「 蒼い子…。 」 前編（第１～３幕）
「 蒼い子…。 」第１幕 非難 ～Kritik～
雛苺 「ねぇ蒼星石。最近の蒼星石は変なのー。なんだか元気ないのー
蒼星石「べ、別になんでもないんだよ。ほら、僕っておとなしいから…、そう見えるのかなぁ？」
ジュン「案外、腹黒かったりしてな」
翠星石「何を言ってやがるです!! なんで蒼星石が腹黒いですかー!! そ、そんなこと絶対ねーです!!
蒼星石は私みたいに清純で気高いDollなんです。おまえらが勝手におもしろくしてやがるです。
姉として許せねーです。いいー加減にしやがれです！」
ジュン「ちょっと言っただけじゃないか…。ちぇっ、別に悪気があって言ったつもりじゃ…。」
雛苺 「雛はねー、最近、蒼星石が変だなぁーって言っただけなのー。」
蒼星石「・・・・・・・・翠星石、ありがとう。」
のり 「翠星石ちゃん、いいこねー。やっぱり双子の姉妹なのだわ。
お姉ちゃん、思わずもらい泣きよー！」
雛苺 「ヒナも！ヒナも！もらい泣きするのー！」
翠星石「まーこれでよくわかったかですぅ。ちび人間もちびちびもひざまずきやがれですぅ。
この主人公である翠星石サマに楯突くとは家来の分際でいい度胸ですぅ。」
ジュン「おい！ちょっと待て、いつから僕がお前の家来になったんだ!! それに主人公って僕だろ！」
真紅 「ちょっとお待ちなさい。私が主人公なのだと、何度言ったらわかるのかしら？
水銀燈の次は蒼星石!? あなたたちは本当に…（怒）。
それに、ちょっと雛苺 !! あなたがもらい泣きするのは全然おかしいことよ。
話が違うわ。まったく役立たずの下僕ばっかりだわ。」
ジュン「ああああ、僕、知ーらないっと…。」
翠星石「真紅が怒ったですぅ。蒼星石、ここはひとまず、ずらかりやがれですぅ。」
蒼星石「別に、僕は悪いことしてないのに…。」
第２幕 覚醒 ～Wecken～
蒼星石「翠星石、最近みんなが僕のことを悪い人形（Doll）だって言うんだ。
僕はこの庭師の鋏を持ってるからかなぁ。それとも女なのに男の子の格好してるから？
だとしたら悲しいな…。」
（ それに…、そう思うのも無理もないけど「お父さま」だって、こんな僕をこういう風に作ったんだ。
なにか意味のあることかもしれないし…。でも僕だって本当は…。 ）
翠星石「ちょ、ちょっと待つです、蒼星石。翠星石は今、忙しーです。
ちび人間に新しいいたずらを仕掛けてるです。話なら後で聞いてやるから待っとけです。」
蒼星石「なにかすごく楽しそうだね…。僕も手伝おうか…。」
（ いたずら…、そうか！わかったぞ。庭師の双子の本当の意味が！なぁんだ簡単だったんだね。
翠星石、僕たちは双子のドール…。
だから翠星石がこうだからって僕がおとなしくする必要なんて何も なかったんだ。
今までずーっといい子でいるのが当たり前だと思ってた。
翠星石もそうだとばかり思ってた。でも…、今の翠星石はすごく生き生きしてる。
ジュンくんと出会ってからすごく元気だ。僕ももっと素直になれたら…。
あれ？なんだか心が軽くなったような気がする。楽しくなってきたぞ。イヒヒヒ ）
翠星石「だめですぅ!! 何を言ってるです。それに蒼星石はそんなの似合わねーです。」
蒼星石「そーだね…。」
（ くっそう、ケチな姉め。そんな子供じみた事ばっかりやって人気とりのつもりかい？
そーやってファンを増やそうとするのが見え見えなんだよ。
似合わないだと？当たり前じゃないか。僕は第一そんなキャラじゃない。
こうもっと知的でクールな…、イヒヒヒヒ ）
雛苺 「今、なんか蒼星石の顔が変わったみたいなのー」
蒼星石「え、何言ってんだい雛苺（汗）!? 僕たちは邪魔みたいだからお茶でもしようか。」
（ まったく雛苺だけは油断ならないな。変に感が鋭いっていうか…。それなら…イヒヒヒヒヒ。）
雛苺 「わーい。お茶ぁ、お茶ぁ、お茶ぁ～♪」
第３幕 生贄 ～Opfer～
蒼星石「おーい雛苺、お茶が入ったよ。ほら、今日は僕も苺大福を持って来たんだ。」
（ …とここは普通に言ってみる。油断大敵だし。まずはこいつを手なずけて…。イヒヒヒ ）
雛苺 「わー、蒼星石ありがとなのー（嬉）。お礼に蒼星石の絵を描いてあげるのー。」
蒼星石「ありがとう雛苺。おや？ そのクレヨンは黒だね。
僕だったらこっちの青いクレヨンで書いても良かったと思うんだけど!? 」
（ なぜに黒!? もしかして何かを感じてる!? いや、そうじゃない。
雛苺が上手に絵を書けないだけでいつものことじゃないか。 ）
雛苺 「雛はねぇ、蒼星石はこっちの色のほうが絶対あってると思うのー。」
蒼星石「そーかなぁ？僕って黒が似合うんだ。なんかかっこいいね雛苺。
僕、なんだかこの絵、すごく気に入ったよ。ありがとう。」
（ …って、気に入るわけないだろ！
なにが「あってると思うのー」だ。何もわかってない子供のくせに。
これだと僕が腹黒いみたいじゃないか。まったく!! 絶対に最初のターゲットは君だからな。
ああしてこうして…。そうだ！ いいこと思いついちゃった。イヒヒヒヒ）
第４幕へ続く
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