私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2016年03月24日
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カテゴリ: 千の朝
f873


 主体の深遠なる問いかけに応答するためには、
 主体が、そのメッセージをまさに
 自分だけのために向けられた返答として
 聴き取ることが必要なのだ。」
 (「精神分析における語りと言語の機能と領野」)

 ここでいう「主体」とは「分析主体」
 すなわち被分析者のことです。
 (「患者」と呼ばずに「分析主体」と呼ぶのは


 分析家と被分析者のあいだの
 即興的で一回的なことばのやりとり、
 それは音楽の比喩を続けるなら、
 むしろジャズのインプロゲィゼーションに
 近いのかも知れません。

 一人のプレイヤーがあるフレーズを送る。

 それを受けたプレイヤーがそのフレーズを反復し、
 解釈し、変奏し、厚みを加え、
 新しい可能性を切り開いて、
 また元のプレイヤーに投げ返す。

 それが繰り返されるのです。


 譜面に一つの旋律が記譜されるように、
 一つの「物語」が記されてゆきます。

 分析家と被分析者のやりとりは、
 (一つ一つの音符の集積が
 やがて主題をもった旋律をなしてゆくように)、


 その物語がめざしているのは、
 楽曲がどのような意味でも
 「現実の再現」ではないのと同じように、
 現実の再現でも想起でも真実の開示でもありません。

 それは一つの象徴化作用にほかなりませんし、
 極言すれば、一つの「創造行為」なのです。

「寝ながら学べる構造主義」 内田樹 文春新書





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最終更新日  2016年03月31日 08時50分57秒
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