突然ですが、ファンタジー小説、始めちゃいました

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2012.02.25
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鬼の棲む街2





 トゥレディオの酒場 <19> 




 無鉄砲な少年ヴィスバルに驚きあきれながらも、その気持ちは、今のルドゥアには痛いほどよく理解できて、思わず笑ってしまった。
 「まあ、驚いた! じゃ、あなたは、そのままこの街に居ついちゃったの?!」

 ヴィスバルの顔も、楽しい思い出を蘇らせたようにきらきら輝いている。
 「そういうこと。 坊さんがくれた小遣いも使い果たして、知らない街で行き倒れになりかけてた俺を、拾ってくれたのが、エメラねえさんだった。 エメラねえさん、まだ若くて、あのころ本当にきれいだったなあ。 ・・・いや、今もきれいだけどさ、あの時はまた特別だよね。 文無しで空腹で意識朦朧とした俺の目には、空から天使が舞い降りてきたように映ったよ。 あのころはこの店もまだ小さくて、屋台に毛の生えた程度だった。 それを、ここまで大きくしたのは、トゥレディオさんの努力というより、エメラねえさんの魅力だと俺は思うな。  『トゥレディオ』 をこんな一流の店にしたのも、俺をこんな花形のバーテンダーに育ててくれたのも、エメラねえさん。 だから俺、今でもエメラねえさんには頭が上がらないんだよね」

 さっきモモンが、ヴィスバルが決して口説けないのはおっかないエメラねえさんだけ、と言ったのを思い出して、思わず吹き出したルドゥアに、ヴィスバルが真顔で続けた。
 「俺はそれからずっとこの店で働いてて、ずいぶんいろいろな女の子を見てきたし、何度か恋もしたけど、でも、ルドゥア、君みたいな娘を見たのは初めてだ。 ・・・なんて言ったらいいんだろう、俺、さっき初めて君の顔を見たときに、ピンと来たのよ。 あ、この娘は他の女の子たちとは違う、俺とぴったり気持ちの通じ合う、何かを持ってる、って。 みんな俺を女たらしだと言うけど、俺、初対面の女の子にこれほど衝撃を感じたのは、10年前、初めてエメラねえさんを見たとき以来だよ。 ルドゥア、君も、俺を特別な存在だと感じたはずだけど?」

 熱っぽく潤んだ瞳でルドゥアを見つめながら、ヴィスバルの手がすばやくカウンターの上に伸び、ルドゥアの手をぱっとつかまえた。

 ――― 力強い、あたたかい手。

 びっくりして、反射的にその手から逃れようとしたとき、いつの間にあらわれたのかカウンターの中にもう1人、ヴィスバルと同じくらいの背丈で、同じバーテンダーの粋なユニホームをびしっと決めた 『雑種』 が近づいてきて、通りすがりざま、低い声でヴィスバルに耳打ちした。






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最終更新日  2012.02.25 18:24:36
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