音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2009年09月14日
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テーマ: Jazz(2003)
カテゴリ: ジャズ




 サド・ジョーンズは1928年生まれのトランペット奏者(1986年に死去)。ピアニストのハンク・ジョーンズ、ドラマーのエルヴィン・ジョーンズの兄弟である。戦時中から米軍バンドで活躍した経歴を持ち、カウント・ベイシー・バンドの一員としても知られる(晩年は、ベイシー亡き後の同バンドのリーダーも務めた)。

 アルバム・タイトルの"マグニフィセント"とは、ラテン語由来で、「壮大な、崇高な、素晴らしい」といった意味合いをである。本作『ザ・マグニフィセント・サド・ジョーンズ』は1956年にブルーノートに吹き込まれたもので、ジャケットの写真から、"鳩のサド・ジョーンズ"とも呼ばれているらしい(サド・ジョーンズの全身像が中央に写り、足元にハトが戯れている光景がジャケット写真となっている)。5分を超える長尺5曲からなるアルバムで、現在ではボーナス・トラック2曲が追加されている。

 サド・ジョーンズのトランペットの音は、すんなりと心地よく、自然に耳に入ってくるのが特徴だと感じる。1.「パリの4月」はその典型である。短いイントロの後、テーマ部からソロへの流れが非常にスムーズで、気がついたらトランペットの音に引き込まれていってしまっている。本盤の「パリの4月」(もとはカウント・ベイシー・バンドで有名になった曲で、同バンドでもサドが演奏をしていた)は評価が高く、ついこの曲に興味が集まりがちだ。けれども、4.「イフ・サムワン・ハッド・トールド・ミー」と5.「シーディア」も同じような意味で気がついたらひき込まれているタイプの名演奏だと感じる。

 本作の特徴は、比較的長い演奏時間の中でサドが、わりに自由に、彼が思ったように演奏しているという点であろう。その演奏は、冗長になるのではなく、短い時間で簡潔には表現しがたい自由さが存分に生かされている。それゆえ、聴き手の耳にすんなり自然に音が入ってきて、ついつい彼の演奏に引き込まれてしまうのだろう。それでいて、1枚通して聴き終えた後に満腹になるのではなく、音楽が終わった後の空間にどこかしら寂しげな空気が漂っていることもまた、本盤の魅力だと思う。



[収録曲]

1. April In Paris
2. Billie-Doo
3. If I Love Again

5. Thedia
~以下、ボーナス・トラック~
6. I've Got A Crush On You
7. Something To Remember You By


[パーソネル、録音]

Thad Jones (tp), Billy Mitchell (ts), Barry Harris (p), Percy Heath (b), Max Roach (ds), Kenny Burrell (g, 7のみ)

録音:1956年7月14日(ただし、7.のみ同年7月9日)
Blue Note 1527





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Last updated  2012年06月21日 06時20分23秒
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