私の人生論 (思考が運命になる)

私の人生論 (思考が運命になる)

2019年10月29日
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カテゴリ: 千の朝



  従ってそれは不羈奔放なものであり、
 可変的なもの、動的なもの、無責任なものである。

 今日一人の人間が一人の異性を愛したとしても、
 それは只それ丈けのものである。

 それは明日に対して義務を生じたり
 保証を与えたりするものではない。

 所で此の箸にも棒にもかからない男女間の愛情、
 即恋愛、

 とする考えは一体どう言うことであろうか。

 其処には
 原子力の平和利用と同じような困難がありそうである。

 結婚は一つの社会制度である。

 責任ある恒久的な関係である。

 ダイナミックな恋愛が
 その中に自らの墓場を見出すのは一応当然である。

 結婚制度、財産組織、身分関係、
 等の社会秩序が厳存する限り、
 筍くもこれに違反する行為は、
 善悪正邪の別なく、排斥せられる。



 それにも拘らず、
 特定の相手と一緒になろうとしてこの掟を犯し、
 時には、
 生命の危険をも敢てする有名無名の男女の数は
 尽きることを知らない。


 全く正気の行為とは受取れない。

 元来が種属保存の本能から出発していながら、
 時に心中沙汰などに終るに至っては、
 目的錯誤も甚しいと言わなければならない。

 而もこれは人間に丈けある現象であって見れば、
 何か人間の本質に関連を持つもののようである。

「読史余話」 加福 龍朗 潮流社





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最終更新日  2019年12月06日 07時52分12秒
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