私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2014年08月20日
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カテゴリ: 千の朝
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 ヨーロッパで流れる時間と同じ時間を生きるようになったことによって、いかなる運命が日本人を待っていたでしょうか。

 日本人は二つの時間を同時に生きざるをえなくなったのです。

 一方では大文字の「T」で書かれる西洋に流れる時間(Temps)。

 もう一方では小文字の「t」で善かれる日本に流れる時間(temps)。

 しかも、日本に流れる時間は、そのときを境いに、西洋に流れる時間との関係の中に存在するよりほかはなくなってしまった。

 日本に流れる時間は西洋に流れる時間と独立したものではありえなくなり、それでいて、同じものになることもなかったのです。

 日本人である私は、この新しい歴史的な状況に、どこか哀しいものを見出さざるをえません。



 それは、日本人が、この二つの時間を生きなくてはならなくなったことによって、近代という時代の根本にある、非対称的な関係の中へと足を踏み入れざるをえなくなったからです。

 普遍と特殊との非対称的な関係です。

「日本語が亡びるとき」 水村 美苗 筑摩書房





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最終更新日  2014年08月20日 06時40分18秒
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