筆者的に本盤のベストは、ヒット曲の3.「グローリー・オブ・ラヴ」。上記のようなシカゴのイメージから抜け出せないリスナーの意見ということになるかもしれないのだけれど、実に彼らしいナンバーであり歌唱でもあると思う。この曲は、映画『ベスト・キッド2(THE KARATE KID PART II)』の主題歌にもなった。
他の注目曲としては、まずは1.「ビッグ・ミステイク」が挙げられる。シカゴ時代との差異を出そうという意図が感じられるナンバーだけれど、この高音はなかなか真似できなさそう、などと素人的なことも考えてしまう。それから、外せないのは、エイミー・グラントとのデュエット曲で、全米1位に輝いた6.「ネクスト・タイム・アイ・フォール(Next Time I Fall)」。ある種、わざとらしいバラード曲ではあるけれども、ピーター・セテラ、エイミー・グラントのどちらのヴォーカルも絶品のデュエットである。さらにもう1曲挙げるとすれば、アルバム表題曲の8.「ソリテュード~ソリティア」だろうか。これもまたシカゴでのピーター・セテラとは違ったテイストを意図的に狙ったものと思われ、80年代らしい曲と呼んでしまえばそれまでなのかもしれないけれど、筆者的としては、その変化球な感じを評価したい。
3. Glory of Love 4. Queen of the Masquerade Ball 5. Daddy's Girl 6.The Next Time I Fall(w/Amy Grant) 7. Wake Up to Love 8. Solitude/Solitaire 9. Only Love Knows Why