私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年04月28日
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カテゴリ: 千の朝


 「日本圏」の成立と日本の首都東京の肥大化
 との関係を見忘れてはならない。

 一九八七年十二月に出た四全総
 (第四次全国総合開発計画)の中間報告は、
 東京を世界都市として捉え、
 そのための都市機能と環境整備とをつよく求めた点で、
 いわば画期的な問題提起をしてみせた。

 「東京は、環太平洋地域の拠点という地理的位置からも、

 国際金融、情報機能の巨大な集積が予想され、
 世界的な交流の場としての役割が増大する。
 このような役割にふさわしい業務、
 居住環境を整備することは、
 二十一世紀に向けての国土政策上の重要な課題である」。

 中間報告のなかにあったこの文章は、
 東京が「日本圏」の基軸としてもつ
 存在感と比重とを実に正しく捉えていたといえる。

 私は、四全総の最終案よりは、
 この中間報告の素直さに好もしいものを感じている。

 一九七〇年代後半以降、


 全国に分布した重厚長大型産業の行き詰りもあったが、
 石油危機に端を発する経済活動をめぐる
 情報化の深まりによって、
 東京の中枢的意義がいっきょに重視されることになり、
 本社機能の集中をみることになった。


 国際金融の比重の高まりと不可逆的な円高傾向とは、
 これまた相乗しあって、
 アジア-太平洋地域における
 東京の比重を圧倒的に高めることになった。

 国際化の時代にたいする対応力を、
 東京ほど備えているところは、
 ニューヨーク、ロンドンなど一部の例外はべつとして、
 世界でもあまり類例をみないのである。

 学術、文化あるいはマスコミも、
 急速に東京集中をみることになった。

 日本は、
 東京が国際的水準での創造性を備えるにいたったいま、
 アジア・太平洋地域の文化活動の
 中心舞台になってしまっている。

 東京は、
 日本人およびアジア地域の生活様式の形成にまで
 決定的な力をふるうようになっている。

 ファッションの流行や風俗を生み出す力は、
 これまた東京の排他的独占物である。

 東京は、
 日本圏全域にたいして、
 いわば文化的動員能力をもっているとさえいえる。

 日本の地方およびアジアの国ぐにからみたとき、
 東京は、市民社会的な空間として、
 限りない魅力をもってみえる。

 自由、創意、人間性など、
 市民社会的価値が充満している都市
 というイメージが定着している。

 そのイメージ効果も抜群であって、
 多くの人びとを引きつける魅力となっている。

 要するに、
 東京は日本の首都というより、
 「日本圏」の首都なのである。

「フローの文明・ストックの文明」 矢野暢 PHP





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最終更新日  2017年05月16日 09時44分56秒
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