音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2017年08月06日
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テーマ: 洋楽(3408)
“サーフィン・サウンド”を代表するアルバムの真価


 いやはや、とにかく暑い…。そんなわけで、今回は夏、そして海、といった典型的イメージに合致する一枚を取り上げてみたいと思う。べたと言われそうではあるが、ザ・ビーチ・ボーイズ(The Beach Boys)の『サーフィンU.S.A.(Surfin' U.S.A.)』である。

 ザ・ビーチ・ボーイズは、1961年にカリフォルニアで結成されたロック・グループで、本盤は彼らの第2作に当たる。裏ジャケに廃されたメンバーの写真は、上段にブライアン・ウィルソン(ヴォーカル、ベース、キーボード等)、その下には左から順にカール・ウィルソン(ギター)、デニス・ウィルソン(ドラム)、デヴィッド・マークス(ギター)、マイク・ラヴ(ヴォーカル、サックス)となっている。ブライアン、カール、デニスの3兄弟を中心としたメンバーだが、カールとデニスは既に鬼籍に入っている(デニスが1983年、カールが1998年に死去)。長いキャリアの中ではメンバーの入れ替わりや分裂騒動があるが、一応、現在までグループとしては存続している。

 さて、デビュー間もない本盤の頃の彼らに話を戻そう。メンバーは全員1940年代(1941~48年)生まれ。なので、1963年リリースのこのアルバムの時点では、全員が10代後半~20歳過ぎのまさしく“ボーイズ(少年たち)”である。本盤表題曲の「サーフィンU.S.A.」は全米チャートで3位のヒットとなり、本作自体もアルバムチャートの2位と大きな人気を呼び、彼らの出世作となった。

 12曲と収録曲数は多いものの、いずれも2分前後(時間的にいちばん長いのが表題曲の2分半)なので、アルバムのトータル収録時間としては、わずか24分ほど。とはいえ、これらの曲を通して聴くにつけ、彼らの“前”と“後”、それぞれの流れがよくわかる。

 “前”というのは、ビーチ・ボーイズというグループが生まれてきたバックグラウンドである。いわゆる“サーフィン・サウンド”とか、“サーフ・ギター”とか言われるもので、メンバーのうちデニスの趣味が反映されたものだったらしい(逆に、曲作りに関わっていたブライアンにその趣味はないとのこと)。当時の南カリフォルニアの地元スター、ディック・デイルが“サーフィン・サウンド”というのを売り文句に使った最初の人物だったという。実際、11.「レッツ・ゴー・トリッピン」はそのデイルの曲で、これを含めてサーフィン系インスト曲が5曲収められている。

 さて、一方で“後”というのは、二種類に分けられるように思う。一つは、『ペットサウンズ』へとつながっていく、当時の音楽界全般の流れとの関係。ブライアン・ウィルソンがこの側面の主役であるが、彼が手掛けた曲の中に明確にこれというものはないが、部分部分にその片鱗があるということは言えそうな気がする。他方で、コーラス・ワークも“後”への流れという風に考えてよいだろう。場合によっては当時のビーチ・ボーイズを、後々のウェスト・コースト・ロックの源流の一つに見なすような見解もある。ビーチ・ボーイズというと、1.「サーフィン~」のイメージがあまりに強いという人もいるだろうけれど、単なる一過性ヒットであるだけでなく、ロック音楽史的にちょっと振り返ってみると、違った聴き方もできるのかなと思ってみたりする。


[収録曲]
1. Surfin' U.S.A.

3. Misirlou
4. Stoked
5. Lonely Sea
6. Shut Down
7. Noble Surfer
8. Honky Tonk
9. Lana
10. Surf Jam
11. Let's Go Trippin'
12. Finders Keepers

1963年リリース。





サーフィン・U.S.A.+1/ザ・ビーチ・ボーイズ[SHM-CD]【返品種別A】




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Last updated  2017年08月06日 21時01分40秒
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