そんな彼にとって1980年代後半の唯一のスタジオ作が1987年リリースの『イントゥ・ザ・ファイヤー(Into The Fire)』だった。前作の『レックレス』(全米1位)、次作の『ウェイキング~』(全英1位)と比べると、やや控えめ(全米7位、全英10位)であったものの、ヒット作に挟まれてやや印象が薄くなってしまっているアルバムと言えるかもしれない。けれども、その内容は忘れるのがもったいないというのが個人的な感想だったりする。「ヘヴン」をヒットさせた彼が、やがて「アイ・ドゥ・イット・フォー・ユー」をヒットさせることになる前の、着実な成長と成熟の過程が感じられる好盤である。
2. Into the Fire 3. Victim of Love 4. Another Day 5. Native Son 6. Only the Strong Survive 7. Rebel 8. Remembrance Day 9. Hearts on Fire 10. Home Again