音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

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2011年11月16日
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テーマ: 洋楽(3408)




 リンダ・ロンシュタットは、以前 『夢見る頃を過ぎても』 のアルバム紹介でも書いたように、“歌で勝負する人”である。つまりは、曲がオリジナルで云々というのではなく、他人の曲を主に歌いつつ、ヴォーカル(曲の解釈・表現)でその座を得て維持してきた。

 そんな彼女だからこそ、と言うべきだろうか。米国人ではあるが、父方の先祖にメキシコ人の血を引くということからラテン系の歌(スペイン語曲)にもチャレンジしてきた。まとまったアルバムとしては、『カンシオネス・デ・ミ・パドレ(ソングズ・オブ・マイ・ファーザー)』(1987年)、その続編的な『マス・カンシオネス』(1990年)、さらには『フレネシー』(1993年)という全編スペイン語のアルバムを残している。ここで取り上げるのは、これらに含まれている曲とは別で、『ウィンター・ライト』というアルバムにひっそりと、なぜか1曲だけ収録されたスペイン語ナンバーである。

 ラテン系の曲を楽しく(あるいは明るく)、情感たっぷりにやっているのも、それはそれで好きなのだけれど、この「アドンデ・ボイ」のリンダ・ロンシュタットの歌は、哀愁たっぷり、センチメンタリズム全開の熱唱なのである。どんなアレンジでも、どんな曲調でも見事に歌い上げてしまうのが、シンガーとしての彼女の魅力なわけだけれども、この「アドンデ・ボイ」はリンダのキャリアの中でも、1、2を争う名唱ではないかと、ひそかに思っている。

 ちなみにスペイン語の表題「Ad?nde voy(A d?nde voyと綴ることもある)」とは、“私はどこへ行くのか”という意味。原曲はティッシュ・イノホサ(Tish Hinojosa)という、メキシコ系アメリカ人のフォークシンガーの曲とのこと。ちなみに、イノホサはリンダよりも年下で、80年代末頃から活躍を始めた。後進の曲をカヴァーし、見事な熱唱に仕上げてしまうあたりも、リンダ・ロンシュタットの本領発揮といったところだろうか。



[収録アルバム]

Linda Ronstadt / Winter Light (1993年)





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Last updated  2011年11月16日 07時16分14秒
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