私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年06月22日
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カテゴリ: 千の朝



 それに備えてテニーの戦車部隊が
 フィリピンに送られる辺りから物語は始まる。

 彼がクラーク空軍基地の隣の陸軍駐屯地に入ったのが
 十一月二十日。

 真珠湾の二週間前だった。

 日本は米国の掌の上にあったことがよく分かる。

 そして予定通りに開戦。

 ただクラーク基地が初日で全滅してしまったのは


 彼はただうろたえ、リンガエン湾に日本軍が上陸すると
 バターン半島への撤退を決める。

 テニーの戦車隊も半島を目指すが、
 途中、人影があれば撃ち殺し、
 村があれば機銃掃射して皆殺しにして行った。

 「フィリピン人と日本人の区別がつかなかった」
 とテニーは
 フィリピン人の子供まで皆殺しにしていった理由を
 記述している。

 米国は四十年前、ここを植民地にしたとき
 「二十万人を殺した」と上院公聴会の記録にある。



 バターンに寵って間もなく糧食が尽きる。

 先の戦争で米軍が飢餓に苦しんだのはここだけだ。

 そして降伏。

 テニーは軍保有のドル札の処分を命ぜられ、
 木の洞(うろ)に隠す。


 トラックはみなぶっ壊した。

 壊さなかった部隊は死の行進を歩むことなく
 それで収容所まで行っている。

 著作はこの辺までは真実の迫力があるが、
 そこから先が荒唐無稽になる。

 死の行進は全長百二十キロで、
 その半分は鉄道で運ばれ、残りを三日で歩いた。

 一日平均二十キロの行進がその正体だ。

 どこが「死」か分からないから
 「馬上の将校が刀を抜いて
 行進する捕虜の首を刻ねてまわった」と。

 そんな話は聞いたこともない。

 収容所ものんびり風でこれでは困るから
 拷問されたことにする。

 まず
 「足の方を高くした板に縛りつけられ
 塩水を飲まされた」。

 米軍が得意とする魔女狩り審問の水責めだが、
 日本人はそんな拷問法もやり方も知らない。

 次が「竹の紐(ヒモ)で両の親指を縛って
 ぶら下げられる」。

 ゲーリー・クーパーの「海の魂」に
 ロープで親指を縛って吊るす場面があった。

 次も「竹の紐で皐丸を縛る。

 天日で縮み死の苦しみだ」と。

 それも昔観た西部劇に
 「天日で縮む生皮で縛る」拷問というのがあった。

 次も竹で、指の爪の下に挿し、それに火をつける。

 これもクーパーの「ボー・ジユスト」だかにあった。

 日本人を残忍に描こうにもその事実がない。

 で、ハリウッド映画の拷問シーンを特集してみました
 みたいな内容だが、
 これが出版されると日本嫌いのクリントンが絶賛し、
 テニーに直筆の手紙を認(したた)めてもいる。

「サンデルよ「正義」を教えよう」 高山正之 新潮社





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最終更新日  2017年06月22日 07時15分32秒
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