私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2016年03月03日
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カテゴリ: 千の朝
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 いわば被分析者の「本籍」を、
 彼の「内部」から、
 分析者と被分析者が両者の中間にある中空に
 共作しながら構築している
 「物語」の内部へと移す、
 「戸籍の移転」に類する作業なのです。

 症状は、
 患者の内部にわだかまる「何か」が

 一つの「作品」です。

 同じように、
 被分析者が語る「抑圧された記憶」もまた、
 一つの「作品」です。

 ですから、
 この「戸籍の移転」は
 「あるつくりもの」を「別のつくりもの」に
 置き換えることに過ぎません。

 しかし、それでも、ある病的症状が
 より軽微な別の症状に
 「すり替え」られたとしたら、

 「治療の成功」と言ってよいのです。

 それが
 「無意識的なものの代わりに
 意識的なものを立てること、
 すなわち無意識的なものを

 フロイトの技法なのです。

 「無意識的なものを
 意識に移すことによって抑圧を解除し、
 症候形成のための諸条件を除去し、
 病因となっている葛藤を、
 何らかのかたちで解決されているはずの
 正常な葛藤に変えるのです。」
 (『精神分析入門』)

 フロイトは
 それこそ精神分析の仕事であると
 言い切っています。

 その本質的なみぶりである
 「別のものを立てる」
 「翻訳する」
 「転移する」
 「取り替える」は
 すべてドイツ語ではübertragenという
 一つの動詞で言い表すことができます。

 精神分析の仕事とは、
 ですからひとことで言えば
 「ユーバートラーゲンすること」なのです。

「寝ながら学べる構造主義」 内田樹 文春新書





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最終更新日  2016年03月04日 05時18分42秒
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