音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

音楽日記 ~ロックやジャズの名盤・名曲の紹介とその他の独り言~

2018年11月05日
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テーマ: 洋楽(3405)
らしからぬ、けれども意外に好盤


 レオン・ラッセル(Leon Russell,2016年に74歳で死去)は、通好みのスワンプ・ロックを得意とする一方、世間一般にはソングライターとしての存在感が認知されている。そんなせいか、 「ア・ソング・フォー・ユー」 (あるいは 「マスカレード」 )の作者、という“名曲の作者”のイメージに対して、彼の本領がそこではないところにあるという点が強調されるという現象も見られる。スワンプ・ロックの名手であることは否定しないけれども、実際のところ、優れたソングライターであることももっと強調されていいんじゃないか。このアルバム『アメリカーナ(Americana)』を聴くと、そんな風に思ってみたりもする。

 “かつての泥臭さが見られない”、“若気の至りで作ったAORアルバム”などと冷たくあしらわれてしまうこともある本作だが、意外にも、曲作りの才能が見事に発揮されていると言っていいほどよくできた曲が並ぶ好盤と言えるようにもに思う。有名バラード曲の4.「男が女を愛する時」を除き、すべての曲がオリジナル(そのほとんどは共作)である。サウンド面で目立つのはホーン・セクションの使用である。けれども、“AOR盤”という評が与え得るイメージは、半分当たっていてもう半分は誤解を生むかもしれないとも思う。敢えて言うなら“粘り気のあるAOR”ぐらいの言い方なら誤解は少なくなるだろうか。

 個人的な好みをいくつか挙げると、まずは、3.「フロム・メイン・トゥ・メキシコ」や7.「ハウスワイフ」。当時の状況からしてイメージを一新して一発当てたい気持ちは確かにあったのかもしれない。けれども、オシャレに決めようとしてもどこかしら“らしさ”を漂わせてしまう点が何とも彼らしい。とはいえ、都会っぽく決まっている楽曲もある。そのアレンジというよりも、筆者的には結局は楽曲の質に耳が寄って行ってしまう。2.「エルヴィスとマリリン」、5.「イッツ・オンリー・ミー」、10.「ジーザス・オン・マイ・サイド」なんかは、結局のところ、ソングライティングの能力の高さが際立っている。

 そんなわけで、ファンの間では否定的な評もあり、おそらくは本人的にもあまり前面に出したくないアルバムだったのかもしれないが、一人の聴き手としては、意外と楽しめる好盤と言ってもいいのではないかと思っていたりする。


[収録曲]

1. Let's Get Started

3. From Maine to Mexico
4. When a Man Loves a Woman
5. It's Only Me
6. Midnight Lover
7. Housewife
8. Ladies of The Night
9. Shadow and Me
10. Jesus on My Side

1978年リリース。





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アメリカーナ [ レオン・ラッセル ]






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Last updated  2018年11月05日 07時15分50秒
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