音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2010年03月06日
XML

疾走感抜群の秀逸ヴォーカルが存分に発揮された代表曲


 サミー・ヘイガー(Sammy Hagar)、本名サミュエル・ロイ・ヘイガー(Samuel Roy Hagar)は、米国のロック・ミュージシャン。1947年カリフォルニア生まれとされる(生年については1949年説もあるらしい)。デビューは、1970年代前半、モントローズというバンドのヴォーカリストとしてであった。その後、1976年からはソロでの活動を開始し、10枚ほどのアルバムを発表した。1985年、ヴォーカリストのデヴィッド・リー・ロスが脱退した後のヴァン・ヘイレンに加入し、96年までヴァン・ヘイレンのヴォーカリストとして活動した(なお、ヴァン・ヘイレンへは後に一時期復帰を果たしている)。ヴァン・ヘイレンを抜けた後は、ふたたびソロに戻って活動を続けたが、1999年からはサミー・ヘイガー・アンド・ザ・ワボリタスという名義でアルバム制作をしている。

 日本ではヴァン・ヘイレンのヴォーカルとしてのヘイガーは比較的知られているが、ソロの活動については、残念ながらあまり評価されていない。そこで、これぞヘイガー、という1曲をまずは取り上げておきたい。典型的なナンバーを1曲ということになると、筆者としては、断然、この「ワン・ウェイ・トゥ・ロック(原題:There’s Only One Way To Rock)」を挙げておくのがいいと思う。ソロとしてのヒット曲(1981年発表)であると同時に、ヴァン・ヘイレン在籍時にもレパートリーにしていた曲で、ヴァン・ヘイレンのライブ盤にも収録されている。

 サミー・ヘイガーという人は、ストレートなアメリカン・ロック/ハードロックを歌わせたらピカ一である。声がカッコいいハードロック系ヴォーカリスト・ランキングを作るならば、間違いなく上位に入るだろう。ちなみに、筆者がそのようなランキングを選ぶなら、ジョー・リン・ターナーとの1位争いで大いに悩むかもしれない。ともあれ、ヘイガーは、速いリズムのナンバーからよりスローな楽曲までしっかりと聴かせることができ、とりわけ高音部は伸びのある魅力的ロック・ヴォーカルを披露する。

 加えて、この曲のテーマが何ともシンプルで直球である。原題(There’s Only One Way To Rock)を直訳すれば、「ロックする方法は一つしかない」(もしくは「ロックへの道は一つしかない」)である。曲全体に疾走感があり、ギターのリフがかっこいい。実際に歌われている歌詞の内容も、“人を愛する方法はたくさんあるけれど、ロックする方法は一つだけ”という、恥ずかしくなってしまいそうなぐらいのわかりやすさなのである。

 実際には、ロックする方法はきっとたくさんある。黎明期のロックンロールのやり方と、90年代のグランジは、聴き手からすれば、その差は実に大きいに違いない。もっと具体的にアーティスト名で例を挙げれば、70年頃のキンクスのマニア的コンセプト・アルバムと、80年代半ばのB・スプリングスティーンの「USAで生まれた(ボーン・イン・ザ・USA)!」という雄叫びとは、同じように“ロック”と称される音楽にしては、かなり別物である。それゆえ、リスナーや評論家たちはバンドやアーティスト(もしくはその作品)をいろいろとジャンル分けし、細分化された名称を与えていく。しかし、サミー・ヘイガーのこの曲を前にすると、そんな細かな話は全部吹き飛ばされて、評論家の言うことなど実はどうでもいいのかもと妙に納得させられてしまう。「ワン・ウェイ・トゥ・ロック」は、それだけの勢いをもった曲であり、ギターであり、何よりも魅力あふれるヴォーカルの疾走感がそう思わせてくれる。


[収録アルバム]

Sammy Hagar / Standing Hampton (1981年)
Sammy Hagar / Unboxed (1994年、ベスト盤)





Sammy Hagar サミーヘイガー / Standing Hampton 輸入盤 【CD】





↓ 下記ランキング(3サイト)に参加しています。 ↓
↓ お時間の許す方、お気に召していただいた方は、“ぽちっと”クリックで応援をお願いします! ↓


にほんブログ村 音楽ブログ ロックへ 人気ブログランキングへ banner01.gif










お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2016年02月04日 21時58分22秒
コメント(7) | コメントを書く


■コメント

お名前
タイトル
メッセージ
画像認証
上の画像で表示されている数字を入力して下さい。


利用規約 に同意してコメントを
※コメントに関するよくある質問は、 こちら をご確認ください。


Re:サミー・ヘイガー 「ワン・ウェイ・トゥ・ロック(There’s Only One Way To Rock)」(03/06)  
LOYD  さん
トントン、ガチャ。
初めまして、紫 loyd 仁 (yukari jinn)です。
ROYAL PURPLE blog に来訪ありがとうございます!
またのお越しをお待ちしております。
では、失礼を。m(_ _)m パタン。 (2010年03月07日 10時58分22秒)

Re[1]:サミー・ヘイガー 「ワン・ウェイ・トゥ・ロック(There’s Only One Way To Rock)」(03/06)  
andale  さん
LOYDさん

コメント欄への書き込み、ありがとうございました。

次回ご訪問の際には掲示板もございますので、ぜひご活用ください。

話は変わりますが、ヘイガー加入時のヴァン・ヘイレンも好きです。そのうち、『5150』あたりのことでも書ければと思っています。


(2010年03月08日 07時26分42秒)

コメント失礼します☆  
masashi25  さん
ブログ覗かせてもらいましたm(__)m
もし差し支えなければ見に来て下さい♪
http://ameblo.jp/sapurimania/
マメ知識とかも書いてます!
http://sapuri.shop-pro.jp/
ちなみに愛用してるお店です☆
いつの間にか常連になってました(笑) (2010年03月08日 15時21分54秒)

Two Side Of Loveも好きなんですが  
地味JAM尊 さん
この前、Survivorの二代目Vo.が歌う「I Of The Tiger」の入ったコンピ盤を手に入れたところ、「I Can't Drive 65」という新録が入ってました・・・まあ10年以上前のアルバムでしたが、こちらも格好良かったですよ。Sammyはモントローズ時代から全部追っかけましたが、フットルースのサントラに入ってる曲が何気にいいのでお勧めです。また「ヘイガーUSA」がいつ取り上げられるのか、ずっと待っています。1stの「Give To Live」とか思い入れ深いんで・・・お願いします! (2016年11月15日 23時55分08秒)

Re:Two Side Of Loveも好きなんですが(03/06)  
andale  さん
地味JAM尊さん
『ヘイガーUSA』、いいアルバムですよね(そのうちちゃんと取り上げますね)。後は80年代前半あたりのアルバム(『スタンディング・ハンプトン』~『VOA』あたり)もよく聴きました。
ちなみにサバイバーの曲は“Eye of the Tiger”ですね(過去記事は http://plaza.rakuten.co.jp/blogmusica/diary/201001080000/ )。 (2016年11月16日 07時23分14秒)

綴りの訂正有難うございます(人''▽`)  
地味JAM尊 さん
サミー・ヘイレンになってからのブート盤を何枚か持ってるんですが、必ず「One Way To Rock」入ってます。知らない人はヴァン・ヘイレンの過去曲と思うかもしれませんね。
(2016年11月17日 02時10分04秒)

Re:綴りの訂正有難うございます(人''▽`)(03/06)  
andale  さん
地味JAM尊さん
さらなるコメントありがとうございます。
確かにこの辺の“持ち歌”は混乱気味ですよね。どこまでがソロでどこまでがヴァン・ヘイレンなのか。
(2016年11月18日 07時02分48秒)

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! -- / --
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x
X

© Rakuten Group, Inc.
Mobilize your Site
スマートフォン版を閲覧 | PC版を閲覧
Share by: