私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2019年08月28日
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カテゴリ: 千の朝


 まずたくさんの観察や実験をもとにして帰納法で推理を行い、
 それからこの推理から演繹される結論を検証する、
 というやり方で成り立っているとしばしばいわれている。

 しかし、
 この決まりきった類型的な推論のしかたに従う
 研究の例もあるにはあるが、
 私は他の分野にまで影響をおよぼしたほど重要な学説のほとんどは、
 このようなやり方では得られていなかったと思う。


 カや運動量や加速度の概念をけっして帰納法で推論したわけでないし、
 アインシュタインも彼の二つの相対性理論を
 ちゃんとそろったいくつかの観察例を一般化して得たわけでない。

 さらに、ダーウィンは彼の進化論を帰納法で得たわけでないし、
 メンデルの遺伝法則そのものは、
 観察例の一般化によって得られてはいるが、
 これらの遺伝法則を説明するため
 メンデルがいいだした説(遺伝子の概念)は
 彼の観察や法則から帰納されたものでも、
 演繹されたものでもなく、
 逆にその法則がその説から演繹されるように、


 これらの例から、科学の論理は、
 それまでの伝統的な論理によって示唆されている規範を、
 はるかに超越していると結論できるかもしれない。

 いま述べたすぺての学説は、
 その提唱者たちによって創造されたものである。


 この意味で使うのが好ましくないなら、
 それらの学説は「逆に演繹された」(retroduced)ものであり、
 「逆に演繹する」ことが科学者によって使われる
 もっとも実り多い論理方法であるということができる

「脳と心」 ローゼンブリュート みすず書房





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最終更新日  2019年08月28日 05時10分07秒
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