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2012.02.05
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鬼の棲む街2




 叫んだルドゥアに、アルデバランがうなずいて答える。
 「そっちは、 『入日の港』 といって、やはり、朝霧港と同じくらいにぎやかな街があるそうだ。 リリファラの国には、港と名のつくものが無数にあるが、中でも、 『朝霧』 と 『入日』、この二つの港は世界中にその名を轟かせるほどの大きな貿易港で、この2つの港の名を知らない船乗りはもぐりだ、と、この地図を譲ってくれた船員が言っていた。 また、彼の話ではこの 『朝霧の街』 は、別名 『鬼の棲む街』 とも呼ばれているそうだ。 『鬼』というのは、つまりバルドーラ族のことで、リリファラで一番バルドーラ人口が多い都市ということで、そんな妙な名前がついたという。 が、この国では、バルドーラ族は完全にパピト族の支配下にあるから、『鬼』 は、いわば社会の底辺でこの国を支える労働力を、蔑んだ表現なのだろうな」

 「この国で一番バルドーラの数が多い・・・」
 ルドゥアはふと、かすかな不安を覚えて、アルデバランを見上げた。
 「・・・で、あなたはこれからどこへ行くの? やっぱり、一番にぎやかな、首都 『水の都』 へ?」

 表向きは新婚夫婦を装っていても、実は行きずりの旅人に過ぎない2人だ。
同じ目的地、朝霧港についた今、ここからまたそれぞれの旅に出ることになるのはわかっていたが、正直なところルドゥアはまだ、この見知らぬ街にたった一人取り残されることに、いくばくかの不安があった。
 いや、もっと正直にいえば、短い船旅の間ずっと 『すてきなだんなさま』 を演じてくれたアルデバランと、このまま別れてしまいたくない、そんな気持ちも強かったかもしれない。

 だがアルデバランは、そんなルドゥアの気持ちを、知ってか知らずか、依然として無表情のまま、何の感情も現れていない声で答えた。


 おまえは? とたずねられるのをほんの少し期待したルドゥアだったが、それは無駄なことだった。
 ルドゥアは、いつも自分に無関心なアルデバランを、ちょっとばかり恨めしく感じながら言った。
 「・・・それじゃあ、あたしもしばらくあなたのそばにいていいかしら? あたしもこんな大きくてきれいな港町で働いてみたいと思ったところなんだけど、もう少し街の様子がわかるまでは、一人になるのは不安なのよ」

 アルデバランは、ちょっと考えてからうなずいた。
 「いいだろう。 おまえがこの街で仕事を探し、部屋を借りて、俺もしばらくの間その部屋に居候させてもらえるなら、それは俺にとってもありがたいことだ」







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最終更新日  2012.02.05 19:11:53
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