナガガモが目立ってしまってとても分かり難いのですよ。トモエガモは小柄ですし。 飛び立った瞬間はよく分かりますね。上の写真では中央の子。 ♂です。 下の写真では複数確認できます。クチバシの根元に白い班があるのは、トモエガモの♀。一杯いたのね。 ぷかぷか浮いている時は全く分かりませんでした。小さいうえに臆病なので近くに来てくれないのです。白いマガモも発見。 アルビノなのでしょう。手前は普通のマガモの♂と♀ですが、明らかに佇まいが異なります。この白いマガモ。 ♀ちゃんかなと思います。ところで、カモたちは凡そですが日中はこの堰で過ごします。お食事タイムは夜中のようなんですね。 体が小さい分警戒心もMAXなのでしょうか。大柄なハクチョウたちとは行動パターンが逆なのです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.01.22
1月13日(木)一週間前にも増して、SARS-Cov-2の新規感染者数は凄まじい勢いで増え続けておりますな。感染者数のグラフを見ますと、昨夏の第5波でも険しい山型を描いていますが、今回の感染の波は、裾野を引かぬいきなりの立ち上がりで崖のようであります。新規感染者数は年明けの僅か2週間で、第5波のピークのほぼ半分に当たる13,000強に達しておりますから数字の上でも脅威。幸いなことに、オミクロン株は欧米の先例通り、集中治療室での治療や人工呼吸器が必要な重症者の数はまだ少数の模様。昨日時点での東京都では全てで4人ばかり。全国では125人、新規重症者は20人ほどだそうです。東京都は不自然なほど少なく見えますが、東京都基準と国基準にずれがあって、まぁマジックのようなもの。都基準での重症者は、人工呼吸器やECMOの管理が必要な患者のみが対象。 つまり重度の肺炎患者のみです。一方国基準では、ICUに入っている患者も含みます。即ち、COVID-19の重症患者は、何も肺炎症状ばかりではないという見解ですな。東京都を国基準で見直すと重症者数は150人前後。この数字を用いても、重症患者用の病床使用率は3割程度。医療資源が逼迫した第5波とは比べ物にならないほど余裕があるように思えますね。それにしても、この勢いで新規患者数が増えていけば、あっという間に過去の最高値を超え爆発してしまうことが懸念されます。例え重症化率が低くても、分母の新規患者数が爆発すれば、重症者の絶対数も爆発し、いずれ医療資源が足りなくなることでしょう。医療を受けられずに自宅療養での死者が相次いだ、昨夏の悪夢が蘇るようです。 政府も地方自治体も、状況を見極め最善を尽くされているのでしょうが、感染拡大のスピードについていけるよう、なお一層迅速な対応が求められますな。ところで、北海道から日本海側を襲っている記録的な豪雪。昨年12月から断続的に降り続いているので、とても心配なところ。これだけ降ると除雪しても除雪しても間に合わないよう。雪を退かす場所の確保も大変ですね。 雪下ろしも苦労大。暴風雪、ホワイトアウトも心配。 移動にはお気をつけください。日記は船橋三番瀬の4回目。 最終回です。浜は潮が満ちてきたので東側の堤防に移動します。まずはダイゼン。 満ちてきた潮によってできた水溜まりを散歩していました。ぐるっと一周、全身を見せてくれました。本当にただのお散歩でした。左脚に識別用の標識を付けています。恐らく、年中この三番瀬にいるか近くの谷津干潟で暮らしている子だと思われます。同じ水溜まりにはハマシギもいます。普通は群れで生活していますが、この子はダイゼンと同様単独行動です。群れで行動するのは、イワシなどの小魚と同様に天敵対策なのでしょうが、中には天邪鬼な性格の子もいるようで、単独行動が好きな子もいるのでしょうね。人の中にも群れたがる人、そうでない人といろいろいますからね。因みに、私はできれば群れないでいるほうが気楽で心が休まります。堤防の先端方向に移動すると、至近にハジロカイツブリを発見。この子も単独行動。 人慣れしています。 盛んに潜って獲物を探していました。海水の透明度が高く、堤防の上から見てもどの辺りを潜っているのかよく分かります。残念ながら写真にはなりませんでした。そのうちカニを咥えて上がってきました。かなり大きなカニで食べるのに大層苦労をしていましたよ。正面から見ると赤い虹彩が不思議な雰囲気。 なかなかのドヤ顔です。東の堤防から直角に伸びる堤防は人は立ち入り禁止。そのため潮が満ちてきますと、多くのシギ・チドリやカモメやカワウが羽を休めます。体の大きさによって場所を分けているようです。右側がシギ・チドリ。 ダイゼン、ハマシギ、シロチドリなどが混在しています。ミヤコドリの群れの中にはカモメの姿もちらほら。ミヤコドリの先にはカモメたち。大勢はセグロカモメとウミネコでしょうか。 黒いカワウも混じります。シギ・チドリ。 大小が混じっています。浜からミヤコドリの群れがご帰還。 空いている場所を見つけて着陸です。堤防の傍にはスズガモのエクリプスも。 この子も群れから遠く離れて単独行動。得意のラッコポーズでの羽繕いです。本当に上下がひっくり返っています。スズガモの正面顔。 これもなかなかのドヤ顔です。クチバシ先端の黒い班がとても狭いので、もしかしたら少数派のコスズガモかと思いましたが、頭の形がスズガモでした。今回も少数派をいろいろとアップ。多くの野鳥と同様、皆お眼々がお顔の側面にあります。このお眼々の位置によって、捕食者か被捕食者かが大方分かります。これは哺乳類も同様ですね。 目が正面に向いていますと、大体が肉食の捕食者です。目が正面を向いていると遠近感が掴み易く、動くものを捕食する肉食系の目になります。哺乳類では肉食獣。 鳥類だと猛禽類。 では人はどっちかな。人は雑食なのですが、目の位置を考えると基本的には肉食なのでしょうね。おかげで写真のフォーカスはバッチリ、車の運転も容易ですね。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.01.13
1月7日(金)三が日が過ぎてから、日本でも COVID-19 の新規患者が急速に増えてきました。とても不思議なことですが、第6波は米軍基地から染み出してきた SARS-Cov-2のオミクロン株が主役の一角。 特に沖縄県のキャンプハンセンと山口県の岩国基地絡みが目立ちますが、青森県の三沢基地、東京都の横田基地、神奈川県の横須賀基地でも感染拡大が認められます。昨年のお正月の第4波ではほとんど認められなかった現象。米軍の中でのオペレーションが去年と今年では異なるのかどうか米軍基地の中は、日本ではなくアメリカであるとはいえ、地理上の位置はあくまでも日本の中であり、基地内で働く日本人も多々いることも事実。このような緊急時には、基地の内外での情報共有など、十分に調整を図ってやっていただきたいと思うところです。昨日の沖縄県の感染者数は981人。 東京都では641人。沖縄はあっという間に過去最高の数字となってしまいました。 東京も先週の10倍。我が千葉県も111人と急拡大。感染者は、首都東京との往来が激しい湾岸エリアや成田空港の周辺エリアに目立ちます。欧米と同様、今までにない勢いで感染者数が増えてきています。オミクロン株の感染力はデルタ株の約4倍といわれますから、その感染力の強さは日本でも実証されつつあるところ。クリスマス、年末年始の行動の結果なのでしょうがね。もう過ぎた過去は振り返らず、これ以上感染が拡大しないよう、皆で基本的な防疫行動を十分とるようにしたいですね。ところで昨日のお昼頃から関東地方で降り始めた雪は久し振りに積もりました。記録では4シーズンぶりなのだそうですが、本当に久々という感がしております。今シーズンの冬は気温が極めて低く推移していますから、関東地方など太平洋側でも、今後も何度か積雪があるかもしれませんね。我が家の庭のヤマボウシの樹も雪化粧。今朝は朝陽を映してほんのりピンク色に染まってとてもきれいでした。外気温は―6℃。 それでも風は収まり結構暖かく感じました。しかし、道路はカチカチに凍っていて移動には十分注意したいところですね。雪に慣れていない関東地方の車とドライバー。あちらこちらでスリップして横転したり、立ち往生したりと大変だったようです。今日の日記も船橋三番瀬海浜公園の野鳥たち。 第3弾になります。下の子はトウネンかな。普段は集団でいるはずですが、何故か単独でソリハシシギやダイゼンと一緒。それぞれ単独で、付かず離れずの関係でした。冬羽のトウネンは白さが目立つ別嬪さん。 いやイケメンかも。良く似たミユビシギは、もっと白くて体が大きいので見分けがつきます。左見て右見て。ハイ、目が合いました。 可愛いですね。ソリハシシギの正面顔。 逆光なので黒っぽく写っていますが。やはり冬羽は白さが増しています。冬羽のダイゼンも白っぽく見えます。見た目そっくりのムナグロは、少し体が小さくもう少し色が濃い目ですね。あまり浜辺では見かけません。やっぱり三番瀬ではミヤコドリが主役。頭の上を飛び越えて浜辺の一番浅い処に着地。 順光側で良い塩梅。どうもきれいに撮って欲しかったみたい。 ハイ・チーズ。近くにはシロチドリもいました。この子たちは周年三番瀬にいるのですが、ミヤコドリと同様、夏場にはぐっと数が減るようです。繁殖地はもっと北の地方なのでしょう。 だから繁殖期には数が減るのだと思います。そしてカモメたちにも共通なのですが、繁殖に参加しない若い個体などは居残るようなのです。このシロチドリたちは3羽でちょこまか歩いていました。ちょこまかもチドリ特有の歩き方。 ちゃちゃと歩いてはパッと立ち止まります。まるで子供の「だるまさんが転んだ」遊びを見ているようで笑えます。何だか体のサイズも風貌もお子様のよう。思えば、小学生の低学年や中学年の頃、この「だるまさんが転んだ」とか「缶蹴り」でよく遊んだものです。懐かしい光景を脳裏に描きながら、三番瀬の浜辺に佇むのでした。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.01.07
1月3日(月)今年も既に三日目。 今更ですが、明けましておめでとうございます。この一年、皆様方にとりましても良き毎日に成ることを記念いたします。特に気になるのは、COVID-19がどうなっていくのかということ。流石にそろそろ、人間界とも共存の兆しを見せていただきたいところ。オミクロン株への変異が、その方向への進化だと思い込みたいところです。欧米での様子と異なり、日本での感染状況は今のところ小康状態。そのような状況を踏まえ、元旦は久しぶりに子供たちや孫たちとゆっくりと過ごしました。一昨年のお正月は父の喪中で正月無し。 そして直ぐに COVID-19 が流行し昨年も集まれず。幸いにして長男家族は比較的近所に住んでいるので、何かにつけお互いの家は訪問していましたが、やはり COVID-19 は特別な状況。顔は見ても会食はPASS。 次男とはずっと会えず。 長男も会っていなかったよう。 総勢8名でわいわいと楽しい一時が過ごせました。下の写真は今年のお節。写真を撮るのを忘れていて、四方から手が伸びた後なので少し偏りが・・・。今年のニューフェイスは、大鉢の右側にある藤沢の「そば酒房 陽ざ志」さんのおつまみセット。限定20食の貴重品。 店主さんが腕に撚りを掛け、また十分吟味して用意した9品。普通のお節料理には入らないようなものも含め逸品ばかり。 おいしゅうございました。食後は下手糞な麻雀をしたり人生ゲームをしたり。本当に本当にお腹の底から馬鹿笑いができました。 感謝。日記は船橋三番瀬海浜公園の続き。やはりミヤコドリに目が向いてしまします。羨ましそうなお顔がおもしろい。波打ち際に集合したと思ったら。一斉に飛んで行ってしまいました。浜側の潮溜まりにソリハシシギを発見。首まで思いっきり突っ込んで何か食べるものを探している様子。近くにはダイゼンもお散歩中。ソリハシシギは名前の通りシギの仲間。 ダイゼンはチドリの仲間。体形の違いが良く分かるツーショットですね。ダイゼン君。 短いクチバシを精一杯水に突っ込んでいます。このような姿勢はあまり得意ではない様子。 お目目を瞑っちゃっています。水泳を習いたてのお子ちゃまのようですね。獲物は大好物の小さなカニでした。 ドヤ顔に見えますな。ソリハシシギが砂地に長いクチバシを思いっきり突き刺しています。やはり獲物は小さなカニ。砂地の上に転がっている丸い粒々は、小さなカニが穴掘りした時に出てきた砂の粒。これだけ大量にカニが生息していますからシギ・チドリの天国なわけです。従って縄張り争いなどほとんど見たことがありません。特に今は渡りの季節ではありませんから、少数の居残り組がいるばかり。ソリハシシギとダイゼンがお互いに干渉せずというのも納得です。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2022.01.03
12月24日(金)今日はクリスマスイブ。 明日からはサンタの替わり、数年に一度クラスの大冬将軍が日本列島全体を襲ってくるようです。11月中旬の日記で、現在ラニーニャ現象が発生したので、今年の冬はドカ雪に警戒と書きましたが、まさにその通りになってきたようですね。北海道や東北地方の日本海側、北陸地方では、もう既に、かなり大量の雪が降り積もっているようですなぁ。雪や凍結路面に慣れているはずの北海道でも、スリップ事故が多発しているそう。占冠村では昨日の朝の最低気温が氷点下19℃越え。占冠村といえば凡そ富良野の南で、札幌と帯広の真ん中辺りに位置します。更に今朝の陸別町では氷点下22.4℃まで冷え込みました。陸別町は帯広と網走の中間地点に当たります。日高山脈や大雪山系の麓ですから寒くてもおかしくないのでしょうが、もう氷点下20℃前後かと思いますと、冬の北海道を訪うのはちょっと自信ありません。土日は太平洋側にも雪雲が来るかもということで、日本列島の広範な地域で、積雪、路面凍結に要注意ということですから、交通事故等を起こさない、巻き込まれないよう十分注意しましょう。さて、SARS-Cov-2のオミクロン株の市中感染者が、昨日は大阪や京都、今日は東京、京都、山口で確認されています。 もう市中に漏出しているのでしょう。また、海外の報告通り、ワクチン防疫をすり抜ける所謂ブレークスルー感染のようです。オミクロン株の場合、海外からの報告では、無症候者や軽症者の割合がどうもアルファやデルタより多い傾向が見られます。従って、確証があるわけではありませんが、もうかなりの数の感染者が街中をうろついていると考えてもおかしくない。ということで、再び警戒度数を引き上げなくてはならないようです。クリスマスから年末年始は人の流れが活性化する時期。残念なことですが、お正月休みは十分に感染に注意する必要が出そうです。このまま、感染しやすいけどすぐ治る、というただの風邪に進化することを祈りましょう。さて、日記は久しぶりに準地元の船橋三番瀬海浜公園の様子。シギ・チドリたちを見てきました。今の時期は渡りの季節を外していますが、海遊びの子供や潮干狩りの方々もいなくて、静かでゆっくりと過ごすことができます。今一番浜にいる小型の野鳥はハマシギ。ミユビシギやシロチドリもいますが圧倒的に少数ですね。ユリカモメやセグロカモメも越冬に来ています。ウミネコの数も増えてきました。真ん中にいる小型のカモメは、関東では珍しいズグロカモメのよう。クチバシが真っ黒。 よく似たユリカモメはクチバシの先端だけが真っ黒。ラムサール条約登録湿地である、九州有明海の北部、東よか干潟や肥前鹿島干潟には数えきれないほどいました。中国大陸や朝鮮半島から渡ってきますから、九州方面で越冬する個体が多いのです。懐かしいなぁ。訪れたのは COVID-19 の災禍が始まる頃でしたから、もうあっという間に2年ほどが過ぎてしまいました。ところで、この写真をよく見ていたら、ひょっとしたらもっと珍しいポナパルトカモメかもしれないとの思いも浮かびました。しかし脚や尾っぽは見えないし、この子が写っている写真はこれ1枚限り。 特定はできません。 カモメ沼ですねぇ。近くにはお馴染みのミヤコドリ。 マテガイを咥えている子は初めて見ました。マテガイはこの浜には大量に生息していますからあながちおかしくはないとは思いますが。しかしながら、マテガイはかなり深く潜る貝なので、いくらミヤコドリのクチバシが長いといっても届くのだろうかといった疑問も生じます。上手に身を取り出してごっくんしていました。満足そうです。かなり潮が満ちてきました。この子はアサリをゲット。 貝殻の間にクチバシを突き刺したお馴染みの姿です。この子もマテガイをゲット。こちらもマテガイ。 この日はマテガイを咥えた姿が目立ちました。ミヤコドリを見ていると心なしか和みます。姿はおもしろかわいいし、行動もなかなか愛嬌がありますから。貝を専門に採取するという野鳥も珍しいし・・・。何百羽というミヤコドリを見られるのは、日本ではここ船橋三番瀬海浜公園だけ。数は減りますが、真夏でも渡らずに残っている個体がいます。 居心地が良いのでしょう。ここが何故ラムサール条約に登録されないか、多くの方には疑問が生じるところ。直ぐ近くの谷津干潟や葛西海浜公園は登録されているのにね。新たな湾岸道路の建設計画や市川市の人工干潟造成計画、更には船橋漁協の漁業権との兼ね合いなど更なる調整が必要なようです。東京湾に僅かに残された貴重な干潟であり、多くのシギ・チドリの渡りの中継地であって、多くのカモ類の越冬地でもあります。後世に亘ってこの湿地の環境を保全することは、我々に課された責務と思いますが如何にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.12.24
12月14日(火)10日夜、米国の西南部を広範囲に襲った竜巻。何とも大陸らしく大規模なものであったようですが、日本に例えると東京から仙台にかけてやられてしまったほどの規模。改めて被害状況を見るとぞっとします。お亡くなりになった方のご冥福をお祈りするとともに、被害に合われた多くの方々に衷心よりお見舞い申し上げます。100年以上前に出版されたアメリカの著名な童話、「オズの魔法使い」は、主人公のドロシーが家ごと竜巻に巻き込まれ、不思議の国に飛ばされたお話です。描かれた場所はカンザス州ですが、カンザス、テキサス、オクラホマといった中南部の州は、昔から竜巻の頻発地区として知られていますね。 竜巻街道(Tornado Alley)なる言葉もあるそうで、一般的にはロッキー山脈とアパラチア山脈に挟まれた地域を指します。ロッキー山脈に沿って北から降りてきた冷たい空気と、アパラチア山脈に沿って南から這い上がってきた暖かい空気がこの地域でぶつかり、スーパーセルと呼ばれる竜巻の親分が発生しやすい特質があるそうです。発生する時期は概ね3月~5月の春。ところが、今回の大規模災害が発生した場所は、ずっと西側のケンタッキーやイリノイ、テネシーといった各州。季節は言わずもがなの初冬。この季節としては異常なほど気温が高かったようです。テネシー州メンフィスでは、12月10日の最高気温を103年ぶりに更新する約26度を記録したそう。米中部を中心に各地で12月としては記録的な暖かさとなっていたとのこと。場所も季節も全くの想定外。超巨大台風が初夏に北海道を襲ったようなものですからね。そして時刻は夜。 それ故、被害も拡大してしまったのでしょう。これも気候変動がもたらしたものなのでしょうか。日記は鎌倉の続き。 何故、鎌倉に寄ったかは以下の通り。お墓参りの後、藤沢の「そば酒房 陽ざ志」さんに寄ることにしていたのですが。店主の渡邊充寛さんのFBを覗いたところ、高校時代からのお友達が沖縄に渡り紅型作家をされていて、鎌倉の浄智寺で個展をされていて、個展に行ってきましたとありましたので、奥様と親父も寄り道して覗いてみようということになったわけです。我が家の奥様、着付けの先生の免状を持っていて、提案したら二つ返事で「行こう、行こう」と相成ったのであります。会場は鎌倉五山の第四位である浄智寺。未訪問のお山ですから、こちらも興味津々であります。平日のことですから道も空いていて、渋滞もなく順調に到着しました。来年のNHKの大河ドラマは「鎌倉殿の13人」でしたなぁ。主人公は二代執権・北条義時。浄智寺の創建は1283年ですから、義時の時代よりはかなり下りますが・・・。五代執権・北条時頼の3男である北条宗政の菩提を弔うために、宗政の子・北条師時、宗政の妻と兄・北条時宗により建てられたされています。北条時宗は八代執権。 二度も元寇を退けた英雄として名高い執権です。そういえば、2001年のNHK大河ドラマは「北条時宗」でした。そのようなことを思い出しながら散策します。近くにある鎌倉五山第一位の建長寺と第二位の円覚寺の大伽藍とは異なり、山の斜面を利用したこじんまりとした境内。 お山の自然に包まれて幽玄を感じます。さて、訪れた目的は浄智寺そのものではなくこちらの催し。苔や山野草に包まれた坂道を上り辿り着いた会場の中。びんがた(紅型)工房「あしび」の主宰、阿部遼さんの個展です。「びんがた」とは沖縄固有の染色技術。工房は沖縄県の糸満市にあります。 ご実家は藤沢市でご両親もお手伝いされていました。とても目の保養になりましたよ。 家の奥様は何やら小物を買い込んでいました。夜は藤沢まで移動し、「そば酒房 陽ざ志」さんで夕餉をいただきました。ほぼ2年振りの訪問。 短いようで長い2年でしたね。 程なく店主のお父上もいらして、ご一緒にお酒を堪能させていただきました。海老名市の泉橋酒造のお酒。 久しぶりにいただきました。こちらは信州上田市の亀齢。先だっての旅行では失念していて飲みそびれました。秋田の銘酒、新政酒造の「No.6 S-Type」。懐かしのリボンオレンジと一緒に、「ハイポーズ」。山形県寒河江市にある月山酒造の銀嶺月山 大わらび棚田。大わらびの棚田とは、山形県山辺町にある棚田(千枚田)のことです。日本の棚田100選の一つに名を連ねています。新しいお蕎麦のメニュー。 「絶品!! 肉みそまぜそば」。「スパイシーカレー南蛮」も美味しそう。 否美味しいに違いない。次回訪問の際にはいただくことにいたしましょう。たいへんご馳走様でした。帰りには正月用のおつまみセットを予約しました。12月31日のお渡し。 また藤沢に行く用ができました。 しかし、お店は営業しません。 残念。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.12.14
12月4日(土)過日、八王子にある父母のお墓にお参りした後、久しぶりに藤沢の「そば酒房 陽ざ志」さんを訪ってきました。前回は2020年3月の訪問でしたからおおよそ2年ぶり。この約2年間、言うまでもなくCOVID-19の流行により、「陽ざ志」さんも御多分に漏れず休業されていた期間が長かったのですよ。もちろんずっと完全休業されていたわけではなく、ランチ営業とかテークアウトとかいろいろとチャレンジしていたようですが・・・。理由は未だに判明していませんが、日本国内でのSARS-Cov-2の勢いが急激に衰えましたからね。10月1日より晴れて通常営業を再開されたので、早速お邪魔して研究熱心な店主さんのこと、度重なる時短営業、休業期間は、新メニュー開発や食に関する知識等々の習得に勤しんでいたようです。益々パワーアップしていました。お墓参りの後、ほぼ南に向かって移動したのですが、お約束の時間よりは随分と早く到着しそうだったので鎌倉で寄り道。「陽ざ志」の店主の渡邊充寛さんの高校時代のお友達が、鎌倉の浄智寺境内で個展を開かれているとのことで、まずはそちらに向かいます。個展の内容は、沖縄の染め物である琉球紅型(びんがた)の作品。一般的には型紙を当てて糊を置いて防染し、型を取り去った後色を差していく染色方法。琉球紅型は、南国らしく色が明るく鮮やかなのが特徴でしょうか。我が家の奥様は着物の着付け師の免状を持っていまして、もちろん実態は開店休業のようなものですが、着物のことには興味深々です。琉球紅型の作品は、普段なかなか目にする機会が少ないので尚更ですね。個展のお話は後日の日記に譲るとして、今日は浄智寺境内で目に付いたお花のお話。浄智寺は鎌倉五山の第四位。 由緒ある臨済宗円覚寺派の禅寺です。超有名な建長寺や円覚寺と比べるとこじんまりとした境内ですが、裏山の天柱峰と一体化し、静かで「侘・寂」、「幽玄」を感じさせる素敵なお寺です。まずはサフランのお花。サフランはイラン原産の植物とされますが正確な起源は不明だとか。紀元前からめしべを香辛料、染料、生薬として用いられ、人との付き合いは長い植物。現在はイラン、ギリシャ、インド、スペインなど世界各地で栽培されています。日本でも栽培されていて、大分県の竹田市が主産地です。利用されるのは赤いめしべだけ。そのため単位当たりの金額が一番高い香辛料・生薬としても知られています。透き通った紫色が素敵ですね。 基部の黄色と合わせてガラス細工のようです。ウバユリの実でしょうか。日本固有のヤマジノホトトギス。 これは自生でしょう。小さな苗で頭頂に一輪だけ咲いていました。花壇に栽培されていたタイワンホトトギス。お花の付き方が特徴です。 枝別れをしてその先端にお花が咲きます。日本産のヤマジノホトトギスやヤマホトトギスは、枝が伸びて別れるようなことはことはありません。 葉の腋に咲くことが多いですね。ただ、ヤマジノホトトギスは先端にも咲くので、最初のお花はヤマジノホトトギスなのです。シュウメイギクですね。キクとありますが、キクの仲間ではなくアネモネの仲間(キンポウゲ科)なのだとか。何となく日本のお花の雰囲気ではないように感じますよ。まぁ、古くから日本で暮らしていますが、中国から渡ってきた帰化植物です。貴船菊(キフネギク)との異名もありますから、京都の貴船で定着したのでしょうか。斑入りの葉っぱのススキ。 逆光の中、光輝いて奇麗でした。これは正確にはタカノハススキとかヤハズススキと呼ばれる園芸種。斑入りの葉っぱが、独特の鷹の羽(鷹斑)の模様に似ていることから名付けられています。我が家にも鉢植えのものがあります。ススキですからね。 地植えでは限りなく増えてしまいますので鉢植え。お寺さんのように広大なお庭でないと地植えは無理ですね。トリカブト。 え、こんなところに生えていて良いのかって感じですね。葉っぱが細く伸びているところからホソバトリカブトにも見えますな。しかしホソバトリカブトの自生地は亜高山から高山。 あまりにも不自然。何れにせよ、全草に強毒を持つ植物が鎌倉のお寺の境内に見られるのには少々驚きました。何方かが意図して植えられたと考えるのが自然でしょうか。ご案内の通り、トリカブトの仲間の根茎は減毒処理されたのち生薬として利用されます。附子(ブシ)とか烏頭(ウズ)とか呼ばれますね。毒で使用される時は附子(ブス)です。だから狂言の「附子」はこちら。 演目はブスと読みます。さてとてもとても古い時代、中国で発達した医学は、仏教とともに多くは高僧を通して日本に伝来したことは間違いないところ。もちろん医学だけではなく、思想・哲学、暦、官僚制度、食文化、建築等々も然り。 そんなお話を想起させられます。これはサラシナショウマでしょうか。若葉を茹でて水に晒して山菜として食べられていたように山地では身近な植物。しかし身近な山では見かける機会は多くはありません。千葉県、東京都、埼玉県では純絶滅危惧種に指定されているようです。さて、このサラシナショウマも根茎は升麻(ショウマ)という生薬。ブラシのように咲いている白いお花が特徴的敵です。サフラン、トリカブト、そしてこのサラシナショウマは、広いお山の境内の中にポツンポツンと、とても離れて咲いていました。しかし、鎌倉の由緒正しいお寺の境内に集合していたことは、決して奇遇ということではなく、何か大きな意思のもとにこうなっていたのだと、大いに感じるところでありました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.12.04
12月1日(水)早いもので今年も残り一月となりましたが・・・。ほぼ2年に及ぶ SARS-Cov-2 と人類との戦いは、終戦を迎えるどころか、オミクロン株の出現で混迷の度合いを深めています。現存のm-RNAや抗体カクテル薬の有効性は、大きく損なわれる可能性が在るとの報道がこのところ続いています。その一方で、オミクロン株に感染した患者の重症化例は、南アでも今のところ比較的少ないようだと報告されているようですね。これが、オミクロン株の弱毒性によるものなのか、昨年から世界中で進められたワクチン接種の効果なのかは、何も分かってはいませんが。今夏、日本でも第5波をもたらしたデルタ株との戦いは、日本以外の多くの国ではいまだに続いている中、帰趨は何処へ向かうのか不透明です。今日になって、オミクロン株の故郷は南アなどのアフリカ南部ではなく、先月には既にオランダやイギリスといった欧州で市中感染が発生していたかもしれない、という新たなお話も出てきたようです。 何れにせよ今のポイントは毒性の強弱。先週金曜日から2日間動揺した金融市場も、日経平均株価は今日の午後から、やっとのことやや安定してきたようです。兎に角今現在では分からないことだらけです。2週間ほど経てば、様々な情報が整理されるでしょうから、取り敢えずは右往左往せず、感染対策を行いつつ冷静に行動するに尽きるのでしょう。日記は飛騨・信州の最後。 帰り際に寄った上田城です。戦国時代には真田氏の居城であったことで有名。 更に徳川軍を迎え撃つこと2度。寡勢の真田勢が2度とも見事にまでに完勝したことでも有名ですね。城主は真田昌幸、一度目は1585年のこと。 この合戦は知略謀略を駆使したとされます。支城の砥石城に配置した長男の信幸と連携し、完膚なきまでに攻城軍の徳川勢を打ち負かしたとして伝えられています。二度目は、関ヶ原の戦いに向かう徳川秀忠(二代将軍)をい足止めし、天下分け目の戦いに遅参させたということで、もしも西軍が勝利していたならば、歴史上非常に重要な合戦になるところでした。因みに次男がひと際有名な幸村(信繁)。 当時は人質として上杉謙信の元にいたようです。二の丸の東虎口。 城址公園にはここから入ります。前方に進むと本丸方面です。今は真っ平らに整備されていますが、敵の侵入を防ぐため、往時は石垣やら堀やら様々な障害が設けられていたことでしょう。右に進むと博物館がありました。本丸の東虎口の櫓門。 平成5年の復元。この櫓門を挟んで南北に櫓が建っています。本丸には8棟の櫓が建っていたと伝えられます。これらの櫓は、明治政府の城郭破却の方針により、1875年(明治8年)に民間に払い下げられ上田遊郭に移築。さらに1941年(昭和16年)には、東京の料亭に転売されてしまいましたが、その後上田城址保存会が結成され、2棟の櫓を買い戻され、1949年(昭和24年)に現在地に復元されました。その2棟が南櫓・北櫓と名付けられ、上田城跡のシンボルとなっています。南櫓です。復元された櫓や天守閣は、鉄筋コンクリート造りが多いのですが、この櫓は間違いなく木造。 内部を見学させていただきましたが、梁や柱がむき出しでした。櫓門を支える石垣に、際立って巨大な石が嵌められています。真田石と呼ばれているのだとか。櫓門を潜って本丸側から見た櫓門と南櫓。南櫓から見た上田市内。櫓門から二の丸の東虎口方面を見ます。弓狭間から外を見るとこんな感じ。この小窓から攻めてきた敵方を攻撃するのです。これは本丸の西虎口にある西楼門。この楼門だけは破却されず、建築当初のままに残されている唯一の建物。但し真田氏時代のものではなく、江戸時代初期に城主となった仙谷氏が建てたものだそうです。もう一度、下から見上げた西櫓。 トップの写真と同じ建物です。写真では分かり難いのですが、この壁面はかなりの高さがあります。上田城がお城として機能していた当時、石垣の下は尼が淵という千曲川の支流が流れていたそうです。この石垣は河岸段丘の崖を利用していたわけです。尼が淵は天然の要害としてる利用されていたのですが、千曲川の増水の際はこの崖を削ってしまい、櫓倒壊の危険が生じたそうです。そのような事情もあり、この石垣は洪水の被害を軽減するために築かれたんだって。他のお城とは、少々事情が異なるのかもしれません。上田城は真田昌幸の時代から江戸時代末期までほとんど城郭が変わっていないそうです。最初から完成度が高いお城であったことが窺えます。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.12.01
11月29日(月)日本では、SARS-CoV-2の昨日の全国の新規感染者は僅か100人強程度。11月の中旬以降は、幾らかの増減はあるものの毎日この程度の数字が続いています。ところがアメリカや、ドイツ、イギリス、フランス等欧州、また隣国の韓国では、11月に入ってから再び新規感染者が急増してきています。このギャップに関して何ら科学的な証明が未だ無く、COVID-19はこれで終わりと手放しで喜べない、いわば騙し騙しの状況なのですが。しかし多くの日本人はすっかり気を許し、休日ともなれば、京都市など有名観光地には人が押しかけている様子がnewsで話題になっています。そのような中、SARS-Cov-2の新たな変異株が11月12日に南アで特定され、爆発的な感染状況と過去にない特異的な変異から世界が震撼する状況となっています。何でも表面のスパイクたんぱく質に30以上もの変異が確認され、これまで以上に感染力が強く、ワクチンが効き難いという可能性が示唆されています。WHOはこの「B.1.1.529」と呼ばれる同変異株に、ギリシャ文字の15番目のΟ(オミクロン)を割り当て「懸念される変異株」に指定。多くの国に散らばり感染者の急増につながれば、いや、既に各国で確認されていて散らばっている可能性もありますが・・・。仮にそうだとすると、再び医療システムが圧迫されるばかりではなく、経済活動の急停止や人や物の移動の停滞を惹起すると危惧されるところです。また2年前に逆戻りか思うと、うんざりさせられますがね。26日の金曜日には、日本を始め世界中の金融市場でリスクオフの動きが強まり、株価指数急落、債券価格急騰、長期金利急落、円高、原油相場急落と波乱の1日でした。このところ金融市場は膠着状態であっただけに、変化を求めて仕掛けた輩がいたのでしょうが、素人目には少し狼狽しすぎの感もありあり。さてさて、この「B.1.1.529」は一体何者なのか、現在分かっていることがほとんどない中、逆に恐怖心が掻き立てられたのかも。ファイザー社やモデルナ社などは、既存のワクチンが有効かどうか確認中とのことです。仮に有効性が低いとしても、最先端のm-RNAは再設計にかかる時間が1か月強、3か月余りで供給開始が可能となるとのお話も聞こえてくるところです。2年前の未知との遭遇とは異なり、過度に恐れるのではなく、これまでの知見を活かして、まずは公衆衛生の徹底が求められるところでしょうか。更に、新たな武器である治療薬も開発間近の昨今、SARS-Cov-2との戦いは新たなステージに入るのか、暫くは目が離せないところです。日記はまだまだ飛騨・信州の旅の続き。2泊目のお宿のことです。 上田市から松本市方面に向かった青木村の田沢温泉。文豪 島崎藤村ゆかりのお宿とのこと。まだ無名の若き藤村がここに宿泊し執筆したそうです。 頃は1901年(明治34年)8月。お宿の前は緩い坂道ですが、上方のお隣には田沢温泉の共同浴場。 有乳湯(うちゆ)とされています。不思議なことに、お宿の前の道は一晩中車の往来がありました。google map で確認しましたが、この先は行き止まりのどん詰まり。奥様とおかしな道だと話していたのですが、翌朝、大女将さんと話して解明しました。多くの方が車をとばしてこの有乳湯まで湯浴みに来るのだそうです。 一晩中。日中は込むので、空いている夜間に来る人が多いようです。実際、朝早く行かれた方のお話では、ものすごく込んでいて入るのを止めたとか。近在の方々が出勤前に一風呂浴びて行くのだそうですよ。 羨ましいお話です。有乳湯からお宿方面を見たところ。明治時代にタイムスリップしたよう。 下から誰かが馬車で登ってきそうですね。お宿の前を通り過ぎて今度は下から有乳湯方面を見ます。土蔵の手前の建物が島崎藤村ゆかりのお部屋がある建物。 3階です。土蔵とこの建物がお宿で最古の建物だそう。このお宿そのものは国の登録有形文化財とのこと。 歴史を感じます。藤村が泊まっていたのは120年ほど前。ですが、お部屋の中は調度品まで当時のそのまんま、だそうです。確たる証拠は見出していませんが、詩から散文へと作品が移行する過程に書かれた、「千曲川のスケッチ」を執筆していたのではないかと想像されるところです。「千曲川のスケッチ」には、このお宿が実名で出てきます。一番左側の建物の最上階が、藤村がお泊りになったお部屋。この下のお部屋に泊まらせて頂きました。因みに、長くなりますが「千曲川のスケッチ」の一節をご紹介。その五 山の温泉夕立ともつかず、時雨ともつかないような、夏から秋に移り変る時の短い雨が来た。草木にそそぐ音は夕立ほど激しくない。最早初茸を箱に入れて、木の葉のついた樺色なやつや、緑青がかったやつなぞを近在の老婆達が売りに来る。一月ばかり前に、私は田沢温泉という方へ出掛けて行って来た。あの話を君にするのを忘れた。温泉地にも種々あるが、山の温泉は別種の趣がある。上田町に近い別所温泉なぞは開けた方で、随って種々の便利も具そなわっている。しかし山国らしい温泉の感じは、反って不便な田沢、霊泉寺などに多く味われる。あの辺にも相応な温泉宿は無いではないが、なにしろ土地の者が味噌や米を携えて労苦を忘れに行くという場所だ。自炊する浴客が多い。宿では部屋だけでも貸す。それに部屋付の竃が具えてある。浴客は下駄穿のまま庭から直に楼梯を上って、楼上の部屋へ通うことも出来る。この土足で昇降の出来るように作られた建物を見ると、山深いところにある温泉宿の気がする。鹿沢温泉(山の湯)と来たら、それこそ野趣に富んでいるという話だ。半ば緑葉に包まれ、半ば赤い崖に成った山脈に添うて、千曲川の激流を左に望みながら、私は汽車で上田まで乗った。上田橋―赤く塗った鉄橋―あれを渡る時は、大河らしい千曲川の水を眼下に眺ながめて行った。私は上田附近の平地にある幾多の村落の間を歩いて通った。あの辺はいかにも田舎道らしい気のするところだ。途中に樹蔭もある。腰掛けて休む粗末な茶屋もある。青木村というところで、いかに農夫達が労苦するかを見た。彼等の背中に木の葉を挿さして、それを僅かの日除としながら、田の草を取って働いていた。私なぞは洋傘でもなければ歩かれない程の熱い日ざかりに。この農村を通り抜けると、すこし白く濁った川に随いて、谷深く坂道を上るように成る。川の色を見ただけでも、湯場に近づいたことを知る。そのうちに、こんな看板の掛けてあるところへ出た。 ┏━━━━━━━━━━━━━┓ ┃ 湯 ┃ ┃ 〼 み や ば ら ┃ ┃ 本 ┃ ┗━━━━━━━━━━━━━┛升屋というは眺望の好い温泉宿だ。湯川の流れる音が聞える楼上で、私達の学校の校長の細君が十四五人ばかりの女生徒を連れて来ているのに逢った。この娘達も私が余暇に教えに行く方の生徒だ。楼上から遠く浅間一帯の山々を望んだ。浅間の見えない日は心細い、などと校長の細君は話していた。十九夜の月の光がこの谷間に射し入った。人々が多く寝静まった頃、まだ障子を明るくして、盛んに議論している浴客の声も聞えた。「身体は小さいけれど、そんな野蛮人じゃねえ」理屈ッぽい人達の言いそうな言葉だ。翌日は朝霧の籠った谿谷に朝の光が満ちて、近い山も遠く、家々から立登る煙は霧よりも白く見えた。浅間は隠れた。山のかなたは青がかった灰色に光った。白い雲が山脈に添うて起るのも望まれた。国さんという可憐の少年も姉娘に附いて来ていて、温泉宿の二階で玩具の銀笛を吹いた。そこは保福寺峠と地蔵峠とに挟まれた谷間だ。二十日の月はその晩も遅くなって上った。水の流が枕に響いて眠られないので、一旦寝た私は起きて、こういう場所の月夜の感じを味った。高い欄に倚凭って聞くと、さまざまの虫の声が水音と一緒に成って、この谷間に満ちていた。その他暗い沢の底の方には種々な声があった。―遅くなって戸を閉める音、深夜の人の話声、犬の啼声、楽しそうな農夫の唄。四日目の朝まだ暗いうちに、私達は月明りで仕度して、段々夜の明けて行く山道を別所の方へ越した。欄干から外を眺めていますと、120年前に藤村が目にした景色が浮かぶようで感無量になりますな。ヤママユ発見。 信州はヤママユ(天蚕)の本場。一山超えた安曇野には、天蚕センターがあって、江戸時代から行われて来た、天蚕飼育とその織物が紹介さて展示されています。奥様は着付けの先生の免状を持っていますので、お着物には割と造詣が深いのです。いつもこの方面に来た時には天蚕センターに寄ろうと思うのですが失念してしまいます。なにしろ巨大なお宿で慣れないと迷子になりそうです。このお宿、他にも話題がありまして。1998年に公開された「卓球温泉」という映画の舞台にもなりました。松坂慶子さんが主演。 家出した専業主婦が、卓球のイベントで温泉地を復興させるという人情コメディだそうです。 歴史を感じるロビー。明治初期の銅版画。現在の配置とかなり異なりますが、土蔵と藤村ゆかりの建物は認められます。朝食。夕食でもOKなぐらい手の込んだお食事でした。右上に見える鍋からは松茸の香りがプンプン。お宿のご主人とお話したところ、是非夕食も食べて頂きたかったとのこと。何故ならば、この時期はご主人自ら毎日のように松茸を採りに行くのだそうです。その松茸を夕食に出しているということです間違いなく地の松茸ですね。最近はこの近辺でもなかなか松茸は採れなくてたいへんなのでそうですよ。書き忘れてしまいましたが、温泉もツルスベで最高でした。田沢温泉は役行者の時代からあるのだといいますからこれまた歴史があります。役行者は弘法大師様のお師匠ともいわれていますからね。塩田平の歴史と同様、掘るとやたらと深い景色が出てきそうです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.11.28
11月23日(火)気が付けば早くも11月下旬。 あと一月もすれば冬至。夜明けの時間がすっかりと遅くなり、朝は何時までも暗いままと感じます。基本的に気温が低いのは苦手、明るい時間が短いのは心情的にいや、そして何よりもウィンタースポーツが苦手の身にとって、長い間冬は嫌であったのですが。野鳥たちに興味を持つようになってからは、どちらかというと冬は好きな季節になってきましたね。 そろそろ冬鳥たちが勢揃いしますから。関東地方が根拠地ですと、ガン・カモたちやカモメたち、猛禽たちなど、この季節になると種類や数が飛躍的に増えてきますから楽しみが増えてくるわけです。年がら年中近くにいるカラ類(シジュウカラなどの小鳥)も、落葉樹が葉を落とすこの季節は、随分と観察しやすくなります。今年は正月早々からCOVID-19の患者数が激増し、比較的人口密度が高いご近所の外出は必要最小限にしていましたが、現在の状況であればもう少し外出の機会を増やそうかなと思っています。稲敷市のオオヒシクイは、21日にやっと第一陣が姿を見せたそうです。利根川水系を主に下流方面に向けて、行き来の回数が増えそうな今日この頃です。ところで今年のサンマ漁もそろそろ終了。年々不漁の度合いが酷くなっているようですね。今年は昨年の大不漁を上回り、統計上過去最少の水揚げ高を更新しそうな勢い。夏から秋の太平洋沿岸の赤潮発生により、ウニや秋サケも大きな影響を受けた模様。日本近海の海面温度の上昇の影響もあり、北海道の漁業は壊滅的な打撃を受けていることでしょう。人は”Mother Planet”地球に何時まで住み続けることができるのか、それはそれは恐ろしい未来が想像に難くない、厳しい現実を認識する時かもしれません。さて、今日の日記はまだ10月初旬。 週一日記だとなかなか前に進みません。奥様と行った秋のプチ旅行。 上田市の塩田平にある生島足島神社のこと。偶々、松茸料理店の周りをウロウロしていた時に偶然傍を通りかかったものですが、これがなかなか由緒のある神社だということが分かり、食後に参拝することにしたのです。生島足島神社と変わった名前です。生島の生は生きとし生けるもの全てを生み、その生命を充実させること。そして、足島の足は人々の願いを充足させるとの意味があるそうです。御祭神は生島大神と足島大神の二柱。それぞれ命と願いを司る神様ということになりますね。遥か昔、平安時代中期に編纂された「延喜式」の神名帳には、宮中の神祇官西院で祀られる神々23座のうちに「生島神・足島神」が記載されていて、古来より朝廷との結びつきが強い神々とされています。また社伝では、建御名方富命(諏訪神社祭神:大国主命の息子)が諏訪へ向かっていた時、この地に留まり生島大神と足島大神に米粥を煮て献じたというお話があります。何せ神話時代のお話ですから真偽のほどは確かめようはありませんが、太古よりこの地で祀られ、国土の守り神たる神々であることは間違いないようです。そのようなことからも、この塩田平と呼ばれる地域は、古くから人々が住みつき高度な文化が開けていたことも間違いないようです。本殿は池の真ん中の神島にありますが、本殿に渡るには橋が2本架かっています。1本は我々下々の人が渡る橋。 もう1本は下の写真の橋、神様がお渡りになる御神橋。お渡りになる神様は建御名方富命。故事に倣い生島・足島両神に米粥を煮て献じるお祭り、御籠祭の時にお渡りになります。境内を貫て両側に鳥居が立っています。この2つの鳥居を結ぶ直線は北東から南西に抜けています。夏至の日には北東の鳥居の延長線上から太陽が昇り、冬至の日には南西の鳥居の延長線上に太陽が沈むのだそうです。下の写真は神楽殿。裏にちらりと見えているのは摂社の諏訪社。 古の故事を物語ります。神楽殿は本殿と諏訪社の間に在ります。 祭事などに意味がある配置なのでしょう。生島足島神社については、戦国武将の後北条家、武田家、真田家にまつわるお話など、まだまだ話題に事欠かないようが・・・。 今日はこの辺りにしまして。また上田方面を訪れる機会がありましたら記してみましょう。さて、この日のお宿は最寄りの別所温泉ではなく、お隣の青木村にある田沢温泉のますや旅館。若き日の島崎藤村が度々訪れ、「千曲川のスケッチ」にも登場する藤村ゆかりのお宿です。晩御飯は松茸小屋「二幸園」のお土産の松茸ご飯。軽く済ませてしまいましたが、ますや旅館の晩御飯を頂けば良かったと後悔してしまいました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.11.24
11月15日(月)このところ、我が家の近辺でも朝の冷え込みを感じるようになってきました。現在、日本列島の上空に寒気が入り込みやすくなっていることが原因らしいのですが。この現象は偏西風の蛇行が引き起こしているのだとか。日本付近では南に蛇行しているため、その流れに引っ張られて寒気が下りてくるということなのでしょうか。それでは何故偏西風が蛇行しているのでしょうか。エルニーニョとかラニーニャという気象用語を聞いたことがあるでしょう。どちらも太平洋上の海面水温の変化を表す言葉です。赤道域の東太平洋海域の海面水温が、平年より高くなりそれが一定程度続くとエルニーニョ現象。その逆がラニーニャ現象。 表裏のような関係にあります。インドネシア近辺の西太平洋に着目すると、エルニーニョの場合東太平洋とは逆に海面水温は低下。ラニーニョは逆。つまり西太平洋の海面温度は高くなることになります。このエルニーニョとラニーニャは、数年おきにシーソーのように変動していて、日本も含め世界の気象に大きな影響を与えていることが分かっています。さらにラニーニャの場合は、高い海面温度により西太平洋では強い上昇気流が発生します。この影響で偏西風の流れが蛇行し、日本付近では南に歪曲するのだそうです。気象庁のwebsiteのエルニーニョ監視速報を覗いてみますと、11月10日の発表では「ラニーニャ現象が発生しているとみられる」とあります。一か月前の10月11日の発表では、「 エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない・・・」とされていますから、ラニーニャ状態に入ったのは最近のことのようです。話は長くなりましたが、このような地球規模の海水と大気の変動がもたらした冷え込みということです。この先ラニーニャ状態が継続すると、今年の冬は厳冬。 大雪に要注意だそうです。日記は10月初旬の飛騨・信州のプチ旅行の続き。奥飛騨クマ牧場でクマさんたちと遊んだ後、遅めの昼食で小腹を満たすことにしました。泊まるお宿に戻る途中に、新平湯温泉辺りで「良い処めっけ」と入ったお店。「うな亭」というウナギ屋さん。 この山奥では予想外の出会いでした。小腹満たしですから一番小さい「並」を注文。 何と1,000円ちょっとのうな丼です。幾ら少量とはいえ、ウナギ不足のこのご時世に、見たことも聞いたこともありません。もちろんこのお値段ですから、ウナギは1/3匹分なのだそうですが、関西風に蒸さずに焼かれた蒲焼は、皮パリパリで身しっかりの秀逸もの。奥様も関西風の方が食べ応えがあって美味しいとお気に入りのようです。お店の中も懐かしい雰囲気で落ち着きます。 射的場の景品並べた棚のようにも見えます。この時は知らなかったのですが、お店のご主人のお家はウナギの養殖が家業のようですな。地元でも評判の名店とかで、道理で安い、美味しいと言うことないわけですね。この山奥で目から鱗のうなぎ屋さんでした。遅い御昼ご飯を食べ終えてお宿に向かいます。再び神通川の支流の高原川に沿って新穂高ロープウェイ方面に向かいます。お宿の本館は高原川の向こう岸。かじか橋という橋を渡って行きます。食材等、重い荷物はどうやって運ぶのか疑問でしたが、どうやら右側のコンクリート部分が車道のようですね。 平水でも水に浸かっていますが。両岸にスロープが設置されていて、昇り降りできるようになっていました。かじか橋から下流を見ると、近くに巨大な岩石が転がっています。河原に転がっているものとしては、見たこともないような巨石です。何時、何処から転がってきたのでしょう。岩肌から小さな樹が生えていますから、随分と前からこの場所にあるようです。お宿の対岸、県道475号線側に貸切露天風呂があります。上の写真の巨石の裏側にあたる場所です。大きな浴槽が二つ。 ぬる湯とあつ湯。もちろん源泉かけ流し。 大量の湯の花が沈殿した気持ちの良い温泉でした。お宿でいただいた晩御飯は飛騨牛のホウバ焼やイワナの塩焼きなど、朝御飯も山菜のお料理など、とても美味しかったのですよ。翌日は信州の上田市まで移動し、上田名物の松茸小屋でお昼ご飯。長野県は日本有数の収穫量を誇る松茸王国。その長野県の中でも、上田市は王国中の王国ですな。9月に入ると市内各所で松茸料理がいただけます。 お店の数は10以上。店内に入りますと松茸の香りが充満し食欲をそそります。まずは松茸のすき焼。ところで、国内の松茸収穫量は年々減少傾向にあるようで。一番の原因とされているのが、「松の材線虫病(松枯れ)」の影響。松茸は名前の通り松林のキノコ。 日本の松茸はほぼ全てが赤松林に生えます。その赤松林はマツノザイセンチュウによる松枯れでどんどん減ってきているのです。マツノザイセンチュウは外来種。 1900年代初頭に北米からの輸入材にくっついて侵入してきたそうです。被害にあうのは、クロマツ、アカマツ、ゴヨウマツが中心。マツノザイセンチュウに取りつかれると、ほぼ確実に枯れてしまうといいますから厄介です。最初に被害が確認されたのは長崎県。在来種のマツノマダラカミキリを宿主にして次第に全国に広がりました。2000年代に入ってからは、温暖化の影響なのか、東北地方や中部山岳地帯などの比較的寒冷な地にも被害が拡大。昨年訪れた気仙沼市の大島では、立ち枯れたクロマツが目立ちました。長野県は近年被害面積が全国一。上田でも嘗ての面影はなくなりつつあるようで・・・。本当に地の物は手に入りにくくなっているようです。このお店は松茸の季節以外にも、1月~2月を除いて季節料理が味わえます。従ってお店の造りは仮設ではなく、しっかりしていてとてもきれいで清潔です。駐車場から見ても素敵なお店でした。お食事後、併設された売店を覗きます。大きめの立派な松茸が2本で ¥10,000- ぐらい。 産地でもお高いです。まぁ、買って帰って家で食べるほどのものでもありませんから勿論パスです。代わりというわけではありませんが、美味しい信州リンゴを買いました。この近辺は塩田平といって古くより人々が住みつき仏教文化が発展した地です。近辺には国宝の2基の三重塔を始め、多くの国指定重要文化財がゴロゴロ転がっていて、「信州の鎌倉」という異名も付いています。そのような多くの仏閣の中に、「生島足島神社」という古式ゆかしき信州屈指の古社がありました。お世話になった松茸小屋からすぐそば。 寄り道することにしました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.11.15
11月8日(月)COP26がイギリスのグラスゴーで、10月31日から11月12日にかけて開催されています。 環境問題に関する重要な国際会議です。ところで、COP〇〇ってよく聞きますが、何のことか正確に把握している人は意外と少ないのではないでしょうか。フルネームは ”Conference of the Parties”。特定の課題に限らず、国際条約を批准した締約国が物事を決定するための最高決定機関のこと。従って様々な条約に関するCOPが存在しています。例えば「生物多様性条約」に関するものでは、 ”COP-CBD(Convention on Biological Diversity)”となります。ラムサール条約のCOPは、 Ramsar COPって呼ばれます。それぞれ開催回数を最後に付けます。そして、今開催中のCOPは ”COP-FCCC”。略さないで表記すると、”Conference of the Parties to the United Nations Framework Convention on Climate Change”。日本語では「国連気候変動枠組み条約締約国会議」。今では、COPと言えばこの会議を指すことが多いようです。 今回で26回目の開催。 過去の ”COP-FCCC” では、COP3とCOP21が節目の会議。COP3では京都議定書、COP21ではパリ協定が採択されました。今回のCOP26の主要議題は、ざっくりというと、パリ協定の取り決めである温室効果ガスの排出抑制を実効性のあるものにできるかどうかです。日本は依然として多くのCO2を排出する石炭火力発電が大きなウェートを占めていて、脱石炭で先行しているヨーロッパ諸国と比較すると、周回遅れどころか2周遅れともいわれます。最近、地球規模で気候変動が原因と思われる災害が多発しています。特に今年は、世界各地で大雨による洪水の被害が相次ぎました。記憶にあるだけでも、オーストラリア、中国、ドイツ・ベルギー、イタリア・トルコ・スペイン。日本でも毎年のように、何十年に一度と言われる水害が発生しています。今年も熱海の土砂災害や佐賀県の大規模洪水が発生、今週は北海道・木古内町で午後1時35分ごろまでの1時間で136.5mmの記録的豪雨。気候変動問題への取り組みは地球全体の課題です。そして気候変動の原因が人の行動にあるとすればこれは全人類の課題。エネルギー、食糧、廃棄物など、個々人レベルでも取り組めることは多々あります。節電、アイドリングストップ、3R等々。 直ぐにでもやれることはやる覚悟が求められますな。今日の日記は奥飛騨クマ牧場のこと。ツキノワグマの写真を撮ることに夢中で、施設全体の写真を撮り忘れました。クマたちがいる場所は、よくある動物園のクマ舎と同様な感じ。このような場所が全部で6か所ほどありました。一か所で多くのクマさんが仲良く暮らしています。ご覧の通り日影がほとんどなくて、お天気の良い日はかなり暑そうでした。わずかにできた日陰でゴロゴロしている子もいます。何とも、あられのない格好ですな。 ここでは危険が全くないので油断しまくってます。この場所には人工の滝が設置されています。涼んでいる子もいました。他のクマ舎にも池があります。 やはり池に入っている子もいます。毛皮の色が真っ黒ですから、日光の熱を吸収して見るからに暑苦しそうですね。何とも愛くるしいポーズ。野生のクマさんを身近に見たことはありませんが、想像するにもっともっとおっかない表情なのでしょうね。このような表情だと、巨大なぬいぐるみのように思えてきます。園内ではクマさんの餌を打っています。固めのビスケットのようです。 多くのクマさんはおねだりポーズをしています。奥様は面白がって何度も購入してあげていました。これはコントロール良く投げられたほう。珍しく直接お口に入りました。奥様のコントロールがでたらめの上に、クマさんはもっさりしていますから、空中キャッチは至難の業でした。揃って立ち上がり、頂戴、頂戴のポーズ。しかしビスケットの行方は明後日の方向。皆、目で追いますが行動は本当にもっさり。それほどお腹が空いていないのか、がつがつしていませんね。この仕草がまた可愛らしい。と思いきや、何が原因なのか激しい喧嘩が勃発です。場所を変えて再び取っ組み合い。歯をむき出しにして吠え合っています。 迫力満点でした。帰りに寄ったお土産屋さん。飛騨地方は高山を中心に「さるぼぼ」というお人形が有名です。「さるぼぼ」はお猿さんの子供をデフォルメしたものですが、ここでは、モデルはお猿さんではなくてもちろんクマさんですよ。しかし、「くまぼぼ」とは命名されていませんでした。こことは別に、高山駅の近くには飛騨高山テディベアエコビレッジなる施設があるそうですが、こちらの施設では「くまぼぼ」を販売しているそうです。写真のような意匠ではなく、ツキノワグマらしくかなり濃い目の茶色。写真で見ると、これはこれで滅茶苦茶可愛いです。奥飛騨クマ牧場の施設全体の雰囲気は、昭和感満載で居心地が良いです。奥様は思いっきり喜んでいましたね。 兎に角クマさんの仕草が秀逸でした。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.11.08
11月1日(月)昨日は衆議院議員総選挙。 自由民主党が15議席減らしたものの、大方の予想を覆し、単独で絶対安定多数の261議席を確保し岸田政権はひとまず安泰です。凡そ9年間に及ぶ安倍・菅政権において、利権問題、政治と金問題、格差拡大問題、アカウンタビリティの欠如等々、政権与党が絶対多数に胡坐をかき、様々な点で国民を蔑ろにしてきたことは否めません。また、COVID-19への対応の不味さも加わり、ちょっとお灸を据えなければいけないなとの力学が働いたものかと思われます。その結果、幹事長や閣僚、閣僚経験者が小選挙区で落選するなど、一定の結果も出ましたが、戦前の予想ほど自由民主党の議席は減りませんでした。さて、この10年ほどの間に、日本の人心は荒んできていると言えましょう。昨日も列車内で刃物で切り付ける、液体を撒いて放火する等、見ず知らずの他人に無差別攻撃を行うといった自暴自棄的な犯行が発生しました。類似の犯罪は過去にもあったものの、最近は頻度が上がっている印象があります。少子高齢化の進展に伴い世代間の断絶も格差も拡大し、COVID-19による社会の混乱もあり、俄か資産家が増えた一方で、日々の生活に喘ぐ人が増えたことも事実でしょう。このような世相に、多くの方々が大きな不満や不安を抱えることとなり、いわゆる火山のマグマ溜りのような潜在的熱量が溜まったようにも思われます。その一方で、自由民主党が大敗し、政治、経済、社会がこれ以上不安定になることへの恐れも、ほんとうに多くの方々が共有した潜在的認識であったように思われます。それでは前者と後者のバランスはどうだったのでしょうか。今回の衆議院議員総選挙の結果を見ると火を見るよりも明らかでしょう。現状では、自由民主党を中心とする政権から、野党第一党の立憲民主党を中心とする政権に移行するというベクトルは、まだまだエネルギーが不足している、パワーが不足しているのだと感じずにはいられません。しかも、今回は与党も野党もその主張に大差がなく、争点ははっきりしないまま。政権選択の議論にはほど遠く、結局個々の議員の取捨選択で終わってしまいました。更に、立憲民主党は共産党との票稼ぎのための選挙協力という凡ミスを犯し、好機を生かせず両党で議席数を16も減らすという体たらくぶりを披露。自由民主党に対する不満票の受け皿にさえも成り得ず、このような姿では、政権を担う能力を持てるわけがないといわれても致し方無しでしょう。ということで、日本維新の会が予想以上に議席数を伸ばしたものの、やはり収まるところに収まったという、尤もな結果になったということですか結果は結果ですが、最近の自由民主党の政権運営に対して多くの厳しい声が上がっていることも事実。岸田総理大臣のもと、このような声を真摯に聞き党改革にも着手していただきたいところ。岸田さんなら丁寧にやっていただけるのでは期待しているところです。今日の日記は、新穂高ロープウェイの天辺の西穂高口駅周辺を散策した時に観察した植物のこと。標高が2,156mとそうとう高いので高山系の植物が見られました。其処彼処にこのような赤い実が生っていましたが、これはゴゼンタチバナの実。クリスマスツリーやリースに似合う可愛い実です。ゴゼンタチバナのゴゼンとは、白山の「御前峰」という最高峰に因んでいるといわれています。また、真っ赤な実をつける様子が「カラタチバナ」という植物に似ていたため、「ゴゼン」と「タチバナ」をくっつけて「ゴゼンタチバナ」とされました。このように小さな形ですが、ヤマボウシやハナミズキと同様のミズキ科の植物です。カラタチバナの別名はヒャクリョウ(百両)。ご存じの方も多いと思われますが、同様に赤い実をつける植物には、一両、十両、百両、千両、万両と別名を持つ植物があります。何れも縁起が良いと、お庭に植える園芸植物として珍重されています。ゴゼンタチバナは、ヤマボウシによく似た白くて可憐なお花が一輪だけ咲きます。しかし実は幾つも生っていますね。 これはミズキ科の植物の証拠です。ヤマボウシの実は一つのように見えますが、イチゴと同様多くの実が集まった集合果です。カラタチバナが属するヤブコウジ科は、一つのお花に一つの実が生ります。なりは似ていますがこのような違いがあります。白い菊のような変わったお花が咲くヤマハハコです。白い部分は花弁ではなく総苞片。 つぼみを包んでいたパーツです。寒冷地を好む北方系の植物ですから、関東地方、中部地方ではかなり標高が高い場所でないと見られないのでは。この辺りでも僅かにこの場所でしか見つけられませんでした。過去、記憶にあるのは、尾瀬の入り口である鳩待峠や北海道の霧多布岬。霧多布岬では沢山咲いていました。読んで字のごとし、ツルリンドウ。ツルのように伸びた茎にリンドウのようなお花が咲きます。お花が咲き終わった後は赤い実が生ります。九州から北海道まで日本中の林床や林縁に生えています。分布域は広いので、注意深く探すと意外と身近な処で発見できるかもしれません。ちょっと分かりにくいのですが、おそらくイワギキョウのお花のつぼみかと。 こちらは正真正銘の高山植物ですね。似たようなお花にチシマギキョウがありますが、葉っぱやがくに鋭い鋸歯があるのでイワギキョウかと思われます。普通は群生しているはずなのですが、この場所ではこの一輪しか発見できずでした。最後はマツムシソウ。 貴重な日本の固有種です。吸蜜している虫さんは、セセリチョウのお仲間かと思ったのですが良く見るとちょっと違う感じ。蛾の仲間のように見えますが種は分かりません。もっともセセリチョウは蝶と蛾の中間と言われますから区別は難しいかも。ところで、日本では蝶と蛾を区別しますがどちらも同じ鱗翅目の仲間。このうち、セセリチョウ科、アゲハチョウ科、シロチョウ科、シジミチョウ科、シジミタテハ科、タテハチョウ科に属するものを「蝶」と呼び、その他が「蛾」らしい。このうちシジミタテハ科は日本には存在しないようです。さて、日本的な区別では、飛ぶ時間、とまり方、派手さ、触覚の形、胴体の太さ、鱗粉がはがれやすかどうか、2枚の羽のつながり方、繭を作るかどうか、などでざっくり整理されていますが、どれもこれも例外だらけでしっくりきません。まぁ、蝶と蛾といった区別をするのは世界でも稀なようです。英語圏でも蝶をバタフライ、蛾をモスと区別しますが、それ以外はたぶん×。区別しようとしても区別することはそもそも無意味なんでしょうね。マツムシソウとはマツムシが鳴き始める頃に開花することから。盛夏を過ぎて晩夏から秋にかかる時期のお花ですね。薄紫色のこのお花は如何にも秋に似合うお花です。さて、前述の通り日本固有種なのですが、30程の都道府県で生息数が減少傾向にあり各々のレッドリストにリストアップされているとか。生息数が激減している理由はよく分かりません。秋田県、京都府、大阪府、福岡県では、残念ながら絶滅してしまったと認識されています。さて、しばらく辺りを散策した後、お土産屋さんを覗きながら、再びロープウェイに乗り新穂高温泉口駅まで降りました。この日のお泊りは新穂高温泉のお宿なので、チャックインまではまだまだ時間がたっぷりあります。そこで奥飛騨クマ牧場に。 その様子は次の日記で。北海道の登別のクマ牧場はCOVID-19で閉鎖中でしたので残念な思いをしました。ということもあり、期待大、ワクワクで行きました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.11.01
10月28日(水)1週間前には熊本の阿蘇山が小規模な噴火を起こしました。この噴火は人々の生活にほとんど影響が出ずにすみそうですが・・・。ところが、8月13日の海底火山の大規模噴火は、今、沖縄や奄美諸島の海に大きな影響を与えているそうです。海底火山の位置は小笠原諸島の南部にある硫黄島の南。南硫黄島の直ぐ北にあります。この噴火によって馬蹄形の新島が出現したそうですが、国土が増えたと手放しで喜んでいる場合ではないそうです。この海底火山は福徳岡ノ場と呼ばれています。過去に何度も大噴火を起こし、新島を形成しては消滅を繰り返してきたとか。最近では1986年の噴火で新島が出現しましたが2か月ほどで消滅。今回もいずれ消滅する運命だとされています。それは新島の主たる構成物がマグマではなく軽石だから。風雨や波浪によってどんどん浸食されてしまうからなのですよ。そして浸食された軽石は、当然海に流出していきます。流れ出した軽石は、海流に乗って沖縄や奄美の海に流れ着き悪さをしているということです。産業技術総合研究所などの研究グループによると、鹿児島県の桜島が大隅半島と地続きとなった大正の大噴火に匹敵する、明治期以降としては国内最大級の大噴火であるとされています。この軽石によって船の航行に支障が生じるのだそうですよ。沖縄や奄美は海の中の列島ですから、交通や産業等に大きな影響が出ています。小型船舶のエンジンの冷却は海水を使用するシステムで、常にポンプで海水を吸い上げています。 軽石はこの冷却システムに詰まってしまうのです。同様に発電所や製鉄所も海水で冷却していますから要注意です。また養殖場の魚が軽石を餌と間違えて食べてしまって死滅という被害も出ています。今後黒潮に乗って九州、四国にも流れてくるとの予測が出ています。昨晩、台風20号が福徳岡ノ場の近辺を進行し軽石の更なる流出が心配されます。軽石は砕けてある程度の小さくなると沈んでいくそうです。しかし、それには2~3年はかかるそうなんですね。 観光業、漁業への影響は如何ばかりか。COVID-19がやっと収まりつつあり、観光業が盛んな沖縄は一息つけると安堵したところ。度重なる災難に現地の方々の落胆や如何ばかりかと思われます。海洋の生態系への影響も心配になり、いま暫くは予断を許さない状況ですね。さて、日記は今月の上旬に訪れた、飛騨、信州へのプチ旅行の様子。早朝に我が家を出発し、中央高速道路経由で向かいました。最初の目的地は新穂高ロープウェイの新穂高温泉駅です。位置的には、北アルプスの穂高連峰を挟んで、日本を代表する高原リゾート・上高地の反対側に当たります。表側の上高地と異なり、静かな雰囲気を味わえることを期待しました。標高が上の方は、既に紅葉が進んでいるのではとも期待です。このロープウェイは日本で唯一の2階建てです。従って駅も2階建て。 1階でも2階でも眺望に変わりはないようです。下の写真は活火山の焼岳。 上高地の大正池に写る画が有名。 左手側が上高地です。こちらは穂高連峰に繋がる槍ヶ岳の雄姿。手前には大喰岳(3101m)、中岳(3,084 m)、南岳(3,033 m)と、3000mを超える高峰が尾根状に連なっています。ちなみに槍ヶ岳は3,180mです。ロープウェイを2本乗り継いで西穂口駅(2156m)に到着します。駅の屋上には展望台があって見事な大パノラマが楽しめます。正面には西穂高岳(2909m)の姿。この新穂高ロープウェイを使うと、登山が比較的容易で入門コースといわれます。しかし3000mに満たないとはいえ、岩だらけの見た目はやたら怖そうです。期待した紅葉は冴えない色で、少々残念でした。今年は8月が雨降りばかりで涼しく、9月が真夏並みに暑いという変則的な気候であったことが災いしているのでしょうか。日光方面の紅葉も冴えないという話も風の便りで聞きました。西穂高岳の左の肩から覗いているのは、難所で有名なジャンダルク。奥穂高岳への縦走路の途中にありますが、登山初心者は寄せ付けないやばいところです。中級者や上級者でも、厳しい気象条件やちょっとした油断が遭難事故につながるところ。遠目ですが如何にもといった見た目ですね。奥穂高岳に行くには、この先にも「ロバの耳」とか「馬の背」といったおっかないところが・・・。ご老体にとっては見るだけで結構です。西穂高岳の全貌。右端が西穂独標、中央よりやや右側がピラミッドピークと呼ばれる場所でしょうか。この他大小様々な岩のピークが並び、相当に険しい道であることが想像できます。反対側には笠ヶ岳が丸見えです。トップの写真はロープウェイの乗り継ぎ駅から見た笠ヶ岳。当たり前のことですが、全く見え方が異なりますね。伏せたお椀に乗った少し潰れたピラミッド。 この山容が笠ヶ岳の名の由来。何処から見てもこのような形に見えるのだそうですよ。さて、山肌に横縞が何本も見えるのが分かりますでしょうか。笠ヶ岳はカルデラ火山だったとのこと。 今から7,000万年近くも前のことです。横に重なる縞々はカルデラ内に大量の噴出物が層状に堆積した痕。それが浸食によって表に現れてきたということでしょうか。 1,600mもの厚さだそうです。穏やかな姿に見えますが、切り立った崖だらけで一般の登山者はかなり迂回をしないと登れそうにありませんな。笠ヶ岳の下の谷は穴毛谷という可笑しな名前。 しかし冬季は雪崩の巣なんだそうです。 遥か彼方に白山が見えていました。間には高山の町並みや合掌造りの白川郷がありますが、勿論見えるわけはありません。嘗て高校生のころ、家族で上高地側から槍ヶ岳に登ったんですよ。まぁ、体力が有り余っていましたから、家族を励ましながら行ったり来たりしていました。自分の目で槍ヶ岳を見たのはそれ以来。 懐かしい思いでいっぱいです。新穂高ロープウェイは何時か乗りたいと思っていました。今回願いが叶いました。 その上、雲一つない快晴。 雨女の奥様同伴なのに。若い頃と違って、最近雨降りの威力が少々衰え気味このような年齢の重ね方もいいなぁと思いますよ。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.10.29
10月20日(水)先週から急激に気温が下がってきましたが、本日の関東地方では早くも「木枯し一号」と思われる強い北風が吹きました。我が家でもお昼頃から、「ヒュー、ヒュー」という風が吹き抜ける音が室内でも確認できました。「木枯し一号」といえば、晩秋から初冬にかけて吹くものと思っていましたが・・・。体感的には少なくとも半月ほどは早いなぁというところでしょうか。気象庁の website によると、「木枯し」の定義は「晩秋から初冬にかけて吹く、北よりの(やや)強い風」。そのシーズンで最初に吹いた「木枯し」が「木枯し一号」となりましょうか。過去のデータを見てみると、東京では10月下旬から11月上旬が多いようです。今年は、お天気が良いと暑い、お天気が芳しくないと蒸し暑い、このような日々がつい最近まで続いていて、爽やかな秋晴れの一日という記憶はなかなかありませんな。日本近海の海面水温を見てみると、9月末頃まで、30℃に近い海水温が太平洋側に迫っていました。10月に入ってから、この海水塊が南方に後退し始めています。これが最近の急激な気温の低下に繋がってはいないかと推測できるところですね。北海道では、襟裳岬では秋鮭は不良でブリが大漁とのこと。数年前からオホーツク海側では、このような現象が見られていましたが、今年は太平洋側で顕著なようです。ところが、北海道ではブリはとんでもなく安値だそうで、漁師さんには思いっきり迷惑な現象だそうです。 赤潮も発生しましたし・・・。年々不漁が酷くなるうえに、今年は赤潮も発生し網の中のサケは大方が死滅。特産のウニも大量に死んでしまい、踏んだり蹴ったりという状況ですね。それ以外にも、根室海峡に面した知床半島の羅臼では、今夏クロマグロの群れが確認されたとのこと。シャチやクジラのジャンプではなく、クロマグロのジャンプだったそうです。晩夏からいきなり晩秋かと思われる季節感や、北海道で顕著な海産物の変化。 不気味ですね。今年のノーベル物理学賞を受賞した真鍋淑郎氏は、地球全体の気候をコンピューター上で再現して予測する数値モデルを開発し、大気中の二酸化炭素濃度が気候に与える影響を初めて明らかにしたとされました。これまで、相関関係はあっても因果関係は不明であるから、二酸化炭素の排出抑制には反対だ、という国の指導者もいましたが、やはり排出抑制は地球全体の喫緊の大きな課題なのですよ。折しも昨日、衆議院議員総選挙が公示され、選挙戦がスタートしました。やはり、COVID-19対策と経済対策が大きな争点となるのでしょうね。勿論目先はそうかもしれませんが、経済対策については困窮者に手を差し伸べるといった近視眼的な話だけではなく、グリーンやエコをも包括的に解決する、大きな視点での経済構築を望むところです。今日は阿蘇山中岳で中規模な噴火があったそうです。昨年訪れた時もモクモクと噴煙を上げていました。今日は小規模の火砕流と噴出物が観測されたそうです。夕方には噴火そのものは落ち着いたようですが、今後もしばらくは警戒が必要かと。COVID-19が落ち着いて、今後観光需要が見込まれる時期ですから地元は残念ということろでしょうか。さて、前置きがやたらと長くなってしまいましたが。今日のお題は秋のお花の続き、ということです。いずれも、ソバの花が咲いていた下妻市の小貝川の河川敷で見られたお花です。最初の3枚の写真は言わずと知れたヒガンバナですね。球根でしか増えないのに、離れた場所でも増えていくというちょっとミステリアスな植物。人が植え替えただけでは何でその場所と理解ができないような移動も見られます。しかも有毒植物ですから、動物が食べたりして移動したとも思えません。河川敷ならば洪水の際に流されたとか。このようなことを想像することはできますが、なかなか謎多きお花です。続いて、1枚の写真はフジバカマ。 秋の七草の一つですね。古来から愛されてきたお花ですが、河川工事などの影響で自生は激減しているそうです。環境省のレッドリストでは純絶滅危惧種(NT)に指定されています。ピンク色の小さなお花はミゾソバです。小川や湿地の畔など、湿潤な場所では良く見かけるお花です。よく似たお花が2種あります。 すべて縁がほんのりピンク色の可愛いお花。しかしどちらも面白可笑しなお名前なのですよ。アキノウナギツカミとママコノシリヌグイ。 奇天烈でカタカナではイメージできないかも。漢字で書くと、アキノウナギツカミは「秋の鰻掴み」。 ママコノシリヌグイは「継子の尻拭い」なんですね。ミゾソバにも見られますが、何れも茎や葉っぱに棘があります。アキノウナギツカミは細かい棘があるので、ウナギを掴むのには持ってこいか実際に掴んだことはないのでその効用は不明です。ママコノシリヌグイはもっと恐ろしいお名前です。こちらの棘のほうが大きくて鋭いのです。 継子苛めにこれを使ったってことか。今風に言えば大変な児童虐待ということになります。ミゾソバには白花もあります。 同じ場所で咲いていました。ところでCOVID-19の新規患者数は、何でと思われるほど少ないままで推移しています。激減してきた理由が今一つはっきりしない中、もう大丈夫ともはっきり言えないところ。ワクチン接種先進国のイギリスでは、行動抑制を全面解除した後、新規患者数が増え始めているとのこと。東京、埼玉、千葉、神奈川の一都三県では、来週の月曜日、10月25日から飲食店の時短営業の要請解除に踏み切るようです。飲食店を経営されている方、従事されている方には朗報ですが、利用する側については、引き続き大声で騒がないなど、それなりの配慮が必要なのは言うまでもないことでしょうね。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.10.20
10月15日(金)今日は久しぶりに日記の更新。COVID-19の第5波は拍子抜けを感じるほど急速に収まり、東京都ですら、このところ新規患者数の確認数が二桁台の日が続いています。このまま大人しくしていてくれることを祈るばかりです。関東地方では昨日から急激に気温が下がり、半袖・短パンの姿から上着に薄手のコートを羽織るといった、残暑の出で立ちから、秋の装いを一気に通り越して初冬の趣に突入です。ところが九州方面は未だに30℃前後の夏日が続いている模様。もう10月も半ば。 やはり気候変動の兆候を感じずにはいられませんね。一方、衆議院は先程解散し、自民党の総裁選から第100代総理大臣の誕生、衆議院議員選挙と熱いイベントが続きます。 選挙戦の結果が出るのは10月末。自公政権が続くとなれば、岸田自民党総裁が引き続き第101代の総理大臣を務めることになるのでしょう。個人的な意見とはなりますが、COVID-19の影響でガチャガチャの経済・社会情勢ですから今暫くは安定を望みます。岸田さんは大人ですよ。 家庭をとても大切にする方ですし。自分が40台半ばの頃、岸田総理は2つ年上、当選5回で入閣目前といったところ。当時は小泉純一郎元総理大臣の元行われた郵政解散の直後と記憶しております。そのような折、属していた会社の仕事の件で、衆議院議員会館でお会いしたことがあります。ご理解いただいたかどうかは別にして、少なくとも良く話を聞いていただきました。総裁選挙中から人の話を聞くのは得意とおっしゃっていましたが、今思えばそのような姿勢はお若いころから堅持されてきたのだと思われます。就任直後であり総理大臣としては実績ゼロですから、マスメディアなどは余り好ましくない適当な評価を垂れ流していますし、支持率もそれほど芳しくはありませんが、小手先の施策に終始せず、本格的な経済再生と社会情勢の安定を期待しましょう。日記のテーマは秋のお花。 今日は日本そばのお花です。時期は9月末。 場所は茨城県の下妻。 トップの写真のお山は筑波山です。そばの県別の収穫量は北海道がダントツの1位ですが、2位以下は、山形県、栃木県、茨城県、長野県で抜きつ抜かれつのデッドヒートです。そのようなそば処の茨城県にあって、筑波山の西側・北側に位置する下妻市や筑西市、桜川市には、今では茨城県全体の作付面積の5割程度のそば畑が広がっているといわれています。特に茨城県で栽培されている品種は「常陸秋そば」というもの。元々常陸太田市の金砂郷の赤土地区で栽培されていた在来種を、粒揃いがよく味がしまりたんぱく質やでんぷんを多く含むことを基準に、選別を繰り返す選抜育成法によって良質なものを固定したのが「常陸秋そば」。粒揃い、香りの高さ、甘みに優れているのが特長ということで、茨城県内で栽培されるほぼすべては「常陸秋そば」で占めるそうです。従ってこれらのお花もおそらく「常陸秋そば」のお花。毎年、9月末から10月初めには、国道294号線(常総街道)を走っていますと、真っ白に見えるそば畑の広がりを確認することができます。特に、「道の駅しもつま」の周りには多いように思います。この日はお天気が良くなく、くすんだ色の写真ばかりになってしまいました。広いそば畑の中で、見える範囲では唯一の赤い実。そばという植物は、ハナバチやハナアブの訪花によって受粉する他家受粉植物。従って自然交雑しやすく、品種の特性が失われ(変化し)やすい特性があります。上の写真の赤い実もそのような自然交雑の結果かも。このような変化を避けるため、茨城県全体で栽培品種を「常陸秋そば」に統一するという取組がされているそうです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.10.14
9月23日(木)録画しておいたNHKのBSプレミアムで放送された「ワイルドライフ」、「長野 軽井沢 新発見!言葉でつながる小鳥たち」を見たのですが・・・。我が家の庭にもやって来るシジュウカラという小鳥が、言葉を巧みに操っているという最新の研究が紹介されていました。これは京都大学の若手研究者・鈴木俊貴博士の研究成果だそうです。6月に「ダーウィンが来た」でも、同様の内容が紹介されましたのでご覧になった方もいらっしゃるでしょう。少しだけご紹介しますと・・・。「ピーツピ」は「警戒しろ」、「ジジジ」は「集まれ」なのだそうです。驚くべきは、二つの鳴き声を組み合わせて文章にしていること。「ピーツピ、ジジジ」だと「警戒しながら集まれ」になるそうですが、この鳴き声の順番にも決まりがあって、順番を反対にすると意味をなさないんだって。このお話は、以前この日記でも紹介したことがありましたね。シジュウカラの♂の囀りは「ツピッ、ツピッ」って感じですが、「ここにいるよ」という意味でも使われるそうですよ。 なるほどねと思います。北海道から沖縄まで、低地を中心に都市から湿地まで、多くの場所で見られるほど繫栄していますが、言葉を操る能力に依るところ大でしょう。更に我が家の周りでも冬になると見られる混群の構成員、シジュウカラ、ヤマガラ、エナガなどの間でも、お互いの言葉を理解するのだとか。番組の中では、コガラ、ヒガラ、ゴジュウカラが登場していました。例えば、共通の敵である蛇や猛禽類に備えるのは、お互いに異なる言葉を理解しあって共同で対処するのだそうです。確かに混群を見ていると、小さいながら社会を形成しているような秩序を感じます。鳥類は恐竜そのものとのお話がありますが、ひょっとすると言語は人の専売特許ではなかったという可能性もありですね。今後の研究の進展に期待しましょう。さて、今日の日記は北海道の最後。登別のお隣の白老町にあるヨコスト湿原のことです。奥様は電車で帰るということで、室蘭本線の登別駅でしばしのお別れ。国道36号線を苫小牧方面に向かいましたが、途中のヨコスト湿原で道草というわけです。ヨコスト湿原はそれほど大きな湿原ではないのですが、更にほぼ中央を国道36号線が縦断していて、残念ながら海側と陸側に分断されています。しかし、小場所のせいか注目度は低く、観光地的な施設は全くなく、訪れる人も極少数とあって自然はよく残されています。2年前、苫小牧から上陸した際、初めて寄った地点がこのヨコスト湿原。 思い出の地です。初めてご対面したノビタキやコヨシキリ。更には頭の黒い夏羽のオオジュリンの♂の姿に感動した地です。下の子はノビタキの♂。この子はノビタキの幼鳥だと思います。知床のウトロで初めて見た時は全く分かりませんでした。草地の上をヒバリが歩いていました。掘り出した幼虫を咥えています。 ヒナのもとに運ぶのでしょう。巣まで歩いて行くのでしょう。 何処にあるかは全く分かりません。ハマナスの藪から顔を出したのはコヨシキリかな。葦の茎に掴っていると間違いないのですがね。更に鳴き声が聞こえれば間違いなしです。この子は何だと一瞬迷いましたが、おそらくオオジュリンの♂ではないかと。お腹の羽毛が風で捲れあがって、翼側が隠されて分かりにくかったですよ。電柱オオジシギ。 この子のフライトに初めて出会ったのはこのヨコスト湿原。上空を鳴きながら飛行していることが分からず。 地上ばかりを探してしまって×。懐かしい思い出です。ホオアカ。冬になると我が家のご近所に引っ越ししてきますが、運が悪いのかなかなか出会えませんな。今回の北海道旅行では何度も会えたのでウフフです。海岸線に出るとテトラポットの上にアオバトの集団が来ていました。海水を飲みに来ているものと思われます。 実際に飲む姿は確認できませんでした。我が家の近所には現れませんから嬉しい出会いです。関東地方では神奈川県大磯の照ヶ崎海岸のアオバトが有名ですね。日本全国の森林地帯に生息していますが、特定の場所では、わざわざ海岸までやってきて海水を飲むという行動が観察されています。上記の大磯の他、北海道小樽市の恵比須島でもアオバトの大群が姿を見せるそうです。また、山間部では鉱泉が湧き出ている場所に水を飲みに来るところもあります。これらの行動はミネラル分の補給だと言われていますが不思議な生態です。ヨコスト湿原は原生花園でもあります。ムラサキツユクサですね。 きれいなお花ですがアメリカ大陸原産の外来種。栽培されていたものが脱走して定着したのでしょう。エゾスカシユリ。 各所の原生花園の定番。ハマボウフウですね。嘗ては日本中の海岸線の砂浜に自生していましたが・・・。残念ながら現在は絶滅危惧種です。このハマボウフウも竹垣の囲いの中で保護されていました。食用に供するほか、漢方薬の原料となる生薬にもなります。このため乱獲が進んだことと海岸線の自然環境の変化が、生育数の激減に繋がったといわれます。ヒオウギアヤメとキハナショウブ。ヨコスト湿原は本当に狭い範囲で苫小牧と室蘭を結ぶ主要な国道の脇ですが、野鳥の姿は多く、人の姿は少なく、お花もそこそこ咲いていて、自然を堪能することができました。この後苫小牧まで移動。ウトナイ湖にも寄ってみましたが、COVID-19の影響で遊歩道も売店も立ち入り禁止。 見るべきものは何も無しでした。そして苫小牧東港から新日本海フェリーに乗船し、翌日早朝に新潟港に無事上陸。会津若松、日光、宇都宮経由で夕方には我が家に帰着しました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.09.23
9月15日(水)私事ながら、我が街の大腸がん検診を受けたところ、見事に引っ掛かり更に精密な検査をするべく内視鏡検査を受けるはめになりました。これまでの人生ではがんの心配はなどはほぼ無かったのですが・・・。正確に言うと2度目。 50歳を過ぎた頃やはり大腸がんの疑いで精密検査を受けました。その時は全く問題が無く笑って済ませることができました。それで今回はと言いますと。 一昨日、かかりつけの先生のクリニックで内視鏡による検査・生検・ポリペクトミーを受けました。生検・ポリペクトミーというのは、内視鏡で病変が認められた場合、スネアという投げ輪みたいなもので絡め取るとともに、がん細胞かどうか検査するもの。結果、下行結腸とS字結腸に、それぞれ一つずつポリープがあったそうですが、完全に除去されたようです。先生の所見ではがん性のものではないでしょうとのことでしたが・・・。生検の結果は来週以降に判明します。 取り敢えず心配しないで待ちましょう。これから歳を重ねるに伴いこのような機会が増えるのでしょうが、医療が発達し医療提供体制が整った国で生活していることに改めて感謝です。大雪山系の麓、上川町や帯広の北に位置する音更町では、気温が早くも氷点下を記録したと、冬に向かう季節の便りが届いています。日記の中はまだ6月ですが、あと2回ほどで記録を終えます。今日の舞台は富良野から離れ、白老、登別方面に移動したときの記録です。トップの写真は支笏湖。札幌市内から40km足らずですが本当に自然のど真ん中。下の写真は洞爺湖に向か途中に見えた昭和新山。有珠山の麓の観光地とは反対側です。平らな麦畑がいきなり持ち上がってきたという、昭和新山の成り立ちが良く分かります。こちらは洞爺湖の眺め。 洞爺湖温泉の反対側から見ています。お天気はどんより曇り空。 遠くは霞んで良く見えません。洞爺湖を一周して登別温泉に向かいました。室蘭を通る海岸沿いではなく、山中を通る近道を行きます。途中、オロフレ峠という絶景ポイントがあるそうで寄ることにしました。峠近くまで来ると雲の上に出たようで太陽が姿を現します。洞爺湖方面には雲海が広がり、顔を出したお山が島のように浮かんでいます。駐車場の周りは高山植物(本州では)の宝庫でした。まず目に付いたのがミヤマオダマキです。次はヨツバシオガマ。お花を横から見ますと、ゾウさんの横顔のようです。ウコンウツギも咲いていました。マイヅルソウです。ハクサンチドリの群落も見られました。少しずつ色が変化していて多様性を感じます。白と紫のコントラストが素敵でした。登山道を少し登ると、道沿いにイワカガミの可憐な姿が見られました。チングルマのお花も満開。お花が散った後は、種子の上に生えた雌蕊が伸びて綿毛のようになります。綿毛は多数あって広がりますから、これが風車のように見立てられます。子供の風車、稚児の車、チゴグルマが「チングルマ」になったと言われていますね。お花も素敵ですがこの実が生っている姿も素敵です。比較的ありふれた高山植物ですから、姿を目にされた方も多いことかと思います。チングルマは非常に背が低いので、一見、草のように見えますが実は樹木です。横に這って伸びていきます。 下の写真では固そうな茎の雰囲気がお分かりかと思われます。オロフレ峠では、その他シラネアオイの群生で有名だそうです。この時は見ることはできませんでした。シラネアオイは、栃木県と群馬県の県境にそびえる日光白根山に多いのでこのように命名されたとか。日本固有種の人気がある可憐なお花です。さて日光白根山の本家シラネアオイは、二ホンジカさんの食害で壊滅状態です。防護柵を設置するなど懸命に保護活動が進められていますが、復活への道はまだなお遠いそうです。そのため、オロフレ峠には栃木県の方がしばしば訪れるのだそうですよ。この辺りにはエゾジカさんはいないのでしょうか。 北海道では他にも美味しい植物がいっぱいあるからでしょうか。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.09.15
9月8日(水)関東地方は9月に入った途端、本当に涼しい日が続いています。本日は特に湿気も少なく、爽やかを通り越して肌寒さを感じる一日です。永田町方面も9月に入って政局が動き出しました。ジタバタと策を弄した挙句、打つ手が無くなった菅総理のまさかの不出馬。衆議院選を控えて自由民主党としては最善の手が打てたということでしょうか。とまで言ってしまっては不謹慎か。 野党の方々は臍を嚙んでいるかもしれません。さて今後、自民党総裁選、衆議院選挙と永田町劇場はどうなっていくのですかね。 高みの見物を決め込める身としては、楽しみな毎日が暫く続くことになりますよ。動き出したといえば日経平均株価。 8月末から8連騰。特に菅総理が不出馬を表明した9/3午後以降の急騰ぶりにはびっくりです。次期政権の経済対策への期待の表れなどとの解説が目立ちますが・・・。裏返して言えば、菅総理の政権運営は如何にも視界不良といったところであったのでしょう。少々過熱気味の感もあり目先一服する場面もありそうですが、当面選挙ラリーの間は、帰趨を追いかけるが楽しみになってきました。そしてSARS-Cov-2の新規感染者数が急激に減ってきましたね。ワクチン接種が進んだおかげか、個人個人の的確な対策のおかげか、明確な理由は全く分からないのですが、兎に角も良い兆候であることに違いはありません。そうは言いましても、重症の患者さんは未だ顕著には減らずです。マスク着用やソーシャルディスタンスの確保、大声禁止はまだまだ必須ですね。一刻も早く平時の経済を取り戻せるよう、今暫くは頑張りましょう。日記は未だに北海道。北海道から帰宅後、書くことがないのでだらだらと書いているのですが・・・。もう2か月の前のことですから季節感が全く合いません。大雪山系黒岳では、8月末には早くもウラシマツツジが真っ赤に紅葉しているのだそうです。北の大地は夏が短いことは頭では分かっているにしても、感覚の違いに戸惑うばかりですな。今日の日記の舞台は日本海。宿泊していた富良野からは決して近くないのですが・・・。「海が見たい」と突然出てきた奥様の我儘に応えるべく、「いいかげんにしろよ」と思いながらも、日本海かオホーツク海か太平洋かと地図を見ながら思案の結果、日本海に決定。嘗てニシン漁で栄えた、留萌や増毛に向かったのでした。美味しい海鮮をいただくのも大きな楽しみですね。距離は片道100km以上あったのですが、やはり北海道ですから然程苦労はしません。8時過ぎには留萌近郊に着いてしまい、黄金岬海浜公園で時間調整です。嘗て、もはや遠い昔ですが、北海道でニシン漁が盛んであった時分、黄金崎はニシン漁の見張り所だったそうです。この辺りからニシンの姿が消えたのは1950年頃。随分と前のことになります。 では、現在は全く獲れないのかというと・・・。1999年ごろから徐々に漁獲量が回復し始めているのだそうです。もちろん往年とは比ぶべくもない漁獲量ですが、春の産卵期には浜の水が白く濁るのだそうです。さて黄金岬ではハマナスのお花が満開でした。花壇ではチャイブのお花も満開。石碑には「波頭の門」と書いてありますが。冬の黄金岬は波の激しい事でも有名で、スコットランドのウイック、インド南部のマドラスと並んで世界三大波濤なのだそう。それを記念して「波濤の門」が建立されたそうですよ。美味しいランチを求めて、留萌から少し南の増毛に移動しました。増毛は古い町並みが保存されている情緒のある街でした。下の写真は2016年(平成28年)に廃止となった増毛駅跡。現在は観光・交流施設、駐車場として活用されています。下の写真は、明治時代に北海道・天塩(てしお)国随一の豪商と呼ばれた旧商家丸一本間家の建物。一代で財を成した本間泰蔵が、1902(明治35)年に完成させたもの。平屋、2階建て、3階建ての建物、全9棟合計で延べ床面積は1,300㎡だって。COVID-19の影響で閉館中。残念ながら豪商気分を味わうことはできませんでした。こちらは日本最北にして北海道最古の造り酒屋である、國稀酒造(くにまれしゅぞう)のお店。 酒蔵見学と利き酒のサービスがありました。1882年(明治15年)に前記の本間泰蔵が創設です。売店もなかなかのセンス良し。国稀の稀の由来は、乃木希典の稀なのだそうです。増毛は高倉健と倍賞千恵子が演じた映画、「駅STATION」の主たるロケ地。国稀酒造の奥座敷も登場しています。 映画は1981年の制作ですが往時のまんまです。ランチは近くのお寿司屋さんの「まつくら」。超人気のお店ですが、比較的空いていて待つことなく着席できました。こんなところは、不謹慎ではありますがCOVID-19のおかげかうに・いくら丼と特上生ちらし。いずれも美味。 ボリュームも文句無し。 ご馳走様でした。ところで緊急事態宣言はまたもや延長が検討されています。一方で、遅まきながら行動制限の緩和の議論も開始された模様です。飲食店や観光業界、はたまたエンタメ業界など青息吐息の1年半。またこの間、SARS-Cov-2との付き合い方に関して格段に経験値が上がっている人類。もうそろそろ何とかならないものでしょうか。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.09.08
8月31日(火)現在、二十四節季では処暑(しょしょ)。厳しい暑さも峠を越してほっと一息の頃のはずでしたが・・・。しかし昨日までは残暑が厳しく、相変わらず熱中症には要注意でした。72候では天地始粛(てんちはじめてさむし)。処暑と共通でようやく暑さが静まる頃を意味します。天気図に秋雨前線が現れる頃でもあります。北から冷たい空気が入り、夏の空気と押し合い圧し合いをしますね。今年は既にお盆前後に秋雨前線がかかり、秋の訪れは早いかと思わせましたが、そう簡単に夏は撤退してくれませんでした。関東地方では本日の夕方から涼しい空気が入り幾らか凌ぎ易くなります。また再び秋雨前線が南下し、大気の状態は不安定となりゲリラ豪雨に要注意です。さて、秋雨前線といえば、今年は梅雨前線も秋雨前線も超活発でしたね。梅雨前線では熱海市、秋雨前線では佐賀県や長崎県で大きな被害が出ました。9月は台風シーズンでもあります。アメリカはとんでもなく大きなハリケーンに襲われたそうです。風水害には気を抜けない日が続きますよ。日記は引き続き富良野滞在のこと。この日は奥様も早起きをして、大雪山系の主峰・旭岳方面に出かけました。反対側の黒岳同様、旭岳にもロープウェイが掛かっていて五合目まで楽して上がることができます。五合目付近には、1周1.7キロ、1時間ほどで歩ける姿見散策コースがあります。そこをのんびりとお散歩する目論見でしたが、やはり積雪が遊歩道を覆って行く手を阻んでいるようで・・・。しかも見上げると天空は雲の中。ロープウェイで上がるのは断念し、、標高1,100mの山麓駅付近をウロウロすることにしました。湿地ではちょうどミズバショウが花盛り。 尾瀬辺りと比べるとずいぶんとゆっくりです。それもそのはず、この辺りでも残雪がたっぷり。雪で空気が冷やされ地表近くだけ霧が・・・。 不思議な光景です。雪が残っていない横道に入ると、湿地でエゾノリュウキンカの群落を発見。漢字で書くと「蝦夷の立金花」。 北海道と北東北の特産です。本州以南ではリュウキンカ。 やはり湿地に生えています。どちらも直立した茎に、多くの黄金色の花が咲きます。 まさに立金花。エゾノリュウキンカは普通のリュウキンカよりも大柄です。この植物はキンポウゲ科に属しますが、キンポウゲ科には猛毒植物が多いですね。有名どころでは、トリカブトをはじめキツネノボタン、ウマノアシガタなど。ところがエゾノリュウキンカには毒がないのです。早春の北海道では重要な山菜とされ、美しくて美味しいとして重宝されています。糠平湖畔のお宿で夕食に供されましたが、全く癖がなくまことに美味でした。ところで普通のリュウキンカは残念ながら有毒。 食用可ですが食すと下痢、だそうです。残雪の上を慎重に進むと、右の林から黒い動物が飛び出してきました。 慌てて写真をパチリ。写った姿はどうもミンクのよう。 シルエットは二ホンイタチにそっくりです。ミンクは元々北アメリカ原産。 毛皮用に養殖されていた個体が脱走。野生化して定着しているそうです。 立派な特定外来生物です。リュウキンカとミズバショウは相思相愛のようですが、エゾノリュウキンカとミズバショウも相性ばっちりのようですね。ともに湿地帯を好み開花時期も重なります。久しぶりにミズバショウを至近でまじまじと見ることができました。イチリンソウの仲間のエゾイチゲ。エゾイチゲは漢字では「蝦夷一華」。 名前の通り茎の先に一輪咲きます。北海道と山形の月山、サハリンなどに分布しますが、北海道が中心です。道路標識の上にはキセキレイ。場所を移して美瑛の丘に。 こちらは電線に留まったホオアカ。美瑛には1900年代にCMに登場した樹を含め、映えるフォトジェニックな樹が何本もあって、丘の景観と相まって観光地になっています。下の樹はそのうちの一本、ケンとメリーの木です。日産スカイラインのケンメリのCMのロケ地で有名になりました。といいましても、1972年のことですから若い人は知らんだろうなぁ。大きな樹はポプラです。美瑛のパッチワークの丘は結構走りましたが、これはという素敵な光景にはなかなか出くわしませんでした。富良野も美瑛も、コロナ前はインバウンドの観光客で賑わっていたのでしょうが今は閑散としています。人嫌いの自分には好都合ですが、地域経済は大打撃なのだろうと思います。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.31
8月24日(火)今日はパラピンクリックの開会式。SARS-Cov-2の感染爆発が、何時どのように終息するのか見当もつかない中・・・。昨日から今日にかけての報道では、北海道、愛知県、岐阜県、三重県などを対象に、緊急事態宣言対象地域の再拡大を検討しているとのことです。一方、全国で重症患者数は連日うなぎ登りであって、毎日のように自宅療養(待機)で命を落とす方の事例が報道されています。我が町の地域でも、現状では入院医療が受けられるチャンスはほとんどないのでしょう。SARS-Cov-2に感染して発症したら、かなりの確率で命の心配をしなくてはならない。昨年の今頃でも、このような事態になるとは誰が想像し得たでしょうか。日本国憲法の第25条では、以下の通りに規定されています。1 すべて国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する。2 国は、すべての生活部面について、社会福祉、社会保障及び公衆衛生の向上及び増進に努めなければならない。自宅で医療を受けられずに命を落とす方が続々出るこの事態は、厳しく言えば、政府が国民から負託された義務を果たしていない、これははっきり言って憲法違反ではないかと思うのです。取り敢えず今日の愚痴はこれぐらいにしておきましょう。日記は富良野の続き。富良野観光ではトップクラスのラベンダー畑、FARM TOMITA のこと。中富良野の富良野岳や十勝岳と向かい合った西側の丘にはラベンダー畑が広がっています。その中でも最も大きくて有名なのが FARM TOMITA です。 大雪山系の峰々に残雪が目立つように、富良野の辺りは未だ春浅きという感じ。倖の畑の路地植えのラベンダーのお花はほとんどがつぼみ。 花盛りは7月上旬ということです。温室の中のラベンダーは満開でした。ドライフラワーの舎に行ってみました。エントランスからきれいなディスプレー。 気分が盛り上がります。蓮やら瓢箪やら、素敵ですな。中もきれいに飾り付け。ディスプレーの中にお土産が並んでいます。写真ではお土産品は目立ちませんね。実際、写真よりも素敵なところでした。COVID-19の影響でしょう。 人影は疎ら。最近はあまり言われませんが、主要観光地の経済の落ち込みは深刻でしょう。特にCOVID-19以前の安倍政権下では、インバウンド観光の取り組みにイケイケドンドンでしたから・・・。このギャップは堪えるでしょうな。チャイブのお花は満開。チャイブというとあまり馴染みはありませんが、別名セイヨウアサツキとかエゾネギ。別名から想像が付く通り、ヒガンバナ科ネギ属の植物。 ですからお花はネギ坊主と似ています。卵料理やジャガイモ料理と相性が良いハーブです。一見マーガレットに見えますが、フランスギクのお花なのだそうです。向こう側にはルピナスのお花が覗いています。サクランボ。 人が食べられるものではありませんが。メジロやヒヨドリなどの小鳥の大好物ですね。続いて訪れたのは麓郷の森。1900年代の最後、20年余りに亘って絶大の人気を誇ったドラマ・「北の国から」のセットが保存されています。森の中にはカラマツソウのお花。FARM TOMITA のように、人為的に整えられたお花畑のお花もきれいですが、このカラマツソウのように自然生えの山野草の美しさも劣るものではありませんな。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.24
8月16日(火)オリンピック東京2020が閉幕して一週間経ちました。しかし、SARS-Cov-2の新規感染者数は一向に減らず微増状態。今回の第5波は過去に比較して圧倒的に患者数が多く、いくら感染している人はほとんどが重症化しにくい若年層といえども、分母があまりにも大きいため、重症者数は東京都でも全国でも過去最多数を更新中です。また、PCR検査を受けた方の陽性率も急上昇中。7月初旬では5%程度であったものが、直近の8月13日には24%まで上がっています。この陽性率の数字は、感染の波が来るたびに上昇し、波が引くに従って下降する傾向が見えています。何故なのでしょうか東京都のPCR検査数を調べてみますと、感染の波と関係なく、今年の1月以降は1万件前後でほぼ一定数なのです。これほど感染者数が爆発的に増加していてもです。分母はそれほど上下しませんから、分子が膨らめば当然数字は大きくなる。即ち陽性率が上昇するということです。もし検査数が実態に追い付いていないとすると、発表されている感染者数は実態を反映していない可能性が疑われます。この陽性率という数値も要注意ですね。さて、我が千葉県では連日のように感染者数の記録を更新しています。我が町でも以前では考えられないような数字が出ています。お隣の茨城県でも300人越えの日が出てきました。これでは緊急事態宣言やまん延防止等重点措置の対象地域の拡大や期間延長もやむなしです。我が家は末っ子までワクチンの2回目の接種が終了し、取り敢えずほっとしていますが・・・。予断を許さない状況です。ところで先週木曜日から降り続いた今回の記録的大雨。九州から中部、関東までといった広範な地域に災害が発生しました。九州ではこの3年間に連続して何処彼処で河川氾濫の被害が出ています。広島でもしばしば土砂災害が起きています。 被災地の映像を見ると心が痛みますね。COVID-19も気象変動も人智を超える自然現象。 厄介な相手ですな。日記は相も変わらず北海道。 あと4、5回で書き終えられるでしょう。もう帰宅してから2か月経ちますから、早く終えなくてはと少し焦っております。今日の舞台は大雪山系を回り込んで、反対側に位置する富良野です。旭川市で奥様をピックアップし、まず向かったのは美瑛町の白金青い池。これは完全な観光モードです。COVID-19の影響で駐車場も売店も閉鎖。 人の姿はまばらでこれはこれで良かったですよ。白金青い池は人工的にできたもの。この池の左側には美瑛川が流れていますが、上流には活火山の十勝岳が聳えています。過去150年の間にも5回の大噴火を起こしています。最近では1988年(昭和63年)から1989年(平成元年)にかけて本格的に噴火。この際、幾度となく火砕流が発生しました。その後、大量の堆積物による火山泥流災害を防ぐため、1989年末に美瑛川本流を横切るように複数の堰堤が建設されたそうです。何時しかそのうちの一つに水が溜まりこのような池が出来上がったとのこと。それでは何故このようにきれいな色をしているのでしょうか。難しいことは分かりませんが、アルミニウム化合物が関与しているそうです。立ち枯れたカラマツやシラカバの幹と相まって、独特の景観を生み出しています。池の畔に咲いていたベニバナイチヤクソウ。次は近くの十勝岳望岳台へと行ってみました。防災シェルターがあるのですが、屋上が展望台になっています。前方に見えるのが活火山の十勝岳。左手の溶岩帯にはナキウサギが生息しているようです。もう少し寄ってみますと、かなりの荒野が広がっていることが分かります。凡そ30年おきに大きな噴火を繰り返していますから無理のないところですね。こちらは大雪山系主峰の旭岳方面。次の日の早朝、お宿の近くの鳥沼公園でお散歩。湧水が水源の素敵な池がありました。公園の池といいますと大きな鯉がつきものですが、この池で泳いでいるのは大きなニジマス。さすが北海道です。鳥沼公園といいますから、さぞかし小鳥が多いかと思いましたが・・・。なかなか見つからず寂しい思いをしました。 この子はやっと見つけたアオジの♂。今思えば近くに巣があったのか、不審者を追い出すような雰囲気でした。クロヒカゲでしょうか。極めて普通種なのですが、よく見ると後翅の蛇の目紋がちょっと違うような気がします。個体差なのでしょうか。北海道では其処彼処の空き地で見られるルピナスのお花。今や北海道を代表するお花になったとの感がありますが・・・。本来は北アメリカや地中海沿岸を原産地とする外来種。冷涼な気候を好みますから北海道が気に入ったみたい。強健な性質ですから、気候が合えばあっという間に野良化して蔓延ったよう。その上大柄だから目立ちます。 まぁ、きれいだから良いか。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.17
8月9日(月)東京オリンピック2020は、昨日閉会式が無事執り行われ閉幕。これでやや控えめな喧騒も終わり、日本社会は少しづつ落ち着きを取り戻すでしょうか。さて、COVID-19の猛威は一向に治まらないどころか、勢いはまだ増すところでしょうか。この2週間は、オリンピック開会時の4連休や閉会時の3連休もあったりして、ステイホームの呼びかけに対して、関東地方の皆さんの反応はかなり鈍かったようです。実際、昨日の東京都内の人出は、増えた処もあり減った処もありで、全体的にはほとんど変化は見られない模様。一年半もSARS-Cov-2との戦いが続き、この状態に麻痺している感覚がありますね。東京都では緊急事態宣言が出っ放しですから、いったい何が緊急かという心持ちですよ。もはや緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が出ようが出まいが、注意深く行動している人は常にそうでしょうし、そうでない人は常にそうなのでしょう。ただ、敵は初期型からα型、更にδ型と変化し更に凶暴性を増しています。このところ目立つのは、百貨店や美容院、学習塾などこれまでとは異なる場所でのクラスター発生。α型からδ型への置き換わりが影響していることは間違いないでしょう。こちらは負けが込んできている状況でもありますから、迎撃方法を何らか変える必要があろうということは当たり前に思えますが・・・。また、日本ではいまだ正体不明のλ型なるものも、最近上陸を果たしたとのことですから、尚更そのように感じるところです。そのような状況を考えますと、やられまくるという状況が変化するのは、当面望めないということでしょう。日記は層雲峡温泉から歩いて行ける紅葉滝訪問のこと。散策路が整備されていますので行ってみることにします。 散策路の終点が滝です。紅葉滝は石狩川の支流の赤石川にかかる滝。 赤石川のこの辺りは紅葉谷と呼ばれています。紅葉の季節ではありませんから真偽は分かりませんが、秋はさぞかしきれいなのでしょう。30分以上歩いて紅葉滝に到着です。最初の半分はまさに散策路のような道でしたが、後半から次第に傾斜がきつくなり、最後の100mほどは本格的な登山道の様相でした。これが紅葉滝。他には誰もいませんからゆっくりしていきます。前から実験してみたかったことをやりました。それはカメラのシャッタースピードを変化させて写り方を確認すること。まずは1/2500。 水の動きはほとんど感じられません。次は1/200。1/2500とほとんど変化はありませんが、幾らか流れが見られるようになりました。1/15まで落とすと、一気に雰囲気が変わってきました。水の流れが筋になってきました。 シャッタースピードが遅いので手振れには注意です。更にシャッタースピードを落として1/8秒。proの写真家さんが撮った滝の写真に似てきましたね。少し引いて全体を写します。柱状節理の発達した岩盤を削って流れていることが良く分かります。見上げてみると周りにも柱状節理の岩壁がそそりたっていました。帰り道も足元を確かめながらゆっくりと戻ります。左下の白いものは、僅かに残った残雪。 陽が当たらない谷間はひんやりします。山菜も芽を出しています。下の写真の物はウドでしょう。 上の写真はゼンマイ 確証は持てません。紅葉滝へと登る途中にも、このような小さな落とし込みが何か所もあります。ここは流れが二手に分かれて落ちていきます。道端に大きなシダが生えていました。大げさに言うとジェラシックパークみたい。 肉食恐竜が出てくると怖いですな。タチツボスミレかと思いましたが、どうもスミレサイシンのようです。こちらはタチツボスミレですか確信はありません。 もっとしっかりと確認しておけば良かったですね。スミレサイシンとタチツボスミレの決定的な違いはお花の距の形。お花の後ろ側、蜜が溜まる奥の部分、これを距といいますが、スミレサイシンは短くて太いのだそうです。ちゃんと横から見ていないので断定できません。ここにもニリンソウが咲いていました。ニリンソウと同じイチリンソウの仲間のヒメイチゲ。然別湖の辺りと同じようなお花ですね。似たような白いお花が咲いていましたが、葉っぱの形が全く異なります。クローバーの葉っぱのようですね。 しかしお花は違います。この子はコミヤマカタバミのお花のようです。全体的にシロツメグサ(クローバー)とカタバミの仲間は葉っぱが似ています。敢えて違いを記せば、カタバミの葉っぱの方が角張っているのですね。シロツメグサの葉っぱは丸っこいのです。このコミヤマカタバミは、カタバミの仲間の中でも丸っこい葉っぱの持ち主。お花が咲いていないと迷うかも。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.10
8月7日(土)いよいよ閉会の時が近付いてきたオリンピック東京2020。長かったような、短かったような、現実逃避の2週間であったでしょうか。日本は選手たちの連日の大活躍によって、金メダル数も合計のメダル数も新記録達成。獲得したメダルの数を競う国別対抗戦の大会ではありませんが・・・。分かっていてもちょっとは嬉しい。ですが、その陰でSARS-Cov-2の感染は爆発的に拡大しています。これは看過できない状況です。東京都における感染者の自宅療養者数は一昨日時点において1万7千人弱。医療機関に入院していれば、常に傍にお医者さんなり看護師さんがいらっしゃるわけですから、症状の変化についての専門的、客観的な評価が得られますから安心ですね。一方、自宅療養の場合、症状の悪化の判断や療養は、本人や同居の家族に委ねられるのですが、果たしてそれは十分可能なのでしょうか。今週この自宅療養の扱いについて、政府筋の発言が右往左往していました。菅総理は、重症患者や重症化リスクの高い人には、必要な病床を確保する、それ以外の人は自宅療養を基本とし、症状が悪化すればすぐに入院できる体制を整備、と8月2日に発表しましたが、これって今頃言うこと、1年半も何をしていたのもはや公的医療提供体制は崩壊しつつあります。適切な医療が受けられるかどうか分からないのですから、医療保険以前の問題です。COVID-19以外の重症治療にも皺寄せが来そうです。オリンピックにも医療資源を持っていかれていますしね。そして感染対策は、相も変わらぬマスク、消毒、人出の抑制、滞りがちなワクチン接種。こうなってきますと、感染対策はもちろんのこと、万が一の感染後治療も公の力は頼りにならんということか自衛の策として、少なくとも最新の情報は取得しておきましょう。例えば、COVID-19における軽症、中等症Ⅰ、中等症Ⅱ、重症の評価基準とかね。呼吸困難、肺炎所見があっても、呼吸不全のない中等症Ⅰでは入院できないかもです。感染経験者のお話では、この症状でも人生最大の苦痛なのだとか。 くわばらくわばらです。日記は黒岳ロープウェイで麓まで戻った後のこと。まだ時間が早いので、その辺を散策してみることにしました。トップの写真はアキタブキの種子。アキタブキはおそらく北海道中で見られる巨大なフキのこと。黒岳の7合目ではフキノトウでしたが、麓では塔が立った後にここまで変化です。垂直分布の観察にはもってこいです。天然記念物のウスバキチョウかと思いましたが、北海道では極々普通種のキアゲハでした。後翅の尾状突起部分が欠損しているので、一見キアゲハには見えませんでした。ところでウスバキチョウは、日本では大雪山系とその周辺の1700m以上の高山に生息するということですから、この麓の辺りにはいるわけがなかったのです。高山植物のコマクサが幼虫のお食事処なのだそうです。エゾシロチョウかな、それともエゾスジグロシロチョウかな。この子は翅の裏表ともに黒い筋が太くてはっきり。エゾスジグロシロチョウとして問題ないでしょうか蝶のことはよく分かりませんが・・・。何回も見ましたがやはり分かりませんな。エゾオオマルハナバチですね。よく似た外来種にセイヨウマルハナバチがいます。これは温室トマトなどの受粉のために、1900年代から盛んに輸入されたもの。北海道に限らず、温室から脱走し野生化して定着しているコロニーもあるそうですが。これが日本在来種のマルハナバチと餌や営巣場所で競合したり、交雑して遺伝子攪乱を招くなどが懸念されていて、特定外来種に指定されています。現在は利用するにあたって厳重な管理が求められています。この2種は、二ホンミツバチとセイヨウミツバチの関係と似ています。エゾオオマルハナバチとセイヨウマルハナバチは一見似ていますが・・・。お尻の色が異なることで見分けが付きます。 エゾオオマルハナバチは黄色。セイヨウマルハナバチは白色。 だからこの子はエゾオオマルハナバチのはずですが・・・。しかし、先程書きましたように交雑した個体もいて、怪しいのもいるのだそうです。ホオジロが姿を見せてくれました。北海道は昆虫にしても独特な生態系が見られますから、真剣に観察し始めるとこれはこれで興味が尽きないものと思われます。特にこの大雪山系は高所で特に寒冷な地が続いていて、北海道の中でも特に北方系の生物が多いといった特異な生態系を示しているそうです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.07
8月2日(月)先週の金曜日に2回目のワクチン接種を受けました。やや気怠さを感じたものの、重篤な副反応を経験せず、土曜日、日曜日を無事に過ごし、少しばかりほっとしているところです。一方で、SARS-Cov-2の新規感染者の確認数は、先週から顕著に増加しています。今日から東京都、沖縄県の緊急事態宣言が、8月の月末まで延長された合わせ、首都圏3県と大阪府の1府3県において、新たに緊急事態宣言が発令されました。しかし、以前の日記にも書きましたが、緊急事態宣言によって、今更行動を変えようと考える人はどれほどいるものか。東京都の場合は、年初からほぼ緊急事態宣言下にありますし、幾度となく延長されていますから、もう緊急事態宣言という言葉に危機感を感じない、またか、程度というところが大方の率直な気持ちなのではないのでしょうか。これは新規感染者数の数字に対する反応でも同様でしょうか。全国で1万人を超えたところで、まだ感染し療養している人が身近にいるという方はごく少数ですから、やはり身近なこととして感じることができないですね。いわゆる正常バイアスなのでしょうが、これは政府の責任も大きいと感じます。先週の金曜日に行われた菅総理大臣の記者会見でも、何だこれって感じが漂います。お隣にいらっしゃった感染症対策分科会の尾身会長との心情の差はありあり。相も変わらず根拠無き強弁の連発と、質問を空かしまくった嚙み合わない説明か。来る総裁選や衆議院議員総選挙を意識してのことでしょうが、総理大臣の発言や出てくる施策の稚拙さでは、国民の間に危機感を醸成できないよう。実際、この週末の観光地、行楽地の人出は、大幅に増加したようです。今週はオリンピック開会絡みの4連休における感染者が顕在化してくる時期。今週の動向によっては、社会情勢の短期的な行方が分かるかもしれませんね。さて今日の日記は、五合目に位置する黒岳ロープウェイの黒岳駅周辺のお散歩のお話。 6月9日のことです。ロープウェイ駅とリフト乗り場の間は200mほど離れていて、その間には高松台という展望台を始め美しい散策路があります。ちょうどチシマザクラが咲いていて春爛漫というところ。旭川市ではこのところ35℃前後の猛暑ということですが、とても想像はできません。チシマザクラのお花の蜜を吸いに来たスズメガの一種。ホシホウジャクでしょうか。 日本全国に分布し我が家のご近所にもいます。特に珍しい種ではありませんが、相変わらずの巧みな飛行術に見とれてしまいました。傍にいたキムネクマバチ。しかしクマバチの分布は道南までとされていて、大雪山にいるのはなのです。そして、胴体の黄色い部分が大きすぎるような気もします。近縁のマルハナバチの仲間を探してみると・・・。日本では北海道の固有種であるアカマルハナバチではないかとの結論に至りました。チシマザクラの傍の樹にいたハシブトガラ。何やら小さなものを食べに来ているようです。脚の力だけで、ぴょんと軽く飛び移ります。駅の近くで咲いていたキバナシャクナゲ。北海道から本州中部地方の高山帯に分布しますが、本州でよく見られるアズマシャクナゲやハクサンシャクナゲよりも、より寒冷な気候を好み更に標高の高い地域に分布するようです。尤も、アズマシャクナゲは北海道では見られないそうですが。キバナシャクナゲの傍のエゾノツガザクラ。トゲトゲの葉がびっしりと生えた茎の先に咲いた、ピンク色の丸っこいお花がキュート。いかにも高山植物といった雰囲気です。高松台から見た黒岳とその連なりの峰々。黒岳の右隣は桂月岳。 更にその右隣は凌雲岳でしょうか。黒岳の標高は1984m。 桂月岳は1938m、凌雲岳は2125m。黒岳の頂上まで登ってしまえば、これらの山容も間近に見られたでしょうか。予習不足とはいえ、返す返す残念な思いです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.08.02
7月26日(月)我が国では、梅雨の末期に全国各地で豪雨の被害が相次ぎました。最も悲惨であったのは、熱海の伊豆山での人災でしょうか。7月3日の発災ですから、もう3週間も経っているのですね。東京2020オリンピックが始まりましたのでほとんどNEWSになりませんが、今でも8名の行方不明者がいて、懸命の捜索と生活再建支援に全力が注がれています。ところでその後、ドイツ・ベルギーではもっと大規模な洪水が発生していますし、遡ること3月には、オーストラリア南東部で100年に一度とされる洪水が起きています。6月には中国とロシアの国境を流れるの黒竜江を始め、中国全土21河川でも氾濫の危機が近づいていると報じられていました。その後中国では、河南省鄭州や首都北京といった大都市で洪水が発生。車が濁流に流されたり、地下鉄の駅に大量の水が流れ込む、また車内に閉じ込められた人々が首まで水に浸かっているなど、映画さながらのかなりショッキングな映像が報道で流れています。インドでも豪雨により多数の人命が奪われているそうです。データに基づいていませんから単なる印象ですが、洪水、日照り、山火事など、自然災害が年々甚大化している印象を持ちます。台風、ハリケーン、サイクロンなどの熱帯性の低気圧も、その発生頻度が上がり、勢力も強大化してきているのではないでしょうか。異常気象の原因として偏西風の蛇行があげられると、最近の報道番組で見ましたが、日本の場合は近海の海水温もキーポイントと思い、気象庁のwebsiteを覗いてみると。予想通り真っ赤っか。 昨年よりも一昨年よりも画面が赤く見えます。冷静に見ますと、太平洋側の黒潮域は今年の方がやや低いように見えますが・・・。太平洋側の親潮域と日本海側は、明らかに海面の水温が高い。この違いが、早めの梅雨明けとその後の日本各地の高温をもたらしたのでしょうか。今後の気象にどう影響してくるのかは分かりませんが不気味です。また海の生態系が変化してくると、漁師さんたちも苦労しそうですな。今日の日記は、黒岳7合目の様子。ここは層雲峡温泉から、黒岳ロープウェイとリフトを乗り継いで容易に行くことができます。計画では7合目から山頂を超えて少し降り、そこに広がるガレ場でナキウサギに会おうという算段です。どうなったかは追々わかります。 といえば首尾悪しということがバレバレですね。トップの写真はロープウェイ乗り場から見上げた図。下の写真は乗り継いだリフト乗り場から黒岳山頂を見上げたところ。山頂方面は斜面が真っ白。 嫌な予感がします。係員の方に伺うと、登山道は雪で埋まっているとのこと。 おお、何てことだ。リフトから下を見ますと、ユキワリコザクラが沢山咲いていました。リフトの終点近くまで来ました。リフトを降りてからまずは展望台へ向かいました。層雲峡を挟んで向かい側のニセイカウシュッペ山でしょうか。遠くに見えるのは天塩岳か。 ダイナミックな眺めです。足元には多くのフキノトウが顔を出しています。上空を見上げると巻積雲が流れていきます。この雲は、「うろこ雲」とか「いわし雲」とも呼ばれます。この雲が現れるとお天気は下り坂と言いますが、案に相違して、この後お天気は快晴に向かいました。石段の向こうに登山道が続くのですがやはり雪の下。これではとても山頂に向かえません。 残念です。アイゼンをはめてスキーを担いで登っていく人がいました。リフト乗り場で聞いたところ、今年は雪が多くなかなか消えないのだそうです。売店はお休み。 COVID-19の影響でしょう。黒岳山頂。 ゆっくり行って2時間弱で登れるようです。途中にある通称「まねき岩」。この岩を見ながら登ると間もなく頂上とのことです。右側の雪面にご注目。 スキーで滑ったシュプールが見えています。スキーを担いで登っていた人は、こんなに上まで登ってくるのですね。 凄いと感心し切りです。当方はアイゼンなど持ち合わせがあるわけもなく、もう更に上を目指すことも叶わず、リフトに乗って泣く泣く撤退です。リフトで戻るとそこは5合目。ロープウェイ乗り場の間は200mほどの遊歩道になっています。ロープウェイには朝6時の始発に乗ったので、この時点でまだ7時半ごろ。時間はたっぷりあるのでしばらく散策することにしました。その様子は次の日記で。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.27
7月21日(水)先の日記の最後は、クマさんとばったり会わなくて良かった、というお話で終わりましたが・・・。今年度の北海道でのヒグマに襲われたとみられる死傷者は、先週の7月12日までで9人(うち死者は3人)に上るのだそうです。年間の死傷者数としては、既に統計を取り始めた1962年度以降最多。この事態に、北海道庁では、異常事態発生として注意するように呼びかけているだそうです。札幌や旭川といった都市部でも、6月以降にヒグマを目撃した、襲われたという事案が相次いでいるそうです。北海道に限らず、本州でもツキノワグマの話題はしばしば目にするようになっています。兎に角クマさんは、ヒグマにしろツキノワグマにしろ日本随一の力自慢ですから、取っ組み合いになったら、人の方が間違いなく負けてしまうわけです。そのため、クマさんに襲われたというとこれが事件となり、市街地にうっかりクマさんが紛れ込もうものなら、警察官やハンターに追い回されて、恐ろしい害獣との汚名を着せられ、運が悪いクマさんは命を落とすことになるのです。恐らくクマさんと人との接触による事故は、昔からあったことは想像に難くないですね。そして大方の場合、そのような事故の原因は人側にあったのではないかと思われるところ。最近で言えば、開発による生息地や食料の剥奪、釣りや山菜取りに単独で行動、観光客のゴミ捨てによる餌付け、人のクマに関する知識の欠落などなど。札幌市の場合では森林の際まで住宅地が迫っていて、牧草地や畑などの緩衝地帯が少なく、人の目に触れる機会が多いのでしょう。北海道では平成元年から熊猟を禁じていて、これがヒグマの生息数の急激な増加をもたらしているそうです。何とか平和に共存する道はないものでしょうか。しかし冷静に考えると、人の最大の敵は人であって、他の生物にとっても最も凶悪な害獣は人でしょう。連日、事故や事件で何と多く人が命を落としていることでしょうか。紛争や戦争という大量殺傷行為は、今でも世界の何処かで行われています。そのようなことにも思いが至るところであります。日記は層雲峡への移動のお話。 前日までの予定では、糠平湖畔のペンションに更に3泊して近辺をじっくりと探検するつもりでしたが・・・。一泊目の夜はとても静かで快適にすごせました。ところが、2泊目の夕方にチェックインした団体が、夜遅くまで大騒ぎの迷惑三昧。札幌から鳶のお仕事で来ていたそうですが、すすき野でできない宴会を、この山奥で憂さ晴らししているのかい、という感じ。聞けば、同行している社長自ら扇動しているそうで。その上、しばらく滞在するとのことで、これはたまらんと逃げ出したのです。そもそも、宿泊施設と居酒屋では、当然立ち振舞いが異なろうというもの。そうはいっても、お宿を経営するご家族にとっては大切なお客さんですから・・・。幸いにして、このようなご時世ですから別の宿泊施設を探すのは容易です。お宿のご了解をいただいて、こちらから尻に帆をかけて逃げ出した次第です。次週には、旭川駅で奥様をピックアップする予定でしたから、旭川方面に移動します。ちょうど中間地点に層雲峡という有名な観光地があります。 移動先はここに決定です。糠平湖畔を抜け、国道273号線を北上していきます。途中の三国峠で小休止。 三国峠の三国とは何処という疑問が湧いてきますね。明治初期の区分では石狩、北見、十勝の三国で、現在の支庁による区分けで見れば、上川、網走、十勝の三支庁のことを指すそうです。今来た道を振り返ると、見渡す限りの大樹海。 これは迫力がありました。この峠は、北海道の国道の峠の中では一番標高が高いそうです。 1139mとのこと。三国峠を境にして、南側は十勝川水系の音更川の支流の中の川、北側は石狩川の支流の由仁石狩川です。音更川や中野川は支流とはいえ、十勝川の本流にしても良いほど立派な河川です。石狩川は北海道第一の長さ。 全国でも利根川に次いで第二位。そして十勝川は北海道第三位の長さ。 三国峠は北海道を代表する大河の分水嶺でもあります。その後大雪湖という大きなダム湖を通り過ぎました。トップの写真は三国峠からの眺望。 二枚目は大雪湖より手前の河原から見たお山。上のほうは雲に隠れて全貌は見えていませんが、おそらく白雲岳を中心とする大雪山系かと。地図では近くに赤岳、緑岳、黒岳がありますが、青岳は見当たりません。 色で言えば銀泉台という地名も見付けましたよ。さて、大雪湖を通り過ぎると石狩川は層雲峡という景勝地に入ります。 約3万年前に大雪山が大爆発した際、大規模の火砕流が発生し、石狩川が流れるこの辺りの谷間を埋め尽くしたそうです。これが冷えて固まる際に収縮し、四角柱や六角柱といった角柱が繋がる柱状節理が形成されたのですね。その地形が、石狩川に再度削られてできた地形が層雲峡ということですね。今思えば見所がいろいろあったようですが、急遽の訪問で十分な下調べがなく、幾つも見逃してしまったようです。その中で銀河の滝、流星の滝には気が付いたので寄ってみました。下流側にあるのが流星の滝。 下の写真です。滝の下側は樹に覆われていて全く見えません。そして上流側にあるのが銀河の滝。層雲峡は噴火による堆積物を石狩川が削ってできたものでしたね。最大で200mも削っているのだそうです。 そのため本流と支流の間に大きな落差ができました。支流の流れ込みは滝となります。 銀河・流星以外にも主に左岸側に多くの滝があります。滝と反対側の斜面に展望台があるということで登ってみることに。道端に咲いていた二輪草。 ひょろっとしていますが二輪草だと思います。二輪草は若葉を山菜として食する地方もありますが、猛毒のヤマトリカブトと葉の形状が似ていて、春先には誤食による中毒事件も発生しています。生育場所も似ているので注意が肝要です。展望台から見た流星の滝と銀河の滝。両方が一度に見られる場所はなかなかありません。現在の国道273号線(39号線と重用)は、層雲峡の中核の大部分をトンネルで抜けてしまいます。そのため、残念ながら国道からは多くの名勝をみることができません。このトンネルは全長3,388mの銀河トンネル。石狩川沿いにあった旧道は落石や崩落が頻発し、19897年には死亡事故も発生した、極めて危険な道だったそうです。この旧道、現在は銀河の滝より上流は完全な通行止めとなっています。したがって徒歩でも通行することはできず、雲井の滝などは見学できません。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.21
7月16日(金)東京2020オリンピックの開会を来週に控えた一昨日、東京都ではCOVID-19の新規患者数がまたもや1000人を超えました。これはGW明けの5月13日以来、おおよそ2か月ぶりのこと。そして昨日には更に数を増して1308人。 この数は1月下旬以来です。前回3回目の緊急事態宣言は2回延長の末6月20日に終了し、4回目が始まった7月12日までの間は、まん延防止等重点措置が発動されていたのですが、いわゆる「下りまんぼう」の効果は全く無かったことが明らかになってしまいました。これまでは緊急事態宣言が発令されると、渋谷や新宿などの繁華街の人出は減少に向かう傾向が見られていました。しかし、今回の場合はその傾向も、今のところあまり見られないそうです。更に働き手の中心となる50代以下の感染者数が激増とのこと。 デルタ株への以降も不気味です。このままでは、東京2020オリンピック開催中はもちろんのこと、その後は一体どうなっているのか、最悪を想定するとまことに心配になってしまいます。特にワクチン接種が今後となる大半の若者には、もう少しの辛抱ですから、是非ともできる限り自重してほしいと願うところです。度重なる飲食店いじめやワクチン供給にまつわるゴタゴタが続き、政治と行政への不信が、今まで以上に高まっている世情であることは確かです。とはいうものの、もう自己責任のもと行動するというならば、少なくとも避けられるリスクは最大限避ける行動をしましょう、と思うところです。幸いにしてワクチン接種の効果か、高齢者の感染者数が急激に減っていて、それに合わせて重症患者数が減ってきていることが、唯一喜ばしい兆候ではあります。兎に角、安心して暮らせる、仕事ができる、勉学に励める、そのような日々が一日も早くやってくることを願ってやみません。日記は然別湖湖畔の天望山からの下山の続きです。青息吐息で然別湖畔まで戻ってきたところ、近くで野鳥の甲高い鳴き声が聞こえてきました。そっと辺りを見回すと、根こぞぎ倒れた倒木の根の上に小鳥が見えました。この時カメラには28mm-75mmの標準zoomレンズが付いていて、取り急ぎ撮った証拠写真が下の物。 遠いなぁと思いながらも一度はその場を離れます。何せとても疲れていて、一刻も早く駐車場に戻りたかったのですね。しかし、この子はその場を離れずずっと鳴いているのです。いかにももっとちゃんと見て行けよ、ちゃんと撮ってくれよ、と訴えているようでした。20-30mほど歩いて思い直しましたよ。時間はまだっぷりあります。 ただ立ってるのも辛いぐらい疲労していただけ。背負っていたリュックを樹の枝に吊るしレンズを交換。28mm-75mmの標準zoomレンズから、200mm-600mmの超望遠zoomレンズに。約3Kgのシステムを持って引き返し。狙いを定めてパシャリ。 しかし腕がプルプル震えて狙いが定まりません。この子はコマドリの♂君です。 日本三鳴鳥の一つ。 三鳴鳥の他の2種はウグイスとオオルリです。 この日記でも度々記しています。 ドアップにしてみますとけっこうきついお顔。繁殖期を迎えた♂は、多くの種で皆さんきりッとした表情です。場所取りとお嫁さん探しで忙しいのです。囀りも場所取りとお嫁さん探しのために行う♂の自己主張なのです。ところでコマドリは漢字では「駒鳥」ですね。 駒はお馬さんのことですが・・・。何で鳥なのに馬なのでしょうかね。囀り声を聞くと、ちょっとばかりなるほどな、と思えるのですがね。「ヒーン」とか「ヒヒーン」の後に、「カラララララ・・・」、「カラカラカラカラカラ・・・」などと続きます。この最初の「ヒーン」とか「ヒヒーン」が、お馬さんのいななきに似ているということなのでしょう。自分も含めて、現代人はお馬さんのいななきなど、ほとんどの方が良くご存じないでしょう。だからコマドリの囀り声を聞いてもピンと来ないかもしれませんね。またコマドリ自体が、今頃は山深い森林の中に生息します。ということで、そんじょそこらで出会える野鳥ではありませんから尚更ですね。試しにお馬さんのいななきを website で聞いてみました。ゴールドシップという、G1を6勝した葦毛の名馬のもの。コマドリのように澄んだ高音ではありませんが、確かに言葉で表すと同じような「ヒーン」とか「ヒヒーン」となりますね。その上笹薮が大好きで、そこに潜っていることが多いので姿を見る機会は多くありません。出会い頭で、このように全身を露わにして、長時間登山道に向かって囀る姿を見られたのは幸いなことでしょう。苦労して歩いてきたかいがあったというものです。笹薮があれば、針広混交林でも広葉樹林でも、はたまた針葉樹林でも構わないようですが、沢との結びつきも強いようで、「一沢一駒」といわれ縄張り意識が強いようです。繁殖地はほぼ日本一国。 夏に九州から北海道の山地に飛来します。江戸時代以降、長く愛玩用で飼われ人々にその鳴き声が愛されていたとのことです。10分ほど囀り声を聞いていましたが、コマドリは立ち去る気配もなく、こちらが「ヒンカラ」、「ヒンカラ」とお見送りをいただきながら退去いたしました。下り坂地獄からは解放されましたが、まだ湖畔沿いを細かいアップダウンが続く道が延々と続く・・・。「くそ」、と本気でそう思ってしまいました。然別湖の湖尻では、お魚がのんびりと泳いでいました。これはヤマメかな。 然別湖には固有種のミヤベイワナがいます。ヤマメが銀毛化したサクラマスや大型のニジマスも生息しているようです。然別湖の反対側から見た天望山。 風がなく湖面が波立っていないときには、然別湖の湖面に反対に映り、上下合わせて唇のように見えることから、別名唇山です。こうして見ると何でもないお山に見えるのですが・・・。左側の裾野の奥に東雲湖があります。そして右側の裾野とその隣の岬の間には、ウグイス湾と呼ばれる凹みがあります。天望山から降りてくるとその辺りに合流しますが、そこから駐車場までまだまだ距離がありました。 朝は元気だったので感じなかったのですが。この写真を撮った場所には、飲料の自動販売機がありました。冷たいお茶を買って一気飲みをしましたよ。 これで生き返りました。とにかく無事帰れてよかった。 熊さんとばったりということもありません。最近、北海道では熊さんの目撃情報や、襲われた情報が相次いでいますからね。今思えば少々無防備、無警戒であったのかもしれません。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.16
7月13日(火)九州南部は、一昨日梅雨明けとなったようです。何とその前日の7月10日朝には、九州南部には線状降水帯が発生し、鹿児島、宮崎、熊本に大雨特別警報が発表されていました。鹿児島県の川内川では、危険地域では災害が発生しているのではないか危惧され、警戒レベル5相当だったのですが。一晩明けたらいきなり梅雨明けですか。 こんなこともあるのですね。今日は九州北部などで梅雨明けとされています。 例年より少し早めの盛夏到来です。関東地方でも先の土曜日にはいきなり晴れ間が出て、気温が一気に上昇してきています。今週中には梅雨明けかもしれませんが、上空に寒気が残り広範囲で急な雷雨襲来が懸念されます。ところで、私事になりますが先週の金曜日に、ファイザー社製のSARS-Cov-2 の第1回ワクチン接種が無事終わりました。第2回目は7月30日の予定。接種日の晩は若干腕が痛くなり倦怠感もありましたが、特に重篤な副反応は無し。少なくとも重症化や後遺症のリスクが軽減されると思うと、ちょっとだけほっとしています。 若い方々にもワクチン接種が早く進捗すると良いなぁと思います。日記は然別湖の近くの東雲湖探検の記録の3回目。2時間以上歩いて、目的地のガレ場にたどり着いたところからです。早朝ということもあるのか、小鳥たちも元気でした。写真の子はヒガラ。 シジュウカラの仲間では最も小さな体です。頭上には小さな冠羽があり、トンガリ帽子をかぶっているようですね。これが東雲湖。近くに人工物の気配は全く感じられず、確かに秘湖の雰囲気ありありです。反対側にはナキウサギが生息しているとされるガレ場。ところが地上には生体反応を感じられず。 植物が繁茂し見通しが悪いという悪条件も。2時間近く観察していましたが、ナキウサギの鳴き声すら聞こえずギブアップ。この日はご機嫌が悪いのだろうと、後日にかけることにしました。まだ朝の8時。 時間はたっぷりありますし、同じ道を駐車場まで戻るのも面白くない。その上、ガレ場に沿って山の斜面を少し登ってきたこともあり、来た道を戻らずに天望山というお山を越えて戻ることにしました。まぁ、たいしたお山ではないだろうと、なめていたわけではありませんが、これが意外と苦戦となってしまいました。意外と登る人が少ないのか、登山道は若干荒れ気味でこのような倒木もとうせんぼう。それぞれを超えるのはたいしたことはないのですが、200mm-600mmの望遠レンズを抱えている身には結構ダメージが蓄積します。カメラ込みで3Kg程度なのですが、運動不足の身には応えます。傾斜もかなりきつく感じて、50mほど進んでは小休止の繰り返し。日差しもきつくて暑い。 大汗をかいてしまいましたが持参した水は500㏄のみ。難行苦行となってしまいました。道端にはこのようなお花が可憐な姿を見せてくれましたが、次第に余裕も無くなり、鑑賞し写真を撮る気力も失せ、体を前に運ぶことに集中します。このお花はフデリンドウでしょう。喘ぎながら登り続けると、次第に稜線の彼方により高いお山の姿が見えてきました。このお山はウペペサンケ山でしょうか。こちらは十勝岳方面。 お山の名前は特定できません。まだ残雪の量が半端ではありません。天望山は双耳峰。 北側のピークを巻いて山頂を目指します。もうこの辺りでは青息吐息。 「登りは続くよ何処までも」と唄いながら・・・。やった。 山頂に到着。さらに眺望が良くなっていました。然別湖の向こう側に見えるウペペサンケ山。少し下ると十勝平野が良く見えました。秘境と言いながら意外と近くに農場が広がっています。可愛いミヤマオダマキのお花。下りは一面クマザサが繁茂。道を見失いそうになるわ、足元が良く見えないわ、硬い茎に足を取られそうになるわ。登り以上に歩きにくい。 下りなのにどんどん消耗が進みます。両足の腿が攣り始めました。 少々脱水症の傾向もありそうです。 だましだましの前進。ところどころにきれいなムラサキヤシオのお花。今度は、「下りは続くよ何処までも」と口ずさみながら・・・。やっとの思いで、天望山と白雲山の間のコルに到着。天望山山頂までコースタイムは35分とありますが、下りでももっと時間がかかったように思えます。 どんなに屈強な人間なのかと感心しきり。白雲山登山口とあるのが駐車場のところ。屈強な人間が歩いてまだ1時間5分もかかるのかと、少々うんざりなのです。白雲山方面から小学生の子供を連れた夫婦がやってきます。 これがまたペースが速いのなんの。あっという間に追いつかれ、あっという間に行ってしまいました。ということは、我がペースが異常に遅いのか・・・。兎にも角にも、子連れの夫婦には声をかける間もなく置き去りにされ、日頃の運動不足と加齢による体力低下を呪いながら、よぼよぼと歩を進めるのでした。さらに悪戦苦闘を続けるうちに、やっとの思いで然別湖の畔まで戻ってきました。頑張ったご褒美でしょうか。 そこで嬉しい出会いが。 そのお話はまた続き。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.13
7月7日(水)今日は七夕の日ですが、全国的にお天気は芳しくないようですね。毎年梅雨の末期にあたりますから、天の川が拝める機会は非常に僅少なのは当たり前。 ご案内の通り、元々は旧暦すなわち太陰太陽暦の7月7日。新暦でいえば、8月の何処かの日が旧暦の七夕の日になるのです。さすれば梅雨は明けていますから、晴天の日にあたる確率は格段に上がりますね。ところで、「伝統的七夕」という言葉をご存じでしょうか。2001年から、国立天文台はこの「伝統的七夕」の日を決めています。単純に考えれば約一月後の8月7日かと思われますが、旧暦の7月7日は、月の満ち欠けを考慮すると決してそうはならないのです。さて、七夕の物語を紐解くと、天の川の此方と彼方に隔てられた織姫星と彦星は、年に一度、船に乗って(諸説あり)天の川を渡り会うことができるのですね。この船がお月様。 だからお月様の形も重要なのです。船に最も近い形のお月様は、上弦(沈み際に弦が上向き)の月。 旧暦では毎月7日ごろ。月齢はおおよそ6で、正確には上弦より1日程度前で若干弦が凹んでいます。さて、旧暦の7月7日、つまり「伝統的七夕」は新暦では必ず決まった日にはなりません。国立天文台によりますと去年は8月25日。そして今年は8月14日、来年は8月4日となり、かなり日付が動くのですね。今日の日記は然別湖畔の探検の続き。他には全く人がいなくて、初めての場所なので今考えればプチ冒険だったのです。道端には相変わらずお花がいろいろと咲いています。下の写真のお花はおそらくヒメイチゲ。 イチリンソウの仲間です。当然、本州では亜高山帯以上の標高を好む植物です。非常に繊細で可憐なお花です。 イチリンソウ属の中では最小。 だから姫ですか。○○イチゲという植物は多々ありますが、イチゲとは「一華」と書いて一本の茎に一つの花が咲くという意味だそうです。これはツバメオモト。こちらも寒冷地仕様。 本州では亜高山帯の林地の中に分布します。葉がオモトという植物に似ていますね。 オモトは「万年青」と書くように常緑の多年草。スズラン亜科に属しています。 観葉植物として古来より愛されています。一方、ツバメオモトはユリ科の植物で、オモトとは縁も所縁もありません。葉っぱは似ていてもお花は全く異なります。途中に群生している場所がありました。ツバメオモトの花が咲く時期は短く、直ぐにしぼんでしまうそうです。このように咲くそろっている姿が見られるのは運が良いかもしれません。ノリウツギに似ていますがお花の付き方がちょっと異なる。種名不明です。白いお花が多いですね。湖畔を離れ上り坂になると、スミレの姿もちらほら出てきました。下のお花はエゾノタチツボスミレでしょうか。エゾノと名が付いているように北海道に多いのですが、本州でも寒冷な土地では生息しているようです。これも葉がハート形でタチツボスミレの仲間に見えますが、ミヤマスミレという種かもしれません。スミレは個体差が大きく、また品種もそこそこありますから奥が深いです。ズダヤクシュというユキノシタの仲間のお花です。ズダは「喘息」、ヤクシュは「薬種」。 富山や長野では種子を喘息の薬としたのだとか。下のお花は難問。 ミヤマシキミのお花のようですがしっくりきていませんな。調べてみると、ミヤマシキミは北海道には分布していないようです。北海道にあるのは、寒冷地仕様のツルシキミなのだそうです。どちらしにろ確信は持てません。こちらが実。2時間近く歩いてやっと東雲湖の近くまで来ました。比較的平坦な道でしたが、倒木があったり写真を撮ったりで思いのほか時間がかかりました。ナキウサギがいそうなガレ場に着いた時には結構草臥れていました。とりあえず一休みと思っていると、アカゲラのメスが飛んできて遊んでくれました。ここのガレ場はかなり大きく、どの辺りがポイントか良くわかりませんでした。幅もさることながら、斜面の高さもかなりありました。このような場合は、鳴き声を頼りに探すことになります。野鳥の場合と同じですね。さて、結果は如何に。 続きは次回に。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.07
7月4日(日)SARS-CoV-2 のワクチン接種券が、あと数日で手元に届くというこのタイミングで、暗雲垂れ込める状況が・・・。6月末、突然ワクチン不足のアナウンスが政府筋から出てきました。職域接種の申請が6月初旬から始まり、申請件数が予想以上に多かったことが原因だと説明していますが。相変わらずの無計画、無調整ぶりを露呈したうえに、余分に申請しているのではと、自治体や企業に責任転嫁の無責任体質も垣間見られます。元々日本におけるワクチン導入の遅れは、外交等の根回しを怠った政府の責任なのに。初めてのこと故、多少の粗相があるのは致し方ないとして、それに対する国民への説明の仕方というものがあるはずだと思いますがね。トップの首相をはじめ本当に説明下手ですよ。彼らにとっては一般国民の心情なんぞ、何の関心もないのでしょうか。4月以降、インド型といわれる感染力の強いデルタ株が広まってきています。1月以降広がったイギリス型とあわせ、従来型より感染力が強いと言われています。その上、若年層も重症化するリスクが高いとされていますね。さらにぞくぞくと変異種は見つかっていて、現在はラムダまで名付けられているとか。多くの方はすでに自粛慣れしていて、それぞれのご判断で活動し生活されていると思われますが、心の中ではやはり、なるべく早くワクチン接種を受けたいと思っているのですよ。職域接種という話が出れば、申請がどっと出てくるにきまっているじゃないですか。 想像力も欠如していますな。今日の日記は然別湖の一回目。移動日は、網走市(小清水町)を離れてから180㎞ほど走りました。お宿は上士幌町の糠平湖畔にある「森のふくろう」というペンション。考えてみたら「わし」から「ふくろう」への移動。 今頃気付きました。下の写真は移動の途中で見つけた、旧国鉄士幌線第四音更川橋梁の遺構。1925年(大正14年)の開通で、1987年(昭和62年)の全線廃止。真ん中がありませんが、崩れ落ちたのではないようです。中央部分は鉄製の桁橋であって、撤去されてしまったため空洞なのです。士幌線の遺構といえば、糠平湖畔に残されたタウシュベツ川橋梁が有名ですが、そのほかにも多くの橋梁跡や駅跡が残されています。大自然の中の人工物ですから、これはこれで頻繁にツアーが企画されるほど人気があるそうです。相変わらず北海道での移動は時間がかかりません。お昼ごろには糠平湖に着いてしまいましたので、お目当ての然別湖まで予行しました。地図上では短く見えますが、峠を一つ越えて25kmほどの距離があります。峠の名前は幌鹿峠。然別湖は大雪山国立公園唯一の自然湖で、標高は810mであって道内では最も高い場所にある湖です。もちろん目的は、北海道上陸初日に出会ったエゾナキウサギに再開すること。しばらく滞在して、何か所か訪れてみる予定にしていたのです。移動したその日は本当に予行だけ。 道程を確かめただけでお宿にチェックイン。翌朝は朝が明ける前にお宿を出発し、薄暗い山道を然別湖に向けて急ぎます。次第に明るくなってくるのですが、この道を走るのは面白かったですよ。エゾジカの群れは何回か道路に飛び出してきました。エゾユキウサギは100mほども車の前を走って先導してくれました。エゾライチョウの番は道の真ん中で遊んでいて慌てて飛んで逃げていきました。エゾジカとはあわや衝突するところでした。エゾジカの交通事故、そのようなお話をよく聞きますが、これかと思いました。何れも運転中ですから写真を撮ることは叶いませんが・・・。さて、然別湖畔の駐車スペースに車を止め、目的地に向かって歩き始めます。この日の目的地は東雲湖(しののめこ)畔。 ここにもナキウサギの生息地があるのです。東雲湖は北海道の三大秘湖の一つとされます。残りの二つは、阿寒カルデラのオンネトーと、支笏カルデラのオコタンペ湖。オンネトーは車で湖畔まで行けますし、オコタンペ湖は大都市札幌からそれほど遠くない位置にあります。そのような意味で、東大雪山系の手付かずの自然の中にあり、少なくとも片道2時間近く歩かないと行けない東雲湖は、一番秘境感が漂うかも。行程のほとんどは然別湖畔に沿って歩いていきます。ほとんどアップダウンのない平坦な道ですが、所々に倒木が行く手を塞ぎ、障害物競争のようです。ただ、道端には様々なお花が咲いていて目を楽しませてくれました。頭の上からはやたらと甲高い、金属を擦ったような鳴き声が降ってきます。「ヒーツーキーヒー」とか「ツーチーツーヒー」と聞こえます。これはエゾムシクイの鳴き声なのですが、姿は全く確認できません。その他には「チヨチヨグイー」なんて声も聞こえてきました。声の主はセンダイムシクイなのですが、夏の北海道ではどこでも聞かれますね。この鳴き声は「焼酎一杯グイー」などと聞き成しされますがかなり無理があるような。「チヨチヨ」の部分は「千代千代」とも変換できて、千代がセンダイになって・・・。他には「鶴千代君」と聞こえる方もいたそうで。 どちらにしても千代がポイントセンダイは仙台ではないとの説が有力ですね。 仙台の固有種じゃありませんし。江戸時代から既に「センダイムシクヒ」という呼称があったとの話も見つけました。この鳴き声は、昔から人々にとって馴染みがあるものであったようです。それはともかく、やはり姿は見当たりません。まぁ、姿が見えたとしても区別は付かないかもしれませんね。ウグイス系の○○ムシクイや○○センニュウや○○ヨシキリって、皆ぱっと見は良く似ているので、囀りの音色で識別するのが早道です。さて、このお花はミツバオウレン。 楚々として可愛らしいお花ですな。続いてムラサキヤシオツツジ。何れも寒冷地を好む、本州では比較的高原性のお花です。ミヤマハンショウズル。 まだ蕾です。これまた寒冷地仕様のお花。 当たり前かミヤマは深山、ミヤマクワガタのミヤマと同じです。そしてハンショウは半鐘のこと。 このお花の形からきています。紫色のものはどうやらがく片。 中に白い花弁があるようです。お花を愛でながら歩いていると、突然目も前の樹に黒く大きな野鳥が飛んできました。本当に突然です。 天然記念物のクマゲラが登場です。頭の天辺まで広範囲に赤いので、この子は♂なのでしょう。残念ながら思いっきり枝被りの位置関係。 しかもちょっと距離がありました。留まった樹の向こう側は然別湖。 したがって空抜けに近い悪条件。なんとかクマゲラだと確認できるレベルの写真ですが。全く期待していなかった出会いだったので、これでも幸せですな。このような出会いを楽しみながらテクテクと歩きましたが、東雲湖へはまだまだ遠い。 写真を撮りながらの前進ですから余計に時間がかかります。まだまだ先は長いということで、続きは次の日記で書きます。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.07.04
6月28日(月)LAAの大谷翔平選手。 今年は打って投げて走って守って。漫画の主人公のような大活躍。 どこまで続くのか毎日楽しです。普段、MLBはおろか日本のプロ野球に対しても関心は無いのですが、この大谷選手の桁外れの成績には、同じ日本人として爽快感を通り越して誇りを感じています。現在のLAAは非常にパフォーマンスが悪く、特に守備のザル振りが目立ちます。そのせいか、投手としての成績はパッとしませんが、多くの場合は大谷選手の責任ではなかろうかと思わます。しかし、打者としての成績はほぼ個々人のパフォーマンスの結果です。現在、本塁打数26、盗塁数11、セーフティバントを敢行等、超万能振りを発揮していますね。自分がびっくりしたのは昨日の本塁打の映像。高い角度で上がった打球は、並の選手では浅い外野フライかと思われるようなもの。ところが、TVカメラも追えないようなこの打球は、レフトスタンドに飛び込んでいます。それもギリギリではなくて、かなり奥まで飛んでいるのではないでしょうか。これは25号なのですが、24号の軌道も尋常ではありませんでした。ミサイルのような弾道で、球場の壁に設置されたメンテ用通路(通称キャットウォーク)に突き刺さりました。アメリカの解説者の中には、もはや日本から来た地球人ではなく宇宙人だと話す方も出ています。 もちろんジョーク。審判の中には嫉妬して意地悪する人も・・・。まさにこの高揚感がスポーツの魅力なのでしょう。オリパラもね、COVID-19のことがなければ、世界中が心の底から楽しめたのにね。残念です。さて、今日の日記は小清水町の最終回。風景やらお花やら、らしいものを揃えてみました。まずはお宿のそばの北浜(正確には網走市)の夜明け。全面に広がる海はオホーツク海。 広大な砂浜が続いています。波打ち際には等間隔に人が並んでいますが、何をされているのでしょうか。普通に考えれば釣りでしょうか。近くにいらっしゃった方にお聞きするとやはり釣りでした。 対象はサクラマス。 サクラマスとは、渓流釣りの対象になるヤマメの降海型の個体群のこと。河川で孵化し海まで下って大型化し、性成熟すると再び河川を遡上し産卵し寿命が尽きます。この生活史はいわゆるサケの仲間と同じですね。ちなみに生物学的にいえば、サケとマスに区別はありません。敢えて違いを上げるとすると遡上する季節です。シロザケ(日本で一般的なサケ)は、アキアジと呼ばれる通り遡上時期は秋。これに対して、サクラマスの遡上時期は、春から初夏の5月、6月がメインです。この時期、桜色の婚姻色が出てくるのでサクラマスと呼ばれます。河川に遡上したものの捕獲は禁止されていますので、皆さん、遡上河川の近くの浜で釣りをするのだそうです。お隣の斜里町はサクラマスの水揚げで有名です。町内を流れる斜里川には、「さくらの滝」というサクラマスの遡上が観察できる場所があります。なるほど、納得ですね。海岸沿いにはJR釧網線が走っています。海辺に立つ警報機という、ちょっと珍しい姿を見ることもできます。濤沸湖と小清水原生花園にかかる朝靄。裾野が見えているお山は藻琴山。この山の向こう側は屈斜路湖だと思われます。知床半島方面の眺めです。 幻想的ですね。ピラミッドのようなものは、お隣の浜小清水駅の近くにあるフレトイ展望台です。ハマハタザオのお花。北海道の浜辺ではどこでも見られるお花です。泊まったお宿(わしのとまり木)のご主人・金指さんに、エゾタンポポやクロユリの咲いている場所を教えていただいたので探してみました。小清水原生花園の遊歩道沿いでは、エゾタンポポは一か所だけ発見。こちらは何となく微妙。全く別の場所でも発見できました。 しかし、どこも非常に小さなコロニーです。この辺りでもオオバナノエンレイソウが花盛り。ハマナスのお花は咲き始め。 やっと一輪見つけました。これがクロユリのお花。本州では高原に咲く、代表的な高山植物です。海抜0m地帯に咲く、北海道らしい生物分布を示しています。こちらはまだ硬いつぼみ。エゾノコリンゴのお花。 小清水町では6月にはそこかしこで見られます。たった一輪。 これも咲き始めのエゾキスゲ。よく似たお花はエゾカンゾウ。関東地方ではニッコウキスゲの名前で知られています。 標準和名はゼンテイカ。昨日、日光では満開を迎えたと報道されていました。こちらはおそらくエゾカンゾウのつぼみ。細めのアスパラガスのような雰囲気。 エゾキスゲとはお花の付き方が異なります。そしてエゾキスゲのお花はレモンイエローですが、エゾキスゲのお花はオレンジ色ですね。似たようなお花の上に、○○キスゲと○○カンゾウの名が交差し勘違いしがちです。小清水町を歩いたのは6月初旬。原生花園のお花はまだ時期尚早といったところ。今頃は様々なお花が咲き乱れ、それはそれは美しい景色となっていることでしょうね。この次に向かったところは上士幌町と鹿追町。今回の旅の最初に寄ったエゾナキウサギの生息地です。ここまでは主に海岸線を移動してきましたが、今度は北海道のおへそ、大雪山系の山の中にはまってきました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.29
6月25日(金)今更ですが、やっと全国各地で SARS-CoV-2 のワクチン接種が進み始めましたね。GW明けに菅総理大臣が一日100万回を目指すと言い出した時は、大方の人が総理大臣の大風呂敷だと思い、実現の可能性を訝ったものでした。6月9日には党首討論において、100万回を達成したと表明しましたが、どうもそれは集計上のズレがもたらした誤解であって、実際とは異なる話であったようです。未だ一日100万回は達成できていないにせよ、5月初旬と比較すると、少なくとも20倍以上には増加しているようです。今週からは職域での接種も始まり益々加速しそうですが、ここにきて明確になってきたのが、市区町村ごとの進捗状況の差異。速いところは既に接種対象が可能な全年齢に拡大しているもよう。我が市では7月中旬までには、12歳から64歳までの全ての市民に接種券が発行されます。全国的に見れば速くも遅くもないというところでしょうが、居住地域による新たな格差という、面白くない状況も発生してきています。しかしことワクチン接種に限ってみれば少し道筋が見えてきたこともあり、一時支配的であった虚無感や絶望感からは、徐々に脱出の感ありという今日この頃です。それはそれとしても、約一月後に迫ったオリパラの開催に関しては、感染拡大や新たな変異の惹起など、懸念される点が多々あり、多くの日本国民と同様、素直に歓迎という気持ちにはなれないですな。昨日、本日と、東京都の新規感染者は明らかに増えましたから、尚更そのような気持ちを抱いてしまいます。さて、今日の日記は網走市のお隣の小清水町の野鳥たちのお話の続き。この写真の子は濤沸湖で見つけた夏羽のカンムリカイツブリ。 トップの写真も同じ。関東地方では冬鳥。 地元の手賀沼にも冬越しのために大勢押しかけてきます。名前の元となったカンムリを被った姿はこの夏羽。冬羽では頭上の冠羽は小さく、お顔の後半部や首元に見られる扇状の飾り羽はありません。従ってもっとさっぱりとした風貌です。春になるといなくなってしまいますから、夏羽を観るチャンスはほぼ皆無。北海道でも夏にいるのは稀ということですから、ちょっと嬉しい出会いです。この子はベニマシコ。 同じく濤沸湖の湖畔にいました。小清水原生花園のシマセンニュウ。〇〇センニュウはウグイスの仲間ですから、皆、囀り上手なのですよ。「チチリリ、チョイチョイチョイ」と可愛らしい声で囀っています。ウグイスほど通る声ではありませんが、かくれんぼはしませんから何処にいるか分かり易い。夏の北海道で良く出会う○○センニュウは、シマセンニュウの他、エゾセンニュウやマキノセンニュウです。エゾセンニュウの囀りは「チョッピン、チョピチョピ」。聞き成しでは「ジョッピン、カケタカ」。 北海道の言葉では鍵を掛けたかです。大声です。 深夜も鳴きますから煩い。 しかし生活場所はほとんど藪の中。姿を観られたら超ラッキー。 かくれんぼの名手というより超シャイなんでしょうか。 マキノセンニュウの囀りは「ジリリリリ・・・」。調子が出ると1分以上も続きます。まるで虫の鳴き声ですよ。虫の鳴き声と勘違いしたのは二度目です。 一度目はオオジシギ。さて、マキノセンニュウもほとんどがかくれんぼ状態。簡単には姿を現してくれませんが、機嫌が良い時は表に出て来てくれます。コムクドリ。我が家のご近所ではムクドリは山ほどいますが、コムクドリを目にすることは非常に稀なことのようです。ムクドリは一年中いる留鳥ですが、コムクドリは旅鳥で春秋に通り過ぎるだけ。だから観る機会は非常に限られています。 繁殖地の北海道で度々お会いできて幸せです。霧多布のエトピリカ村のシジュウカラの巣箱を乗っ取ったスズメから、更に巣箱を乗っ取ったコムクドリの夫婦は今何をしているのでしょうか。 気になります。マヒワもいましたが、冬のような集団行動ではなく単独行動でした。この子はコサメビタキでしょうか。○○ヒタキのお仲間はお眼目クリクリでめんこいですな。 羽衣は地味ですが可愛いですよ。上のコサメビタキと非常に似ていますが、下の子はおそらく近縁種のサメビタキかと思われます。全体の色味や目の周りの雰囲気、更にくちばし基部の色、そして翼と尾羽のバランスが異なりますな。どちらにせよ我が家のご近所ではなかなか観られない両種です。この子たちも通り過ぎるだけの旅鳥。お次はキバシリ。 これまたなかなか観る機会がない子ですね。くちばしに多くの虫を咥えて移動中でしたから、子育ての最中だったのかもしれません。不思議な容貌でしょ。 後ろ姿は樹に留まったセミのよう。これだけ樹の表面と同じような模様では、たとえ居たとしても発見は容易ではないですね。ちなみにキバシリのお名前の由来は、樹の幹を自在に移動するから。しかし下から上に移動するだけのようです。 この点はキツツキの仲間と同様ですな。最後はイモムシを咥えたハシブトガラ。ハシとはくちばしのこと。 だからくちばしが太い小鳥との意味なのですが。しかし、ハシブトガラスのように明らかにくちばしが太い印象はありません。では何故ハシブトガラとの名前が付いているのでしょうか。近縁種にコガラという種がいますが、これがまたそっくりさんなのです。細かい点でいくつか違いがあるのですが、そのうちの一つがくちばしの形状。ハシブトガラも単独で見れば決して太いわけではありませんが、コガラと比べるとやや太めのようです。 だからハシブトだって 命名されたのでしょう。その他の相違点としては以下が指摘されています。ハシブトガラのくちばしは、上下の会わせ目がやや白く見える。コガラは黒い。ハシブトガラの頭や喉の黒色部分は光沢がある。コガラは光沢がない。ハシブトガラの尾は角張っている。コガラは丸い。ハシブトガラの次列風切の外縁の白色部は不明瞭で目立たない。コガラは比較的明瞭である。しかし、個体差はありますし、光の当たり具合によっても見え方が異なってきます。従って、複数の特異点を見て総合的に判断することになりますね。ここ小清水町にはラムサール条約登録湿地の濤沸湖という大場所がありますが、海岸線はずっと砂浜で原生花園が続きますし、農地の間には原生林も残されています。このような場所はアクセスしやすいところも多く、草原あり森林ありと、自然観察を目的に訪ね歩くにはもってこいのところだと思いますよ。冬には流氷が押し寄せてきて、全く異なる魅力もあるみたい。奥深さを感じます。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.25
6月20日(日)今回の北海道旅行は昨日で終了。 夕方の6時前に自宅に戻りました。一昨日の夕方、17時出航の苫小牧東港発の新日本海フェリーの「ゆうかり」に乗船。昨日の朝、9時半に新潟西港に到着しました。ほとんど寝てる間に勝手に移動してくれますから、毎度の事ながら感謝・感激ですな。この運行スケジュールは、本来、小樽港→新潟西港のものです。苫小牧東港→新潟西港は、19時半発で翌日15時半着がレギュラーの時間割。しかし、予約していた6/18の小樽港発の「らべんだあ」が欠航になり、苫小牧西港発と合同運行の臨時便となり、運行スケジュールがこのようになった模様。それにしても欠航の連絡があったのは、ほんの10日ほど前。理由は機関点検とのことでしたが、おそらく予約が思うように埋まらず減便ではないかと。このようなご時世ですからフェリー利用が減っているのでしょうか。自家用車はもちろんのこと、貨物便もそのような事態になっているのでしょうか。まぁ、北海道の主要産業は第一次産業ですからね。緊急事態宣言だとか、まん延防止等重点措置などが繰り返され、主要都市の飲食店の営業は未だままならず。 食材の引き合いも弱いのでしょうか。とすると貨物の量も減っているのかも。ただでさえ北海道の貨物は一方通行。 行きは良い良い、帰りは怖いなのだそうです。さてさて、とても大きな船体なので、一度運行すると莫大なコストもかかるのでしょう。会社そのものの存続が危うくなってしまってはね、こちらの楽しみも消えてしまいますから、発着港の変更位には協力させていただきます。さて、今日の日記は網走市のお隣、小清水町で出会った野鳥たちの一回目。まずはスズメちゃん。 普段ご近所で「ちゅんちゅん」やっている子たちですが。でも何処か見かけが異なっていますが、お分かりになりますでしょうか。可愛いお顔の辺りにご注目。 ご近所の子の頬っぺたにあるはずの黒斑がありません。頭の天辺も明るいレンガ色で、少しイメージが異なります。この子の名前はニュウナイスズメ。 全国に散らばっているそうですが見かける機会は極少。発見できてちょっとハッピイ。 2年前は宇登呂で見つけました。北海道といえば、これまたよく似たイエスズメの可能性もありますが・・・。イエスズメは、日本ではニュウナイスズメよりももっと珍しい種です。ところが世界では一番繁栄しているスズメ。東アジアだけが分布の空白地帯。 おそらく諸外国ではイエスズメが普通のスズメでしょう。さて、イエスズメの♂は頭頂部が灰色で胸元が真っ黒。 ♀は淡褐色。違いは一目瞭然。 この子は間違いなくニュウナイスズメのようですな。さて、後ろ姿でこの子は誰だか分かりますでしょうか。冬には我が家の近くの葦っ原でも、偶に見かける子なんですが。写真が撮れたためしはなかったので、これもちょっと嬉しい瞬間です。この子は頬っぺたが赤いのでホオアカ。ちょっと安直な名付けですが、頬っぺたが白いのでホオジロってのもいますが。ホオジロは属や科の代表名になるようなメジャーな種。ホオアカもユーロシア大陸東部に広く分布していますが、日本ではホオジロほど目にする機会はありませんな。ホオジロの仲間は、少し興奮するとトサカが立つという習性があります。平時はこのようにツルッとした頭です。もっと綺麗に撮れると、ゴマシオ頭が綺麗なのですが。この旅行の最後にとてもきれいな写真が撮れましたので追々記録します。この子はノビタキのお母さん。北海道の夏では非常によく見かける小鳥です。海沿いの原生花園でも、田圃の脇でも、牧草地でも、少し開けたところなら、頭の黒いお父さんと一生懸命に子育てをしています。この子は非常に小さな身体ですが、非常に気が強いのですよ。子供を守るためなら身体を張ります。巣の近くに侵入するものはカラスでも追っ払います。これまた、原生花園などではお馴染みのノゴマ。後から見るととても地味。 ♀も地味。でも♂は前から見るとなかなかイケメン。ノゴマの語源は、野の生息するコマドリの意味。コマドリといえばウグイス、オオルリとともに日本三鳴鳥の一つとされます。コマドリの場合は頭全体が赤いのですが、ノゴマの場合は喉元だけ。コマドリの囀りは非常に響きますが、ノゴマの場合はそれほどでもありません。但し、コマドリの囀りは非常に単純ですが、ノゴマの節回しはなかなか凝っています。コマドリは「ヒンカラカラカラカラ」。 この声を馬と聞き成ししてコマドリです。ノゴマは「チョロリリリ」を中心に、もう少し複雑かな。 さて、小清水町の野鳥たちのお話はまだ続きます。訪れれば訪れるほどに、奥が深くて深く知りたくなる場所です。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.20
6月15日(火)今日は日本海までちょっとしたドライブに行ってきました。留萌と増毛。 嘗てはニシン漁でたいへんに潤った町ですね。きっかけと言えば、奥様から海が見たいとの我儘が炸裂。確かに明日まで宿泊する富良野は、太平洋にもオホーツク海にも日本海にも同じような距離で行けますが・・・。北海道は地図上で直ぐそこに見えても、実際の距離はとてもあるのよ。何しろ、たぶん関東に甲信越を加え、更に東海3県をおまけしてもおつりがくる位のスケール感がありますからね。兎に角、距離感が狂うわけです。実際、一番近い日本海を選択しても、片道130kmほどはあるのです。我が家から北に向かうと、日光東照宮まで行けるほどの距離。利根川の下流に向かえば銚子を通り越し、太平洋の上に出てしまうのです。まぁ、道内での移動は平気で100km越えを繰り返しているので慣れてはいますが・・・。計画外の移動となるとそれなりの覚悟がいるのですぞ。ということで、それなりの覚悟を決めて、往復260kmほどの日帰りドライブに行ってきました。今日の日記は、宇登呂の森の中。徘徊しているうちに出会ったハシブトガラの様子などです。歩いていると、小鳥が頻繁に行き来している樹を発見。最初はシマエナガかと思ってのですが、写真を撮って確認するとハシブトガラ。しかし、何をしているのか不明でした。そこで反対側にそっと移動してみると、樹に開いた穴から盛んに出入りしていました。更に良く観てみると、おがくずのようなものを咥えて出てきます。この穴は結構新しいもののようです。しかし、ハシブトガラが自分で開けられるような穴ぼこではありませんね。口いっぱいに加えて出てきます。ハシブトガラの番に聞いたわけではありませんが。おそらく、アカゲラが開けた穴ぼこを巣穴に利用しようとしているのでしょう。この穴ぼこは使い古し感がありませんから、最近、アカゲラが巣作りのために穿った穴ぼこのような感じです。何らかの理由で放棄してしまったのか、ハシブトガラが強奪したものか・・・。霧多布岬のエトピリカ村では、巣箱の取り合いを観てきましたから、こんな想像もしてしまうところです。何はともあれ、ハシブトガラの番はせっせと拡張工事に励んでいました。別の樹では。良い塩梅に出来上がった天然の洞を見つけたようです。別のハシブトガラが顔を出し、飛び出ていきました。こちらも、この周りをハシブトガラが盛んにうろついていたので気がつきました。近くにはアカゲラの姿が。沢山の穴ぼこを開けて、ご近所の小鳥さんに住居を提供しているのかも。森の中の工務店さんでしょうか。近くにはワラビの林も。 誰も採らないのでしょうか。海岸線に出ると、ウミウと一緒に多くのシノリガモが休憩中。下の写真では分かり難いですかね。 10羽ほどもいますよ。 ♂も♀もいました。宇登呂の辺りの自然は、何処か不思議な雰囲気があります。現在はCOVID-19の影響で訪れる観光客は少ないのですが・・・。元々は道内有数の観光地。 平時ならば観光客の数も半端ではないでしょう。野生生物も何処かしら人慣れしている印象です。だからといって、自然が損なわれているわけではないようです。知床半島は先端に行くに従って、人が行くことは許されていない地。そして人が近づくことが許されているのは、根元に近い海岸線と知床峠付近だけ。完全な野生生物の聖地と、人が行き来する場所が、グラデーションのように混じり合っている、日本でも有数の面白い場所だと思えます。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.15
6月10日(木)もう十日近く前のことになってしまいましたが・・・。なかなか前に進まない日記です。昨日、一昨日は快晴で、大雪山系黒岳の麓でのんびりと過ごしました。北海道のCOVID-19の新規患者数は、一時期に比べると大幅減少の傾向が見えています。北海道でも最高気温が30℃を越えた地点が多く、この10日間ほどの間に、真冬から真夏への移行を経験しています。層雲峡の近辺でも少し歩くと汗びっしょり。しかし、空気が乾燥していますから日陰に入ると爽やかに感じます。今日の日記は、知床半島の羅臼と反対側に位置する宇登呂周辺のことです。シマフクロウの観察場所を早朝4時半ごろに出発し、国道334号(知床横断道路:知床峠)を宇登呂に向かって登り始めました。羅臼に到着する直前に知ったのですが、知床峠はこの一週間ほど前の5月28日から終日通行が可能になったのですね。雪のことなど何も考えていませんでした。 開通していて助かりました。知床ビジターセンターを通り過ぎてほどなく、エゾシカの集団に出会いました。道東をうろついていますと、エゾシカ自体は何も珍しくはないのですが、皆が一斉にこちらを観ていてお顔が良く見えたので車を降りて記念撮影です。エゾジカの生態については良く分かりませんが、この集団は♀ばかり、野付半島で見た集団は♂ばかり。 今の時期はこんなものなのでしょうか。ぐんぐんと高度を稼いで知床島へに到着です。トップの写真は羅臼側。 海の向こうに択捉島が見えます。海上には霧が立ち込め雲海状態。 まるで陸続きのようですな。このような陸から見える近距離に、文化も言葉も風貌も異なるロシアの人々が暮らしていると思うと何やら不思議な感覚がします。何しろ日本の国土はぐるりと海に囲まれていて、普段国境を目にする機会など、飛行機に乗らない限りまずありませんね。さて、ロシアの実効支配は既に80年近くになろうとしていますし、よほどの事情が生じない限り、この状態を放棄することはまずないでしょう。政治体制が大きく異なる2国間のこと。お付き合いは簡単ではありませんが、少しでも良い方向に向かえると良いですな。独り言はこれぐらいにして・・・。反対側に目を転じますと羅臼岳の雄姿が迫ってきます。朝早かったせいもあるのですが、少々荒涼とした風景が広がります。まだ雪は残り、春遠からじ、位の季節感でしょうか。ギンザンマシコが舞う時期にはもう少し時間が掛かりそうでした。宇登呂側に降りてくると暑い位の陽気になってきました。まだ朝の6時頃。 以前はパスしていた知床五胡まで行ってみます。しかし、まだゲートが開いていない。 8時からなのですね。更に先のカムイワッカの滝方面は行けるということで行ってみることにします。道路から見えるカムイワッカ川は特筆するものはないのですが、ここを流れている水は温泉水なのですよ。 川が全て温泉ということ。上流の方が温度が高いとのことです。とても悪路のように見えましたので行くのは止しておきました。この川は下流で断崖絶壁から海へ落ちていきます。カムイワッカの滝と呼ばれますが、一般人は海上からしか観る手立てがありません。宇登呂から遊覧船が出ています。2年前奥様と見学しましたが、注ぎ込んでいる部分の海は変色していました。近くで囀っていたキビタキ♂です。 遠いです。知床五胡のゲート近くまで戻ってきました。知床連山が綺麗に見えています。 しかし左端の硫黄岳は画角に入りませんでした。8時ちょうどに知床五胡に一番乗り。 自慢してもしゃーないのですがね。ヒグマ出没中のせいか、奥まで散策することは叶わず。高架木道と呼ばれる部分限定の散策です。冬場お馴染みのアオジ。 複雑な節回しで囀りますが声量は控えめです。これは硫黄岳。カムイワッカ川はこの山から流れ出ています。高架木道が続きます。完全徹夜の後ですから、何でもない登りもフラフラ。足元は良くて助かりました。ここまで来ても硫黄岳は見えているものの画角に入らず。これは動物園の写真ではありません。知床五胡からウトロに戻る途中、道路の傍でヒグマがお食事中でした。当然のこと、通りかかる人は一様に車から降りて記念撮影。間に頑丈そうな柵がありましたから、人もヒグマも緊張感はまるで無し。この柵は雪止めのためのものでしょうか。左側に50mほど行くとこの柵は切れていますけど・・・。双方アクシデントの発生は一切考慮していません。 とても不自然な眺めでした。ヒグマさんは人には全く無関心。 ひたすら草を食べています。何を食べているかは確認しませんでしたが、何かの新芽が柔らかくて美味しいのでしょう。宇登呂港からは知床連山の全てが画角に入りました。知床半島は確かに手付かずの自然が残されています。ご案内の通り、ユネスコの世界自然遺産にも登録されています。一方で観光地でもあるわけです。多くの観光客が押しかけます。 特に宇登呂側はそれを強く感じます。我々のような一般人がアクセスできる範囲はとても人臭い。従って自然が満喫できると思ったら肩透かしを食らうことになるでしょう。範囲が広大であって、メカニズムが複雑でダイナミックであるだけに、ちょこっと行ってみただけでは、一部を理解するだけでも困難だと感じました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.11
6月8日(火)6月6日の日曜日に網走市から上士幌町に移動。上士幌町は帯広市の北に位置し、広大な原生林を有する田舎町です。 北海道を代表する大河の分水嶺も含みます。片や太平洋に注ぐ十勝川水系の音更川(おとふけがわ)、片や日本海に注ぐ流域面積日本第二位、長さ第三位の石狩川の本流です。 上士幌町は太平洋側の音更川の流域。上流にダム湖・糠平湖があり、その畔の糠平温泉郷にお宿はありました。何故過去形か 今週一杯滞在する予定でしたが、拠無い事情が発生し本日更に移動し、今は大雪山系の麓、層雲峡に落ち着いています。糠平温泉郷のお宿は実に良かったのですがね。 これ本当。拠無い事情とは内緒です。 少なくともお宿にも自分にも問題の原因は一切ないのですが。こんなこともあるのだと勉強になりました。さて道中のこと、宇登呂や網走や上士幌と書くことが溜まってきましたが、今日の日記は霧多布岬の次に立ち寄った、知床半島は羅臼のシマフクロウのことです。シマフクロウは北海道の開拓に伴って、ずいぶんと生息数を減らしてしまいました。極東アジアのみに分布する種ですが、日本では北海道限定のフクロウさんです。我が家にもありますが、北海道土産の木彫りのフクロウは、概ねシマフクロウがモチーフです。アイヌの人々はコタン・コㇿ・カムイ、集落(コタン)の守り神(カムイ)として大切に思われてきたそうです。一時期は100羽程度になってしまったそうですが、1971年に国の天然記念物に指定され、1980年頃から保護活動が進み、今では150羽を超えるほどになっているのだとか。それにしても数が少ないですね。一番の原因はその生息状態と森林、原野の開発にあるようです。主な食性はオショロコマやヤマメなどの魚類。 その他小動物も食します。小河川流域を番で縄張りとして生活し、他の番とは共生しません。全長65cm、翼長は2m近い巨体ですから、食べる量が多いにも関わらず魚の数が減少してきていることも然りながら、子育てのための巨木の洞が、どんどん切り倒され無くなってきてしまっていることも大問題。だから北海道の開発の進展とともに、リニアに生息数を減らしているのです。ところで羅臼には、北海道で唯一、だから日本でも唯一、ひょっとしたら世界で唯一の、日本最大、いや世界最大級のフクロウ、シマフクロウが恒常的に観察できる施設があります。しかもここのシマフクロウは野生ですよ。ただ、人と上手に共生しています。 完全無欠の野生状態ではありませんが・・・。少なくとも動物園の檻の中のシマフクロウとは違います。 2年前にも訪いました。しかしその時は出が悪く、番で一度だけ来てくれましたが、やや未消化状態というか、達成感に乏しいというか・・・。はっきり言うとリベンジなのですよ。 勿論当方の勝手な感情ですが。さて、この子がじっと見つめている小さな池にはヤマメが放流されています。この子はそのことを知っています。 そして何よりも安全であることをよく理解しています。だから毎晩のように現れます。 餌付けではないかという人もいますが、このことにより、安定的に繁殖行為が続けられています。二代目なのだそうですが、前代は10羽以上の雛を育て生息数の回復に貢献しているようです。この日は5回も姿を現してくれました。といいましても、薄暗くなり始める夕方の7時頃から、辺りが明るくなり始める夜明け前の3時過ぎまで長丁場です。途中睡魔に襲われ意識が途切れがちになる中、完全徹夜に向かって、強い意志と忍耐力と集中力の勝負です。 ちょっと大袈裟かな。5回とも♂。 足環の状態で分かるそうです。どうやら♀は抱卵を始めたようです。 シマフクロウは抱卵するのは♀だけのお仕事。だからといって、♂は無責任親爺ではありませんよ。夫婦仲は最高に良し。 一度結ばれたら死が分かつまで添い遂げるのです。その愛情溢れる行動は後々出てきます。5回現れたその行動パターンは、ほぼ判で押したように同じでした。まず池の傍にやってきて、しばらく池の中を眺めています。中にいる魚の様子を観察しているのでしょう。そして池の中に飛び込みます。飛び込む方向は様々ですが、必ず翼を広げて脚から飛び込みます。暫くして池から飛び出してきます。出てきた時には100発100中、脚で魚を掴んでいます.そして魚の頭に噛みついて止めを刺します。その場で食べてしまうこともあります。かなり大きなお魚ですが、頭から丸呑みしてしまいます。目を閉じて美味しそうに食べている姿が萌えですな。さて、ほぼ毎回お魚を持って上流の方へ去っていきます。脚で掴んでいる場合もありますし、お口で咥えていく場合もあります。どうやら、小さいお魚はお口で咥えていくようです。巣で抱卵してる♀の元へ、シマフクロウ鮮魚店はせっせとヤマメを配達しているのです。小鳥と異なり、猛禽類の抱卵日数は概ね長いとされています。凡そ一月以上のようですよ。 その間、♀はほとんど抱卵にかかり切り。だから♂は♀にご飯をもっていきます。 ちゃんと役割を果たしています。ヒナが孵ると、今度は番でヒナの元にご飯を運ぶ回数が増えるそうです。2年前に見た番の姿は、これだったのだと思います。それぞれお魚を一尾ずつ加えて上流の方へと飛んでいきました。ところで、この川には天然のオショロコマもいて、シマフクロウは時々池のヤマメではなく、川のオショロコマも捕っているそうですよ。完全徹夜で疲れましたが、写真は処理しきれないほど多く撮ることができて、その達成感といいますが、充実感といいますか、満たされた一晩になりました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.08
6月5日(土)今日のお宿は網走市。 といっても東の端で小清水町との境目です。従って、小清水原生花園など小清水町の自然観察にたいへん適した場所です。昨日は知床半島の宇登呂から移動してきましたが、終日南風の強風の中小雨がパラツクという最悪の天候状態でした。そのため外歩きはせず移動とお買い物のみ。お宿のチェックインまで時間をつぶすのが大命題の日となってしましました。お宿に着いてからは、久し振りにお会いしたご主人と話に花が咲き・・・。すぐさま夕方になり、晩御飯を食べ本を読んでいたらあっという間に寝落ちし。記録しておくことはほとんど無しの一日でした。さて、日記はまだ霧多布岬のことが終わっていません。何とか最終日のことになりましたけどね。霧多布岬には4泊5日滞在したのですが、好天に恵まれたのは、移動してきた初日と移動した最終日だけ。2日目曇天のち雨、3日目濃霧、4日目強風とお天気に恵まれた覚えは無しですな。それでも広い大自然のフィールドですから、悪天候なりに楽しめました。最終日は前日の強風がすっかり止み、朝から穏やかなグッドコンディションです。早朝から岬の先端までお散歩に行ってきました。トップの写真は遊歩道の終着点で屯していたオオセグロカモメたち。朝陽が昇る海を見て、気持ち良さそうにしていました。 人がいるより似合います。追い出すのも忍びなく、そのまま記念撮影です。この句碑には以下の句が記されています。「かねてより あらきしほ路ときいたふの 島根にたかく よする志らなみ」この句は松浦武四郎さんのものとされています。江戸時代末期から蝦夷地を探索し、蝦夷地図や地誌を作成するなど大きな足跡を残すとともに、数少ないアイヌ人の理解者であり、北海道の名付け親となった方ですね。最近建て替えられたようでピカピカでした。 反対側のアゼチ岬(実際には見えていない)方面から嶮暮帰島を遠望します。ラッコの姿が見当たらず一度はあきらめて引き返しましたが・・・。駐車場で片岡さんにお会いし、早速ラッコを発見してくれました。多くの場合、岬先端に向かって左側にいることが多いのですが、この時は右側にいました。 偶にはこのようなこともあるようです。雌AとA子妹、雄Kと3頭で岬の先端に向かっていました。こちらも片岡さんと一緒にもう一度岬の先端に向かいました。A子妹は生後一月ほどということですが、もう一人でかなり泳げるようです。時々お母さんのお腹に乗せてもらってもいるようです。実はこれより前の二日間、ラッコたちの姿が全く見当たらなかったのですよ。度素人の自分だけではなく、プロの片岡さんや奥様も見つけられなかったので、行方不明だとたいそう心配していたのです。一昨年生まれのA子の兄は、自分が霧多布岬を離れた直後行方不明になったらしいのです。今回もまたもや。 疫病神説が浮上していただけに、母子の姿を確認できてほっとしました。こちらはアカエリカイツブリの夏羽。これまた片岡さんに教えていただいたものです。名前の由来となっている赤い首筋が確認できます。関東地方では冬に冬羽の姿しか観られませんから、繁殖地の北海道ならではの姿といえますね。これはノゴマの♀。喉元に赤い日の丸がありませんから区別が付きます。♂のようにソングポストで囀りませんから、発見するには結構根気が要ります。オオジュリンの♂も存在を誇示し始めていました。まだ頭が完全に黒くなっていませんね。 斑模様になっているところはご愛嬌です。つい最近渡ってきたのでしょう。 関東地方でもGW辺りには斑君を観ることがあります。エゾシシウドの枯れ木の先端に乗ってくれると絵になります。下の2枚の写真はおまけ。エトピリカ村のお庭に現れたコムクドリです。物置小屋に掛けられた巣箱でシジュウカラが子育て中だったのですが・・・。この近辺に住宅事情はなかなか厳しいようで・・・。その巣箱を巡って、シジュウカラ、スズメ、コムクドリの三つ巴の争いに発展。とても可愛そうなのはシジュウカラの番。最初は猛烈に抗議していましたが、そのうちスズメに乗っ取られ放棄した模様。続いてコムクドリが巣箱にいろいろ投げ込んだりして嫌がらせついにスズメからも巣箱の乗っ取りに成功したようです。この間、心優しき片岡さんは別に巣箱を2つ用意しましたが、スズメもコムクドリもお気に召さなかった様子です。一番の悪は、シジュウカラのヒナを死に至らしめたスズメかでも本当の極悪人はこのコムクドリかもしれませんな。エトピリカ村のお庭は野生生物の宝庫。居間の大きな窓からこの樹まで10mもありません。しかし、その先が直ぐに原野であって更に先が山まで続いているせいか、様々な生き物が姿を現すそうです。 最近はスグロチャキンチョウの集団も来たとか。この野鳥は、全国でも非常にレアな迷鳥なのですよ。実物を見たことがある人はほとんどいないはず。 写真も情報もほとんど無しその他、コミミズクやトラフズクといったフクロウたちや、ハイタカ、チュウヒ、ケアシノスリなどの猛禽類、ハギマシコやマヒワなどは当たり前。 エゾシカも来ます。まぁ、この居間の窓、おそらく全国でも屈指の面白さではないかと思っております。これはお許しもなく勝手に書いてしまった余談です。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.05
6月3日(木)早いもので北海道に上陸してからもう一週間が過ぎてしまいました。昨日から知床半島の西側に位置する宇登呂までやってきました。これまでの成果は然別のナキウサギ、霧多布のラッコや自然、そして、羅臼のシマフクロウなどなど、細かいものも多数です。今回の旅で一つ分かったこと、それは北海道の中、とりわけ道東の中でも霧多布岬周辺は最も春が遅いこと。そしておそらく、知床半島でも羅臼と宇登呂では気候はかなり異なること。これはまだ推測の域を脱していませんが、今回痛感したことです。これまでオホーツク海沿岸が最も寒いのではないかと、勝手に思っていましたが・・・。エトピリカ村の村長ご夫妻のお話では、北海道の春はまず日本海に沿って北上、その後オホーツク海に沿って東進し、知床半島から根室海峡に沿って南下する、時計回りの進行なのだとか。確かに緑の濃さで推し量ると、小樽、帯広、霧多布、羅臼、宇登呂のなかで、霧多布が最も薄い感じでした。偶々かもしれませんが、霧多布は本当に寒かったですね。滞在中は最低気温が5℃以下でしょうか。 強い風が吹くと尚更でした。羅臼の朝も寒かったですよ。 3℃ほどでした。夜通しのシマフクロウの観察は6枚重ね着、下は2枚に毛布です。途中で毛布を買って正解でした。 なかったら凍えていたでしょう。宇登呂まで来ると、一転して暖かな朝を迎えました。いや関東に比べれば普通に涼しいのですが、これまでが異常でしたからね。2年前には感じなかった、5月、6月でもストーブが必要ってこれかと、毎日体感しております。今日の日記は霧多布岬周辺の野鳥たち。岬を歩いていて最も目に付くのがノゴマの♂です。赤い喉を震わせて、ちょっとした美声(少なくとも本人は思っているだろう)で盛んに囀っています。お口の中まで真っ黒。 大きな口を開けますから良く見えます。この行為は縄張りの確保と♀のナンパが目的でしょうがね。未だ争いは決着がつかず、いやそろそろ結果が見えてきたというところでしょう。北海道の海岸線の草地では極めてよく見かける小鳥です。下のノゴマは、エトピリカ村のお庭周辺を確保した♂です。お次は岬の上空を高速で飛び回っているアマツバメ。ひたすら飛ぶことだけに特化した、世にも不思議な野鳥です。何が不思議かって、それは脚の指の構造と翼の構造。脚の指は全てが前方を向いているそうです。 そのため枝に掴まったり歩いたりできない。翼は羽ばたいて浮き上がるという構造にはなっていない。だから平らな地上に降り立つと、二度と飛ぶことができないそうです。鳥類の中では極めつけの変人なのですよ。従ってほとんど飛び続けています。 それでは巣はどうなっているのかと思いますよね。巣は崖地に作るのだそうです。 飛び立つときは飛び降りる。重力を使って飛び始めるということです。だからツバメと名が付いていますが、同じ夏鳥の普通のツバメとは親戚関係にありません。姿形が似ているのは、空中で虫を捕まえるという生活故の収斂進化の結果でしょうか。とにかく飛び回る速度は半端なく速いです。カメラを振り回して追いかけるのは大変な作業です。さんざん苦労して、やっとの思いで撮れた写真です。岬の先端では多くのオオセグロカモメが営巣を初めていました。このカップルは未だ恋愛過程を楽しんでいる様子です。妙に甘ったるい声で囁き合っていました。こちらのカップルも居宅を構えるのはこれからの様子。居心地の良い部屋を物色中といった段階のようです。霧多布湿原には、今年も多くのベニマシコが渡ってきたようです。あちらこちらで、「フィ、フィ」という独特の鳴き声が聞こえてきます。種類は分からないのですが、この樹の新芽がお気に入りの様子でした。茶色っぽい地味な羽衣は♀です。 野鳥は全般的に総じて♀は地味ですね。人とは異なります。派手な衣装を着ていると、子育てするのに不利だからといわれます。目立つと天敵に襲われやすいからだと・・・。 でも本当かどうかは分かりません。 十分推測される話ですけどね。♂はこのようにド派手な衣装を着て、盛んに歌を唄っています。高い樹の上がお気に入りのステージ。 しかし、最も高い天辺にいることは稀のよう。これだけド派手でお歌に夢中だと、タカやハヤブサなどの天敵に狙われるから流石に目立ち過ぎは勇気が要りますか。 この子は勇者かオオバカ者のどちらだろう。ちょっとした観察の結果の推定ですが・・・。 嘘八百かもしれません。どちらかというと、このような場所の方が落ち着くようですな。歌舞くにしても節度は大事、ということでしょうか。 夏羽になると増々目に付きます。偶然翻って羽ばたくところが撮れました。直ぐ目の前でしたが、残念なことに逆光。 更に手前に邪魔な枝が一本。人生全てが上手くいくなんてことは滅多にありません。北海道の草原では、ノゴマより数が多いノビタキ。こんなに数が多いのに、関東地方の平野部でほとんど見かけません。 何故日光戦場ヶ原や尾瀬ヶ原では、夏場に少数が繁殖しているようですが、渡りの途中で平野部で見かけることは極稀これは渡りの経路に秘密があったようです。北海道から直接中国大陸に渡ってしまうのですね。日本ではほぼ絶滅してしまったシマアオジと同じルート。シマアオジの場合は、急激に数を減らした原因が特定されています。ノビタキまで被害にあう可能性は極めて低いですね。それにしても、何故日本列島を南下しないのか、ちょっと不思議です。。飛び立つカワラヒワ。 これも偶然撮れた写真。どこにでもいるので人気がありませんが、なかなかの洒落者だと思いますよ。濃霧の中で本来の美しさが霞んでしまっています。北海道の夏場の草原を象徴するオオジシギ。タシギやヤマシギと近い種です。 姿もそっくりです。この種は南半球と北半球を往復する渡り鳥。越冬地は遥か彼方のオーストラリア。オートラリアの大規模な山火事を引き起こした異常気象の影響が心配されますね。関東地方の住人には馴染みが薄いこの野鳥。とにかく騒がしい。 空を飛んでいる時も地上に降りても♂は煩い。冬鳥のタシギやヤマシギは、越冬中は非常に静かで忍者のような存在なのですが・・・。繁殖期は同様に騒がしいのでしょうかこれ以外にも、オジロワシなどはトビよりも多く見られます。嘗ては冬鳥だったのですが、今は多くが留鳥化し道内で繁殖しているようです。片岡さんのお話では、日本のほうが楽にお食事ができるためではないかと・・・。つい最近、霧多布港の防波堤に、オジロワシがずらりと何十羽も並んでいたのだとか。奥様のお話では、漁師さんが捨てたお魚をもらっていたようです。カモメみたいですね。 このように環境に適応していける種は生き残っていくでしょう。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.06.03
5月31日(月)霧多布岬は、昨日は濃霧、本日は強風と、外歩きにはあまり適していない天候が続いています。そのせいばかりではありませんが、ラッコの親子には二日連続で会えませんでした。霧多布岬を散策していますと、種々の野鳥や季節のお花に出会います。これらを観察し愛でることも、大きな楽しみの一つとなりますね。今日の日記は、今、霧多布岬に咲いているお花のこと。トップのお花は、5枚の黄色の花弁の中心にオレンジ色が差しているとてもきれいなものです。正確には分からないのですが、チシマキンバイのお花ではないかと思っています。北海道の海岸線の岩場に生えることから、特徴はピッタリではないかと。○○キンバイと名がつくお花は、皆黄色で梅の花に似ているものです。本州の高山植物ではシナノキンバイやミヤマキンバイが有名ですね。しかしながら、シナノキンバイは名前やお花の様子は似ていますが、チシマキンバイやミヤマキンバイとは属する科は異なり、出自・由緒は異なります。チシマキンバイとミヤマキンバイはバラ科、一方、シナノキンバイはキンポウゲ科です。これは収斂進化と呼ばれるものに相当するのかもしれません。鳥類で言えば、オオタカとハヤブサのようなものかも。下の可愛らしいお花は、ユキワリコザクラという名を持ちます。山野草で有名なサクラソウの仲間です。 サクラソウであることは片岡さんに教わりました。霧多布岬では崖地の途中によく見られます。普通のサクラソウより小さくて、雪解けを待って咲くことから「雪割小桜」。北海道や東北のお花です。近くの根室市では市の花に指定されています。道東ではポピュラーなお花のようです。さて、ハクサンチドリのお花も見つけて嬉しくなりました。嘗てはもっと多く見られたそうですが・・・。自然環境の変化なのか、はたまた盗掘の被害なのか、めっきり数を減らしているとか。温暖化の結果、背が高い植物が繁茂すると忽ち消えてしまいそうです。2枚目と4枚目、そして3枚目と5枚目は、それぞれ同じ場所の同じ株の写真ですが、何処かが異なります。お分かりになりますか。周りのタンポポのお花が閉じているか開いているかの違いです。これは撮影時間が異なる結果なのです。 2枚目と3枚目は早朝、4枚目と5枚目は正午前です。タンポポのお花もパッと開いている方が艶やかでよろしいようです。ハマハタザオの小さな白いお花も合いますな。ここは一面のタンポポ畑になっていましたが、おそらく全てがセイヨウタンポポではないかと思われます。北海道でも御多分に漏れず、セイヨウタンポポが大きく勢力を伸ばしています。しかし本州と同様、在来種のエゾタンポポやシコタンタンポポは棲み分けをし生き残っているようです。但し混在するような地区では、何らかの遺伝子干渉が心配されるとのお話もありました。下のお花はオオバナノエンレイソウです。正確な種名はやはり片岡さんにお聞きしました。北海道と本州北部に自生するお花ですが、北海道を代表するお花だといっても過言ではないのでしょう。種名エンレイソウは、もっと小さなお花をつけますね。こちらは日本全体に分布します。 お花以外はオオバナノエンレイソウとそっくりです。ところで、オオバナノエンレイソウは北海道大学の校章のモチーフです。大学の北キャンパスの原生林には、このお花の大群落が見られるのだとか。3枚のがくと3枚の花弁が互い違いに並ぶ構造が特徴的。エンレイソウの仲間は、全てがこの構造なのだそうです。オオバナノエンレイソウは名前の通り、最も大きなお花を咲かせます。まとまって咲いていると見ごたえがあります。 岬の遊歩道の際にそこここで観られますよ。この植物は成熟するのに非常に時間がかかり、お花を咲かせるようになるまで何と10年もの歳月を要します。その後は20年以上もお花を咲かせ続けるのです。何とも長寿なお花です。 漢字で書くと「大花延齢草」。昔から生態が良く分かっていたのですね。 まさに「名は体を表す」です。次のお花はエゾエンゴサク。本種は日本では北海道の固有種。株によって微妙にお花の色が異なります。紫色が貴重ですが、赤紫から青紫まで多種が混在していました。オオバナノエンレイソウと同じような場所で観られました。下のスミレはシロスミレでいいのでしょうか。霧多布湿原センターの敷地内で見つけましたので岬のお花ではありません。 おまけです。岬では普通の濃い紫色のスミレのお花はありました。どちらも気象条件の影響か、極めて矮小化した個体でした。さて、北海道全般にいえることですが、本州の東北以南では高山植物とされるものが、平野部でよく見られます。やはり寒冷な気候のおかげでしょう。本州では高山帯にみられる湿原が、北海道では平野部に広がるのもそのためです。特に霧多布岬など道東地区は、特に寒冷なようですな。本日の最低気温は5℃、昨日は6℃でした。異常値なのだそうですが、真冬の寒さに震えてしまいました。まだストーブが活躍しているのですが、なるほどと納得させられました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.31
5月29日(土)関東地方では最高気温が30℃前後まで上がり、一昔前の真夏のような日になっているようですが・・・。今日の霧多布では昼間の気温が10℃に届かず。 おまけに午後から激しい雨が降っています。風が冷たいどころか、室内にいても少し寒く感じます。奥様がフリースを一枚持たせてくれましたので何とか凌げそうですが、これが無ければ凍えていたかもしれません。 感謝、感謝ですな。外歩きは真冬用のダウンジャケットで良かったかもしれません。フリースの上にウィンドブレーカーを羽織ってちょうど良いくらいですから。片岡さんのお話では、何時もこんなに寒いわけではないということですが・・・。聞き間違えでなければ帯広や釧路より気温が低いのだそうです。確かに見える景色は早春。未だ芽吹いていない樹々が見受けられますし、草地は茶色が目立ちます。さて、日記は霧多布岬のラッコのことです。昨日のお昼過ぎに霧多布岬のある浜中町に着いたのですが、お宿のチェックイン時間にはまだ早いので岬まで行ってきました。先行者は皆無です。オオバナエンレイソウやサクラソウの花を愛でながらゆっくり進みます。花の名前は片岡さんに教えていただきました。話が前後しますが、灯台のところで写真を撮っていますと片岡さんがやってきました。全くの偶然です。 1年半ぶりの思わぬ再会となりました。岬の先端まで観察に向かうということでしたのでご一緒することにします。片岡さんは直ぐに赤ちゃんを連れたお母さんラッコを見つけます。この母親を片岡さんは雌Aと名付けて識別しています。クラウドファンディングによって集めた資金で発行された、「ラッコ 霧多布で生まれたA子の物語」の主人公A子のお母さんです。A子は、昨秋無事に親離れをして独立していきましたが、雌Aは今春も出産していたのですね。 この赤ちゃんも雌。 だからA子の妹なのだそうです。この子も無事に育つと良いですね。 願って止みません。さて、泊めて頂いたお宿のエトピリカ村は、立地が最高、清潔、朝食が美味しい、野生生物の宝庫であるお庭、オーナーご夫婦が優しい等々、数々の美点がありますが、TVが無いということもたいへん宜しいですね。 自然と早寝早起きとなります。今日も朝の4時半に目が覚め(これでも寝過ごしたと思ってしまいました)、朝飯前の探検に出かけました。 早起きは三文の徳と言いますがまさにその通りに。しかしお天気は曇天。嵐の前の暗い朝。 海の色は最悪です。駐車場から幾らも歩かないうちに1頭のラッコを発見。直ぐに岩影に入り見えなくなったので、若干後戻りをして改めて見ると、今度は雌AとA子妹を発見します。これは幸先が良いですな。しばらく観ていると、最初に見つけた1頭が雌AとA子妹に接近していきました。 これは雄なのだそうです。最初は寄り添っていただけですが・・・。そのうちお母さんラッコ・雌Aに絡みだしました。A子妹はお母さんに必死にしがみついています。とてもしつこくて・・・。A子妹は海に落ちてしまい・・・。雌Aは怒り爆発です。 果敢に雄を追い払おうとしました。この間A子妹は為す術もなく、プカプカと浮いているだけです。雌AはA子妹のところに戻ります。 が、雄はなおもしつこく追いすがり。A子妹を庇うように再び雄と対峙します。A子妹はまたもやプカプカ。雄がまだ絡んでいますが、A子妹はお母さんの上に戻り。またまた海に落っこちてしまいます。やっと雄が離れていき、母子水入らずに。A子妹はおっぱいをのんでいるようです。途中からは片岡さんも朝の調査にやってきました。片岡さんに依ると、雄のこのような行為は、繁殖の妨げになる大変危険な行為なのだそうです。昨秋まで雌AやA子と一緒にいた雌B母子は、雄と烈しい闘争を繰り広げた後、行方不明になってしまったとか。霧多布岬ではこれまでに6頭の赤ちゃんが誕生しています。全て雌Aと雌Bの子ですが、このうち無事に育ったのは僅か2頭だけ。そして雌Bは現在行方不明です。このような失敗の原因の一つは雄の嫌がらせだと推測されています。7頭目となるA子妹は無事育ってほしいものですね。同じようなお話は野生のクマで聞いたことがあります。クマの雄も子育て中の雌を襲い、子供を殺してしまうことがあるそうです。子育て中の雌は当然のこととして、発情することがありません。そこで雄は子供を殺して雌を発情させ、自分の子孫を残そうとするのだとか。極めて残酷な自然の摂理ですが、人でも連れ合いの連れ子を虐待する例もありますから、理性を取っ払った挙句の行為と見れば、自然なこととして理解可能かもしれませんね。いやいや、このような落ちを付けてはいけません。人の場合は自分の子でも虐待しますから。 どこか妙な生き物なのです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.29
5月28日(金)突然ですが(いつも予告なし)、今日は霧多布岬(濤沸岬)にいます。3日間で900km以上を自走しましたから久し振りの神風ですが、意外とあっという間に感じます。26日の水曜日早朝に我が家を出発し、正午に新潟西港から出航、27日の早朝・4時半に小樽港に到着です。一昨年の2回に及ぶ北海道訪問は苫小牧航路を利用しましたが、今回は新潟 ⇔ 小樽航路を利用。 苫小牧東港行きと同じく新日本海フェリーの運航です。苫小牧航路は深夜出発で、夕方到着なので、到着後は苫小牧一泊となってしまい、移動に一日余分にかかってしまいます。小樽便は秋田港寄港もなく乗船時間が短い上、小樽到着後直ちに道内を移動できるので、一日得した気分になります。今後も来る機会があれば、小樽航路の利用がメインになりそうです。COVID-19については再び感染が拡大し、北海道全体が緊急事態宣言下。 しかも延長が必至の情勢ですな。我が家のある我孫子市もまん延防止等重点措置の元にありますが、自分自身は人嫌い、人が集まるところは避ける習性にあることから、買物、宿泊等は十分注意して行動することを肝に銘じ、今回の旅を決行することにしました。偶然なのですが、乗船日は皆既月食の日。揺れる船からの撮影は条件が悪すぎですが、少し写真を撮りました。小樽港に着いてから直ちに移動を開始します。高速道路は一切通らず、一般道をひたすら走りました。早朝なので札幌近郊も渋滞は全く無く順調です。国道5号線から国道274号線に入り帯広市を目指します。日高山脈を越える日勝峠を9時頃通過。展望台で時間を潰すも、このまま進むと余りにも早く着きすぎます。ということで、ちょっと寄り道をしてみました。帯広市の手前の清水町で国道38号線に入らず、国道274号線をそのまま進みます。鹿追町で道道85号線に入り目指すは然別湖(しかりべつこ)方面。今回の北海道旅行の目的は、日本では北海道限定で生息するエゾナキウサギを観ることもその一つ。道東をぐるっと一周した後、何日か観察日に当てる予定ですが、せっかく近くを通過するので、生息地を下見しようという魂胆なのです。一昨年、落石ネイチャークルーズでご一緒した方が、然別湖に寄ってエゾナキウサギを観ていくとおっしゃっていました。そのお話を聞いて、少し興味を持っていたのですよ。website などで情報を集めると、かなり難易度が高いとのことです。臆病だし、小さいし、保護色だし、すばしっこいしなどなど。そこで下見なのです。エゾナキウサギのことを知っている方は少数派でしょうね。 おそらくは。日本に生息している野生のウサギは4種。エゾユキウサギ、ニホンノウサギ、アマミノクロウサギ、そしてこのエゾナキウサギです。ナキウサギの仲間は氷河期から生き残っているとされ、とても歴史が古いのですよ。従って他の3種とは身体的特徴が随分と異なります。そもそも、身体の大きさは手のひらに乗るぐらいと極端に小さいです。耳も長くなく丸い形をしています。一見ネズミさんのようでもありますが、門歯(前歯)が4本とウサギの特徴を備えています。詳しいことはまた後程にして。昨日は帯広市の北方に位置する然別湖の近くの生息地を訪ねたのです。車が駐められる場所から、足場の悪い登山道を登ります。重い機材(三脚、望遠レンズ、カメラ)を担いでいますので、ふうふう息があがりました。こりゃ遠いとかなわんなぁ、と思いましたが15分ぐらいで到着です。初めての場所ですからどこで待ったらよいか見当がつきません。先行者もいないので聞くこともできず・・・。そこで鳴き声を聴いてみることにします。ナキウサギといいますから、ウサギのくせによく鳴くのだそうです。しばらく待つと別の場所で「チ、チ」という声がします。かなり大きな声です。 これだなと思い声がした方に寄って待機。一度、目の前に居るのに気がつかず、不用意に動き穴ぼこに逃げ込まれてしまいました。めげずに再度待機。 今度は鳴きはしませんでしたが、ちょうど真正面に現れてくれました。 何度か場所を移動しいろいろとポーズを決めてくれました。ウサギというよりコアラに見えるかな。 カピパラという説もあります。この子は左の耳が少しだけ欠損しています。 個体識別に役立ちます。かくれんぼ。 それともちょっと恥ずかしいのか。いやいや、怪しいおじさんがこっちを見ているので警戒か。何となく大丈夫そうかな。丸まっているとやはりウサギに見えます。頭が痒い最後の決めポーズ。この後後ろの穴ぼこに潜り込みサヨナラです。意外とあっさりとご対面が叶いやや拍子抜けです。しかし曇り空であったため、写真は暗いものばかり。この後、ナキウサギ訪問のため5日ほど日程を組んでいます。好天の日にも会えることを祈りましょう。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.28
5月21日(金)今年は九州地方から東海地方にかけて早くも梅雨入りの模様。5月中旬からというのは、過去に思い出せないほど早いですな。関東地方はまだ梅雨に入ったとされていませんが、今週初めからシトシトピッチャンの毎日が続いています。気象庁のデータでは、梅雨入りが早かった年は最近では2011年。東日本大震災の年ですね。 梅雨のことは全く記憶にございませんが・・・。九州地方は5月23日、東海地方は5月22日、関東地方は5月27日でした。さて今年の梅雨の特徴は、梅雨入り直後から激しい雨が降っているということ。九州地方を中心に早々と豪雨に襲われているようです。 線状降水帯も観られますね。過去の経験からいうと、豪雨は梅雨明け真近の7月に多いと認識していましたが。記憶に新たなところでは、昨年の7月に九州地方中心に発生した令和2年7月豪雨です。熊本県の球磨川や大分県の筑後川上流が氾濫し大きな被害が出ました。今年の降り出しは早くも災害級の豪雨のようですからとても心配になります。年々激しくなっているように感じる地球の気象現象。ちょうど今週から新朝ドラ・「おかえりモネ」が始まったのも何かの因縁でしょうか。今朝は観天望気が紹介されていました。声や音が近くに聞こえると直に雨が降るとか。 これは初めて聞きました。音は気温が高いところから低いところに伝わるからなのだそうです。観天望気とは自然現象や動植物の様子を観察し天気の変化を予測すること。鳥好きはツバメが飛ぶ様子を見て雨か晴れかを予測したりしますな。根拠が明確なものから単なる言い伝えまで、玉石混交のようですが、知っておくと日々何かの役に立つかもしれませんね。特に外歩きが好きな方には、雲の見方などは必須かも。ということで、今日の日記も朝ドラの舞台の振り返り。気仙沼大島や南三陸町から気仙沼市まで、海岸線の様子を振り返りましょう。南三陸海岸の幾つかのポイントでは、海で生活する唯一のガンで国の天然記念物であって、日本には少数が渡ってくる、コクガンの愛らしい姿が観察できます。但し「おかえりモネ」の舞台の一つである気仙沼大島では、最近はあまり観察されていないようで、ドラマの中で見られるかどうかはです。気仙沼大島の最も先端は龍舞崎ですが、気仙沼湾を挟んで対岸となる岩井埼には多くのコクガンがやってきます。明け方、日の出直後には沖合(おそらく塒)から、三々五々集まってきます。逆立ちして海底に生えているアマモなどを食しています。他のガンやハクチョウたちと同様、家族単位で行動しているようです。着水の仕方も特に変わった様子はありません。岩井埼より少し南側のお伊勢ケ浜は、遠浅の砂浜海岸で写真のようにきれいなうねりが出ていました。気持ち良さそうに波に揺られていました。岩井埼にはシノリガモの軍団も観られました。♂が集まって談合中。 1羽だけいた♀は遠慮がちです。場所は変わって気仙沼大島の先端、龍舞崎です。しばらくこのアカゲラやコゲラ、カワラヒワなどと遊んでいました。マツクイムシの被害が甚大です。 決して津波の爪痕ではありません。ほとんどの黒松の樹が立ち枯れてしまっています。普通のカケスの姿も。気仙沼でもやはりチョイ悪な風貌です。 当たり前か 本土と島を結ぶ気仙沼大島大橋です。 2019年(平成31年)4月に供用開始。 それ以前は、定期航路のフェリーに乗らないと島まで行けませんでした。この定期航路は100年以上も続いたそうですが、大島大橋の開通とともに廃止されたとか。「おかえりモネ」の第一話の冒頭部分は、主人公・百音が産まれる時、台風の大しけの中、母親が漁船で本土に向かったシーンでした。気仙沼市では「気仙沼天旗まつり」と称し、毎年全国の愛好者や地域の方が集まって、凧揚げを楽しむイベントが開催されます。今年の開催予定日は5月23日。今度の日曜日でしたが、COVID-19の感染拡大のため止む無く中止に。 残念ですね。例年、写真のような連凧が数多く上げられ、凧揚げの模範演技も催されるそうです。気仙沼に限らず、宮城県の方々は凧揚げがお好きなようですな。凧のことを天旗(てんばた)といい、江戸時代から伝わる伝統的な遊びです。中でもスルメのような形の「するめてんばた」は、宮城県に限らず東北地方全体で似たような凧があるのだそうですよ。岩手県では大船渡、一関、盛岡、青森県では八戸、また、山形県では新庄や山形など。上の写真は、気仙沼大島の遊覧船発着所、旧フェリー乗り場近くに出来た、お食事処が集まった商業施設「野杜海」で揚げられていた、するめてんばたの連凧。「野杜海」は「のどか」と読みます。まさに野原、森、海が満載の大島を表しています。 朝ドラの中で今後出てくるかも。 にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.21
5月17日(月)NHKの朝ドラ、先週をもって「おちょやん」が終わり、今日から新ドラマの「おかえりモネ」が始まりました。これご存知の通り、朝の8時から15分もの。現役時代は視聴するなんて考えたこともありませんでしたが・・・。去年のCOVID-19騒ぎで自宅待機になってからは、妙に時間が合うようになり見る機会が増えてきています。そのため直近の3作、「スカーレット」「エール」、「おちょやん」は大方筋書きが分かります。さて、「おかえりモネ」のことですが、宮城県気仙沼市の亀島(気仙沼大島か)出身の少女が、高校卒業後登米市で青春時代を過ごし、気象予報士となった後上京するというスジらしい。何故「おかえりモネ」なのかというと、東京から故郷に戻るその後のお話に因むということ。詳細は半年間ドラマを見ると追々分かってくるでしょう。昨年の11月に登米市や気仙沼市を訪問した身としては、嬉しさ一杯、懐かしさ一杯で、昨年撮った大量の写真を再度見直してみました。ドラマの中で同じような風景が出てくるのか、とても楽しみですな。伊豆沼の東側半分は登米市に属します。 西側半分は栗原市。下の写真は伊豆沼の夜明け。 登米市側から栗原市方面を観ています。一斉に塒立ちをするマガンの群れです。トップの写真は登米市にかかる虹。完全な半円になっていましたが、余りにも大きすぎて画角に入りきりませんでした。広大な田圃が広がっています。下の写真は夕陽のように見えますが、実際には朝陽に入るシジュウカラガンです。蕪栗沼の東側もやはり登米市。本体自体は大崎市に属しますが、観察ポイントはほとんどが登米市です。ちょうど、登米市と栗原市と大崎市の市境にあるのですね。下の写真は、塒入りに備えて集まってきたマガンたちです。こちらの写真は、東側の登米市に向かって塒立ちするマガンたち。下の写真も同様。遠くに見える山は北上山地。 たぶん「おかえりモネ」でも出てくるのではないかと。舞台は再び伊豆沼です。ハクチョウはほんまもんのオオハクチョウ。 コブハクチョウではありません。オナガガモと併せて、まるでアヒルとガチョウのように懐いています。 ナデナデできそうなくらい人懐っこかったですよ。ヒシの実(おそらく)を噛んでいるオオヒシクイ。名前の由来通りのこの姿を見るのは初めて。 ヒシの実はとても硬いのですよ。 その上大きな棘が2本生えています。このヒシの実を噛み砕いいて、中の果肉を食べてしまうオオヒシクイのくちばしはどんだけ~丈夫なのでしょうか。塒入りのマガン。塒入りは直接沼に入る群れもいますが、その前に近くの田圃で一時待機する群れもいます。伊豆沼で佇むオオヒシクイ。舞台は再び蕪栗沼。オオヒシクイは非常に臆病で警戒心が強いのですが、ここのオオヒシクイは伸び伸び。 人影を認めても全く逃げようとはしません。自分たちが「主」だと自覚しているようです。蕪栗沼の畔の樹にとまるオジロワシ。ここでオジロワシに会えるとは思いませんでした。神奈川県からいらした先行のベテランさんのお話では、毎年冬場に渡って来ているそうです。チュウヒの姿も目立ちました。食物連鎖ピラミッドの頂点に位置する、猛禽類が多く見られるということは生態系が豊かな証拠ですね。さて、「おかえりモネ」は朝ドラとしては久し振りの現代版。ドラマの伏線としては東日本大震災からの復興が隠されています。気象予報士がテーマというところも面白いですな。未来を予測できる(天気予報)職業なのだそうですよ。 なるほどね。COVID-19の感染拡大によって、この1年は人と人以外の地球環境との関りがより一層クローズアップされてきています。この先どのように物語に織り込まれるのか、ちょっと展開が楽しみになってきました。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.17
5月7日(金)今日もGWの続きでお仕事お休みの方もいるでしょうが、政府首脳や都道府県の首長の期待も虚しく、昨日からご出勤の方も多々いるようで・・・。GW中は首都圏の通勤電車の間引き運転が予定されていましたが、昨日の電車が余りにも混雑していて、今日から間引きは中止となりましたね。R東海の発表によりますと、GW期間中の列車利用状況は、概ねCOVID-19前より7割減と少ないものの、昨年よりは大幅に増加したとのこと。2020年比で新幹線は6倍弱、在来線特急は7倍強なのだとか。しかし、2019年や2018年のGWの平均利用者数に対しては2〜3割程度。昨年の緊急事態宣言は本当に効果があった、ということを改めて認識させられる、ものの見事なデータです。この傾向はJR東日本だけではなく、小田急線の特急「ふじさん」(新宿~御殿場)は前年比4254%(約42.5倍)を記録するも、23019年、2018年と比較するとやはり3割程度なのだそうです。昨年の乗客数はほとんどゼロであったのでしょう。高速道路にしても、昨年はほとんど渋滞ゼロであったと記憶していますが、今年は4日も5日も各所で渋滞が発生しました。 特に4日は酷かった。実は4日の夕刻、用事があって東名高速道路の上り車線を走っていましたが、御殿場インターチェンジから海老名までずっと渋滞していました。あまりの酷さに海老名から圏央道に逃げましたが、そのまま進んでいたら、更に横浜インターチェンジまで渋滞が伸びていたそう。こんなに酷い渋滞は過去経験した記憶がありませんよ。車での移動は安全との認識が広がっているとはいえ、今となってはステイホームの掛け声はほとんど意味無しということが言えるでしょう。もう一年以上も続くCOVID-19騒ぎながら、未だに人流の制限だの飲食の制限だのと、漠然とした手段しか示されないわけですから・・・。最早何おか謂わんやなのでしょう。 月末までの延長や地域拡大の効果は如何にです。本当、菅総理も知事連中もいったい何が言いたいのか訳が分かりません。今日の日記も花の福島。 舞台はやや南に下った白河の小峰城。最初の計画では考えていなかったのですが、末っ子の発案で城址巡りとなってしまいました。先にも書きましたが、白河小峰城は福島県に存在する三つの100名城の一つ。平山城です。 東北地方には珍しく、とても立派な石垣で構築されています。盛岡城、会津若松城と並び、東北三名城の一つとされています。この丘陵地に最初に城が築かれたのは南北朝期のこと。室町時代は白川結城氏の支配下にあったようです。天正年間以降は、二本松城と同様、会津の蒲生氏、上杉氏の会津領となったとのこと。1627年(寛永4年)に丹羽長重が棚倉城から移封され、1629年(寛永6年)より城郭の大改築に着手し、現在の姿に完成させました。二羽長重は織田信長の重臣・丹羽長秀の子であって、二本松城を整備し完成させた丹羽光重の父親。 親子二代で名城を二つ完成させています。江戸時代には、榊原、本多、松平(奥平)、松平(結城)、松平(久松)、阿部と度々藩主が変わります。この中で一番有名な方は、老中首座となり寛政の改革を行った、久松松平家の第三代・松平定信でしょう。本人は御三卿田安徳川家初代当主・徳川宗武の七男で養子に入ったそうです。石垣の上に見える三重櫓と比べると、石垣とお濠の規模が良く分かります。正面から左側。 この石垣の上が本丸。 下の段は二の丸です。正面から右側。 こちらの道を進みます。上の石垣の切れ目を左に曲がると、立派な城門が見えてきます。前御門とよばれ、潜ると本丸です。本丸側から。後方の三重櫓は1632年(寛永9年)に建てられた複合式層塔型3重3階の櫓。オリジナルは「三重御櫓」と呼ばれ、実質的な天守ですが、戊辰戦争で焼失。現在のものは1991年に復元されました。全国的にも珍しい木造での再建。 天守に相当する建造物では最初のもの。 戊辰戦争の激戦地となった稲荷山の杉を使って復元をしており、柱や床などあちらこちらに打ち込まれた鉄砲玉の弾傷が確認できます。残念ながら櫓の上には登れず、1階のみの見学です。本丸から西方の山々を。白河の町や新幹線の効果越しに、那須岳や三本槍岳の姿が良く見えます。本丸から角度を変えて櫓や門を見ます。本丸に入る櫻門跡。 桝形になっていてお城らしい意匠を感じます。二の丸から本丸を眺めます。白河の地は、古代には東北地方の玄関として白河の関が置かれたところ。要するに要衝の地なのですが、江戸時代には、丹羽氏以外は全て親藩・譜代で固められています。外様大名の上杉氏や伊達氏を見張るお役目があったのでしょう。そのような歴史的背景も思い浮かべながら巡るのも乙なものです。にほんブログ村アウトドアなんでもOKなんでもアウトドアトラックバック!アウトドア・薪ストーブ・キャンプ・釣り
2021.05.07
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