私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2015年11月04日
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カテゴリ: 千の朝
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 日本の国内にも、尾崎秀實のような有力な地位にあつてこの目的のためにはたらいた人もいて、国家の最高方針をモスコ一に通じていた。

 「私はこの第二次世界大戦の過程を通じて世界共産主義革命が完全に成就しない迄も決定的な段階に達することを確信するものであります」。

 この人の戦争についての見透しはじつに正確だつたが、その口供書には眞におどろくべきことがのべられてある。

 「私の立場から言へば、日本なり獨逸なりが簡単に崩れ去つて英米の全勝に終るのでは甚だ好もしくないのであります。
 (大體両陣営の抗戦は長期化するであらうとの見透しでありますが)萬一かかる場合になつた時には英米の全勝に終らしめないためにも、日本は社會的體制の轉換を以てソ聯、支那と結び別の角度から英米に對抗する姿勢を採るべきであると考へました。
 此の意味に於て、日本は戦争の始めから、米英に抑壓せられつつある南方諸民族の解放をスローガンとして進むことは大いに意味があると考へたのでありまして、私は従来とても南方民族の解放を『東亜新秩序』創建の絶封要件であるといふことをしきりに主張して居りましたのはかかる含みを籠めてのことであります。
 この點は日本の国粋的南進主義者の主張とも殆んど矛盾することなく主張される點であります」 

 この「含み」は、まさに的を射たのだつた。



 「一、 日支事變が東亜民族をして、英米佛等の民族的搾取から解放せんことを重要目的として居た戦争に進歩的意義を發見し、
  二、 叉前述の如き高度の體制を採ることは同時に次期の共産主義社會機構の基礎的體制を整備するものであつて社會發展の歴史的方向に向つて居ること
  三、 戦時體制の強行は生産力の發展を阻害しっつあつた半封建的生産関係を除去する過程を履まざるを得ないこと 等の進歩的性格に魅力を持つて居りました」

「昭和の精神史」 竹山道雄 新潮叢書





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最終更新日  2015年11月04日 07時11分04秒
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