私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2017年12月27日
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カテゴリ: 千の朝


 何よりも、それが、異なった言葉を話す
 二重言語者たちのあいだでの
 交流を可能にする〈書き言葉〉だったことにある。

 「聖なる言語」が「秘儀的」だということは、
 「聖なる言語」で書かれたものは、
 大多数にとっては、
 閉ざされた「蓋つきの大箱」にしまいこまれたもの、
 インターネット時代の言葉でいえば、


 だからこそ、「聖なる言語」は、
 その「秘儀的性格」ゆえに、
 少数によって悪用されるものとなる。

 「聖なる言語」を読むことができる少数は、
 「神を頂点とする宇宙の秩序のなかで、
 戦略的な階層を構成」する。

 かれらは、読み書きを
 「秘儀的」なものにとどめることによって、
 自分の権力を守ろうとする。

 事実一千年にわたって、ラテン語の聖書は
 ほかの言葉に翻訳するのを禁じられていた。


 宗教革命が広がるのを見たローマの法王庁は、
 「ラテン語の砦を守ろう」とし
 『禁書目録』を作ったりもする。

 「聖なる言語」は、圧制者が多数を
 無知のなかに閉じこめるための言葉だと


「日本語が亡びるとき」 水村 美苗 筑摩書房





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最終更新日  2021年10月02日 08時16分01秒
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