カトチャンのムチャ釣り日記2012

カトチャンのムチャ釣り日記2012

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2008年10月21日
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テーマ: 鮎釣り(1249)
カテゴリ: 釣り小説

研究室の隅のテーブルの上には湯河のメモ書きが置いてあった。

「酒匂川の青橋で待っている」   それだけだった。

私は大急ぎで、首都高経由で東名高速の太井松田に向かった。

1時間も走っただろうかETCのゲートに衝突するほどの速さで私は太井松田のインターを抜けた。

そこから、国道を少し走り、左折して、右側には酒匂川が流れている。
aobasi

青橋をとりあえず渡り、橋のたもとを右折して、すぐ、川沿いの堤防の上の道を走るとそこには囮やがあった。そこに湯河がすでにたって、待ちわびている様子だった。

「おう、1時間程度の遅れだな、その間に時は金なりで色々、水中観察をしておいた。どうだい、酒は抜けたかい。昨日は、 昔の女の子 の話になったらお前も変だったな。」

「すまんな、わざわざ、ここまで、先に来て現地を見てくれるなんてな!しかし、 女の子 の話なんてしたかな?」
「ま~済んだ事だ、そんな事は良いから、早速、分かった事を説明しよう。論理的に言えば、この川は昔からの暴れ川でドンドンと出水して、大きな石が流されたが、上流にダムが出来た事により、その石が供給されなくなり、砂ばかりになった川床のようだ。そのため、この川を維持するため、ここでは川止工があちこちに作られている。しかし、埋まっているところもあるな。そこで、砂ばかりになり、鮎たちが産卵しやすい場所が少なくなったようだ。
産卵に適切な石の大きさは、川により異なる。5ミリから5センチ程度の石だけで、彼らが満足する産卵床ができる事もある。」

湯河はいつものZIPPOを取り出し、煙草に火をつけ、煙をくゆらせた。

「しかし、場所により、それではダメな河川もある。彼らがそういう配置を嫌っているんだ。
天然の産卵場では、10センチ以上の石もあちこちに散らばっているんだ。どこでもそうと言うわけではないから、その川の流速、水深なども関係しているはずだ。また、産み落とした卵が、外敵や、友食いをする鮎に狙われないようにして、わざわざ、そういう場所を選んでいるのかもしれない。」


「いささか、早急ではあるが、先ほど、潜ってみた感想だ。私はこの川にはもう少し大きな石を入れてやれば、立派な産卵床ができると思う。」
彼は一気にそこまで、まくし立てた。若い頃から、彼は一方的に話を進めてしまう嫌いがあったが今でもそのようだ。
続く・・・
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最終更新日  2008年10月21日 13時18分01秒
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